さいたま市内のヤードには、埼玉県の条例が適用されません。市が自分の条例を持っているからです。
そして、その市条例には埼玉県条例と比べて、特に目立つ基準が3つあります。いずれも、条文が「第8条第1項の許可を要する屋外保管事業場」と限定している基準です。つまり許可の対象になる事業場を、新しく設置する場合にかかります。
- 立地の基準——住宅等から100メートル以上離れていること
- 緑地帯——敷地の境界と囲いの間に2メートル以上
- 構造の基準——自重、積載荷重その他の加重、地震力及び温度応力に対して構造耐力上安全であること
地震力と温度応力まで書いてあります。さいたま市の特徴は「地震力」という語そのものよりも、第10条第2項第5号として、事業場の構造に独立した構造耐力の基準を置き、温度応力まで明記していることにあります。
大事な前提を先に書きます。この3つは、既存の事業場には適用されません。そして100平方メートル以下など、そもそも許可が要らない事業場にも、次に見る第25条の適用除外に当たる場合にも、かかりません。さいたま市の案内でも、既存屋外保管事業場について「住宅等から100m以上離れていること」「2m以上の緑地帯の設置」「屋外保管事業場の施設が構造耐力上安全であること」は「×」と示されています。新しく設置する場合の基準だと読んでください。
この記事は、さいたま市再生資源物の屋外保管に関する条例(令和5年12月28日条例第51号)と同施行規則の条文から、順にたどります。
2024年2月1日から。罰則は同年8月1日から

附則(施行期日)
1 この条例は、令和6年2月1日から施行する。ただし、第27条から第30条までの規定は、同年8月1日から施行する。
第27条から第30条までは罰則です。義務は2月から、罰則だけ半年遅れて8月から。制度を始めるときの猶予でした。いまはどちらも施行済みです。
目的の条文を見ておきます。
第1条 この条例は、再生資源物の屋外における適正な保管について必要な事項を定めることにより、屋外に保管された再生資源物の火災・延焼、崩落、飛散その他の事故等を防止するとともに、当該保管に伴う騒音、振動、悪臭、水質の汚濁等の発生を防止し、又は軽減し、もって市民生活の安全の確保及び生活環境の保全に寄与することを目的とする。
火災が最初に来ます。そして崩落、飛散。目的の並び順が、そのまま基準の重さに反映されています。
7種類を例示。これらに類する材質と混合物も対象です

(1) 再生資源物 使用を終了し、再生資源(略)として収集された木材、ゴム、金属、ガラス、コンクリート、陶磁器、プラスチックその他これらに類する材質を原材料とするもの(分解、破砕、圧縮等の処理がされたものを含む。)及びこれらの混合物をいう。ただし、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(略)第2条第1項に規定する廃棄物(略)及び法第17条の2第1項に規定する有害使用済機器に該当するものを除く。
7種類の材質が並びます。木材、ゴム、金属、ガラス、コンクリート、陶磁器、プラスチック。そして「その他これらに類する材質」と、混合物。
7つで閉じているわけではありません。「これらに類する材質」まで入ります。
「金属スクラップの条例」だと思って読むと、範囲を取り違えます。コンクリートも陶磁器も木材も入ります。
除かれるのは2つ。廃棄物(使用済自動車リサイクル法で廃棄物とみなすものを含む)と、有害使用済機器です。どちらも別の法令が受け持ちます。
「屋外保管」の定義も見ておきます。
(3) 屋外保管 業として再生資源物の取引を行うため屋外において再生資源物を保管(再生資源物の破砕、選別、積替えその他の作業を含む。)することをいう。
破砕・選別・積替えも「保管」に含まれます。置いているだけでなく、作業をしていても対象です。
許可が要るのは、原則として100㎡超から
第8条 屋外保管事業場を設置しようとする者は、次に掲げる場合を除き、設置する屋外保管事業場ごとに、当該設置に係る許可を受けなければならない。
(1) 当該屋外保管事業場の敷地面積が100平方メートルを超えない場合(敷地が隣接する屋外保管事業場にあっては、その敷地が隣接する屋外保管事業場の各敷地面積の合計が100平方メートルを超える場合を除く。)
(2) 屋外保管以外の事業を本来の業務として行う者が、当該業務を行う事業場において当該業務に付随して屋外保管を一時的に行う場合
(3) 当該屋外保管事業場が、使用済自動車の再資源化等に関する法律第60条第1項の規定による解体業の許可又は同法第67条第1項の規定による破砕業の許可を受けた者のそれぞれ当該許可に係る事業所に該当する場合
100平方メートルを超えるかどうかです。そして敷地が隣接する事業場は合計で判定します。分けても逃げられません。
ただし「原則として」です。100平方メートルを超えていても、本来の業務に付随して一時的に行う場合と、自動車リサイクル法の解体業・破砕業の許可に係る事業所は、第2号・第3号で許可の対象から外れます。
許可の有効期間は5年。5年ごとに更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失います。
そして、これとは別に「条例そのものが適用されない」場合があります。第8条の3つは許可が要らない場合ですが、第25条は条例の適用除外です。別のものです。
第25条 この条例の規定は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号)第13条の2第1号に定める廃棄物の処理に係る許可、認定、委託又は指定(以下この条において「許可等」という。)を受けた者が当該許可等に係る事業場において屋外保管を行う場合及び国又は地方公共団体が屋外保管を行う場合には、適用しない。
廃棄物処理法施行規則第13条の2第1号に定める許可等を受けた者が、その許可等に係る事業場で屋外保管をする場合。そして国または地方公共団体が屋外保管をする場合。この2つでは、条例の規定が丸ごとかかりません。
「廃棄物処理法の許可なら何でも」ではありません。同法施行規則第13条の2第1号に定めるものに限られています。
いちばん重いのは、立地の基準です

