神奈川県厚木市のがけ条例——崖の近くに建てられるか

厚木市のがけ条例

厚木市で、崖の近くに家を建てる・土地を買う人へ——最初に答えから。

まず、自分の土地にがけ条例がかかりそうかを確かめる。崖の高さ・角度と建物までの距離を入れると、条例の数字に当たりそうかと、相談先が分かります。結果は窓口に持っていけるPDFにできます(無料・登録不要)。
がけ条例 かんたん判定で確かめる(無料)

がけ条例とは

神奈川県厚木市の「がけ条例」とは

窓口に行く前に。擁壁の図面と構造計算書は当社が用意します。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。窓口には、その図面を持って行けます。 土のねっこ(L型擁壁) やまがみ(土砂待受擁壁) 擁壁を相談する ☎ 0120-1181-46
見積・相談を依頼する(無料)☎ 0120-1181-46(平日9〜18時)

神奈川県厚木市の「がけ条例」とは、厚木市建築基準条例 第5条のことです。高さ3メートルを超え、30度を超える崖の近くに建てるときは、原則として擁壁を設けることが求められます。

図で見る——押すと、その話へ飛びます

まず、何から始める?契約の前に、建築士へ相談
まず、何から始める?
厚木市にがけ条例はある?厚木市建築基準条例第5条
厚木市にがけ条例はある?
どこからが「崖」ですか3mを超える・30度を超える
どこからが「崖」ですか
どこから測るのですか上に建てるなら下端から
どこから測るのですか
結局、建てられますか安全な擁壁で原則建てられます
結局、建てられますか
擁壁なしで済む道は?ただし書は2つの号です
擁壁なしで済む道は?
擁壁以外の道は?崖の上は基礎が影響しないこと
擁壁以外の道は?
崖の上の敷地で要ることは?排水の措置も要ります(第3項)
崖の上の敷地で要ることは?
災害危険区域の規定は?いまの条例に規定はありません
災害危険区域の規定は?
県条例に例外は無かった?2026年に削除されました
県条例に例外は無かった?
レッドゾーンなら外れる?区域に入っても崖の規定は残る
レッドゾーンなら外れる?
増築・改築のときは?緩和の列挙に第5条はない
増築・改築のときは?
守らないと、どうなりますか罰金は50万円以下。原則設計者
守らないと、どうなりますか
どこに聞けばいい?厚木市の建築指導課です
どこに聞けばいい?
いつ、誰に相談しますか売買契約の前に動きます
いつ、誰に相談しますか

まずすること

神奈川県厚木市のがけ条例で、まずやること

先にすることは、3つです。崖の規定がかかっても、建てられないと決まったわけではありません。まず、土地の売買契約を結ぶ前に動く(すでにお持ちの土地なら、設計を始める前に)——買ったあとでは、擁壁(ようへき=崖の土が崩れないよう支える壁)の費用や配置の制約を、土地の値段に織り込みにくくなります。つぎに、建築士に現況の測量図・断面図・配置案を用意してもらう。そのうえで、その図面を持って厚木市の窓口へ、条例の当てはめを確かめる。高さも角度も距離も、目測で判断しないでください。

窓口や建築士に行く前に、図面はご用意できます。擁壁の図面と構造計算書は当社でご準備できます。持って行ける形でお渡しします。
見積・相談を依頼する(無料)☎ 0120-1181-46(平日9〜18時)

建築士に頼む前に、今日できることがあります——不動産会社(売主側)に、その土地の「現況測量図」「擁壁の設計図・構造計算書」「検査済証」が残っているかを聞いてください。残っていなければ、それ自体が費用の話になります。建築士に測ってもらうのは、買付や契約の条件を詰める段階です。擁壁の費用は、高さ・長さ・地盤で決まります。同じ敷地でも置く位置で変わるので、値段が決まる前に図面が要ります。

この記事でいう「崖」は、勾配が30度を超える傾斜地で、高さが3メートルを超えるものです。擁壁ひとつぶんの高さ、階段二十段ぶんの高低差でも当たり得ます。「うちのは崖というほどのものではない」という感覚は、条文の線引きとは別物です。まず測ってください。

  • ①その土地は厚木市内ですか。はい=厚木市建築基準条例 第5条です。崖付近の建築物について読む中心は、厚木市建築基準条例 第5条です(神奈川県建築基準条例は、厚木市の区域内では適用されません——県が指定・所管する区域や許可は、別に確認してください)(同条例第53条第1項)。かつては県条例の第2条の2・第2条の3(災害危険区域)が例外でしたが、この2条は2026年4月1日に削除されました——あとの節で書きます。
  • ②厚木市の第5条は、崖の上に建てるなら崖の下端(かたん=斜面の低いほうの足元)から、崖の下に建てるなら崖の上端(じょうたん=斜面の高いほうの肩)からの水平距離が崖の高さの2倍以内のときに、安全な擁壁を設けなければならないと定めています。
  • ③この「2倍以内」は、規定がかかるかどうかの線引きです——2倍を超えて離れていれば、第1項本文はかかりません(外れるのは第1項本文だけです——災害危険区域・土砂災害の区域・法第19条第4項は、別に確認してください)。けれど2倍以内に入るなら、義務の形は「離しなさい」ではなく「設けなさい」です。
  • ④安全な擁壁を設ければ、第5条第1項については原則として建てられます。第1項ただし書の2つの号に当たると、その当たった部分についてだけ本文が適用されません。第2項に当たる場合は、第1項が適用されません——外れる範囲が違います。
  • ⑤ただし、レッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)・イエローゾーン(土砂災害警戒区域)・法第19条第4項は、別に残ります。(条例・解説は2026年9月5日に原文を確認しました。厚木市建築基準条例の令和7年12月22日改正(旧第3条・旧第4条=災害危険区域の削除)と、神奈川県建築基準条例の2026年4月1日改正は、2026年9月6日に市と県の公式資料で確認しました)。

厚木市にがけ条例はある

厚木市内なら、厚木市建築基準条例 第5条です

まず、何から始める?
まず、何から始める?
契約の前に、建築士へ相談
契約の前に、建築士へ相談
厚木市にがけ条例はある?
厚木市にがけ条例はある?

