耐災害

  • 地震の現状

近年では東日本大震災、熊本地震などが発生し今後は巨大な南海トラフ地震が予想されています。ブロック塀は宮城県沖地震で大量のブロック塀が倒れ、法規制が強化されてきましたが2018年の大阪地震でも倒壊事故がおこりその耐震性能の低さを露呈しました。

大分県が大規模に調査した結果ブロック塀の殆どが法令に適合しておらず、大地震時には全てのブロック塀が倒れるという想定となっています。

首都直下地震について

将来予想される首都直下地震では内閣府や東京都における防災会議において、次のようなブロック塀による被害が予想されています。

法令強化

1978年の宮城県沖地震によりブロック塀による多くの死傷者が発生したことからブロック塀の法令が1981年6月1日に改正され最大高さが3mから2.2mへと制限されました。

高さを抑える

ブロック塀の危険性が知れ渡り、高さを1m程度に抑えることが多くなりました。

フェンスにする

外構にブロック塀を使わずフェンスで対応することが増えました。

“これからの”地震に備える方法

  • 耐震設計

基本設計:600Gal(水平震度0.6)
住宅における耐震等級3の2倍の力に耐えられ安心して使っていただけます。

  • 実物大耐震振動実験

最大加速度1234Gal(東日本大震災の波形)で実験し転倒しないことを確認。設計の正しさを確認しました。実験波計:BCJ、熊本地震、東日本大震災

ブロック塀が地震で危険なことがわかり、ハードな性能が必要な方はこれまでこまった状況に置かれてきました。敷地をしっかり堅固に仕切りたくてもブロック塀は危ない、フェンスは頼りない、現場打ちは高く工期が長い。耐震対策をしっかりした塀のねっこであれば、外界からしっかりと住宅を守ることが可能になります。

塀のねっこは日本初の実物大耐震振動実験を行い、それを元にした設計計算システムを独自に開発しています。そのため地震の時でもブロック塀と比較し、はるかに危険性が少なく安心してお使いいただけます。

塀のねっこの安定の考え方

どちらにも作用するが底版側には転倒しない。支点から離れるほど「テコの原理」で土・コンクリートの重量が効いてきます。

  • 最大限のバランスを考えたのが塀のねっこ
  • 底版を伸ばしすぎると建物に干渉+高コスト(掘削・基礎・製品代など)
  • 根入れ(土中埋込み)量を増やすと塀の高さが低くなるor高コスト

震度とGal(ガル)

Gal(ガル)と重力

Gal(ガル)とは1秒間に1センチメートルの割合でスピードが増していく状態を指します。地球の重力の加速度はおよそ1000Gal程度です。

仮に1000Galの力が掛かったとすると図のように家が真横になった状態と同じとお考えください。かなり強い力であることがわかると思います。

ブロック塀が倒れと

倒れることによりけが人や死亡者がでてしまう。転倒は道路側に倒れてしまうため、道路をふさぎレスキュー隊の通行を妨げる。撤去・復旧にお金が掛かる。

もし、耐震のコンクリート塀があれば?

地震の時にコンクリート塀は火事に対して抵抗できる。

身近な人を傷つける危険なブロック塀

ブロック塀は施工が簡単で、特別なスキルがなくてもつくれることから日本中に普及してきました。塀は高さがあることで本来の役割を発揮しますが、ブロック塀は高ければ高いほど倒壊のリスクも高まります。

途中でポキリと折れる塀。日本のほとんどがこの危険なブロック塀である事実。

わたしたちの生活環境を見渡せば多くの塀に囲まれていることに気がつきます。そのほとんどが、法律に適合していないブロック塀であることをご存知ですか?実際、2018年に起きた大阪府北部地震で9歳の女の子がブロック塀の倒壊により亡くなっています。

法令に適合しているブロック塀はたった2.8%

※大分県地震被害想定調査(H20年3月)第7編ブロック塀被害の想定より

うちのブロック塀、大丈夫?

✔︎ ひび割1mm
✔︎ カケ
✔︎ 5度の傾き
✔︎
錆び汁

出典:既存ブロック塀等の耐震診断基準・耐震改修設計指針・同解説より

使いまわして大丈夫?

