コンクレタスでは塀を「境界を確定させ、外部からの脅威から大切な物を守る物」と定義しています。
デジタル大辞泉によると
「用心や目隠しのため、家や敷地の境界に建てた板・土・ブロックなどの障壁。」とのこと。
”用心”と言う言葉が多くを包み込んでいていいですね。
塀の役割は多岐にわたり、全てが出来ない塀(フェンス)ももちろんあります。
改めて塀の役割を確認してみましょう。
・境界確定
・災害予防
・防火
中世の頃、武家屋敷や寺町では土塀が張り巡らされていました。敵の侵入を防ぐ為もあったと思いますが、当時頻発した火災への対策としての塀も多かったとようです。
戦後ブロック塀が一気に普及したのは戦時中の空襲でブロック塀が火災延焼を食い止めるのに有効だったことと、安価で誰でも構築できると言うのが人気で、一気に普及したようです。
日本では木造家屋が主体ですから、延焼防止としての役割は大きいのではないかと思います。
この場合板塀やアルミフェンスは役に立たず、無機系材料であるコンクリートや土を使った塀が選ばれます。
・防風
強い風が吹く海側の土地、台風が頻繁に訪れる地域では伝統的に石垣、今ではブロック塀などが積まれています。
風に対する塀の役割は大きく、その塀の高さまではしっかりと風よけとして有効に作用します。
塀の高さの20倍までの延長で風よけ効果があるとされています。
生け垣も防風林という形で有効に利用されます。
最も有効なのは剛性の高く耐風速の高いコンクリート塀となります。
アルミフェンスでは通常のメッシュや格子では役に立たず、金額の張る前面を覆った防風フェンスが必要になりますが、耐風速が32~36m/秒設定程度のものが多く、40m/秒を超す台風などの激しい風では破損・転倒の可能性があります。
・浸水防止
これまで求められていなかった機能ですが、最近注目されているのが、浸水防止塀。
敷地の周り、建物の周りをぐるっと囲むことで大雨時の塀で浸水を食い止めることができます。
事業所を全て囲うともちろん費用が高くなりますし、開口部に使う止水版も良い金額となります。
住宅においては床の高さまでを浸水防止塀でガードし、それ以上は保険でカバーするという考え方も一般的になってきているようです。
高価な機材を持つ会社、流出すると地域を汚染し莫大な損害賠償が予想される企業にとっては価値ある投資となります。
浸水防止塀はコンクリート製でしか対応が出来ない機能になります。
・土砂
土砂災害に対する塀への要求も近年からです。
土砂災害特別警戒区域では一般的な木造住宅を建てることは出来ません。
対策無しに建てられるのはコンクリート住宅だけで、しかも崖方向に窓を開けることは出来ません。
しかし、土砂をしっかり受け止められるだけのコンクリートの塀があれば話は別です。
木造住宅でも家を建てる事が出来ますし、崖方向にも窓を開けることが出来ます。
土砂待ち受け塀(擁壁)も木やアルミフェンスでは出来ず、コンクリート塀だけができる役割になります。
特に最近では急にレッドゾーン指定され、土地や家の価値がなくなってしまう事から、コンクリート塀の検討を進める方が増えています。
・車両の突入防止
現代の日本では家を建てる時は道路に必ず面している必要があります。その道路は住宅街でも普通車はもちろん大型のSUVや宅配便の小型トラック、大きめの道路に面していれば大型トラックも通ることもあります。
庭でこどもを遊ばせたり、皆でBBQをしたりするときに安心して過ごせる環境を作る必要があります。
車がぶつかってきたり、石を飛ばしたりしても安全なようにする方が望ましいです。
飛び石などのエネルギー量の少ない物であれば、板塀や目の詰まったアルミフェンスでOK。
車の衝突、浸入を防ぐためにはコンクリートの塀が必要となってきます。
実際には公道の車が突っ込むよりも、駐車時にアクセル踏み間違いで、こどもをひいてしまうような痛ましい事故が起きています。
そのような車止にもコンクリートの塀が役に立ちます。
・プライバシー保護
現代社会ではひょっとするとプライバシーを守ることが一番大切なことなのかもしれません。
自分たちだけの空間+1ルーム
高さのしっかりある塀があることで、そこはまさしくプライベートガーデン。大きな部屋が出来たような感じになるかもしれません。
子供とプールで遊んだり、気兼ねなくBBQをしたり楽しむ。日頃は近所の目を気にせず庭でしっかりと洗濯物を干せる、と言ったメリットがでてきます。
塀があるとカーテンが開けられる
日本の家ではオープン外構が流行り、一見開放的ですが、外から丸見えのためカーテンを閉め切らないといけない家が増えてきてしまっています。
敷地境界で視線をさえぎる事で庭のプライベート感向上に加え、カーテンを開けることにより家の広々感が増します。
プライバシーを守る塀・フェンスの選び方
プライバシーを守るためには目の詰まった塀が必要です。板塀、生け垣、アルミフェンス(メッシュ、格子)では隙間が出来、しっかりとしたプライバシーをまもれません。
プライバシーをしっかり守るためには、目の詰まった塀・フェンスを選ぶ必要があります。
金属フェンスの場合は目隠しフェンス
コンクリート塀は目が詰まっているので安心です。
ブロック塀も視線を遮る事が出来ますが、背の高い物になると危険なのでやめた方が良いでしょう。
塀の高さ
道路よりも敷地は20cm~30cm高くなっていますので地上高で2m~2.5mの物を選んでください。
・セキュリティ強化-防犯
塀が防犯に有効
塀がないほうが見通しがよく、防犯上有利。という話をよくみます。
しかしながらそれを実証した実験などを探してみますが、なかなかないようです。
富裕層の家は塀で囲まれている
それでは泥棒や強盗に一番気を使っているであろう富裕層の家はどのようになっているか、調べてみました。
豪邸探索ブログというサイトがあるのですが、こちらは都内の豪邸の外観を撮っているサイトです。
たくさんの豪邸が載っていますが、ほとんどの豪邸が敷地いっぱいに塀を建てるか、建物を塀代わりにして家の中が見えないように、入れないようにしています。
セキュリティに対する意識が高く、またその情報を集めることが容易な富裕層は高い塀で敷地を囲っています。
また、犯罪の多いブラジルにある在ブラジル日本大使館では、家は2m以上の高さで囲うように指導をしています。
泥棒が嫌がるのは犬と防犯カメラです。
セキュリティを気をつける時には塀と犬、防犯カメラを組み合わせたいですね。
セキュリティに向く塀
密で背の高い塀が向きます。
コンクリート塀、目の詰まったアルミの塀
セキュリティに向かない塀
生垣(隙間からの進入が可能)
ブロック塀(高くできない)
メッシュフェンス(よじ登れ、中が物色できる)
背の高い塀が有効
泥棒にここは防犯に気を使っているな、と思わせるできるだけ背を高くした塀を選んでください。
・防音
・外観
意外とたくさんの機能、役割をもつことに驚かれるのでは無いかと思います。
コンクリート塀はもちろん!アルミフェンス、木製塀、生け垣などから、お好みにあった物を選んでください。
塀の種類
塀の歴史
塀のねっこは少々高いのですが、塀の役割を幅広く、ほぼ完全にカバーできます。
他の塀やフェンスでうまくいかず困ったとき、お気軽にご相談してください。