コンクリート塀の選び方

塀をコンクリートで作る方法は1つではありません。ブロック塀、現場打ちの鉄筋コンクリート塀、工場製作のプレキャストコンクリート塀では、作り方も、法律の基準も、地震への備え方も変わります。

このページは、2018年の大阪府北部地震のブロック塀事故をきっかけに塀の安全を発信してきたコンクレタスが、コンクリート塀の種類・法律・耐震・費用の考え方を1ページに整理したものです。

コンクリート塀の種類

ブロック塀(補強コンクリートブロック造)現場打ち鉄筋コンクリート塀プレキャストコンクリート塀
作り方ブロックを現場で積み、鉄筋とモルタルで補強する現場で型枠・配筋・打設・養生を行う工場で製作した塀を現場へ運び、据え付ける
品質の決まり方施工者の技量と手順に大きく左右される現場の管理体制に左右される工場の管理下で製造し、現場条件を確認して据え付ける
現場工程積み上げ・養生に日数がかかる型枠・配筋・養生に日数がかかる整地・据え付けが中心で、現場工程を抑えやすい
移設・撤去解体が基本(再利用不可)解体が基本(再利用不可)製品によっては移設を検討できる
留意点法律の基準(高さ・控壁・基礎)への適合確認が重要工期と現場管理の負担搬入経路・揚重(クレーン)の条件確認が必要

ブロック塀には法律の基準があります

補強コンクリートブロック造の塀は、建築基準法施行令第62条の8で主な基準が定められています。概要は次のとおりです(実際の適用は、特定行政庁・地域の条例・現地条件の確認が必要です)。

  • 高さは2.2m以下とすること
  • 壁の厚さは15cm以上(高さ2m以下の塀は10cm以上)とすること
  • 長さ3.4m以下ごとに、所定の控壁を設けること
  • 基礎の丈は35cm以上とし、根入れの深さは30cm以上とすること
  • 所定の鉄筋を配置すること

2018年の大阪府北部地震では、基準に適合しないブロック塀の倒壊で通学中の児童が亡くなりました。私たちはこの事故をきっかけに、塀と基礎の安全について発信を続けています。経緯や解説はブロック塀マニアックス(連載)ブロック塀・基礎の安全情報をご覧ください。

塀の歴史と役割をひもとく(塀のねっこガイド)

連載を第1回から読む(ブロック塀マニアックス-1)

塀の安全は基礎で決まります

倒れたブロック塀を調べると、壁そのものより、基礎や鉄筋の施工に問題が見つかることが少なくありません。塀を選ぶときは、見える壁だけでなく「地面の下がどうなるか」を確認することが大切です。

コンクレタスの塀のねっこは、基礎と塀を一体で工場製作する耐震プレキャストコンクリート塀です。実物大の耐震振動実験と浸水実験を設計検討の資料としています。実験の記録は技術・検証・実績で公開しています。

選び方の分かれ目は「底版が入るか」

実務でプレキャスト塀を選べるかどうかは、多くの場合「底版(L型の足)を置く幅を確保できるか」で決まります。塀のねっこはL型の底版で自立する構造のため、境界際に底版ぶんの幅が必要です。

この幅が取れない現場が多かったことから、私たちは建築基準法準拠のブロック塀基礎「土地分け丸」を開発しました。底版が入る現場は塀のねっこ、入らない現場は土地分け丸+ブロック塀——どちらの現場でも、法律の基準に沿った塀を計画できます。

必要な幅は、高さで決まります

「底版が入るか」は、目分量ではなく寸法で決まります。基礎と壁を一体で作る塀のねっこ(L型・壁厚150mm)の場合、高さごとに必要な底版の幅・根入れ・地耐力は次のとおりです。

高さ H底版幅 B根入れ Df最大地上高必要地耐力 kN/㎡(背面土 有/無)
500 mm350 mm300 mm200 mm24 / 14
1,000 mm500 mm400 mm600 mm34 / 24
1,500 mm700 mm450 mm1,050 mm41 / 29
2,000 mm950 mm500 mm1,500 mm41 / 32
2,500 mm1,300 mm500 mm2,000 mm39 / 32
3,000 mm1,700 mm500 mm2,500 mm38 / 31

100mm刻みの全表(高さ500〜3,000mm)は製品ページにあります。底版幅は直線部の値です。端部がR形状になると大きくなります(高さ2,000mmの場合、直線950mm/片端R1,000mm/両端R1,100mm)。上表は公開済みの標準寸法で、採用前には案件条件に合わせた最新図面をご案内します。

たとえば高さ2,000mmの塀を建てるなら、境界からおよそ950mmの幅が要ります。この幅が取れない現場では、建築基準法準拠のブロック塀基礎土地分け丸とブロック塀で計画します。

高さ別寸法表(500〜3,000mm)を見る

どんな条件で設計しているか

塀の安全は、どんな地盤・どれだけの地震・どれだけの風を見込んだかで変わります。同じ高さの塀でも、想定が違えば必要な寸法が変わります。塀のねっこが従来公開してきた設計条件は次のとおりです。