ここがさいたま市の最大の特徴です。許可の前に、そもそも場所が条件を満たしていなければなりません。
第10条 第8条第1項の許可を要する屋外保管事業場の場所は、次に掲げる基準に適合しなければならない。
(1) 屋外保管事業場の敷地の境界から住宅等(住宅、学校、病院、公民館、博物館、図書館、保育所、特別養護老人ホームその他の社会福祉施設及びこれらに類するものであり、これらの敷地を含む。以下同じ。)までの距離が100メートル以上あること。ただし、第6条の規定による協議が開始された後に、当該協議に係る屋外保管事業場の敷地の境界から100メートル未満に住宅等が設置された場合は、この限りでない。
(2) 屋外保管事業場の敷地が、規則で定める方法により、幅員4メートル以上の公道でその両端が当該公道の幅員以上の幅員を有する公道に接続しているものに接していること。ただし、その周囲の状況により、交通及び安全に支障がないと市長が認める場合は、この限りでない。
(3) 屋外保管事業場の場所の土地の地形及び地質が市民生活の安全及び生活環境の保全上支障がないものであること。
住宅等から100メートル以上。そして「住宅等」には、住宅だけでなく学校、病院、公民館、博物館、図書館、保育所、特別養護老人ホームその他の社会福祉施設が入り、その敷地を含みます。
これは事実上の場所の制限です。市街地では、100メートル以内に何もない土地を探すこと自体が難しくなります。
ただし、ただし書きに救いがあります。協議が開始されたあとに、100メートル未満に住宅等ができた場合は、この限りでない。先に手続きを始めていれば、あとから建った住宅で許可が止まることはない、という作りです。
公道の要件も、規則がはっきり書いています。
第15条 条例第10条第1項第2号の規則で定める方法は、屋外保管事業場の敷地と、公道が4メートル以上接するものとする。
幅員4メートル以上の公道に、4メートル以上接していること。「かすっている」では足りません。
構造の基準に、緑地帯と地震力があります

