東京都には、金属スクラップの屋外保管そのものを定めた都条例が見当たりません。積み上げの高さや囲いの構造といった、千葉県や茨城県が置いているような保管の基準です。都内の市区町村にも、その型のヤード条例を制定しているところは確認できませんでした。
ただし、「何の届出も要らない」ということではありません。都の環境確保条例には「ウエスト・スクラップ処理場」という項目があり、これに当たれば指定作業場として知事への届出が必要です。この記事は当初、その点を書き落としていました。あとで章を立てて書きます。
一方、東京都に接する4県のうち3県には、条例があります。埼玉県・千葉県は許可制、山梨県は届出制。神奈川県だけが、産業廃棄物の保管の届出という別の型です。
この記事は、都の例規集にある条例の全文と、各県・各市の条例、そして国の制度をもとに、「いま東京都で何がかかっていて、何がかかっていないのか」を整理します。
東京都廃棄物条例の全文を検索しました

都の条例で、廃棄物と資源循環を扱うのは「東京都廃棄物条例」です。目次はこうなっています。
目次 前文 第一章 総則 第一節 通則(第一条・第二条) 第二節 知事の責務(第三条―第七条) 第三節 事業者の責務(第八条―第十条) 第四節 都民の責務(第十一条・第十二条) 第二章 廃棄物の処理(第十三条―第二十条の二) 第三章 手数料(第二十一条―第二十三条) 第四章 東京都廃棄物審議会(第二十四条) 第五章 雑則(第二十五条―第二十八条) 附則
保管施設の構造を定める章がありません。(検索したのはこの条例の全文です。都のすべての条例・規則・要綱を確かめたわけではありません。)
全文(約20,000字)を検索した結果を書いておきます。
- 「再生資源物」「スクラップ」「ヤード」「屋外保管」——出現ゼロ
- 「囲い」「構造耐力」「積み上げ」——出現ゼロ
「保管の場所」という語は4回出てきますが、いずれも産業廃棄物収集運搬業者や処分業者が知事に報告する事項の文脈です。
五 産業廃棄物の積替え又は保管を行う場合には、次に掲げる事項
イ 積替え又は保管の場所の所在地、面積及び設備の概要
ロ 積替え又は保管の場所ごとの搬入量
ハ 積替え又は保管の場所ごとの保管量
ニ 積替え又は保管の場所ごとの搬出量
報告させる規定であって、どう保管するかを定める規定ではありません。
第2章の中身は、廃棄物処理計画の策定、産業廃棄物管理責任者の選任、特定排出事業者の報告と公表、収集運搬業者・処分業者の処理状況の報告と公表です。減量と適正処理を、報告と公表で押していく作りになっています。
もうひとつの都条例に「ウエスト・スクラップ処理場」があります

ここは、この記事が最初に書き落としていたところです。都の廃棄物条例だけを見て「都条例は無い」と書いてしまいました。スクラップを名指ししている都条例は、別にあります。
「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」(平成12年東京都条例第215号。通称「環境確保条例」)です。昭和44年の東京都公害防止条例を全部改正したもので、公害の防止を目的にしています。
この条例には「指定作業場」という仕組みがあります。
八 指定作業場 別表第二に掲げる作業場等(工場に該当するものを除く。)をいう。
その別表第二に、こうあります。
六 ウエスト・スクラップ処理場(建場業(収集人から再生資源(古繊維、古綿、古紙、古毛、古瓶又は古鉄類をいう。以下この項において同じ。)を集荷する業をいう。)、消毒業(再生資源を消毒する業をいう。)及び選分加工業(再生資源を建場業を営む者、会社、官公庁、工場等から大口に集荷し、これを選分し、又は加工する業をいう。)に係るものを除く。)
面積などの規模要件は付いていません。ただしかっこ書きの除外があります。
「金属スクラップの事業場はすべて指定作業場」とは言えません
除外の3つめ、「選分加工業」の定義をもう一度読んでください。「再生資源を建場業を営む者、会社、官公庁、工場等から大口に集荷し、これを選分し、又は加工する業」です。そして「再生資源」には「古鉄類」が明記されています。
金属スクラップの主な業態が、この除外に読み込まれる余地があります。そのうえ、「ウエスト・スクラップ処理場」そのものの定義は、条例にも施行規則にも見当たりませんでした。条文だけでは、どこまでが該当するのか決まりません。自分のところが当たるかどうかは、東京都環境局か、区市の窓口に確認してください。
なお、別表第二には材料置場も挙がっています。
九 材料置場(面積が百平方メートル以上のものに限る。)
そして廃棄物の保管場所もありますが、こちらは限定が強くかかっています。
七 廃棄物の積替え場所又は保管場所(前号に掲げるものを除き、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第七条第一項及び第六項、第十四条第一項及び第六項並びに第十四条の四第一項及び第六項の規定に基づき許可を得た者並びに地方公共団体が設置するものに限る。)