「がけ条例」という名前の条例はありません。厚木市では、建築基準法第40条などに基づく厚木市建築基準条例の第2章(崖付近の建築物)第5条が、崖に近い建築物の決まりです。この条例は、平成18年4月1日から施行されています。附則は、施行前に建築主事または指定確認検査機関に提出されている確認の申請等の審査については神奈川県建築基準条例の規定を適用すること、施行前に県条例により県知事または市長がした許可はこの条例の相当規定により市長が認めたものとみなすことを定めています。規制が無くなるのではなく、読む条例が入れ替わりました。厚木市内の土地について調べるときは、厚木市の条文の数字で読んでください。

厚木市建築基準条例 第5条
厚木市建築基準条例 第5条
県条例は市内で適用されません
県条例は市内で適用されません

(適用の除外)
第53条 この条例は、法第4条第1項又は第2項の規定により建築主事を置く市町村が法第40条又は法第43条第3項の規定に基づき条例を定めたときは、その条例の効力が発生した時から、当該市町村の区域内においては、適用しない。

神奈川県建築基準条例 第53条第1項(2026年4月1日施行の現行)

市は各条文の取扱いを「厚木市建築基準条例の解説」として公開しており、この記事が参照するのは令和7年12月版です。市は「本解説は法改正、条例改正等により適宜改定を行う場合がありますので最新のものを確認してください」と注記しています——数年前に取った資料で判断しないでください。条例そのものも、平成19年から令和7年まで十数回改正されています。

言葉の意味は、条例の中では定義していません。第2条(定義)が「この条例における用語の意義は、法及び政令の例による」と定めており、市の解説も「本条例は法及び政令を根拠としていることから、これらとの整合性及び補完性を図るため、条例の用語の意義は法及び政令に準拠するものとします」と書いています。「居室」「主要構造部」といった言葉は、建築基準法の意味で読みます——居室(きょしつ)=居住・執務・作業・集会・娯楽などのために継続的に使う室(法第2条第4号。物置や車庫だけの建物には、居室がありません)。主要構造部(しゅようこうぞうぶ)=壁・柱・床・はり・屋根・階段(法第2条第5号。構造上重要でない間仕切壁、ひさし、屋外階段などは除かれます)。

第5条 崖(勾配が30度を超える傾斜地であって、高さが3メートルを超えるものに限る。以下同じ。)の下端(崖の下にあっては、崖の上端)からの水平距離が、崖の高さの2倍以内の位置に建築物を建築し、又は建築物の敷地を造成する場合は、崖の形状若しくは土質又は建築物の位置、規模若しくは構造に応じて、安全な擁壁を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する部分については、この限りでない。
(1)崖の形状又は土質により、安全上支障がない部分
(2)崖の上部が盛土の場合で、盛土の高さが1メートル以下、斜面の勾配が45度以下であり、その斜面を芝又はこれに類するもので覆ったときにおける当該盛土の部分

厚木市建築基準条例 第5条第1項

どこからが「崖」ですか

どこからが「崖」か——勾配30度超・高さ3メートル超。土質で崖から外す定めはありません

どこからが「崖」ですか
どこからが「崖」ですか

厚木市は、「崖」の定義を第5条そのものの括弧書きに置いています——「勾配が30度を超える傾斜地であって、高さが3メートルを超えるものに限る。以下同じ。」。30.0度ちょうど・3.0メートルちょうどは、当たりません(条文は「超える」です)。そして「以下同じ」とあるので、この定義は第5条第2項にも第3項にも及びます。

3mを超える・30度を超える
3mを超える・30度を超える

市の解説の図には、注記が添えられています——「崖とは地盤面の勾配が30度を超える土地をいい、上部勾配部分は30度を超えていないため本条例では崖に該当しません」。斜面の上のほうがゆるくなっている場合、そのゆるい部分は崖の高さに入れないという読み方になります。どこからどこまでを1つの崖とみるかで、答えが変わります——断面図を作って、建築指導課に当ててください。

本条は「(既存土留め擁壁等がある場合においても適用されます。)」。すでに土留めや擁壁が立っていることは、第5条が外れる理由になりません。その擁壁が「安全な擁壁」に当たるかどうかは、次に見るとおり別に確かめる話です。

多段の擁壁があるときは、もっと注意が要ります。市の解説は「擁壁相互が影響を及ぼす範囲にある場合、これらの擁壁は原則として一体の崖とみなします」とし、相互に影響を与えるかどうかの取扱いは神奈川県建築行政連絡協議会の構造関連取扱い(擁壁の取扱い)を参考にするよう案内しています。そのうえで、一段の崖か、別々の崖かを判断した後、各々の崖に第5条を適用させるので注意してくださいとしています。2段に分かれているから1段ずつ3メートル以下、とは限りません。

厚木市の条文には、硬岩盤(こうがんばん=かたい岩の地盤)など、土質を理由に「崖」から除く定めがありません。土質は、崖に当たるかどうかではなく、第1項ただし書第1号(安全上支障がない部分)のほうで効きます。「うちは岩だから外れる」とは読めません。土質の見分けと、勾配・高さの測定は、建築士に見てもらってください。

