塀のねっこの構造・材料・役割

HEINONEKKO / STRUCTURE & GUIDE

塀のねっこは、基礎と壁を工場で一体製造するL型のプレキャストコンクリート塀です。形状、寸法、材料、用途と、派生製品との関係をこのページで確認できます。

図と数値には従来公開仕様を含みます。製造条件が変更される可能性があるため、採用前に最新図面、地盤、風・地震、搬入・揚重条件を確認してください。

構造

基礎と壁を一体化し、工場で製造する。

現場で壁と基礎を別々に構築するのではなく、L型部材として工場で一体製造します。現場では地盤・基礎条件を整え、クレーンで据え付けます。

塀のねっこの前面根入れ、背面根入れ、底版幅を示す施工断面図
これまで公開してきた施工断面図です。前面根入れ、背面根入れ、底版幅などは現場条件に応じて確認します。

採用前に確認する条件

  • 地盤と支持条件
  • 前面・背面の根入れ
  • 風荷重、地震時の条件
  • 開口、門扉、隣接構造物
  • 搬入経路、クレーン、揚重範囲

従来公開仕様

高さ500〜3000mm、標準・短尺・R端部を用意。

以下は、これまで公開してきた寸法・重量表をテキストにしたものです。現在の製造可否と正式寸法は、お見積りの際にご確認ください。

高さ H500〜3000mm
壁厚 t150mm
底版厚 tf150mm
ハンチ c150mm
製品長 L標準2000mm、短尺1000mm。片端Rは標準2075mm・短尺1075mm、両端Rは2150mm
従来公開重量約558〜3457kg。高さ、底版幅、端部形状で変わります
端部形状標準、片端R、両端R
従来公開資料を基にした概要。最新仕様は案件ごとに確認。
塀のねっこの高さ、底版幅、重量、根入れ差、最大地上高を示す従来公開寸法重量表
高さ500〜3000mm、標準・R端部(片端R・両端R)の従来公開寸法・重量表。

旧技術資料に残る型式

旧WEBパンフレットの技術資料には、現在掲載しているL150系のほか、次の図面群が公開されていました。情報を消さずに記録しますが、現在の製造可否、正式名称、寸法、設計条件は未確認です。検討時は必ず最新資料と照合してください。

旧図面の区分公開されていた資料現在の扱い
L150系寸法重量表、標準、片端R、両端R概要を本ページへ掲載。最新図面を要確認
L200系寸法重量表、標準、片端R、両端R製造可否・寸法を要確認
gT150系寸法重量表、標準、片端R、両端R正式名称・製造可否・寸法を要確認
gT200系寸法重量表、標準、片端R、両端R正式名称・製造可否・寸法を要確認
gT150平置き系寸法重量表、標準、片端R、両端R用途・製造可否・寸法を要確認
gT200平置き系寸法重量表、標準、片端R、両端R用途・製造可否・寸法を要確認
従来公開ファイル名を基にした資料索引。現行製品の仕様表ではありません。

端部形状

直線だけでなく、端部とコーナーを納める。

R端部は、塀の終端やコーナー付近を直角のまま残さず、丸みを持たせるための形状です。片端Rは左右どちら側でも製造できると旧資料で案内されています。

標準品

直線区間を構成する基本形状です。図中の記号と寸法位置を確認できるよう、全幅で掲載しています。

片端R

左右どちらか一方の端部へ丸みを持たせます。

両端R

両側の端部へ丸みを持たせる形状です。

搬入・据え付け

製品を置くだけでは、塀は完成しません。

旧WEBパンフレットでは、掘削、整地、据え付け、調整・接続、埋戻しの流れを案内していました。実際には地盤、根入れ、排水、製品間、端部、開口部を確認し、施工図と施工計画に基づいて据え付けます。

01

地盤と設置高さを確認

掘削前に埋設物を確認し、地盤、根入れ、基礎、排水、仕上がり高さを施工図と照合します。

02

搬入・揚重を計画

製品重量、車両の進入、クレーンの能力と設置場所、吊り方、作業半径を事前に確認します。

03

据え付けて調整

位置、高さ、通り、傾きを調整し、製品間、コーナー、端部、フェンスや門扉との納まりを確認します。

04

接続・埋戻し・確認

最新図面で指定された接続と目地処理を行い、所定の材料と手順で埋め戻し、完成状態を確認します。

旧資料には車上渡しと荷下ろし用クレーンの手配案内がありました。現在の配送・荷下ろし条件は、地域、数量、製品重量、搬入経路によって変わるため、お見積り時に確認してください。株式会社コンクレタスでは現在、施工工事を受注していません。

材料

コンクリートの圧縮強度と、鉄筋の引張抵抗を組み合わせる。

従来公開情報では、コンクリートの設計基準強度30N/mm²、単位体積質量2450kg/m³を案内していました。コンクリートは圧縮力に強く、引張力に弱いため、鉄筋と組み合わせます。

