群馬県のヤード条例が、2026年10月1日から始まります。国の許可制はすでに法律が公布されていますが、施行はまだ先です。群馬県はそれに先立って動きました。
先に結論を書きます。いま群馬県内で、条例の対象となるヤードを動かしている既存事業者には、2027年3月31日という届出期限があります。この期間に届出をしないと、その後は新規事業者として、事前協議と許可申請を行う必要があります。
そして届出の必須添付書類に、「構造図及び設計計算書」が入っています。
この記事は2026年8月21日時点で群馬県が公表している条例、規則、基準、手引き、Q&A集をもとに書いています。
いつから、何が変わるのか

日付が3つあります。混ざりやすいので、分けて書きます。
- 2026年9月30日——この日までに事業を行っており、施行後も引き続き事業を行う人が「既存事業者」になります
- 2026年10月1日〜2027年3月31日——既存事業者の届出期間です
- 2026年10月1日——条例の施行日。これ以降に新しく始める場合は、事前協議と許可申請が必要です
群馬県の手引きには、こう書かれています。
令和8年9月30日までに再生資源物屋外保管業を行っていた事業者が、引き続き県内で再生資源物屋外保管業を行う場合は、届出期間中(令和8年10月1日~令和9年3月31日)に、以下のとおり県に届出を行う必要があります。
そして、期間を逃した場合についても書かれています。
届出することなく届出期間を終了した後は、新規事業者として、「2事前協議、3許可申請」を行っていただくことになりますので、期間内に忘れずに届出をお願いします。
届出をすれば、施行日の2026年10月1日に許可を受けたものとみなされます。有効期間は同日から5年間で、更新には更新許可申請が必要です。
うちは対象になるのか

まず、主に3つの点を確認します。
1つめ、扱っている物。条例第2条第1号は、こう定めています。
使用を終了し、収集された物のうち、次に掲げるものをいう。
イ 金属又は金属を含む混合物
ロ プラスチック又はプラスチックを含む混合物
ただし、廃棄物、使用済自動車、有害使用済機器、放射性物質及びこれによって汚染された物は除かれます。
2つめ、使っている機械。条例がいう「屋外保管等」は、規則で定める機械を使って行うものに限られます。その機械は施行規則第3条に書かれています。
一 油圧ショベルその他これに類する機械で知事が定めるもの
二 フォークリフト(フォークその他の荷を積載する装置(この号において「フォーク等」という。)を最も高く上昇させた場合における当該フォーク等の高さが三メートルを超えるものに限る。)
フォークリフトには高さの条件が付いています。最大揚高が3メートル以下のフォークリフトだけを使用し、油圧ショベル等の対象機械を使用していない場合は、規則で定める機械には該当しません。
3つめ、面積。手引きには、規制対象外がこう書かれています。
再生資源物屋外保管事業場の敷地面積が100㎡を超えない事業者(対象外)(条例第7条第1項)
※ただし、複数の再生資源物屋外保管事業場が隣接する場合にあっては、これらの敷地面積の合計が100㎡を超えるときは対象となります。
隣接する事業場は合計で見られます。分けても逃げられません。
ただし、この3つに当てはまっても対象外・適用除外になる場合があります。自ら原材料として使用するための保管、国又は地方公共団体が行う場合、廃棄物処理法や自動車リサイクル法の許可の範囲内で行う事業などです。最終的な判断は県にご確認ください。
届出には、何を出すのか

添付書類の一覧に「◎」が付いているものが必須です。その3番目に、これがあります。
3 再生資源物屋外保管事業場の構造を明らかにする平面図、立面図、断面図、構造図及び設計計算書 ◎
設計計算書が要ります。事業場の構造について、これらの図と計算を提出することになります。保管物の荷重が囲いにかかる構造では、囲いの構造耐力を確認できる資料が要になります。
ほかに必須なのは、事業計画の概要、位置図及び付近の見取図、土地の登記事項証明書及び公図の写し、欠格要件に該当しない旨の誓約書などです。提出先は群馬県庁廃棄物・リサイクル課リサイクル係です。書面で提出する場合は2部。対面・郵送のほか、専用フォームでも受け付ける予定とされています(フォームは後日県ホームページで公開、フォームから提出した場合でも一部書類は別途原本の送付が必要)。郵送は令和9年(2027年)3月31日必着です。