項目L型 厚さ150・200逆T型 厚さ150・200逆T型 平置き(根入れゼロ)
周辺土・埋戻し土の土質砂質土粘性土記載なし
内部摩擦角 φ30°記載なし
単位体積重量 γ18 kN/㎥17.5 kN/㎥記載なし
摩擦係数 μ0.550.550.45
水平震度 kh0.60.60.6
基準風速50 m/s50 m/s50 m/s
地下水位・根入れ地下水位=底版以下地下水位=底版以下平置き(根入れゼロ)

「記載なし」は、従来公開仕様に項目が示されていないという意味です。

水平震度0.6は、地面が600Galで揺れることを見込んだ設計です。実際にどう揺すったか、どこで損傷が出たかは、技術・検証・実績に加振ごとの記録があります。

準拠する規準類は次のとおりです。

  • 建築基準法、同施行令、及び関連告示
  • 鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説
  • 壁式鉄筋コンクリート造設計・計算規準・同解説
  • 建築基礎構造設計指針
  • 建築物荷重指針・同解説
  • 他、関連指針

図と数値は従来公開していた仕様です。製造条件が変更される可能性があるため、採用前に必ず最新図面をご確認ください。

塀のねっこ標準品の背面図・正面図・側面図・平面図
塀のねっこ標準品の背面・正面・側面・平面図。

費用の考え方

コンクリート塀の費用は「製品(材料)+基礎+据え付け+運搬」で構成され、延長、高さ、地盤、搬入条件によって変わります。単価だけでなく、現場工程の日数、将来の建て替え・移設のしやすさまで含めて比較することをおすすめします。条件が分かれば概算をご案内できますので、お問い合わせください。

搬入と据え付けは、どうなるか

工場で作った塀を運んで据え付けるため、現場の工程は短くできます。そのかわり、道路と敷地の条件が先に決まります。

納品は車上渡しです。荷下ろし用のクレーンは、お客様の手配でご準備ください。高さ2,000mm・製品長2,000mmの直線品で1本およそ2,070kg、高さ3,000mmでは約3,330kgあり、人の手では下ろせません。

現場では、測量・掘削・均しコンクリート・敷モルタル・据え付け・レベル調整・埋戻しの順に進みます。手順は塀のねっこガイドで公開しています。

製造から施工までの手順(20工程)を見る

用途別の選び方

  • 工場・プラント・公共施設の外周や目隠しに — 高さと耐震性を確認しながら計画します → 塀のねっこ
  • 古いブロック塀の建て替えに — 底版の幅が取れる現場は塀のねっこ、取れない現場は土地分け丸+ブロック塀で計画します
  • 分譲地の境界・フェンスの基礎に — 複数区画を共通仕様で計画できます → 土地分け丸
  • 納入・施工の実例を見たい塀のねっこ 納入・施工記録

資料をお送りします

製品の考え方、性能試験、採用例をまとめた資料を用意しています。会員登録は要りません。ページから直接ダウンロードできます。

パンフレットは写真が多く、約99MBあります。通信環境にご注意ください。

資料ダウンロード(一覧)

よくあるご質問

コンクリート塀とは何ですか?

コンクリート塀とは鉄筋コンクリートでできた塀で、塀の中でも最高級品です。外部からの脅威を守り、家の価値を高めます。ブロック塀とは全く違い、耐久性、意匠性などに非常に優れています。

コンクリート塀とブロック塀は何が違いますか?

ブロック塀もコンクリート製品の一種ですが、現場でブロックを積んで作るため、品質が施工に左右されやすい工法です。現場打ち鉄筋コンクリート塀とプレキャストコンクリート塀は一体の鉄筋コンクリートで、プレキャストは工場製作した塀を現場で据え付けます。

ブロック塀の高さはどこまで作れますか?

補強コンクリートブロック造の塀は、建築基準法施行令第62条の8で高さ2.2m以下と定められています。控壁や基礎の基準もあわせて確認が必要です。

古いブロック塀からの建て替えはできますか?

できます。既存の塀の撤去、地盤、境界、搬入条件を確認して計画します。基礎と塀が一体のプレキャスト製品を使うと、現場工程を抑えた建て替えを検討できます。スペースの問題で設置できない場合は、建築基準法準拠のブロック塀基礎「土地分け丸」で対応できます。

プレキャストコンクリート塀の耐震性はどう確認しますか?

塀のねっこでは、実物大の耐震振動実験の記録を設計検討の資料とし、設置場所・高さ・地盤・風などの条件を案件ごとに確認します。

費用はどのくらいかかりますか?

延長・高さ・地盤・搬入条件で変わるため、一律の単価はご案内していません。条件が分かれば概算見積をご案内できます。

お電話でのご相談(フリーダイヤル・平日9:00〜18:00) 0120-1181-46(イイヘイヨロ)

ご相談・お見積は無料です。原則1〜2営業日以内にご返信します。

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