大阪府高槻市の寿栄小学校で発生したブロック塀倒壊事故で市の調査委員会が29日答申をまとめ、原因はブロック塀の施工不良が主な原因であると指摘しました。
鉄筋の基礎への埋込 52cm必要->実際は13.8cm
鉄筋の腐食 13mm->5mmに補足
等がありますが、なによりも重要なのは
「委員会は、ブロック塀の点検は外見を確認するため、内部の施工不良や劣化を見つけることはできないと指摘」
を行い
「同様の事故を防ぐには点検よりもブロック塀の速やかな撤去を優先するべきだとしました。」
これは従来から我々も主張していますが、ブロック塀が健全かどうかは一般的な外観の検査ではわかりません。
ブロック塀の検査は以下のようなことを実施します
- 傾きの検査
- ブロックのひび割れの検査
- 鉄筋探査機による鉄筋の有無
- 基礎の有無
1,2に関しては年月が経ち既に問題が明らかになっている場合で、不合格になります。
3,の鉄筋検査は意味があるようで意味がありません。
鉄筋があるかどうかがわかるだけで、腐食の程度、鉄筋の太さ、重ね継手の有無などを見分けることとは一般の鉄筋探査機では非常に困難です。
特に重ね継手などは判別が難しく、最終的には破壊検査するしかありません。
どこの部分で重ね継ぎ手をしているか、よくある基礎のすぐ上などはチェックしやすいかもしれませんが、壁体の途中でしているとすると、上から下まで破壊検査をする必要があります。
こうなると現実的には検査ができないのと同じとなります。
また、基礎に関しては様々な調査の結果8割以上に問題があることが既にわかっており、これを検査してもNGだと言うことがわかるだけです。
つまり日本にある殆どのブロック塀を大丈夫と言うことはできず、何らかの形で置き換えることが今後進めていかなければいけない事業となるのではないでしょうか。
我々は金属フェンスや、生け垣の良さも十分にわかっていますが、コンクリートの持つ丈夫さや耐久性は塀にとって変わることができない物ではないかと思い、耐震モノブロック塀「塀のねっこ」の普及活動をますますするべきだと強く思いました。
NHKが最も詳しく報道しています。
www3.nhk.or.jp/kansai-news/20181029/0009176.html
(リンク切れの為アーカイブ先を掲載します)