廃掃法の許可業者と地方公共団体に限られ、しかも「前号に掲げるものを除き」でウエスト・スクラップ処理場を外しています。
届出は「あらかじめ」。30日は別の条文です
(指定作業場の設置の届出)
第八十九条 指定作業場を設置しようとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。
一 氏名及び住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
二 指定作業場の名称及び所在地
三 指定作業場の種類及び作業の方法
四 建物又は施設の構造又は配置
五 ばい煙、粉じん、有害ガス、汚水、騒音、振動又は悪臭の防止の方法
六 自動車の出入口が接する道路の幅員
七 前各号に掲げるもののほか、知事が必要と認める事項
届出事項を見てください。求められているのは公害の防止の方法であって、保管の量や高さ、離隔ではありません。
変更も「あらかじめ」です。
第九十条 既に設置している指定作業場に係る前条第三号から第五号までに掲げる事項を変更しようとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
そして、30日はここに出てきます。
(実施の制限)
第九十二条 第八十九条又は第九十条の規定による届出をした者は、当該届出が受理された日から三十日を経過した後でなければ、当該届出に係る指定作業場を設置し、又は当該届出に係る事項を変更してはならない。
2 知事は、第八十九条又は第九十条の規定による届出に係る事項の内容が相当であると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
「30日前までに届け出る」ではありません。届出そのものの期限は「あらかじめ」だけで、30日は設置してはいけない期間です。知事が短縮できるとも書いてあります。
第77条の「へい」は、囲いの義務ではありません
この条例には「へい」の条文があります。ヤードの話をしていると、囲いの根拠のように見えます。読んでみます。
(へい等の設置)
第七十七条 工場又は指定作業場においては、第六十八条第一項に規定する規制基準が適用されない一時的な作業等に伴って発生する騒音、振動又は粉じんを防止するために必要なへいその他の設備を設けなければならない。
発動する場面が限られています。「規制基準が適用されない一時的な作業等に伴って発生する騒音、振動又は粉じんを防止するために」です。保管物が見えないように敷地を囲え、という規定ではありません。
そして「へいその他の設備」ですから、へいでなくてもかまいません。高さ・材質・構造の基準は、条例にも施行規則にもありませんでした。施行規則を全文検索しても「へい」「塀」は出てきません。
もう1つ、紛らわしい条文があります。
(屋外作業の制限)
第八十条 工場においては、作業の性質上やむを得ない場合を除き、屋外で騒音、振動又は粉じんを発生させる作業をしてはならない。
主語が「工場においては」です。指定作業場は入っていません。すぐ前の第77条が「工場又は指定作業場においては」と書き分けているので、これは書き分けだと読めます。そして「作業」であって「保管」ではありません。
罰則は、届出の側にあります
第百六十条 次の各号の一に該当する者は、二十五万円以下の罰金に処する。
一 第五条の八第二項、第五条の十第一項又は第八十九条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
第百六十一条 次の各号の一に該当する者は、十五万円以下の罰金に処する。(略)
三 第九十二条第一項の規定に違反して、指定作業場を設置し、又は第八十九条第三号から第五号までに掲げる事項を変更した者
届出の義務違反に、自由刑はありません。拘禁刑が出てくるのは命令に違反したときです。
第百五十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第九十一条、第九十八条第四項、第百十四条第二項若しくは第四項、第百二十五条第二項又は第百三十九条の規定による命令に違反した者
その第91条に、へいが出てきます。
十 第七十七条に規定するへいその他の必要な設備を設けないとき。
第77条に違反しても、それだけで刑罰にはなりません。知事の計画変更命令の事由になり、その命令に違反して初めて刑罰に届く、という二段構えです。
まとめると、こうなります
- ウエスト・スクラップ処理場は指定作業場です。当たるなら、あらかじめ知事に届出。受理から30日を経過するまで設置できません
- ただし除外のかっこ書きがあり、「金属スクラップの事業場はすべて該当」とは言えません。定義規定も見当たりません
