塀で浸水は止められるのか 塀のねっこマニアックス-3

水害の現状

災害・水防

水害の現状

近年の異常気象により大雨・台風が大幅に増加。河川の設計基準を超えた雨水は河川からあふれ市街地に押し寄せ、大きな被害に。

水害の現状

生活基準

住宅に水が入り込み家や車・家財道具をすべてダメにし生活ができなくなる。

思い出

保険金がでても思い出の品々は帰ってこない。

危険避難

土砂降りで水位が上がってくる中避難が必要となる。

資産価値

住宅・マンションの価値が下がってしまう。

被害

住宅:壁内の断熱材、
床下への汚泥侵入マンション:地下設備ポンプ、電気設備の破損、水害に弱い

公共防災

ダムの放水

ダム、堤防、排水ポンプ施設などの国や地方自治体の管理する防災設備に依存。

輪中地域

〈地域堤防〉古くからの洪水地域では堤を集落に周りに作り安全地帯とした。〈水屋石垣〉洪水となっても安全なように敷地を石垣で組んで高くし敷地内に 水屋と呼ばれる避難用の建物を準備していた。

かさ上げ

土地をかさ上げすることにより浸水を防ぐ。敷地が広い場合は侵入路を作れば高く上げられる。敷地が狭い場合は数10cmだけあげられる。

“これからの”水害を防ぐ方法

これからの水害を防ぐ方法

浸水防止塀

塀のねっこで敷地を囲うことによるミニ輪中。

耐浸水住宅

家そのものに浸水に耐えられる設計とするが、高価でかつメーカーが限られる。

塀のねっこで出来る浸水対策

どんな住宅でも塀でしっかり囲む事で浸水対策が出来ます。

準備する物:塀のねっこ、止水版、排水ポンプ、発電機

開口部は弱点として残っていますので、災害警報が発令したら止水版で 開口部対策。 敷地内に降る雨、製品ジョイント間や止水版からの 漏水もありうるので、それを集める集水マス、そして排水ポンプを準備。 豪雨では停電になることもよくありますので、ぬれない場所に発電機を 準備してください。 何事にも万全という事はありませんので、 避難警報が出ましたら家を守る準備をして避難場所に避難してください。

※マスというのはコンクリート製の立方体。地中に埋め水がたまるようになっている。

塀のねっこで出来る浸水対策

床下浸水対策[50cmまで]

1. 許容浸水高の検討

基礎高が40cmとした場合床上浸水となる宅地地盤高60cmを想定した浸水対策とする。

床下浸水対策 許容浸水高の検討

2. 地上高の検討

地上高60cmの20%余裕を見て72cmの地上高を目標とする。

床下浸水対策 地上高の検討

3. 製品の選定

72cmの地上高を実現できる製品H1200(地上高800、根入れ400)を選定する。

浸水防止の推奨高さの断面図。製品高1200、前面高800、根入400、保険対象の浸水高45cm

多くの火災保険には水災(浸水被害)についての特約が設定されています。代表的な条件としては「床上浸水もしくは45cm以上の浸水」となっています。つまり、床下浸水の場合は一般的に保険が適用されません。このため災害時によく床下の泥を掻き出すボランティアがTVで写されますが、これは保険対象外のためボランティアに頼らざるを得ないためなのでしょう。そのため、大被害は保険でカバーし、保険対象外の床下浸水は塀でカバーするという考え方は非常に有効ではないでしょうか。

日本初 プレキャスト
コンクリート塀の実物での
浸水・水密実験

場所:熊本県天草市

重要な建築物を塀で囲い浸水防止塀とする考えの検証を実施。

「塀のねっこ」はプレキャストコンクリートですので、一つ一つの大きさに限界があり、長さ方向では標準で 2mとなっています。 そのため2mおきに切れ目があります。 製品間の止水処理を完全にした場合は水漏れが殆ど無いことがわかっておりますので、今回の実験ではその 境界からどのように水が漏れるかをしらべ、また、簡易な止水方法でどのように防げるのかを実験しました。

浸水・水密実験の概要
浸水・水密実験の計測
熊本県天草市での浸水・水密実験
熊本県天草市での浸水・水密実験

浸水防止塀

浸水防止塀としての塀のねっこ

塀のねっこは15cmのしっかりとした壁厚をもつコンクリート塀のため、水密性が高く、重量もあるため浸水防止塀として利用することができます。

普段も災害時も家族を守る外構として活躍します。

浸水防止塀としての活用
【防災外構】 浸水防止塀としての活用

(追記 )2021年4月に実大サイズでの浸水防止試験を行いました。→日本初のコンクリート塀による浸水防止試験の実施

使い方

浸水防止塀の使い方
防災外構 浸水防止塀として 道路側より
【防災外構】 浸水防止塀として 道路側より

Q&A

塀なのに水をとめられるの?

元々塀のねっこは「N1プラットフォーム」と呼ばれる、複数製品を一つの型枠で製造出来る鋼製型枠にて製造されており、将来的にはL型水路と呼ばれる水路製品も派生商品として供給する予定でした。

L型水路は大型の水路を構築する際に広く土木向けに使われており、水を遮断する能力は実証されてきております。

L型水路のイメージ

底版先端より鉄筋を露出させたL型の製品を相対させます。図中は省略していますが相対する底版間には鉄筋を配置し、コンクリートを打設、一体化します。

水路幅が自由に設計でき、運搬の制限が出ないため大型の水路に使われます。

L型水路のイメージ
L型水路のイメージ(底版部の鉄筋は一部省略)

製品間から水が漏れるのでは?

製品間には製造誤差、施工誤差により数ミリの隙間が出来る可能性があります。
隙間は極わずか(数mm)で、多くの場合は泥水に含まれる土粒子による閉塞効果でそのままでも簡易止水効果が期待できます。

オプションとなりますが、よりよい止水性能を求める場合は 製品間の漏水を防ぐ止水テープで製品間の止水をする事が可能です。

塀のねっこだけで浸水防止は大丈夫なの?

開口部の止水

玄関、カーポートなどの開口部からは水が浸入しますので、水害が予想される場合は出入り口などの開口部に止水板、土嚢積みを行ってください。よりよい止水性を求める場合は2m間隔で存在する製品の切れ目部分に土嚢を積んでいただければ大丈夫です

侵入水の排水

また、敷地周囲を完全に水密化する事は現実的で無いこと、敷地内への降雨により敷地内の水位が上がる可能性があります。

そのため、排水も考える必要がありますが、水深の浅い水をポンプで排水する事は難しいため、排水ピット(穴)を準備し、そこたまった水を水中ポンプにて敷地外へ排水してください。

排水ピットは普段はガーデニング用の水栓と組み合わせて使って頂けると、追加費用が少なく実現できます。

関連記事

ブログでも浸水対策の記事を書いています。

補助金の紹介もありますので是非ご覧ください。

コンクリート塀を使った住宅浸水防止の提言


◀ 前の回:地震で塀が倒れるのはなぜか 塀のねっこマニアックス-2

▶ 次の回:土砂災害に塀は効くのか 塀のねっこマニアックス-4

塀のねっこガイド(連載の目次)

製品ページ「塀のねっこ」を見る / ▶ 資料をダウンロードする

製品・技術・見積についてご相談ください

お電話でのご相談(フリーダイヤル・平日9:00〜18:00) 0120-1181-46(イイヘイヨロ)

ご相談・お見積は無料です。原則1〜2営業日以内にご返信します。