ブロック塀の寿命は15年

必ず診断とメンテナンス(塗装等)を行って下さい

「塀のねっこ」は
ブロック塀と全く異なります。

ブロック塀が倒れる理由①

ブロック塀自体の素材が荒いため、水と酸素を通してしまうことにより、鉄筋が錆びて折れにつながってしまいます。

塀のねっこは

高品質なコンクリートを使用しているので密度が高く、水・酸素を通しにくく強アルカリの環境を保持できるため、鉄筋が錆びにくい構造になっています。

ブロック塀が倒れる理由②

ブロック塀の基礎の99%の「I型」基礎は、コストは抑えられますが両側からの土の圧力のみなので、きちんと作らないと左右に倒れる可能性があります。

塀のねっこは

L型・逆T型の基礎は、両側からの圧力に加え上にも土が乗るので、重さで倒れようとする力を抑えつけてくれます。

ブロック塀が倒れる理由③

誰でも作れてしまうブロック塀は基礎が浅いため本来地中に深く根入れすべき基礎が不足しています。99%が「I型」の基礎です。

塀のねっこは

L型・逆T型の基礎(ねっこ)でしっかり支えます!土地を冒さないL型と安定性の高い逆T型を採用。鉄筋も根っこまでしっかり一体型ではいっています。

ブロック塀が倒れる理由④

鉄筋が法律で禁止されている重ね継ぎ手であることが多く、施工は簡単ですが、抜け・折れが生じやすくなっています。

塀のねっこは

上から下まで一体となった高品質鉄筋が入っています。強度はブロック塀の2〜3倍といわれています。

日本初 実物大
プレキャストコンクリート塀の
耐震振動実験

製品高2,500mm 重量2.6トンの実物を使って 金沢工業大学と共同研究にて耐震実験を行いました。 この高い壁でも、震度7に耐えうることが実証されました。

金沢工業大学共同研究 実験波形:BCJ-L2/益城/東北

コンクリート塀に耐震性を持たせる

塀で地震時に心配なのは「転倒」と縦壁の「折れ」です。 「転倒」とは想定以上の力が塀に加わり、底版が浮き上がることにより バランスを失い倒れてしまうことです。 「折れ」とは想定以上の力が 加わり縦壁が折れてしまうことを言います。 地震の震動は地面を伝わり、 製品の下部から入力され上部に向かって振動を伝えていきます。 その際に非常に強固と思われるコンクリート塀であってもたわみが生じ、 上部では下部の数倍の振幅となります。

この増幅された振幅は「塀のねっこ」に大きなストレスを与えます。 たわみは塀の縦壁が曲がることであり、 コンクリートの耐力以上のたわみは縦壁の折れへとつながります。 これに抵抗するのがコンクリート内部の鉄筋の仕事となります。 たわみ量が耐えられる限度内であれば、その力は底版に伝わり転倒させる力となります。 これに抵抗するのは製品の底版重さと、地面に埋めこまれた土の重さ、そして土圧からです。 これらのことを十分に検討し設定された地震に耐えられるよう注意深く設計しています。

塀のねっこが
高い壁でも
震度7に耐えられる理由

耐震実験

プレキャストコンクリート塀として日本初の耐震振動実験を行い、設計計算システムの正しさを確認。(震度7相当、約1234Gal)

事故調査

ブロック塀の事故について徹底的に調査。ブロック塀事故調査論文を研究。多くのレポートを書いた大学教授にもインタビューを行い、ブロック塀事故のキモの部分を確認。

設計計算

耐震実験のノウハウも組み込んだ、日本初のプレキャストコンクリート塀の安定・構造設計システムを開発。(現在専門家を交えた第三者認証機関で評定作業中)

工場製品

安定した製品を生み出せるプレキャスト製品工場での製造を行い、現場職人に左右されない品質と短工期・長寿命を実現。

業界経験

20年の業界経験を生かし設計・企画・製造・施工の細部に渡って入念に製品企画を行う。


  • 水害の現状

近年の異常気象により大雨・台風が大幅に増加。河川の設計基準を超えた雨水は河川からあふれ市街地に押し寄せ、大きな被害に。

生活基準

住宅に水が入り込み家や車・家財道具をすべてダメにし生活ができなくなる。

思い出

保険金がでても思い出の品々は帰ってこない。

危険避難

土砂降りで水位が上がってくる中避難が必要となる。

資産価値

住宅・マンションの価値が下がってしまう。

被害

住宅:壁内の断熱材、
床下への汚泥侵入マンション:地下設備ポンプ、電気設備の破損、水害に弱い

公共防災

ダム、堤防、排水ポンプ施設などの国や地方自治体の管理する防災設備に依存。

輪中地域

〈地域堤防〉古くからの洪水地域では堤を集落に周りに作り安全地帯とした。〈水屋石垣〉洪水となっても安全なように敷地を石垣で組んで高くし敷地内に 水屋と呼ばれる避難用の建物を準備していた。