図面の精度については、Q&A集にこうあります。
図面は設計士等が作成したものが望ましいが、既存のものの流用で差し支えありません。また、縮尺が正しく見やすければ、手書きでも差し支えありません。(No.1-26)
なお、当社のプレキャスト擁壁「ヤードン」は設計条件を公開しており、適用条件を満たすことを確認できた案件については、製品資料として、見積書、製品部分の設計計算書、展開図を無料でご用意します。現場条件のお打ち合わせが必要です。届出書類として必要となる範囲は、事業場の条件と県の確認内容によって異なります。
事業場の周囲の囲いは、何を満たせばよいのか

ここが、この条例のいちばん重いところです。条例第8条は、申請が次に掲げる基準に適合しないと認めるときは、知事は許可をしてはならない、と定めています。その第2号が、囲いなどの構造の基準です。
イ 再生資源物屋外保管事業場の周囲に囲いが設けられていること
ロ 保管物の荷重が直接囲いにかかり、又はかかるおそれがある構造である場合にあっては、当該荷重に対して当該囲いが構造耐力上安全であること
ハ 屋外保管等に伴って生じた汚水又は油が流出し、又は地下に浸透するおそれがある場合にあっては、屋外保管等をする場所の底面が不浸透性の材料で覆われているとともに、油水分離装置(略)及び当該装置に接続している排水溝が設けられていること
「構造耐力上安全であること」が、許可の要件になっています。スクラップが寄りかかる囲いなら、その荷重に耐えることを示さなければなりません。添付書類の「平面図、立面図、断面図、構造図及び設計計算書」は、事業場の構造を明らかにするものとして広く求められていますが、保管物の荷重が囲いにかかる構造では、設計計算書がこの構造耐力基準への適合を確かめる資料になります。
どの程度の強度が要るのか、県のQ&A集にこうあります。
具体的な規格はありませんが、再生資源物の荷重により変形、破損等しない強度が必要となります。(No.2-23)
なお、ハの底面・油水分離装置・排水溝は、汚水や油が流出したり地下に浸透したりするおそれがある場合の基準です。すべての事業場に一律にかかるものとしては書かれていません。
波型の亜鉛メッキ鋼板は、囲いの材質として明示されています。ただし、保管物の荷重が直接かかり、又はかかるおそれがある構造では、材質の要件に加えて、構造耐力上安全であることも必要です。この2つは別の条文で、どちらか一方で足りるものではありません。

材質と高さは、県が定めた基準の側にあります。これは事業場の周囲の囲いについての定めです。「群馬県再生資源物屋外保管事業場の構造及び維持管理等に関する基準」第4条第1号です。
イ 高さが二メートル以上あり、材質が波型の亜鉛メッキ鋼板又はこれと同等以上の耐久性を有するものであること。
ロ 出入口の門扉部分にあっては、高さが二メートル以上あり、かつ、施錠できるものであること。
ハ 事業場の内部を公開する目的で、囲いに透明とする部分が設けられている場合にあっては、透明とする部分の枠は、イに規定する材質であること。
Q&A集は、ロープや簡易柵では基準を満たさないとしています。飛散防止、外部からの侵入防止、不法投棄の抑止、騒音防止の機能を持つ必要があるためです(No.2-4)。
一方、保管場所の囲いには高さの定めがありません。Q&A集は「事業場の囲いについては最低2mの高さが必要になります。保管場所の囲いについては高さの定めはありませんが、延焼を防止できるような高さにしてください」としています(No.2-5)。事業場の周囲と、場内の保管場所とを分けて読む必要があります。
もうひとつ、条例第10条第7号に「営業時間内は、外部から屋外保管等の状況が確認できること」とあります。ただし、囲いを透明にする必要はありません。
外部のいずれかの部分から、概ね敷地全体を見通せることが必要となります。囲いの一部を可視化する必要はなく、営業時間中に事業場の入口が開放され、外部から場内を確認できる状態になっていれば問題ありません。(No.2-24)
容器を用いずに保管する場合、積み上げ高さは規則の上限と、申請・届出した高さで決まります

条例第10条第2号は「容器を用いずに保管する場合には、積み上げられた保管物の高さが規則で定める高さを超えないようにすること」としています。その規則が施行規則第9条で、囲いへの荷重のかかり方に応じて算定方法を定めています。