- この条例が求めているのは公害(ばい煙・粉じん・有害ガス・汚水・騒音・振動・悪臭)の防止です。屋外保管の方法そのものを定めた規定は、条例にも施行規則にも見当たりませんでした
- 保管の高さ・面積・囲い・飛散防止・離隔の基準はありません。第77条の「へい」も、一時的な作業に伴う騒音・振動・粉じんを防ぐためのもので、基準値もありません
- 許可制ではなく届出制です
だから、この記事の結論そのものは変わりません。東京都には、屋外保管の方法を定めた条例は見当たりません。ただし「届出が何も要らない」わけではない——ここを書き落としていました。
都内の市区町村にも確認できませんでした
一般財団法人地方自治研究機構が、全国のヤード条例・スクラップヤード条例・資材置場条例を一覧にしています(令和7年12月26日更新)。
その一覧に、東京都も、都内の市区町村も、1つも載っていません。なお、この一覧は行政の公式資料ではなく、研究機関がまとめたものです。「絶対に無い」ことの証明にはなりませんが、都の条例の全文を検索した結果と一致しています。
載っているのは、たとえばこういう自治体です。
| 自治体 | 条例 | 施行 | 型 |
|---|---|---|---|
| 千葉市 | 千葉市再生資源物の屋外保管に関する条例 | 2021年11月1日 | 許可 |
| さいたま市 | さいたま市再生資源物の屋外保管に関する条例 | 2024年2月1日 | 許可 |
| 埼玉県越谷市 | 越谷市再生資源物の屋外保管に関する条例 | 2024年7月1日 | 許可 |
| 埼玉県川口市 | 川口市資材の適正な屋外保管に関する条例 | 2025年10月1日 | 許可 |
| 千葉県袖ケ浦市 | 袖ケ浦市再生資源物の屋外保管に関する条例 | 2023年4月1日 | 許可 |
| 神奈川県綾瀬市 | 綾瀬市再生資源物の屋外保管に関する条例 | 2019年7月1日 | 届出 |
川口市は東京都に接しています。荒川を渡れば北区・足立区です。越谷市にも独自条例がありますが、越谷市は東京都とは接していません。
東京都に接する4県のうち、3県には条例があります

東京都に接しているのは、埼玉県・千葉県・神奈川県・山梨県の4県です。並べます。
| 接する県 | 条例 | 施行 | 型 |
|---|---|---|---|
| 埼玉県 | 特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例 | 2025年1月1日 | 許可 |
| 千葉県 | 特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例 | 2024年4月1日 | 許可 |
| 山梨県 | 再生資源物の不適正保管等の防止及び産業廃棄物の適正管理の促進に関する条例 | 2024年7月1日 | 届出 |
| 神奈川県 | 産業廃棄物の保管場所の届出(型が違います) | — | 届出 |
| 東京都 | 見当たりません | — | — |
4県のうち3県に、金属スクラップを相手にした条例があります。
関東地方(1都6県)まで広げると、こうなります。
| 都県 | 金属スクラップの条例 |
|---|---|
| 茨城県 | 再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例(2024年4月1日・許可) |
| 群馬県 | 再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例(2026年10月1日施行予定) |
| 埼玉県 | あり(2025年1月1日・許可) |
| 千葉県 | あり(2024年4月1日・許可) |
| 栃木県 | 確認できませんでした |
| 東京都 | 確認できませんでした |
| 神奈川県 | 確認できませんでした(産業廃棄物の保管場所の届出はあります) |
東京都だけが空白、ということではありません。栃木県と神奈川県も、金属スクラップを正面から相手にした県条例は確認できませんでした(地方自治研究機構の一覧・令和7年12月26日更新)。
神奈川県の制度は、型が違います。産業廃棄物の保管場所の届出です。切り分けはこうなっています。
- 建設系廃棄物——100平方メートル以上300平方メートル未満は県条例による届出、300平方メートル以上は廃棄物処理法による届出
- その他の(特別管理)産業廃棄物——100平方メートル以上は県条例による届出。300平方メートル以上になっても県条例です
廃棄物処理法の300平方メートルの届出は、建設工事に伴って生じた産業廃棄物が対象だからです。
そして相手にしているのは廃棄物であって、有価物の金属スクラップではありません。
市の単位では、東京都に直接接する川口市にも条例があります。2025年10月1日から許可制です。越谷市にも独自条例(2024年7月1日・許可制)がありますが、越谷市は東京都とは接していません。