どこから測るのですか

距離の起点は、崖の上に建てるか下に建てるかで入れ替わります

どこから測るのですか
どこから測るのですか

ここが、厚木市の第5条でいちばん間違えやすいところです。条文は「崖の下端(崖の下にあっては、崖の上端)からの水平距離」と書いています。

上に建てるなら下端から
上に建てるなら下端から
下に建てるなら上端から
下に建てるなら上端から
  • 崖の上に建てるなら、起点は「下端」——足元の、遠いほうの点から測ります
  • 崖の下に建てるなら、起点は「上端」——肩の、遠いほうの点から測ります

建てる場所によって、測り始める点が入れ替わります。どちらの場合も崖をはさんで向こう側の端が起点になるので、崖の斜面の幅のぶんだけ、対象の範囲は広くなります。市の解説の図も、崖の上側にも下側にも「2H」を取り、そのあいだ全体を「崖の範囲」として示しています。たとえば高さ4メートルの崖なら、その起点から8メートルです。どちらの点から測るのかを、いちばん先に決めてください。

そして対象は、建築物を建てる場合だけではありません。条文は「建築物を建築し、又は建築物の敷地を造成する場合」と書いています——造成の段階から、この規定はかかります。先に土地を平らにしてから家の計画を考える、という順番だと、造成の時点ですでに第5条の当てはめが始まっています。土を動かす前に、擁壁の位置と規模を含めた計画にしておいてください。

結局、建てられますか

安全な擁壁を設ければ、第5条第1項については原則として建てられます

結局、建てられますか
結局、建てられますか

擁壁だけが道ではありません。条文は、崖と当該建築物との間に適当な流土止めを設けたときにも、この義務を適用しないと書いています(第5条第2項)。擁壁で受けるか、あいだで受けるか、建物側で受けるか——どれが自分の敷地に合うかは、設計者に見積りを並べてもらって比べてください。

この土地の擁壁を検討する方へ

「安全な擁壁」の図面と構造計算書を、当社でご準備できます。工場で造る鉄筋コンクリートのL型擁壁「土のねっこ」(高さ500〜3,000mm)。高さ1メートル以下なら「土地分け丸」。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。この条に合うかどうかは、窓口で決まります。

当社はコンクリート製品のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。図面が無ければ、手書きの絵と写真で大丈夫です。絵に段差の高さと長さを書き込み、住所も添えてください。

土のねっこの製品ページ → 図面か現場の情報を送って、使える製品と概算を聞く(無料)

安全な擁壁で原則建てられます
安全な擁壁で原則建てられます
昔からある擁壁では足りない
昔からある擁壁では足りない

崩れてきた土砂を建物の手前で受け止める施設については、土砂災害特別警戒区域で求められる構造にまとめています(それがこの条の施設に当たるかは、窓口で確かめてください)。

安全な擁壁を設ければ、第5条第1項の範囲では道があります——区域の指定や法第19条第4項は、別に確認してください。2倍以内に入るなら、義務の形は「離しなさい」ではなく「設けなさい」です。崖の形状もしくは土質、または建築物の位置・規模もしくは構造に応じて、安全な擁壁を設ける——これを満たせば、第5条第1項については、原則として建てられます。これは第5条第1項の義務を満たすという意味で、土砂災害の区域、建築基準法第19条第4項は、別に確認してください。

厚木市の解説は、「安全な擁壁」の中身をはっきり書いています。——その高さに関わらず構造計算により安全性が確認され、構造計算どおり施工されたことが確認できたもの。そして2メートルを超える擁壁については、許認可を受け検査の合格が確認されたもの。そのうえで括弧書きで、「外観上に亀裂、破損又は変形若しくは傾いていないもの等であって維持管理が適切に行われているものに限る」と絞っています。

この定義は、既存の擁壁にとって厳しいものです。「昔からある擁壁だから大丈夫」では通りません——構造計算による安全性と、その計算どおり施工されたことを確認できる資料、2メートル超なら許認可と検査の合格、現況に亀裂・破損・変形・傾きがないこと、これらがそろい、維持管理が適切に行われていることで、はじめて「安全な擁壁」です。計算書があるだけでは足りません——市の解説は「構造計算により安全性が確認され、構造計算どおり施工されたことが確認できたもの」と書いています。土地を見に行くとき、擁壁の書類が残っているかを売主に聞いてください。書類が無ければ、造り直しの費用を見込む話になり得ます。なお高さ2メートルを超える擁壁は、建築基準法施行令第138条第1項第5号により法第88条第1項の工作物に指定されており、建築主事等(=市で建築確認を受け持つ職員)または指定確認検査機関(=国や県の指定を受けて確認・検査を行う民間の機関)の確認を受ける必要があります——擁壁そのものにも手続きがあります。条例の「崖」は3メートル超、擁壁の確認が要るのは2メートル超——数字が違うので、混ぜないでください。

擁壁の形や寸法の一般的な考え方は、擁壁の選び方にまとめています(この条の当てはめは、この記事に書いた窓口で確かめてください)。

擁壁なしで済む道は

ただし書は2つ。「当該部分については」と書かれています

擁壁なしで済む道は?
擁壁なしで済む道は?