ここでいう「直接負荷部分」とは、保管物の荷重が直接かかる構造である囲いの部分のことです。
一 再生資源物(略)を保管する場所(以下「保管場所」という。)の周囲に設置した囲い(以下「保管場所の囲い」という。)がない場合又は保管場所の囲いに保管物の荷重が直接かかる構造である部分(以下「直接負荷部分」という。)がない場合……地盤面から当該点を通る鉛直線と当該保管場所の区画の境界線又は保管場所の囲いの下端(略)を通り水平面に対し上方に五十パーセントの勾配を有する面との交点(当該交点が二以上ある場合にあっては、最も地盤面に近いもの)までの高さ又は五メートルのうちいずれか低いもの
二 保管場所の囲いに直接負荷部分がある場合……直接負荷部分の上端から下方に引いた垂直距離五十センチメートルの線(直接負荷部分に係る囲いの高さが五十センチメートルに満たない場合にあっては、その下端。この条において「基準線」という。)から……次のイに規定する高さ(当該保管場所の囲いに直接負荷部分でない部分がある場合にあっては、イ又はロに規定する高さのうちいずれか低いもの)又は五メートルのうちいずれか低いもの
イ 地盤面から当該点を通る鉛直線と当該鉛直線への水平距離が最も小さい基準線を通る水平面との交点までの高さ / ロ 前号に規定する高さ三 三方にある保管場所の囲いに直接負荷部分がある場合 次のイからハまでに規定する高さのうちいずれか低いもの又は前号に規定する高さ……イ 当該保管場所の当該三方以外の方向から再生資源物屋外保管業の用に供する施設(当該保管場所を除く。)又は再生資源物屋外保管事業場の敷地の境界線への水平距離のうち最小のものの二分の一に相当する高さ/基準線の高さ/ハ 五メートル
「50パーセントの勾配」とは、水平距離2に対して高さ1となる勾配です。土木では2割勾配とも呼ばれます。
圧縮処理した後の金属で直立する場合についても、「安全上の観点から、50%勾配を適用します」とされています(No.2-27)。
この法令上の上限を超えない範囲で、許可申請書や届出書に記載した高さが、その事業場の個別の上限になります。表示の仕方は、構造及び維持管理等に関する基準 第4条第4号に定めがあります。
容器を用いずに再生資源物の保管を行う場合にあっては、保管場所の囲いの内側に明瞭な線により保管の高さの上限を表示すること。保管場所の囲いがない場合には、上限の数値を記載した標識を掲示すること。
そして、届け出た高さを後から増やす場合には、変更許可を受ける必要があります(規則第11条第3項第4号)。
火災を防ぐための決まり

施行規則第10条に、火災の発生・延焼を防ぐ措置があります。雑品スクラップ(保管物が金属のみでもプラスチックのみでもない区分)が対象です。
二 雑品スクラップを保管する場所一区画当たりの面積を二百平方メートル以下とすること
三 雑品スクラップを保管する場所が隣接する場合には、相互の間隔を二メートル以上とすること(隣接する場所に仕切りが設けられている場合を除く。)
隣接する保管場所の間を2メートル以上空けるか、確実に延焼を防止できる仕切りを設けることになります。この「仕切り」について、Q&A集はこう答えています。
保管場所と保管場所の間の擁壁を求める予定はありません。ただ、火災防止を目的として規則第10条第1項第3号で、雑品スクラップを隣接して保管する場合は2mの間隔又は仕切りを設けることを求めています。高さや強度の基準はありませんが、確実に延焼が防止できる仕切りにしてください。なお、フレコン等を用いて保存する場合にも不燃材料での仕切りが無いのであれば同じ対応が必要となります。(No.2-16)
電池や潤滑油など、火災の発生・延焼のおそれがあるものが含まれる場合は、技術的に可能な範囲で回収・処理することも定められています。
あわせて、事業場には再生資源物の種類及び数量に応じた消火設備も必要です(構造及び維持管理等に関する基準 第4条第2号ロ)。
既存のヤードは、いつまでに直せばよいのか

条例の附則に、経過措置があります。二段になっているので、分けて読む必要があります。
7 附則第四項に規定する者が……現に使用している再生資源物屋外保管事業場については、第八条(第二号に係る部分に限る。)及び第十条の規定は、施行日から起算して六月を経過する日までの間は、適用しない。