2 第8条第1項の許可を要する屋外保管事業場の構造は、次に掲げる基準に適合しなければならない。
(1) 屋外保管事業場の敷地の境界の内側に、みだりに人が立ち入るのを防止することができる囲いが設けられていること。
(2) 屋外保管事業場の敷地の境界と前号の囲いとの間に、緑地帯を2メートル以上設けること。
(3) 第1号の囲いの内側の底面を不浸透性の材料で覆うこと。
(4) 排水を放流する場合は、その水質を市民生活の安全及び生活環境の保全上支障が生じないものとするために必要な排水処理設備及びこれに接続する排水溝その他の設備を設けること。
(5) 自重、積載荷重その他の加重、地震力及び温度応力に対して構造耐力上安全であること。
2つ、埼玉県条例と比べて目立つものがあります。
ひとつめは緑地帯です。敷地の境界と囲いの間に2メートル以上。囲いは敷地の境界そのものではなく、2メートル内側に建てることになります。敷地の使える面積が、四周で2メートルずつ削られます。
ふたつめが第5号です。「自重、積載荷重その他の加重、地震力及び温度応力に対して構造耐力上安全であること」。
地震力と温度応力まで書いてあります。構造耐力という考え方自体は埼玉県条例にもあり、県の審査基準でも囲いについて風圧力・地震力等に対する安全性が確認されます。さいたま市条例の特徴は、第10条第2項第5号として「事業場の構造」そのものに独立した構造耐力の基準を置き、温度応力まで明記していることです。
そして、この第5号は「保管物の荷重が囲いにかかる場合」の条文ではありません。屋外保管事業場の構造そのものにかかる基準です。荷重をかけるかどうかとは別に、独立してかかります。
荷重が「かかるおそれ」でも、構造耐力が要ります

保管の基準は第15条です。囲いに関する部分を引きます。
ア 屋外保管する再生資源物の荷重が直接囲いにかかり、又はかかるおそれがある構造である場合にあっては、当該荷重に対して当該囲いが構造耐力上安全であるようにすること。
「又はかかるおそれがある構造」が入っています。
ここは県によって書き分けが違うところです。兵庫県と鳥取県は「直接かかる構造である場合」だけで、「おそれ」を含みません。さいたま市は含みます。
実務では、この差が大きく効きます。ただし、どこまでが「おそれがある構造」に当たるかは、条文からは読み取れません。判断に迷うなら、市に確認してください。
つまりさいたま市には、構造耐力を求める条文が2つあります。
- 第10条第2項第5号——事業場の構造そのもの。自重・積載荷重・地震力・温度応力
- 第15条第1項第2号ア——囲いに荷重が直接かかり、又はかかるおそれがある場合
積み上げ高さは50パーセント勾配、上限5メートル

高さは規則第21条です。
(1) 屋外保管の場所の囲いに保管する再生資源物の荷重が直接かかる構造である部分(以下この条において「直接負荷部分」という。)がない場合 当該屋外保管の場所の任意の点ごとに、地盤面から、当該点を通る鉛直線と当該屋外保管の場所の囲いの下端(当該下端が地盤面に接していない場合にあっては、当該下端を鉛直方向に延長した面と地盤面との交線)を通り水平面に対し上方に50パーセントの勾配を有する面との交点(当該交点が2以上ある場合にあっては、最も地盤面に近いもの)までの高さ又は5メートルのうちいずれか低いもの
ア 直接負荷部分の上端から下方に垂直距離50センチメートルの線(直接負荷部分に係る囲いの高さが50センチメートルに満たない場合にあっては、その下端)(以下この条において「基準線」という。)から当該保管の場所の側に水平距離2メートル以内の部分(略)
50パーセント勾配、上端から下方50センチメートルの基準線、水平距離2メートル、5メートルの上限。——福島県や山梨県、鳥取県で見た形と同じ骨格です。
そして、さいたま市には5メートルの絶対上限があります。鳥取県には無かったものです。
ここに、見落としやすい読み替えがあります。
2 条例第10条第2項第2号に規定する緑地帯を設置しない場合においては、前項第2号に規定する保管の高さは、同号中「50センチメートル」とあるのは「1メートル」と、「2メートル」とあるのは「4メートル」と読み替えるものとする。
緑地帯を設けない場合は、基準線が上端から下方1メートルになり、水平距離が4メートルになります。5メートルの上限は残ります。
条件は「緑地帯を設置しない場合」です。「既存事業場である場合」ではありません。ここを混ぜないでください。
既存事業場には緑地帯2メートルの設置義務がありません。ですから実際に緑地帯を設けていなければ、この読み替えが効きます。基準線が50センチメートル下がるところが1メートル下がり、天井が上がり始めるのが2メートル先ではなく4メートル先になる、ということです。
ただし、条文が言っているのは「条例第10条第2項第2号に規定する緑地帯」です。敷地の境界と囲いの間に2メートル以上という、あの緑地帯のことです。既存事業場が任意に設けている植栽などを、これに当たるものとして扱うかどうかまでは、条文からは読み取れません。任意に緑地帯を設けている場合にこの読み替えを適用するかは、市に確認したほうが確実です。
火災は200㎡と2メートル。騒音には数値基準があります