かさ上げ

土地をかさ上げすることにより浸水を防ぐ。敷地が広い場合は侵入路を作れば高く上げられる。敷地が狭い場合は数10cmだけあげられる。

“これからの”水害を防ぐ方法

  • 浸水防止塀

塀のねっこで敷地を囲うことによるミニ輪中。

  • 耐浸水住宅

家そのものに浸水に耐えられる設計とするが、高価でかつメーカーが限られる。

塀のねっこで出来る浸水対策

どんな住宅でも塀でしっかり囲む事で浸水対策が出来ます。

準備する物:塀のねっこ、止水版、排水ポンプ、発電機

開口部は弱点として残っていますので、災害警報が発令したら止水版で 開口部対策。 敷地内に降る雨、製品ジョイント間や止水版からの 漏水もありうるので、それを集める集水マス、そして排水ポンプを準備。 豪雨では停電になることもよくありますので、ぬれない場所に発電機を 準備してください。 何事にも万全という事はありませんので、 避難警報が出ましたら家を守る準備をして避難場所に避難してください。

※マスというのはコンクリート製の立方体。地中に埋め水がたまるようになっている。

床下浸水対策[50cmまで]

1. 許容浸水高の検討

基礎高が40cmとした場合床上浸水となる宅地地盤高60cmを想定した浸水対策とする。

2. 地上高の検討

地上高60cmの20%余裕を見て72cmの地上高を目標とする。

3. 製品の選定

72cmの地上高を実現できる製品H1200(地上高800、根入れ400)を選定する。

多くの火災保険には水災(浸水被害)についての特約が設定されています。代表的な条件としては「床上浸水もしくは45cm以上の浸水」となっています。つまり、床下浸水の場合は保険が一切適用されません。このため災害時によく床下の泥を掻き出すボランティアがTVで写されますが、これは保険対象外のためボランティアに頼らざるを得ないためなのでしょう。そのため、大被害は保険でカバーし、保険対象外の床下浸水は塀でカバーするという考え方は非常に有効ではないでしょうか。

日本初 プレキャスト
コンクリート塀の実物での
浸水・水密実験

頻発する水害から住宅を守る実験をしました。日本初の実験で苦労しましたが、多くの知見が得られました。

場所:熊本県天草市

重要な建築物を塀で囲い浸水防止塀とする考えの検証を実施。

「塀のねっこ」はプレキャストコンクリートですので、一つ一つの大きさに限界があり、長さ方向では標準で 2mとなっています。 そのため2mおきに切れ目があります。 製品間の止水処理を完全にした場合は水漏れが殆ど無いことがわかっておりますので、今回の実験ではその 境界からどのように水が漏れるかをしらべ、また、簡易な止水方法でどのように防げるのかを実験しました。


タイプ別土砂災害

土砂崩れ

大雨や地震などの影響で瞬時に斜面が崩れ落ちる現象

土石流

渓流に貯まった土砂が長雨や集中豪雨などによって、一気に下流へ押し流される現象

地滑り

地下水の影響で比較的緩やかな斜面がゆっくりと斜面下方に移動する現象

これまでレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)での家づくりはコンクリートの住宅かコストの掛かる現場打ちコンクリート塀(擁壁)を作るのが一般的でした。レッドゾーンでは家づくりの工法が選べず強靱なコンクリート住宅を建てても窓が弱点となってしまいますので、崖の方へに窓を開けられずどうしても暗い家づくりになってしまうことが難点でした。また、現場打ちのコンクリート塀(擁壁)は高価でコストパフォーマンスが悪い物でした。

“これからの”土砂災害を防ぐ方法

  • 家の工法が自由に選べる!
  • 崖方向への窓も開けることが出来る!
  • 短工期、ハイコストパフォーマンス!

塀のねっこを使った土砂災害対策はレッドゾーン地帯であっても、家の工法(木造、鉄骨、鉄筋コンクリート)が自由に選べ、崖方向への窓も開けることが出来ます。塀のねっこはプレキャストコンクリート製品なので、現場打ちコンクリート塀と比べて短工期、ハイコストパフォーマンスです。

山がちで平野の少ない日本は、険しい山が多く土砂災害が毎年1000件程度あちこちで発生しています。「宅地の防災学」(釜井俊孝)によると急傾斜地崩壊危険箇所は日本に35万件あり、そのうち広島県が圧倒的に多く、山口県、大分県、島根県、兵庫県が以下に続きます。広島、山口、島根、兵庫は花崗岩が広く分布しており、それが風化した真砂土となります。真砂土は雨がしみこむと容易に崩れるため災害が発生しやすくなっています。大分(コンクレタスの拠点です)はそれとは異なり、火山岩、火山噴出物が広く分布し割れ目があったり、もろい岩石からなる崖が広く分布しています。

2021年に発生した熱海での激しい土砂災害を見てもわかるように、日本においては様々なところで土砂災害の可能性があります。熱海の土砂災害は上流の木造住宅を易々と破壊しながら進んできましたが、コンクリート造の建物は躯体を破壊されず、また、その近くにあったコンクリートの擁壁もまた、土石流の影響を受けながらもびくともしていませんでした。