8 前項の規定にかかわらず、附則第五項の規定による届出をした者が……現に使用している再生資源物屋外保管事業場については、第八条(第二号に係る部分に限る。)及び第十条(第一号に係る部分に限る。)の規定は、施行日から起算して一年を経過する日までの間は、適用しない。
読み分けると、こうなります。
- 構造の基準(第8条第2号=囲い・構造耐力・底面と、それを維持する第10条第1号)——届出をした人は、施行日から一年のあいだ適用されません
- 保管等の基準(第10条第2号〜第7号)——積み上げ高さ、火災の発生・延焼防止、汚水や悪臭の防止、騒音・振動、害虫の防止、営業時間内の視認性。こちらの猶予は六月までです
第10条第3号に基づく火災の発生・延焼防止措置——電池等の回収、一区画200㎡以下、2mの間隔または仕切り——は、猶予が六月までです。一年あると読まないでください。
一方、消火設備は構造及び維持管理等に関する基準 第4条に置かれた設備です。県のQ&A集の整理では、構造基準について届出をした既存事業者に一年の猶予があるとされており、消火設備もその側になります。条例の附則そのものに「消火設備は一年」と書かれているわけではありません。同じ「火災」でも、根拠の条項によって猶予が違います。
県のQ&A集は、この整理をそのまま書いています。届出のときに基準を満たしていない場合の扱いも、あわせて答えています。
保管業届出書には、届出時点の現状を記載してください。なお、維持管理基準は施行日から6か月間、構造基準は施行日から1年間は適用されませんが、この期間内に基準に適合させ、変更した旨の変更届の提出が必要となります。(No.1-40)
届出書には、届出の時点の現状を記載します。施行日より前に基準を満たしていなくても、届出そのものは出せます(No.1-25)。提出書類そのものが不足していてよい、という意味ではありません。
そのあとの手続きは、2つに分かれます。順番が違うので、混ぜないでください。
- 基準に合わせるために囲い等を変更する場合——猶予期間内に基準へ適合させ、変更した日から30日以内に変更届を提出します。つまり変更したあとです(条例第11条第3項、No.1-40)
- 保管面積を増やすなど、変更許可の対象になる計画——実施する前に、事前協議と変更許可の手続きが要ります。規程第16条により、許可を受けた後でなければ工事に着手できません。Q&Aは「条例施行後に、保管面積を増加する場合などは、変更許可の対象となります」としています(No.1-52)
県のQ&A(No.1-6)も「事業内容により変更届、または事前協議と変更許可申請が必要です。変更の計画がある場合には、早めにご相談ください」としています。
正確な日付の数え方と、変更届に必要な添付書類については、事前に県へご確認ください。
新しく許可を取るなら、事前協議から始まります
県は「群馬県再生資源物の屋外保管業の事前協議等に関する規程」(令和8年5月27日制定)を置いています。新しく事業を始める場合は、許可申請の前に事前協議があります。県が示している流れは、こうです。
- ①事前相談——計画の段階で、群馬県庁廃棄物・リサイクル課リサイクル係へ
- ②事前協議書の提出——「再生資源物屋外保管業事前協議書」を申請に先立って出す
- ③現地調査への立会及び説明——県と市町村が合同で現地調査を行う
- ④周辺地域住民等への周知——県が必要と判断した場合。説明会等実施計画書(様式第3号)を提出して周知を行い、終了後に説明会等実施状況報告書(様式第4号)を提出(規程第10条)
- ⑤必要に応じて技術指導等の実施——県が必要と認めるときに、生活環境の保全、再生資源物の取扱い、廃棄物処理法に係る技術的見地から(規程第11条)
- ⑥技術指導等を受けた場合、見解書の提出——技術指導等を受けた日から6か月以内(規程第12条)。出さなければ事前協議は打ち切られます
- ⑦事前協議終了の通知(規程第13条)
- ⑧許可申請・許可——終了通知を受けた日から2年以内に申請(規程第14条)。内容は事前協議書・見解書と整合していることが必要
- ⑨工事——後述
- ⑩完成検査——後述
住民周知は、条例の本文ではなく、事前協議規程に定められています。新規許可では、県から住民説明会が必要との提示を受けた場合、説明会の実施と掲示が必要です。変更許可では、説明会・掲示・書面配布のいずれかを選びます。既存事業者については、説明会の開催は努力義務で、掲示により周知できる場合は掲示で代えることができます。まず、県が示している共通の入口はこれです。