第5条第1項ただし書は、2つの号のどれかに当たる場合に、当該部分については本文を適用しないと定めています。崖全体でひとまとめに判定するのではなく、部分ごとに見る書き方です。当たった部分については本文が外れますが、当たらない部分には残ります。

ただし書は2つの号です
ただし書は2つの号です
盛土の部分だけ外れます
盛土の部分だけ外れます
  • 第1号(安全上支障がない部分)——「崖の形状又は土質により、安全上支障がない部分」。市の解説は、土質試験その他の調査、試験に基づき斜面の安定計算(実況に応じて建物の上載荷重〈じょうさいかじゅう=斜面の上に載る建物などの重さ〉等を考慮した計算)をし、擁壁の設置が必要でないと確かめられたもの、もしくは崖全体が土質に応じた安定角以下であることが確かめられたもの等としています。安定角は現地の土質試験に基づくものを原則としつつ、表によることもできるとして、軟岩60度/風化の著しい岩40度/砂利、真砂土(まさど)、関東ローム、硬質粘土その他これらに類するもの35度/盛土又は腐植土25度を挙げています。ここは「安定角以下であることが確かめられたもの」であって、「表を見れば済む」ではありません——原則は現地の土質試験です
  • 第2号(崖の上部が盛土の場合)——崖の上部が盛土の場合で、盛土の高さが1メートル以下、斜面の勾配が45度以下であり、その斜面を芝またはこれに類するもので覆ったときにおける当該盛土の部分。市の解説は具体例を挙げています——2.5メートルの崖の上に1メートルの盛土をした場合、高さ3.5メートルの崖となり本条が適用されることとなるが、盛土部分の斜面勾配を45度以下とし崩壊防止の措置(保護モルタル、芝はり等)を講じた場合、盛土の部分に限り安全な擁壁を設けなくてよい。そのうえで「盛土部分以外には安全な擁壁を設けるかまたは、安全な擁壁の確認をする必要がありますので注意してください」、「盛土部分の荷重を考慮した計画とする必要があります」と続けています——外れるのは盛土の部分だけです

2.5メートルの崖(それ自体は3メートル以下)でも、上に1メートル盛土をすれば3.5メートルの崖になり、条例がかかり始めます。造成で高さが変わると、規制の当たり方も変わります。

擁壁以外の道は

第2項に当たれば、第1項は適用されません

擁壁以外の道は?
擁壁以外の道は?

2 前項の規定は、崖の上に建築物を建築する場合にあっては、当該建築物の基礎が崖に影響を及ぼさないとき、崖の下に建築物を建築する場合にあっては、当該建築物の主要構造部(崖崩れによる被害を受けるおそれのない部分を除く。)を鉄筋コンクリート造とし、又は崖と当該建築物との間に適当な流土止めを設けたときは、適用しない。

厚木市建築基準条例 第5条第2項

第2項は、擁壁を設ける代わりの道です——条文が求めているのは、崖の上に建てるなら、建築物の基礎が崖に影響を及ぼさないこと。崖の下に建てるなら、主要構造部(崖崩れによる被害を受けるおそれのない部分を除く)を鉄筋コンクリート造とするか、崖との間に適当な流土止めを設けることです。「崖崩れが起きても壊れない」という結果を約束する条文ではありません。「家じゅうをコンクリートで固めなさい」という意味ではありません——鉄筋コンクリート造にするのは主要構造部のうち、崖崩れによる被害を受けるおそれのある範囲で、その範囲は、市の解説が図で示しています(2Hの対象範囲と、1/3Hを目安とする考え方)。「安いほうを選ぶための逃げ道」ではありません——どちらも、構造の検討と図面が要ります。

崖の上は基礎が影響しないこと
崖の上は基礎が影響しないこと
崖の下は主要構造部をRC造
崖の下は主要構造部をRC造
または流土止めを崖との間に
または流土止めを崖との間に
  • 崖の上に建てる場合——「当該建築物の基礎が崖に影響を及ぼさないとき」。市の解説は、崖下端より角度(θ)の崩壊線より下に基礎を下げ、建築物を良質な地盤に支持させ、現状の崖に新たな負担をかけない場合をいう、としています。支持杭等で良好な地盤に支持させる場合も、崖崩れによる影響を考慮した計画とし、崩壊線以深への十分な根入れ(ねいれ=ここでは、杭や基礎を地中に埋め込む深さ)を確保するとともに、崩壊線以浅の部分の摩擦力等を考慮しない等の配慮をしたものは同様に扱う、としています。そして括弧書きで「柱状改良等は不可、ただし地盤全体をラップル置換等する場合は可」と、使える工法・使えない工法をはっきり分けています——地盤改良なら何でもよい、ではありません
  • 崖の下に建てる場合——主要構造部(崖崩れによる被害を受けるおそれのない部分を除く)を鉄筋コンクリート造とするか、崖と建築物とのあいだに適当な流土止めを設ける。市の解説は、流土止めについて崖下端から1.5メートル以上離れた位置に設けるとしたうえで、崖の高さの2倍(2H)の範囲を対象とし、崖の高さの3分の1(1/3H)を目安にコンクリートの部分・ロックフェンスによる部分を図示しています。外壁と流土止めを兼ねる場合は高さ1.5メートル程度以上とする必要があるものについて混構造として扱う場合があるとも書かれています

第2項が外すのは第1項です。第3項(排水)は、別に残ります。

崖の上の敷地で要ることは

崖の上端に隣接する敷地なら、排水の措置も要ります(第5条第3項)

崖の上の敷地で要ることは?
崖の上の敷地で要ることは?