では、東京都のヤードには何もかからないのか

そうではありません。条例がないだけです。
金属スクラップを屋外に置いている事業場には、次のようなものがかかり得ます。
1. 扱っているものが廃棄物なら、廃棄物処理法
廃棄物に当たるなら、廃棄物処理法の保管基準がかかります。囲い、積み上げ高さ、掲示板——ここは全国共通です。
そして届出です。廃棄物処理法第12条第3項の事業場外保管の届出は、範囲が限られています。建設工事に伴い生ずる産業廃棄物を、排出事業者が事業場の外の300平方メートル以上の場所で保管する場合が対象です。「廃棄物なら何でも届出が要る」わけではありません。
そのうえで、金属スクラップには、有価物として取引され、廃棄物処理法上の廃棄物に該当しないものがあります。だから条例が必要になった、という関係になっています。
ただし、有償で売買されていることだけで「廃棄物ではない」と決まるわけではありません。環境省の行政処分指針は、有償譲渡を判断要素の1つとしたうえで、物の性状、排出の状況、通常の取扱形態、取引価値、占有者の意思などから総合的に判断するとしています。形式的に有償で売っているというだけでは、有価物とは判断されません。
2. 有害使用済機器なら、廃棄物処理法第17条の2の届出
家電4品目と小型家電28品目、あわせて32品目が「有害使用済機器」として政令で定められています。これを保管または処分する業を行う場合は、原則として届出が必要です。
「原則として」と書いたのは、届出が要らない場合があるからです。環境省のQ&Aが挙げている例を書きます。リユース品のみを取り扱う場合、事業場全体の面積が100平方メートルを超えない場合、そして金属又はプラスチックを主として含む廃棄物の処理に係る産業廃棄物処理業等の許可等を受けている事業場などです。下取りや、本業に付随する一時的な保管などの扱いもあります。この3つで全部ではありません。
そして、届出の対象となる「有害使用済機器保管等業者」には、囲いを含む保管基準の遵守が義務づけられています。ただし——
この基準が及ぶのは、その32品目だけです。金属スクラップ一般や雑品スクラップ一般には及びません。そして届出の対象から外れる事業場には、この基準がそのまま義務としてかかるわけではありません。(環境省の通知は、届出が不要となる産廃許可の事業場について、保管基準を「参考にする」としています。)
3. そのほかの法令
- 自動車リサイクル法——使用済自動車の引取り・解体・破砕
- 消防法・建築基準法——火気や工作物の扱い
- 騒音規制法・振動規制法・水質汚濁防止法——作業に伴う影響
- 都市計画法——市街化調整区域での土地利用
いちばん大事なこと——国の制度が動きました
2026年6月19日、廃棄物処理法を改正する法律が公布されました。
正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律等の一部を改正する法律」(令和8年法律第43号)。廃棄物処理法に第四章の二(第24条の7〜第24条の36)が加わり、一定の使用済金属・プラスチック物品について、保管業・再生業の許可制が導入されます。
これは全国一律です。条例のない都道府県にも、そのままかかります。
ただし、許可制の本体が始まる日は、まだ決まっていません。改正法の附則第1条は施行期日を三段構えで定めていて、原則は「公布の日から起算して二年六月を超えない範囲内において政令で定める日」です。
そして、いまの有害使用済機器の届出制度は廃止されます。
つまり、東京都で条例がないことは、これからも規制がないという意味ではありません。むしろ、条例のある県の事業者が先に慣れていて、東京都の事業者があとから一気に来る、という形になり得ます。
国の制度の中身については、当サイトで4回に分けて扱っています。
- スクラップヤードに許可制が入る(1) うちのヤードは許可が必要になるのか
- スクラップヤードに許可制が入る(2) いつから始まるのか、今何をすべきか
- スクラップヤードに許可制が入る(3) 囲いは本当に義務になるのか
- スクラップヤードに許可制が入る(4) 積み上げ高さは何mまでか
東京に事業場があるなら、いま見ておくこと

条例がないからこそ、確かめ方が変わります。
都県境をまたいでいないか
これがいちばん多い落とし穴です。東京都に本社があっても、事業場が埼玉県や千葉県にあるなら、その県の条例がかかります。そして千葉県も埼玉県も許可制です。
しかも、市によって条例が違います。千葉県内でも千葉市と袖ケ浦市は市の条例、埼玉県内でもさいたま市・越谷市・川口市は市の条例です。「県の条例を読んだから大丈夫」とはなりません。
扱っているものが廃棄物ではないと言い切れるか
有価物か廃棄物かで、かかる法令がまるごと変わります。有価で売れているという一点だけで判断されるものではありません。判断に迷うなら、事業場を管轄する行政に確認してください。