周辺地域住民等への周知 市町村意見を踏まえ、県が必要と判断した場合には、協議書に係る補正終了後、説明会等実施計画書を県に提出したうえで、周辺地域住民等への周知を行っていただきます。
既存事業者の届出のほうには、続きがあります。
既存事業者の方には、住民説明会の開催に努めていただきますが、事業場の周囲に掲示する方法で周知を図れる場合には、事業内容を掲示したことをもって、住民説明会を開催したものとみなすこととします。
群馬県にも300メートルを基準にした範囲があります。事前協議規程 第2条第2号が「周辺地域」を、こう定義しています。
二 周辺地域 再生資源物屋外保管事業場の敷地の境界から三百メートル以内の地域の全部又は一部を包含する地域(市町村が設置する行政区等を単位とする区域。行政区等がない地域は字の区域。)をいう。
ここは千葉県・埼玉県と単位が違います。千葉県と埼玉県は敷地境界線から水平距離300メートル以内の区域に居住する住民又は者を対象としますが、群馬県は300メートル以内の地域の全部又は一部を含む「行政区等」を単位として定義しています。実際に対象となる範囲は県が示しますので、示された行政区等が広ければ、300メートルの外まで及ぶことがあります。
ただし、周知の要否と対象範囲は、関係市町村の意見を踏まえて、県が案件ごとに提示します。
新規許可の協議者が「住民説明会の実施が必要」との提示を受けた場合は、事前協議規程に従って住民説明会と掲示を行う必要があります。そして、掲示を行う協議者が管理するウェブサイトを持っている場合は、掲示内容をインターネットで閲覧できるようにしなければなりません(事前協議規程第10条第1項)。
既存事業者については、規程の附則が別に定めています。附則第2項により第9条(現地調査)が、附則第4項により第10条第3項から第9項までが準用されます。新規事業者の事前協議の全部を同じようにたどるわけではありませんが、周知を行う場合は、説明会等実施計画書(様式第3号)を県に提出し、実施のあとに説明会等実施状況報告書(様式第4号)を遅滞なく提出することになります。そのうえで、現地調査機関の意見等を踏まえ、事業場、周辺地域の集会施設又は関係市町村の公民館において住民説明会を実施するよう努めることとされています(附則第3項)。掲示で代えられる場合は掲示でよいのですが、掲示を行う協議者がウェブサイトを持っている場合は、その内容をインターネットでも閲覧できるようにしなければなりません。
新規許可・変更許可の対象になる工事は、許可を受けてからです
ここは、囲いをいつ発注するかに直結します。県は、こう書いています。
協議者は、新規許可又は変更許可を受けた後でなければ、再生資源物屋外保管事業場の設置等の工事に着手できません。また、協議者は、再生資源物屋外保管事業場の設置等の工事が完成した場合、事業場設置等完成検査申請書を県に提出するとともに、県の完成検査に合格した後でなければ施設を使用できません。
つまり、囲いの仕様は着工前に固めておく必要があります。許可申請の添付書類に「平面図、立面図、断面図、構造図及び設計計算書」があり(規則第5条第2項第3号)、その図面・計算書を前提に工事を行い、完成したら県の完成検査を受ける、という順番です。完成検査の申請書には、知事が別に定める書類及び図面を添付します(規程第17条第2項)。先に造ってから許可を取る、という進め方はできません。
ただし、これは新規許可・変更許可を受ける協議者の話です。規程第16条が着工を止めているのは「事業場の整備等」で、その中身は整備、構造若しくは規模の変更、取り扱う再生資源物の種類の追加等です(規程第2条第4号)。
届出でみなし許可になった既存事業者が、基準に合わせるために囲いを直す場合は、扱いが違います。県のQ&Aは、こう書いています。
維持管理基準は施行日から6か月間、構造基準は施行日から1年間は適用されませんが、この期間内に基準に適合させ、変更した旨の変更届の提出が必要となります。(No.1-40)
この変更届は、変更した日から30日以内です(条例第11条第3項)。
一方で、条例施行後に保管の面積を増加する場合などは、変更許可の対象です(No.1-52)。Q&A(No.1-6)も「事業内容により変更届、または事前協議と変更許可申請が必要です。変更の計画がある場合には、早めにご相談ください」と案内しています。どちらになるかで手続きが変わるので、工事の前に県へご確認ください。