このことからわかるように、コンクリートの構造物は土砂災害に対し強い物であることがわかります。実際に土砂災害レッドゾーン地域(土砂災害特別警戒区域)で建物を建てるときには土砂災害に耐えられる構造とする必要があり、法令で様々な事が決められています。

家の構造を土砂対策仕様

高価な住宅そのもので土砂を受け止めることに。

塀のねっこで土砂対策

家に比べ安価な塀で受け止めます。塀の高さは想定土砂以上。

レッドゾーンで必要とされる構造

この条件は塀のねっこでクリアすることが出来ます。そのため今の住宅と崖の間に塀のねっこを設置することで土砂災害から守ることが十分に可能です。※物件毎の設計が必要となります。


  • 風害の現状

異常気象

近年、世界的に過去にない気象状況となっている。

巨大台風

気温が高くなるとともに海水温が上昇し強く大きな台風が発生する。

暴風警報

様々な建築部材で設計されている耐風速を超える風が巨大台風によって発生している。

  • 風害が発生すると

風力破損

風の力で家・倉庫・庭木・看板・フェンスなどが破損。

飛来物

破損した建材や木の枝が飛んできて、家や車に被害。

雨漏被害

瓦や外壁が飛ばされると雨漏り被害が生じる。断熱材や木材が濡れるとカビ・腐りが問題に。

防風林

●大きな樹木で敷地を囲い風から家や田畑を守る
●広大な敷地と樹木が育つ長い年月が必要

ブロック塀

●一見強固なブロック塀で囲い家を風や飛来物から守る
●手抜き工事が多く地震・風で倒れる事故が頻発

家を強化

●雨戸や屋根、カーポートを耐風性能が高いものにする

フェンス

●フェンスは耐風速が低く、暴風で飛ばされる可能性があり危険

“これからの”風害を防ぐ方法

  • 省スペース、高強度の塀のねっこで台風から守る
  • 塀の高さまでの風を遮ります
  • 風で飛ばされる屋根、看板などの飛来物を食い止めます
  • 車、窓などの破損の可能性を減らせます

家などの建築物は様々な脅威から人と資産を守るためのシェルターとしての意義がありますが、家そのものが高価な資産である上、家では敷地全体を守ることはできません。軍事では必ず重層的な防衛をするようになっています。それは完璧な防衛手段が存在しないためです。そのため複数の防衛手段を用い大切な国民を守るための重層的な防衛体制を築きます。建築でもそのような考えを実施すると、塀は外部と接する最前線の守りとなります。そして庭という空間を経て最終防衛ラインの家ですべての脅威から家族を守ります。家が傷つくと大きな修理費がかかるためこれ(家)を守るという概念も非常に重要です。


  • 火災の現状

火災は減ってきているが木造住宅の多い日本ではこれからも注意が必要

  • 火災が発生すると
  • 避難が遅れると火にまかれ人命に関わる
  • 避難できても大切な家、思い出や価値のある品々が失われる

火災の発生頻度

●年間3万7,981件の火災•建物火災が54.7%を占める
●火事が多い季節冬季から春季が56.4%ストーブなど火気を使用するため

出火率

●全国平均3.0件/万人
●最も高いのは島根県4.5件/万人
●最も低いのは富山県1.6件/万人
●大分県は3.2件/万人 372件 /117万人

●家を燃えにくい耐火構造にする
延焼の危険時は外壁や窓が痛む
→ 修復にコストと時間

●ブロック塀で囲う
→ 地震の時転倒する可能性大
→ 転倒すると地震時の大火に対応できない可能性も

“これからの”
火災を防ぐ方法

  • 耐火構造の塀のねっこで隣からの延焼抑制地上高2m以上で効果(防火塀基準より)
  • 塀のねっこはガソリンスタンドの 防火壁としても利用可能(地上高 2m以上)

塀のねっこで火災時の延焼抑制効果を期待できます。

● 輻射熱をカバー
● 15cmの厚いコンクリートなので炎も熱も防げる
● ガソリンスタンドにも使える耐火構造スペック
● 塀の高さまでをカバー
● 金属に比べ低い熱伝導率

耐火構造のポイント

  1. 鉄筋コンクリートであることOK
  2. コンクリートの厚さが10cm以上…OK
  3. 鉄筋かぶりが3cm以上OK

建設省告示平成12年1399号 〔建築基準法関係告示〕耐火構造の構造方法を定める件 より

防火塀のポイント

  1. 耐火構造であること
  2. 高さ2m以上であること

建設省告示第1369号 特定防火設備の構造方法を定める件 より

防火塀の力

阪神大震災では防火塀に守られたガソリンスタンドが街の延焼を食い止め災害救助の拠点となりました。

第3回災害被害を軽減する国民運動の推進に関する専門調査会資料 より

塀のねっこの基本防火性