火災防止の措置は規則第23条です。
(1) 再生資源物が再生資源物以外の物と混合するおそれのないように区分して保管すること。
(2) 再生資源物に電池、潤滑油その他の火災の発生のおそれがあるものが含まれる場合にあっては、技術的に可能な範囲でこれらを適正に回収し、処理すること。
(3) 再生資源物の一の保管の単位の面積を200平方メートル以下とすること。
(4) 隣接する再生資源物の保管の単位の間隔は、2メートル以上とすること(当該保管の単位の間に火災の延焼を防ぐに足りる仕切りが設けられている場合を除く。)。
(5) 前各号に掲げるもののほか、市長が必要と認める措置
200平方メートルと2メートルです。そして、ここに「金属のみである場合を除く」という除外がありません。福島県の規則には「当該保管に係る特定再生資源物が金属のみである場合を除く」があり、千葉県では雑品スクラップに限られています。さいたま市の条文には、その限定が書かれていません。
騒音と振動は、規則第24条が数値で示しています。
第24条 条例第15条第1項第4号の規則で定める措置は、屋外保管事業場の敷地の境界線において、別表第1及び別表第2の区域の区分及び時間の区分に応じた基準を超えないものとする。
敷地の境界線で測ります。区域と時間帯ごとの基準が別表にあります。
ねずみと害虫の条文があります
この連載でここまで読んだ条例には無かった号です。
(5) 屋外保管事業場においてねずみが生息し、及び蚊、はえその他の害虫が発生しないように必要な措置を講じること。
条例第15条第1項第5号。市の「条例及び施行規則の概要」も、保管基準の1つとして「ねずみの生息、蚊、ハエ等の害虫発生に対する予防措置」を挙げています。
「必要な措置」の中身は、条文にも規則にも書かれていません。何をすれば足りるのかは、市に確認してください。
そして、この保管基準には面積による適用除外があります。
2 敷地面積が100平方メートルを超えない屋外保管事業場については、前項第1号イ及びウの規定は、適用しない。
外れるのは第1号のイとウだけです。害虫の第5号も、火災の第3号も、騒音振動の第4号も、100平方メートル以下の事業場にかかります。
掲示板は2種類。幅も長さも60センチメートル以上
100平方メートルを超える事業場では、掲示板が2種類あります。(条例第15条第2項により、敷地面積が100平方メートルを超えない事業場には、この2つの掲示板の規定は適用されません。)
ひとつめは事業場の掲示板(規則第20条第1項・第2項)。幅及び長さがそれぞれ60センチメートル以上で、書くのは7項目です。
(1) 屋外保管事業場である旨(2) 許可の年月日及び許可番号(3) 許可の期間(4) 屋外保管事業者の氏名又は名称(5) 屋外保管事業場の管理者の氏名及び連絡先(6) 相談窓口に係る名称及び連絡先(7) 保管する再生資源物の種類
「相談窓口に係る名称及び連絡先」があります。苦情の受け皿を、掲示板に書かせる作りです。
ふたつめは、屋外保管の場所ごとの掲示板(同条第3項・第4項)。こちらも60センチメートル以上で、4項目です。
(1) 屋外保管の場所である旨(2) 保管する再生資源物の種類(3) 屋外保管事業場の管理者の氏名又は名称及び連絡先(4) 容器を用いずに保管する場合にあっては、次条に規定する高さのうち最高のもの
最高の保管高さを、保管の場所ごとに書きます。
手続きは4段階。使う前に検査があります