無許可営業などは、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です
条例第27条から第29条です。
第二十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
一 第七条第一項の規定に違反して、再生資源物屋外保管業を行った者
二 第十一条第一項の規定に違反して、第七条第二項第二号から第六号までに掲げる事項を変更した者
三 不正の手段により第七条第一項又は第十一条第一項の許可を受けた者
四 第十二条の規定に違反して、他人に再生資源物屋外保管業を行わせた者
五 第十七条第二項又は第十八条第一項若しくは第二項の規定による命令に違反した者
第27条の5つは、順に無許可営業/無許可変更/不正の手段による許可取得/名義貸し/命令違反です。
第二十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十一条第三項又は第十三条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第二十条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
三 第二十一条第一項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第29条は両罰規定です。法人の代表者や従業者が違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科すとされています。
すべての違反が2年以下というわけではありません。届出・報告の懈怠や立入検査の拒否は、第28条の30万円以下です。
埼玉県及び千葉県と比べると、群馬県は拘禁刑の上限が1年長くなっています。同種の違反を定めた埼玉県第34条と千葉県第29条は、どちらも「1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」です。
環境省報告書が挙げた8県に、この記事では群馬県を加えます

環境省の2025年3月の報告書は、再生資源物の保管等をする事業場に対する条例を制定している都道府県として8県を挙げています。この記事では、その8県に、報告書の公表後に条例を制定した群馬県を加えた9県を取り上げます。
このうち、金属・プラスチック等の屋外保管を正面から規制するもの——この記事で便宜上「現代型」と呼ぶ制度——は6県です。
| 県 | 条例 | 施行 | 制度 |
|---|---|---|---|
| 福島県 | 特定再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例 | 2025年1月1日 | 許可 |
| 茨城県 | 再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例 | 2024年4月1日 | 許可 |
| 群馬県 | 再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例 | 2026年10月1日 | 許可 |
| 埼玉県 | 特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例 | 2025年1月1日 | 許可 |
| 千葉県 | 特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例 | 2024年4月1日 | 許可 |
| 山梨県 | 再生資源物の不適正保管等の防止及び産業廃棄物の適正管理の促進に関する条例 | 2024年7月1日 | 届出 |
ほかに、環境省報告書が同じ一覧に挙げた、性格の異なる制度が3県あります。兵庫県(使用済自動車・タイヤ・特定家庭用機器の多量保管届出)、鳥取県(使用済物品回収業の届出)、滋賀県(金属屑回収業条例。こちらは警察所管の取引規制で、環境保全を目的とする条例ではありません)。