  • 工場で材料、配筋、締固め、養生を管理
  • 壁・底版を一体化した鉄筋コンクリート部材
  • 現場条件に応じて基礎、接続、開口部を設計

数値は従来公開仕様です。正式な配合、配筋、かぶり、設計条件は最新資料で確認してください。

塀の役割

用途に合わせて、必要な仕様を決めます。

防犯、目隠し、飛散防止、止水など、用途によって確認する条件が変わります。

区画・侵入・視線

敷地境界を明確にし、侵入、飛び出し、視線への対策を考えます。

音・風・飛散

必要な高さ、延長、開口、壁の連続性と、施設内外への影響を確認します。

地震・水・火

要求性能と設計条件を確認します。止水用途は水守、防火用途は火の守として、用途を限定した派生製品も用意しています。

工場でつくる理由

現場作業を減らし、工場で品質を管理する。

現場ではクレーンで据え付けるため、型枠、配筋、コンクリート打設、養生にかかる現場作業を減らせます。

現場作業を工場へ移す

型枠、配筋、コンクリート打設、養生の多くを工場で行い、現場では据え付けを中心にします。職人不足や天候による工程変動を減らす考え方です。

長く使うために確認する

コンクリートの耐久性だけで寿命は決まりません。地盤、排水、かぶり、接続、塩害・凍害環境、維持管理を含めて計画します。

移設・再利用の可能性

プレキャスト部材は、接続と吊り部の状態、再設置先の条件を確認できれば、レイアウト変更時の移設を検討できます。すべての製品が無条件で再利用できるという意味ではありません。

開発の背景

危険な塀を、現場任せにしないために。

塀のねっこは、ブロック塀の倒壊事故を減らし、塀の品質を工場で管理しやすくすることを課題として開発を進めてきました。旧WEBパンフレットでは、2018年の大阪府北部地震で起きたブロック塀倒壊事故を、開発課題を社会へ伝える契機の一つとして記録しています。

基礎と壁を一つの部材へ

壁だけでなく、地中へ入る底版まで一体化したL型部材とし、転倒に抵抗する仕組みを製品側へ持たせます。

品質管理を工場へ

配筋、型枠、コンクリート打設、養生を工場で行い、現場ごとの製作条件に左右される工程を減らします。

実物で挙動を確かめる

2019年には金沢工業大学との共同研究で実物大耐震振動実験を行いました。公開数値は入力波や設置条件と合わせて確認します。

仕上げと計画

形、表面、組み合わせを敷地に合わせる。

旧WEBパンフレットでは、コンクリート面を生かす仕上げ、表面処理、塗装、模様、木材やフェンスとの組み合わせを紹介していました。現在選べる仕上げ、数量条件、現場作業の範囲は案件ごとに確認します。

コンクリート面を生かす

素材の色むらや気泡を含むコンクリートらしい表情を生かします。求める見え方と許容範囲を事前にそろえます。

表面処理・塗装・模様

施設の外観に合わせる場合は、過去の公開例を参考に、製造時または現場で可能な方法を確認します。

フェンスや門扉と組み合わせる

視線、通風、侵入対策、開口部の使い方を整理し、塀の高さと上部・端部の納まりを決めます。

相談時に分かると計画しやすいもの

  • 希望する地上高さと、おおよその延長
  • 土地と建物の配置が分かる平面図
  • 設置したい位置、折れ点、門扉などの開口部
  • 組み合わせたいフェンスや仕上げのイメージ
  • 搬入経路とクレーンを置ける場所

防犯計画

高い塀だけで、防犯を完結させない。

コンクリート塀は敷地への接触と視線を抑える物理的な境界になります。一方で、死角、門扉、照明、防犯カメラ、警報、避難・消防動線との組み合わせが必要です。高さや上部形状は、用途、周辺環境、関係法令を確認して決めます。

防犯は塀だけで完結しません。死角や避難動線を含め、敷地全体で計画します。

製品の派生関係

塀のねっこを出発点に、用途ごとの製品へ。

外周を守るL型プレキャスト部材の考え方を基に、守りたい対象や設置条件を限定して製品を展開してきました。

塀のねっこ

外周区画、防犯、目隠し、防音、飛散対策を現場条件から計画する基本製品です。

水守

浸水対策へ用途を限定し、製品間、出入口、排水を含む止水区画を計画します。

火の守

工場や危険物施設の防火区画へ用途を限定したプレキャストコンクリート防火塀です。

土を支える用途は土のねっこ、ストックヤードの仕切りはヤードンとして、必要な働きに合わせて形状と名称を分けています。

数値は、試験条件と一緒に確認する。

塀のねっこでは実物大耐震振動実験と浸水防止実験を公開しています。最大加速度だけを切り取らず、供試体、設置方法、入力波、水深、接続部などの条件と一緒に確認してください。