3 崖の上端に隣接する建築敷地には、崖の上部に沿って排水溝を設ける等崖への流水又は浸水を防止するための適当な措置を講じなければならない。

厚木市建築基準条例 第5条第3項

第3項は崖の上の話です。ここでいう「崖」も第1項括弧書きの定義(勾配30度超・高さ3メートル超)ですが、条件は「2倍以内」ではなく「上端に隣接する」と書かれています——距離ではなく、崖の肩に敷地が接しているかどうかで決まります。市の解説は、措置の参考例としてU字側溝、崖肩コンクリート打等、そして崖からできるだけ離して浸透槽等を設けることを挙げています。浸透枡を崖の近くに置くと、かえって崖に水を入れることになります——雨水の処理の設計は、崖から遠ざける向きで考えてください。

排水の措置も要ります(第3項)
排水の措置も要ります(第3項)

第3項にただし書はありません。第1項ただし書に当たって擁壁が要らない場合でも、第2項に当たって第1項が適用されない場合でも、第3項は別の義務として残ります——そして後で見るとおり、第3項も罰則の対象です。

第3項は、第1項とは当たり方が違います。第1項は「2倍以内の位置に建築物を建築し、又は建築物の敷地を造成する場合」ですが、第3項は「崖の上端に隣接する建築敷地」です。建てるかどうか、造成するかどうかを問うていません。崖の肩に接している「建築敷地」であれば、この措置が求められます——既存の建物・敷地にどこまで及ぶかは、法第3条などの適用関係を別に確認してください(建築物との関わりを離れて、隣り合うすべての土地にかかるという意味ではありません)。敷地の境界が崖の上端にどう接しているかを、配置図で確かめてください。

災害危険区域の規定は

災害危険区域——この条例に規定はありません。危険が無いという意味ではなく、県が指定する区域で見ます

災害危険区域の規定は?
災害危険区域の規定は?

厚木市建築基準条例の第2章(崖付近の建築物)は、第3条から第5条までの3か条で構成されていますが、第3条と第4条は「削除」と書かれています。この2条が、厚木市の災害危険区域の規定でした。旧第3条は、県知事が市内に指定した急傾斜地崩壊危険区域を、法第39条第1項の災害危険区域として指定するもの。旧第4条は、その区域内で居室を有する建築物を建てるとき、基礎と主要構造部を鉄筋コンクリート造またはこれに類する構造とし、かつその居室が「がけ」(勾配が30度を超える傾斜地)に直接面していないことを求めるものでした(建築物ががけ崩れによる被害を受けるおそれのない場合は、この限りでないというただし書が付いていました)。

いまの条例に規定はありません
いまの条例に規定はありません

市は、令和7年(2025年)12月22日の改正で、この2条を削除しました(公布・施行とも同日)。市が挙げている理由は、土砂災害特別警戒区域では建築基準法施行令第80条の3により居室を有する建築物の構造規制が行われることになったこと、そして神奈川県により土砂災害防止のために必要な区域が整理されたことです。同じ改正で、第2章の名前が「災害危険区域等における建築物」から「崖付近の建築物」に変わり、第1条(趣旨)からも法第39条第1項及び第2項が削られ、罰則の第70条からも「第4条、」が削られています。いまの第1条が挙げているのは、法第40条(法第88条第1項において準用する場合を含む)、法第43条第3項、法第50条、法第52条第5項、法第56条の2第1項、政令第144条の4第2項で、災害危険区域の根拠である法第39条は入っていません。つまりいまのこの条例には、災害危険区域を指定する規定も、区域内の建築物を規制する規定も置かれていません。ただし、それは「崖崩れの危険が無い」という意味ではありません——県条例にあった災害危険区域の2条も2026年4月1日に削除され、いまは土砂災害防止法の区域と急傾斜地崩壊危険区域で見ます。

古い条文で判断しないでください。手元の条例の写しや、数年前の解説に第3条・第4条の中身が載っていたら、それは改正前のものです。この改正の附則は「この条例は、公布の日から施行する」だけで、経過措置は置かれていません。すでに建っている建物や、改正の前後にまたがる計画をどう扱うかは、建築指導課で確かめてください。

県条例に例外は無かった

県条例の災害危険区域の条は、2026年4月1日に削除されました

県条例に例外は無かった?
県条例に例外は無かった?

2026年3月31日までは、県条例に2つだけ外れない条がありました。第53条第1項に「(第2条の2及び第2条の3の規定を除く。)」という括弧書きがあり、同条第2項が「第2条の2及び第2条の3の規定は、…法第39条第1項又は第2項の規定に基づき条例を定めたときは…適用しない」と定めていました。2026年4月1日の改正で、第2条の2・第2条の3は両方とも削除されました。同じ改正で、第53条第1項の括弧書きも、同条第2項も、罰則の第59条第1項にあった「第2条の3、」も削られています(神奈川県公報 令和7年12月23日 号外第70号・神奈川県条例第84号/県の新旧対照表)。

2026年に削除されました
2026年に削除されました
急傾斜地区域は別に残ります
急傾斜地区域は別に残ります

改正前の2条が何だったか——第2条の2は、知事が急傾斜地法第3条第1項により指定した急傾斜地崩壊危険区域(土砂災害特別警戒区域を除く)を、法第39条第1項の災害危険区域として指定するものでした。第2条の3は、その区域内で居室を有する建築物を建てるとき、基礎及び主要構造部を鉄筋コンクリート造またはこれに類する構造とし、かつその居室が「がけ」(こう配が30度をこえる傾斜地)に直接面していないことを求めるものでした。いまは、どちらも条例にありません。

県の解説は理由をこう書いています——土砂災害防止法の施行から土砂災害特別警戒区域の指定までの間、崖崩れによる被害を防止するため急傾斜地崩壊危険区域を災害危険区域としてきたが、特別警戒区域の指定が令和3年度までに完了し、法により制限を受ける区域が整理されたため。

そのため、いまは第53条第1項だけが残りました。建築基準条例として読む中心は厚木市建築基準条例です。ただし、県が指定・所管する区域や許可は、別に確認してください——急傾斜地崩壊危険区域も、土砂災害警戒区域・特別警戒区域も、指定しているのは県です。「急傾斜地崩壊危険区域=災害危険区域」ではなくなっただけで、区域そのものは残っています。厚木市も、上に書いたとおり、自前の災害危険区域の規定(旧第3条・旧第4条)を令和7年12月22日に削除しています。この建築基準条例のほかに、法第39条にもとづく条例が置かれていないかは、市の例規集を「災害危険区域」「法第39条」で調べても見つかりませんでした(例規集の内容現在=令和8年7月1日)。土地を買う前・設計に入る前に、厚木市の建築指導課で確かめてください。