32品目が混じっていないか
家電4品目と小型家電28品目が混じっているなら、有害使用済機器の届出の対象になり得ます。届出の対象となる「有害使用済機器保管等業者」には、囲いを含む保管基準の遵守が義務づけられています。
届出が不要となる例として、リユース品のみを取り扱う場合、事業場全体の面積が100平方メートルを超えない場合、そして金属又はプラスチックを主として含む廃棄物の処理に係る産業廃棄物処理業等の許可等を受けている事業場などがあります。
いまの囲いが、荷重を受けられるか

先に断っておきます。いま東京都で、有価物の金属スクラップ一般に、囲いの構造耐力の基準がかかっているわけではありません。かかっているのは、廃棄物と、届出の対象となる有害使用済機器(32品目)の保管等についてです。国の新しい制度で、有価物のスクラップにどんな囲いが求められるかは、まだ検討中です。
そのうえで——先行して条例を持っている県には、共通して見られる考え方があります。
保管をする土地の周囲に囲い(保管をする特定物の荷重が直接当該囲いにかかる構造である場合にあっては、当該荷重に対して構造耐力上安全であるものに限る。)を設けること。
兵庫県の施行規則第9条第1号です。2003年12月15日から施行されています。鳥取県も2016年に、ほぼ同じ文を持っています。そして2024年からの各県も同じ考え方です。
「囲いを設けよ。荷重が直接かかるなら、その荷重に耐えられる囲いにせよ。」
この考え方は20年以上前からあって、いま各県に広がっているところです。国の新しい制度でどんな囲いが求められるかは、まだ決まっていません。ですが、囲いに寄せて積んでいるなら、その囲いが荷重を受けられるかどうかは、いまのうちに確かめておいて損はありません。
いま、確かめておくこと

- 事業場が本当に東京都内にあるか。都県境をまたいでいないか。埼玉県・千葉県は許可制です
- 「ウエスト・スクラップ処理場」に当たらないか。当たるなら環境確保条例の指定作業場として、あらかじめ知事に届出が必要で、受理から30日を経過するまで設置できません(第89条・第92条)。ただし建場業・消毒業・選分加工業に係るものは除かれます。該当するかどうかは都の環境局か区市の窓口に確認してください
- 置いているものが材料置場に当たり、面積が100平方メートル以上ではないか(別表第二 九)
- 都内でも、扱っているものが廃棄物に当たらないか。当たるなら廃棄物処理法の保管基準(囲い・積み上げ高さ・掲示板)がかかります。有償で売れているというだけでは、有価物とは判断されません(環境省の行政処分指針・総合判断)
- 建設工事に伴い生ずる産業廃棄物を、事業場の外の300平方メートル以上の場所で保管しているなら、事業場外保管の届出(廃棄物処理法第12条第3項)
- 家電4品目・小型家電28品目が混じっていないか。届出の対象となる「有害使用済機器保管等業者」には、囲いを含む保管基準の遵守が義務づけられています。届出不要となる例として、リユース品のみを取り扱う場合、事業場全体が100㎡を超えない場合、金属又はプラスチックを主として含む廃棄物の処理に係る産業廃棄物処理業等の許可等を受けている事業場などがあります
- 令和8年法律第43号(2026年6月19日公布)で、全国一律の許可制が入ります。施行日は公布から2年6か月を超えない範囲内の政令日で、まだ決まっていません
- いまの囲いに保管物の荷重が直接かかる構造になっていないか。なっているなら、その荷重に耐えられるか
- 自動車リサイクル法・消防法・建築基準法・騒音規制法・振動規制法・水質汚濁防止法・都市計画法が、別にかかっていないか
手続きや解釈の判断は、東京都環境局資源循環推進部(八王子市内の事業場は八王子市)、または事業場の所在地を管轄する行政にご確認ください。
出典
- 東京都廃棄物条例(東京都例規集)
- 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例・東京都例規集)
- 東京都環境局 工場・指定作業場の手続
- 東京都環境局 条例・規則・指針 廃棄物と資源循環
- 環境省 環循適発第1803169号(有害使用済機器の保管等に関する通知)
- 環境省 有害使用済機器に係るQ&A
- 環境省 行政処分の指針について(廃棄物該当性の判断)
- 一般財団法人地方自治研究機構 自動車ヤード・スクラップヤード・資材置場条例
- 姫路市 産業廃棄物等の不適正な処理の防止に関する条例等抜粋(特定物および土砂(特定事業)関係)(PDF)
- 産業廃棄物等の不適正な処理の防止に関する条例施行規則(兵庫県法規集)
- 千葉県 特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例
- 神奈川県 産業廃棄物の保管場所の届出について
