【4年も前から開発 2016年~】

塀のねっこ、となづけたコンクリート塀の製品は、コンクリートライセンス機構を立ち上げる前からの開発となり、もう既に4年近く開発に時間がかかっています。 私が以前在籍していた会社に居た頃から開発をしていた商品です。

記録に残っている最初の写真は2016年4月15日。 実はちょうど熊本地震の翌日です。 しかしその後は住宅用杭の開発と普及に手を取られ開発は進んでいませんでした。

塀のねっこの試作品 高さが低く、底版が短い、擁壁の流れで水抜き穴がついている

【大きな転機の大阪地震】

「塀のねっこ」の開発を強力に進め始めたのは、大阪地震で高槻市の寿栄小学校でブロック塀の倒壊により9歳の少女が亡くなった事件がきっかけになります。

結局あの事故の原因は、擁壁と呼ばれる土を留めるコンクリート壁の上に置かれたブロック塀と擁壁を接合する鉄筋が不良だったたのはご存じでしょうか。

【娘に怒られる】

色々なところでお話ししていますが、私(池永征司)の娘が当時9歳と亡くなった少女と同じ年でした。

その9歳の娘が事故のニュースを見ながら「パパ!地震の時ってコンクリートは危ないんだね!」と私をしっかりと見ながら半ば怒りながら言うわけです。

私は、26歳からコンクリート屋ですから20年近くのキャリアを積んできているわけです。いつも、コンクリートの技術で安全を守る、と家族に言ってきたわけですから情けないことこの上ありません。

娘に怒られたエピソードの漫画

【塀のねっこ開発の停滞】

「塀のねっこ」は構想・試作・試験施工までは行っていましたが、商業ベースに載せるまでの開発は行っていない状態でした。

コンクリートライセンス機構も立ち上げたばかりで、主力製品を何にするか悩んでいました。本命は数年間手塩にかけて育て上げてきた住宅用の杭(家のねっこ)でした。

もしも、また地震が来て娘や甥姪がそのような悲劇に遭っては耐えられない、という思いから一気に開発を行うことを決意しました。 これが塀のねっこの開発を加速したきっかけです。

【熊本地震とブロック塀と私】

私達がコンクリートライセンス機構を立ち上げる前に在籍していたメーカーで熊本地震の需要を狙って住宅用の杭(家のねっこ)を展開するために、熊本の土地を借りました。 ふとしたときに日経コンストラクションという土木向けの雑誌を読んでいたら、自分たちが借りた土地が写っていました。 実はその土地は熊本地震でブロック塀が倒壊して亡くなったまさしくその現場でした。

自分が開発した商品があれば事故が起きません、と言ってきた自分にとても身近に降りかかってきました。

【天命 私たちにしか出来ない】

そんなこともあり、ブロック塀対策としての倒れないコンクリート塀の普及は私どもに課せられた天命であると思っています。

私どもの大きな目標の一つは、日本中から危険なブロック塀を全て排除することにあります。

基礎一体型耐震プレキャストコンクリート塀と我々が呼ぶこのジャンルの製品は日本にきちんとした製品が存在しておらず、前例がないため開発に本当に苦労してきました。 数ヶ月もあれば開発が終わるだろうと思っていたこの商品、本当に長くかかりました。

振動実験も終わり、夜寝ているときに自分の製品が地震で倒れる夢を見て飛び起きることもなくなりました。

【日本全国を安全にしたい】

これからは自らの子どもではありますが、開発も殆ど一段落した「塀のねっこ」ひいてはコンクリートと、コンクリート塀の良さを皆様にしっかりとしってもらい、危険なブロック塀のない安全な国土造りのお手伝いをさせていただきたいと思っています。


塀のねっこ 商品ページ

https://concretus.jp/license/heinonekko