急傾斜地崩壊危険区域そのものは残っています。区域内での切土・盛土・工作物の設置などには、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第7条第1項により知事の許可が要ることがあります。窓口は建築の窓口とは別で、所在地を所管する県の土木事務所・治水事務所です(担当課の名前は事務所によって違います——県の「【急傾斜・砂防・土砂など】許認可案内」のページで確かめてください)。同項ただし書により、非常災害のために必要な応急措置として行う行為、区域の指定の際すでに着手している行為、政令で定めるその他の行為は許可の対象から外れます。ただし、手続が無くなるとは限りません——区域の指定の際すでに着手していた行為は、指定の日から起算して14日以内に知事へ届け出なければなりません(同条第3項)。

2026年3月31日までの行為は、別です。改正条例の附則は、「この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による」と定めています。「削除されたから、過去のぶんも問われない」とは読めません。

これは「厚木市には崖の危険がない」という意味ではありません。この記事が確かめたのは厚木市建築基準条例の中身だけです。土砂災害防止法によるレッドゾーン・イエローゾーンは神奈川県知事が指定しており、急傾斜地法による急傾斜地崩壊危険区域も県が所管しています。自分の土地にどの区域がかかっているかは、必ず窓口と告示図書で確かめてください。

レッドゾーンなら外れる

レッドゾーン・イエローゾーンと、法第19条第4項は、別に残ります

レッドゾーンなら外れる?
レッドゾーンなら外れる?

第5条の擁壁を設けても、次の3つは別に残ります。

区域に入っても崖の規定は残る
区域に入っても崖の規定は残る
法第19条第4項も残ります
法第19条第4項も残ります
  • 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)——指定するのは神奈川県知事です。区域内で居室を有する建築物(居室=居住・執務・作業・集会・娯楽などのために継続的に使う室。建築基準法第2条第4号)を建てる場合、建築基準法施行令第80条の3の構造規制がかかります(土砂災害防止法と法施行令による全国共通の仕組みで、この条例とは別です)
  • 土砂災害警戒区域(イエローゾーン)——こちらは構造規制ではなく、警戒避難体制の区域です。ただし、第5条の崖に当たるかどうかは、区域の内外とは関係なく決まります——イエローゾーンに入っていないことは、第5条が外れる理由になりません
  • 建築基準法第19条第4項——建築物が崖崩れ等による被害を受けるおそれのある場合は、擁壁の設置その他安全上適当な措置が別に必要です。この規定に、崖の高さの下限はありません——高さ3メートル以下でも、かかり得ます。厚木市の条例の「崖」は3メートル超ですが、法第19条第4項に同じ線はありません

レッドゾーンでは、ふだんなら建築確認の要らない小さな建物でも、確認が必要になることがあります。土砂災害防止法第25条が、特別警戒区域内の居室を有する建築物を建築基準法第6条第1項第3号の区域内の建築物とみなして、法第6条から第7条の5まで・第18条・第89条・第91条・第93条を適用するからです(同項第1号・第2号に掲げるものと、同項第3号の区域は除かれます)。自分の計画に確認が要るかどうかは、窓口で確かめてください。なお、敷地が区域の内外にわたるときは、第25条が適用する法第91条により敷地の過半の属する区域の規定によります。ちょうど半分のときは「過半」に当たる区域がありません——その扱いは、厚木市の建築指導課で確かめてください。

区域に入っているかどうかは、厚木市の土砂災害ハザードマップや厚木市オールハザードマップで当たりを付けられます。ただし、指定するのは県知事です——地図サービスの表示と告示が食い違うことがあるので、最終確認は神奈川県の告示図書(法定図書)で行ってください。レッドゾーン内で建てる場合の構造の考え方と、改修への補助の枠組みは、レッドゾーンの家と土地で整理しています。

レッドゾーンでどんな構造が求められるかは、土砂災害特別警戒区域で求められる構造にまとめています(区域に入るかどうかの判定と、この条例の当てはめは、上の窓口で確かめてください)。

増築・改築のときは

既存の建物の増築・改築・用途変更——第5条は、条例の緩和の列挙に入っていません

増築・改築のときは?
増築・改築のときは?

既存不適格(きそんふてきかく=建てたときは適法だった建物)には、建築基準法第3条第2項により、その適合しなくなった規定が原則として適用されません。ただし増築・改築・移転・大規模の修繕・大規模の模様替をすると、法第3条第3項第3号・第4号により緩和が切れて条例が適用されるのが原則です。

緩和の列挙に第5条はない
緩和の列挙に第5条はない

厚木市建築基準条例 第68条(既存建築物に対する制限の緩和)は、緩和を第1項から第5項まで置いていますが、いずれも項ごとに、緩和する条を名指しで並べる形です。増築・改築・大規模の修繕・大規模の模様替をするなら、崖の第5条は原則としてかかってきます——緩和されません。その列挙に第5条が入っていないからです。ただし第5条の義務は「安全な擁壁を設ける」ことなので、既にあるものが市の解説のいう「安全な擁壁」と確認できれば足りる場合もあり得ます——個別の当てはめは、建築指導課で確かめてください。なお、法第85条第6項・第7項の仮設建築物については第67条により第5条は適用されませんが、これは期間を限った仮設の建築物の規定で、ふつうの住宅を想定したものではありません——個別の適用範囲は、窓口で確かめてください。

第68条には、市長が安全上もしくは防火上の危険の度もしくは衛生上の有害の度が低くなると認め、または特別の事情によりやむを得ないと認めた場合に緩和する項(第2項)もありますが、そこにも第5条は入っていません。「市長に認めてもらえば外れる」という道は、第5条については条例に用意されていません。擁壁を設けるか、第1項ただし書か第2項に当たるか——この記事で見てきた道のどれかを通ることになります。

