コンクレタス操業前

 私どもが株式会社コンクレタスを起業する前の話にさかのぼりますが、熊本地震後、住宅用の杭工事で熊本進出を試みた際に借りた益城の土地が、熊本地震でブロック塀による死者を出した土地であった事。

 そして偶然にも熊本地震の日に最初の塀のねっこの前身の試作品を作っています。 写真は地震の翌日の2016年4月15日に撮影した物です。

最初のサンプル品 (塀のねっこ) 2016/4/15撮影
底版の短さはブロック塀のI型基礎の影響
水抜き穴が空いているのは擁壁のイメージ

まだ、設計イメージも何もない状態。

熊本地震の頃

 当時、私(池永征司)はコンクリート製品メーカーを大分市内で営んでいました。
その頃は住宅用のコンクリート杭(家のねっこ)の開発がようやく終わり、ようやく普及活動へ入れるようになった時点でした。

杭を圧入する風景

熊本地震で大きな災害を起こした原因でもあるのですが、熊本は粘性土で緩い地盤が深く地盤改良のニーズが非常に大い事がわかっていました。

 我々の持つ「家のねっこ」という地盤改良杭は圧入杭工法と言われ上から単純に荷重をかけ押し込む工法です。この工法は押し込むときに押し込む力がリアルタイムにわかり非常に安全性が高いのです。

押している力がわかる管理画面

 しかしながら大分県で粘性土は少なく、まだ割合しっかりな地盤が浅い場所にあり杭長が短いと地盤改良事業としてはそんなに楽な土地ではありません。

 砂質土ではどんなに圧力をかけ押し込んでも砂がしまってしまい目標とする深さに達成することが難しいと言うのも、圧入式工法では苦しいところでした。

 そのため粘性土で杭長も稼げる熊本県への進出を本格的に検討し、益城病院となりの空き地を借りました。その土地は花束が捧げられていたり、写真を取りに来る方が来たりしていました。
震災のあった土地ですからいろいろあるのだろうと思っていましたが、ある日、日経アーキテクチャをみると借りている土地がブロック塀被害のあった現場として載っていました。

熊本益城でのブロック塀事故の記事

日経アーキテクチャ2018-07-12 擁壁上の塀は違法と提訴

http://bizboard.nikkeibp.co.jp/kijiken/summary/20180712/NA1123H_4114305a.html

日経アーキテクチャ 2017-11-23 熊本地震のブロック塀倒壊で刑事告訴

https://xtech.nikkei.com/kn/atcl/bldnad/15/171123/011200002/

 ちょうどその頃、住宅用の杭と絡ませ販売させるための、塀の開発を実施している時期であり大変びっくりしたのをよく覚えています。

最初のサンプル品を熊本地震の日に作っていた

 ふと開発した塀のねっこの最初のサンプル品の写真を見ると熊本地震の翌日でした。
 これが、世の中の誰かがやらなければならないのであれば、我々ではないこと思い開発を加速し試作品を実際の現場に設置、その後大阪地震でブロック塀倒壊事故も発生し、危険ブロック塀対策ソリューションを会社の中心に据えることとしました。

 「塀のねっこ」は開発からようやく5年、もう5年

その間、特許の取得、製造工場の確保、振動実験の実施、最近では浸水対策実験を実施。

納入場所も徐々に広がりようやくここまでたどり着きました。

今後も日本から危険ブロック塀をなくすために活動を続けていきます。