設置までの流れは、こうです。
- 事前協議(第6条)——事業計画を作り、あらかじめ市長と協議
- 説明会(第7条)——協議が終わったら、敷地の境界線から300メートル以内に居住する者、または土地・建物を所有する者に説明会。開催後、概要を市長に報告
- 許可の申請(第8条)——立地・構造・保管の基準に適合し、欠格事由に当たらないこと
- 使用前検査(第9条第3項)——設置が完了したら申請書を出して検査を受け、基準に適合していると認められた後でなければ、使用してはならない
周知の相手は「300メートル以内に居住する者」だけではありません。「又は土地若しくは建物を所有する者」も入ります。住んでいなくても、土地を持っていれば説明の対象です。
帳簿は5年。領収書で代えられます
第16条 屋外保管許可事業者は、再生資源物を受け取り、又は引き渡したときは、許可に係る屋外保管事業場ごとに、次の各号に掲げる事項に関する帳簿を作成するとともに、取引の日から5年間これを保存し、かつ、当該屋外保管事業場(略)に備え置かなければならない。
(1) 再生資源物の取引の年月日及び取引先
(2) 再生資源物の品目及び数量
取引先を書きます。鳥取県の記録が「取引の年月日」と「品目及び数量」の2項目だけで相手方の欄がないのとは、違います。
そして、これで終わりではありません。条例第16条第1項第3号の「規則で定める事項」を、規則第25条第2項が足しています。
(1) 屋外保管事業場からの流出の防止のために回収した廃油又は廃液の品目及び数量
(2) 火災の発生のおそれがあるものとして回収したものの品目及び数量
(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項
回収した廃油・廃液と、火災のおそれがあるものとして回収したものを、品目と数量まで書きます。
書く時期も決まっています。
第25条 条例第16条第1項の規定による帳簿の作成は、毎月、屋外保管許可事業者が前月中における同項各号に規定する事項について、毎月末までに記載するものとする。
毎月末までに、前の月の分を書き終えておきます。
そして実務で効く一文があります。
2 前項に規定する帳簿は、同項各号に掲げる事項が記載された再生資源物の受け取り又は引き渡しに係る代金の領収書をもって代えることができる。
必要事項が書かれていれば、領収書で代えられます。ただし「必要事項」には、いま見た廃油・廃液や火災のおそれがあるものの品目・数量まで含みます。領収書だけで足りるとは限りません。
罰則は1年以下の拘禁刑。無許可がいちばん重い

第27条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。
(1) 第8条第1項の規定に違反して、市長の許可を受けずに、屋外保管事業場を設置した者
(2) 第11条第1項の規定に違反して、市長の許可を受けずに、同項の許可に係る事項(略)を変更した者
(3) 不正の手段により第8条第1項の許可若しくは同条第4項の許可の更新又は第11条第1項に規定する変更の許可を受けた者
(4) 第13条第2項若しくは第3項、第19条第2項若しくは第3項又は第21条第2項の規定による命令に違反した者
第28条 第9条第3項(略)の規定に違反して、第10条第1項及び第2項並びに第15条第1項の基準に適合していると認められる前に、屋外保管事業場を使用した者は、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。
検査に通る前に使うと、それだけで刑罰です。
そのほか、変更の届出をしない・虚偽の届出、期限内に報告しない・虚偽の報告、立入検査の拒否や虚偽の答弁は30万円以下の罰金(第29条)。そして両罰規定(第30条)があり、法人にも罰金刑が科されます。
既存事業者の期限は、もう終わっています

2 この条例の施行の際現に存する屋外保管事業場(以下「既存屋外保管事業場」という。)は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)に設置されたものとみなす。
(略)
4 既存屋外保管事業場については、第10条第2項第4号及び第15条の規定は、施行日から起算して6月を経過する日までの間は、適用しない。
5 この条例の施行の際現に屋外保管を行っている者(略)は、既存屋外保管事業場について、施行日から起算して6月を経過する日までの間に規則で定める事項を市長に届け出なければならない。
6 前項の規定による届出をした従前の屋外保管事業者は、その届出に係る既存屋外保管事業場について、施行日に第8条第1項の許可を受けたものとみなす。
施行日は2024年2月1日です。さいたま市は、この届出の期限を「2024年7月31日まで」と案内しています——「2024年7月31日をもって既存屋外保管事業場の届出の受付は終了しました」。この期限は、すでに終わっています。
なお、「起算して6月を経過する日」の数え方は、自治体によって表記が分かれます。千葉市は同じ言い回しについて、施行日(2021年11月1日)の「1月を経過する日」を2021年12月1日と案内していて、応当日をとっています。期限の日付は、自分で計算せず、その自治体の案内で確かめてください。
読み方に注意が要ります。猶予されたのは第10条第2項第4号(排水処理設備)と第15条(保管基準)で、しかも6か月だけです。
そして既存事業場には、第10条第2項の構造基準のうち第4号を除く部分が、附則第3項によって適用されません。つまり緑地帯2メートルと、地震力・温度応力を含む構造耐力の基準は、既存事業場にはかからないという建て付けです。ただしこれは、変更の許可を受けるときにどうなるかとは別の話なので、増設や変更を考えているなら、事前に市へ確認してください。
もう1つ、既存事業者に残る義務があります。
7 従前の屋外保管事業者は、周辺住民等から求めがあった場合は、規則で定める事項について説明しなければならない。
新設のような説明会の義務はありませんが、求められたら説明する義務があります。
そして、期限内に届出をしなかった場合です。さいたま市は、はっきり書いています。「新規に設置の許可を取得する必要があるため、既存事業者は必ず手続きを行ってください。」そして「無許可の設置となり、罰則(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)の対象となります。」
※ 市の既存事業者向けページは現在も「懲役」と表記していますが、現行の条例では「拘禁刑」に改正されています(令和7年3月21日条例第27号・令和7年6月1日施行)。
届出を逃していれば、いまは新規の設置許可を取ることになります。つまり立地基準(住宅等から100メートル)も、緑地帯2メートルも、事業場の構造耐力も、新設としてかかってきます。
いま、確かめておくこと