この段落は、いまある建物を移転する人向けです。法第86条の7第1項が列挙しているのは法第20条・第21条・第48条といった法自身の条で、法第39条・第40条に基づく条例の規定は入っていません(同条第2項・第3項も同じです)。この条例に届くのは第4項(移転)だけです——同一敷地内の移転か、支障がないと特定行政庁(とくていぎょうせいちょう=建築確認や是正命令を受け持つ行政庁。原則として、建築主事または建築副主事を置く市町村ではその市町村の長、それ以外の区域では都道府県知事です。ただし、限定特定行政庁の区域内の政令で定める建築物については都道府県知事です。法第2条第35号)が認める移転では、既存不適格の扱いが続きます(施行令第137条の16)。どの移転でも続く、という意味ではありません。

用途変更——工事を伴わない用途変更でも、建築基準法第87条第2項により、法第39条第2項・第40条に基づく条例の規定は用途変更に準用されます。既存不適格の建物の用途変更については、法第87条第3項が列挙する規定(またはそれらに基づく条例規定)が原則として準用され、増築・改築・大規模の修繕・大規模の模様替をする場合(第1号)や、政令で指定する類似の用途相互間の変更で一定の条件を満たす場合(第2号)は、この準用から除かれます。第1号に当たるときは、法第3条第3項で判断します。

守らないと、どうなりますか

違反したら——建築主・所有者に来るのが是正命令、罰金の名宛人は原則として設計者

守らないと、どうなりますか
守らないと、どうなりますか

第5条第1項・第3項は、罰則の対象です。厚木市建築基準条例 第70条は、これらの規定に違反した建築物・工作物・建築設備の設計者(設計図書を用いないで工事を施工し、または設計図書に従わないで工事を施工した場合は工事施工者)を、50万円以下の罰金に処すると定めています。名宛人(なあてにん=この罰則を受ける人)は原則として設計者です。違反が建築主等の故意によるときは、設計者または工事施工者を罰するほか、建築主・工作物の築造主・建築設備の設置者にも同じ刑が科されます(第70条第2項)。法人の代表者や、法人・人の代理人・使用人その他の従業者が業務に関して違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、法人または人にも罰金が科されます(第70条第3項)。これは両罰規定——行為をした人だけでなく、その法人や雇い主も罰する定めです。第5条第2項そのものに違反、ということはありません(罰則の対象は第1項と第3項です)——第2項は義務を課す規定ではなく、第1項を適用しない場合を定めた規定だからです。

罰金は50万円以下。原則設計者
罰金は50万円以下。原則設計者
是正命令は建築主・所有者にも
是正命令は建築主・所有者にも

是正命令は、建築主・所有者なども対象になり得ます(法第9条第1項)

罰則の名宛人が原則として設計者でも、是正命令の相手方は別です。建築基準法第9条第1項は、違反した建築物・敷地について、当該建築物の建築主、工事の請負人(下請人を含みます)・現場管理者、建築物または敷地の所有者・管理者・占有者に対して措置を命ずることができる、と定めています。故意かどうかは、この条の要件ではありません。命じられるのは工事の施工の停止のほか、除却(じょきゃく=取り壊し)・移転・改築・増築・修繕・模様替・使用禁止・使用制限その他、違反を是正するために必要な措置です。建てたあとに除却や使用禁止を命じられ得るのは、建築主・所有者などです——設計者は、設計者であることだけでは名宛人に挙げられていませんが、設計者が現場管理者を兼ねていれば名宛人になり得ます。命令に従わないと、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です(法第98条第1項第1号)。

そして、建築確認が要らない計画でも、条例の適合義務は残ります。ここは、よく混ざる2つを分けてください。ひとつは「建築確認そのものが要らない場合」、もうひとつは「確認は要るが、審査の一部が省かれる場合」です。後者が確認特例(法第6条の4・施行令第10条)で、省かれる範囲は建築物と設計者の区分ごとに政令が定めており、その中には法第39条から第41条までに基づく条例の規定のうち、特定行政庁が規則で定めたものも含まれます。どちらの場合でも、条例に適合させる義務は、審査されるかどうかとは別に残ります。

どこに聞けばいい

窓口——厚木市都市みらい部 建築指導課です

どこに聞けばいい?
どこに聞けばいい?
  • 条例第5条の当てはめ・確認申請の相談——厚木市都市みらい部 建築指導課 建築審査係 046-225-2432(ファクス 046-223-0166。厚木市中町3-17-17 市役所第二庁舎13階)。土地を買う前に、まずここです
  • 条例の解説——市は「厚木市建築基準条例の解説」をPDFで公開し、最新のものを確認するよう注記しています。相談の前に、第5条の節を建築士に読んでもらってください
  • 建築指導課の係の分担——建築指導課には建築指導係と建築審査係があります。市は建築審査係の所管として、建築確認申請の審査及び検査、バリアフリー法の指導・審査及び認定、建築物省エネ法の審査及び認定、長期優良住宅の認定、低炭素建築物の認定、神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例に係る指導及び審査等を挙げています。課の代表は046-225-2430です
  • 急傾斜地崩壊危険区域の範囲・許可、土砂災害警戒区域等の指定(告示図書)——神奈川県。区域を指定するのは県知事です
  • 確認申請そのものの提出先——建築主事等(厚木市)のほか、指定確認検査機関にも出せます。どちらに出しても、条例の適合義務は同じです