ただし、これは関連する条例を網羅した全国一覧ではありません。金属くずの取引を防犯目的で規制する条例など、別系統の制度もあります。たとえば北海道には、公安委員会が所管する「金属くず回収業に関する条例」が昭和32年から置かれています。上の表に載っている滋賀県の金属屑回収業条例も、この系統です。屋外保管の環境規制と、金属くず取引の防犯規制は、別のものとして数える必要があります。自分の県のことは、県の公式サイトと県警のページの両方で確かめてください。

ひとつ、資料の日付についてお伝えしておきます。環境省の2025年3月の報告書は、群馬県の条例が公布される前(2026年3月26日)に作られた資料です。そのため、群馬県は載っていません。見落としではなく、資料の時点の差です。全国資料には作成時点や更新時期による差があるので、最新の状況は各都道府県の公式サイトで確かめる必要があります。
いま、確かめておくこと

- 敷地面積は100㎡を超えるか。隣接する事業場があれば、合計で見る
- 油圧ショベル等、または最大揚高が3メートルを超えるフォークリフトなど、規則で定める機械を使って屋外保管等を行っているか
- 自ら原材料として使用するための保管など、対象外・適用除外に当たらないか
- いまの囲いに、保管物の荷重がかかっているか。かかっているなら、構造耐力の話になる
- 事業場の構造を明らかにする平面図、立面図、断面図、構造図及び設計計算書を用意できるか
- 容器を用いずに保管している場合、現在の積み上げ高さは規則第9条の上限に収まっているか。上限を線または標識で表示しているか
- 汚水や油が流出し、または地下に浸透するおそれがある場合、底面が不浸透性の材料で覆われ、油水分離装置と排水溝が設けられているか
- 雑品スクラップを扱っているなら、一区画200㎡以下、隣接する場所との間隔2m以上(確実に延焼を防止できる仕切りがある場合を除く)になっているか
- 種類と数量に応じた消火設備があるか
- 届出書には届出時点の現状を記載する。必要書類は揃えたうえで届出を行う
- 基準に合わせるために囲い等を変更するなら、猶予期間内に適合させて変更した日から30日以内に変更届(条例第11条第3項)
- 保管面積を増やすなど変更許可の対象なら、実施の前に事前協議と変更許可。許可を受けるまで着工できない(No.1-52)
- 届出をするなら、2026年10月1日から2027年3月31日までの間に(郵送は2027年3月31日必着)
手続きや解釈の判断は、群馬県環境森林部 廃棄物・リサイクル課 リサイクル係にご確認ください。
出典
- 群馬県 ヤード(再生資源物)関連情報
- 群馬県 群馬県再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例
- 群馬県 条例(PDF)
- 群馬県 施行規則(PDF)
- 群馬県 再生資源物屋外保管事業場の構造及び維持管理等に関する基準(PDF)
- 群馬県 再生資源物の屋外保管業の事前協議等に関する規程(令和8年5月27日制定・PDF)
- 群馬県 条例等に係るQ&A集(PDF)
- 群馬県 許可申請等の手引き(既存事業者向け・2026年6月版・PDF)
- 群馬県 許可申請等の手引き(事前協議・許可申請者向け・PDF)
- 福島県 特定再生資源物の屋外保管を規制する条例
- 茨城県 再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例
- 埼玉県 特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例
- 千葉県 特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例
- 山梨県 再生資源物の不適正保管等の防止に関する条例
- 北海道警察 金属くず回収業を行っている方へ
- 環境省 ヤード環境対策検討会 報告書(令和7年3月・PDF)
▶ スクラップヤードに許可制が入る(3) 囲いは本当に義務になるのか
▶ スクラップヤードに許可制が入る(1) うちのヤードは許可が必要になるのか
同じヤード条例でも、県によって求めるものが違います。ほかの県は、こちらにまとめています。
- 千葉県のヤード条例 2024年4月1日施行・許可制・面積の下限なし
- 茨城県のヤード条例 2024年4月1日施行・許可制・処分が動いている
- 埼玉県のヤード条例 2025年1月1日施行・許可制
- スクラップヤードの規制 国の制度と全体の流れ