- ねずみが生息し、蚊・はえその他の害虫が発生しないように必要な措置を講じていますか(条例第15条第1項第5号)。100平方メートル以下でもかかります
- 事業場がさいたま市内にあるか。あるなら埼玉県条例ではなく、さいたま市条例です
- 扱っているものが木材・ゴム・金属・ガラス・コンクリート・陶磁器・プラスチック、その他これらに類する材質と、その混合物か。廃棄物と有害使用済機器は除かれます
- 破砕・選別・積替えの作業も「屋外保管」に含まれます
- 敷地面積が100平方メートルを超えるか。敷地が隣接する事業場は合計で判定します(超えていても、本来業務に付随して一時的に行う場合と、自動車リサイクル法の解体業・破砕業の許可に係る事業所は対象外)
- 条例第25条の適用除外に当たらないか(廃棄物処理法施行規則第13条の2第1号に定める許可等を受けた者が、その許可等に係る事業場で屋外保管をする場合、国または地方公共団体が屋外保管をする場合は、条例そのものが適用されません)
- 既存事業場か、新設か。立地基準(100メートル)・緑地帯2メートル・事業場の構造耐力は、既存事業場には適用されません(さいたま市の案内で「×」)。ただし届出を逃していれば、新規の設置許可になります
- 許可対象の新設なら、住宅等(学校・病院・保育所・社会福祉施設などを含み、その敷地も含む)から100メートル以上離れているか
- 敷地が幅員4メートル以上の公道に、4メートル以上接しているか
- 敷地の境界と囲いの間に、緑地帯2メートル以上を確保できるか
- 事業場の構造が自重・積載荷重その他の加重・地震力・温度応力に対して構造耐力上安全か
- 囲いに荷重が直接かかり、又はかかるおそれがある構造になっていないか。なっているなら、その荷重に対して構造耐力上安全だと示せるか
- 積み上げが50パーセント勾配・基準線・5メートル上限の範囲に収まっているか。緑地帯を設けない場合は、50センチメートルを1メートル、2メートルを4メートルに読み替えます(規則第21条第2項)。任意に設けている場合の扱いは市に確認
- 一の保管の単位が200平方メートル以下か。隣接する単位の間隔は2メートル以上か(延焼を防ぐに足りる仕切りがあれば別)
- 掲示板が2種類あるか(100㎡以下の事業場には、この2つの規定は適用されません)。事業場の掲示板に許可番号・許可の期間・相談窓口、保管の場所の掲示板に最高の保管高さが書かれているか
- 帳簿に取引の年月日・取引先・品目・数量に加えて、回収した廃油・廃液の品目と数量、火災のおそれがあるものとして回収したものの品目と数量を書き、毎月末までに前月分を記載し、取引の日から5年間保存しているか(これらが書かれていれば領収書で代えることもできます)
- 許可対象の新設なら、事前協議→300メートル以内への説明会→許可→使用前検査の順を工程に入れているか。検査に通る前に使うと刑罰です
- 許可の5年ごとの更新を忘れていないか
手続きや解釈の判断は、さいたま市環境局資源循環推進部産業廃棄物指導課にご確認ください。
出典