契約の前に

売買契約の前に、専門家と確かめること

いつ、誰に相談しますか
いつ、誰に相談しますか

確かめるのは、土地の売買契約を結ぶ前です。買ったあとでは、擁壁の費用と配置の制約を、土地の値段に織り込みにくくなります。この一覧は、自分で判定するためのものではありません——測って図にするのは建築士、条例の当てはめは厚木市建築指導課です。

窓口に行く前に。擁壁の図面と構造計算書は当社が用意します。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。窓口には、その図面を持って行けます。 土のねっこ(L型擁壁) やまがみ(土砂待受擁壁) 擁壁を相談する ☎ 0120-1181-46

厚木市の建築指導課です
厚木市の建築指導課です
売買契約の前に動きます
売買契約の前に動きます
  • ① その土地は厚木市内か。厚木市内なら、読むのは厚木市建築基準条例です(神奈川県建築基準条例は適用されません。県条例第53条第1項。かつて例外だった第2条の2・第2条の3は、2026年4月1日に削除されました)
  • ② 敷地の中や周りに、勾配が30度を超える傾斜地で、高さが3メートルを超えるものがあるか。上のほうで30度以下になる部分は、市の解説では崖に該当しないとされています。多段の擁壁があるときは、一体の崖とみなされることがあります。高さが足りなくても、終わりではありません。建築基準法第19条第4項には高さの下限がありません——崖崩れ等による被害を受けるおそれがあれば、擁壁の設置その他安全上適当な措置が別に要ります。「うちは3メートル以下だから対象外」で止めないでください
  • ③ 建てる場所は、起点から2倍以内か。起点は、崖の上に建てるなら下端、下に建てるなら上端です。2倍を超えて離れていれば、第5条第1項本文はかかりません。敷地の造成も対象です
  • ④ かかるなら——安全な擁壁を設ければ、第5条第1項については原則として建てられます。既存の擁壁を使うなら、構造計算による安全性とそのとおり施工されたことを確認できる資料、(2メートル超なら)許認可と検査の合格、現況に亀裂・破損・変形・傾きがないこと、維持管理が適切に行われていることが要ります。高さ2メートルを超える擁壁は、令第138条第1項第5号・法第88条第1項の確認が別に要ります
  • ⑤ 第1項ただし書の2つの号のどれかに当たるか。「当該部分については」なので、崖の部分ごとに見ます。第2号で外れるのは盛土の部分だけで、それ以外には安全な擁壁が要ります
  • ⑥ 第2項に当たるか。崖の上なら基礎が崖に影響を及ぼさないこと(柱状改良等は不可とされています)、崖の下なら主要構造部を鉄筋コンクリート造とするか流土止めを設けること(流土止めは崖下端から1.5メートル以上離す)。第2項が外すのは第1項だけです
  • ⑦ 崖の上端に敷地が隣接しているなら、第3項の排水の措置が計画に入っているか。第3項にただし書はありません。浸透槽等は崖からできるだけ離して設けます
  • ⑧ レッドゾーン・イエローゾーンに入っていないか。レッドゾーンでは居室を有する建築物に令第80条の3の構造規制がかかります。敷地が区域の内外にわたるときの建築確認の手続は、土砂災害防止法第25条が適用する法第91条により敷地の過半の属する区域で決まります(ちょうど半分のときの扱いは建築指導課で確認)。最終確認は神奈川県の告示図書で
  • ⑨ 急傾斜地崩壊危険区域に入っていないか。区域内の切土・盛土・掘削や工作物の設置には、急傾斜地法第7条第1項の県知事の許可が別に要ることがあります。同項ただし書の例外(非常災害の応急措置、区域の指定の際すでに着手している行為など)や、指定の際すでに着手していた行為の14日以内の届出(同条第3項)も含めて、県の窓口で確かめてください
  • ⑩ 既存の建物の増築・改築・用途変更は、適用関係を窓口で。条例第68条の緩和の列挙に、第5条はありません
  • ⑪ 建築確認が不要でも、条例の適合義務は残ります。違反すれば、条例第70条の罰則(50万円以下の罰金)や、建築基準法第9条の是正命令の対象になり得ます

お問い合わせ

相談と見積(無料)

土のねっこが使えるか、図面か、段差の高さと長さ・現場の写真・住所からお答えします。図面と構造計算書は当社でご準備できます。

当社はコンクリート製品のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。

全国に配送します(沖縄・北海道・離島を除く)

お電話でも受け付けています。☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)

参考にした資料(原文を確認した日は、資料ごとに記しています)

  • 厚木市建築基準条例の解説(厚木市公式PDF・令和7年12月版。第1条・第2条・第3条・第4条・第5条・第67条・第68条・第70条・附則。2026年9月5日と9月6日に原文を確認)
  • 建築基準法(e-Gov法令検索・第3条・第4条・第6条・第6条の4・第9条・第19条第4項・第39条・第40条・第85条・第86条の7・第87条・第88条・第91条・第98条)
  • 建築基準法施行令(e-Gov法令検索・第10条・第80条の3・第137条の16・第138条・第144条の4)

厚木市を含む神奈川県のレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)については、区域図の調べ方・建築の決まり・待ち受け擁壁・補助金・相談先を神奈川県のレッドゾーンのページにまとめています。

同じ県の記事

擁壁・図面・見積のご相談

個人の方(土地をお持ちの方)からのご相談も承ります。擁壁の図面と構造計算書は当社でご準備できます。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。がけの高さ・角度と、現場の写真があれば、使える製品と概算をお答えします。

見積・相談を依頼する(無料)☎ 0120-1181-46(平日9〜18時)

ご相談・お見積は無料です。

製品・技術・見積についてご相談ください

お電話でのご相談(フリーダイヤル・平日9:00〜18:00) 0120-1181-46(イイヘイヨロ)

ご相談・お見積は無料です。原則1〜2営業日以内にご返信します。