【土留め】土留めとは?擁壁との違いと、何で土を留めるか

土留めとは?擁壁との違い
  • 土留め(どどめ)は、土を留めるための物で、一般的には擁壁(ようへき)などを用いて土を留めます。擁壁は、段差の土が崩れないように支える、コンクリートや石の壁です。
  • 敷地の段差を支える話なら、土留めと擁壁はほぼ同じ物を指します。土留めのほうが指す範囲が広く、世界大百科事典は、擁壁のほかに護岸壁や工事中の土止めも土留めに入れています。
  • 一般に、敷地の段差の土は擁壁で留めます。段差を新しく造る・造り替えるときや、崖の近くに家を建てるときは、高さによって許可や届出、確認申請が要ります(盛土規制法の区域で盛土の崖1m超・切土の崖2m超、高さ2m超の擁壁など)。

土留めとは?

土留めとは、何ですか

土留めって何? 擁壁と同じもの?
土留めって何?
土を留める物。段差なら擁壁。擁壁は敷地の段差、護岸壁は川や海の岸、山留めは工事の間だけ
土を留める物。段差なら擁壁

読み方は「どどめ」「つちどめ」の両方があり、「土止め」とも書きます。

デジタル大辞泉(小学館)
土留め:「斜面の土砂が崩れ落ちるのを防ぐために柵などを設けること。また、その工作物。」
擁壁:「土木工事で、土を切り取った崖や盛り土を保持するための壁状の築造物」
精選版 日本国語大辞典(小学館)
土留め:「土砂がくずれ落ちたり流されたりするのを防ぐための工事。また、そのもの。」
擁壁:「土木工事で盛り土や切り取り箇所がくずれないように作ったかこい壁」
改訂新版 世界大百科事典(平凡社)
土止め:「ふつう土止め壁とこれを支える支保工とからなり,種類としては,擁壁,護岸壁,仮設土止めがある。」
日本大百科全書(小学館)
擁壁:「土圧に抵抗して土の崩壊を防止する土止め壁。」

2つの国語辞典は、土留めと擁壁を別の項目にしています。世界大百科事典は土留め(土止め)を広く取り、擁壁をその種類に入れています。

出典 小学館『デジタル大辞泉』『精選版 日本国語大辞典』「土留」「擁壁」、平凡社『改訂新版 世界大百科事典』「土止め」、小学館『日本大百科全書』「擁壁」(コトバンク「土留」・「擁壁」・「土止め」、2026年10月7日閲覧)

擁壁との違い

土留めと擁壁は、何が違いますか

敷地の段差の土をずっと支える壁なら、土留めと擁壁はほぼ同じ物を指します。分かれるのは、土留めを広い呼び名と見るか、簡素で一時的な物と見るかです。ウィキペディアの「擁壁」の項は、「一般に土留は簡素で一時的な構造を、擁壁は本格的で長期的な構造を指す。」と書いています。

土留めと擁壁の関係は、ページによって書き方が違います。検索で出てきた30ページのうち、関係に触れていた18ページを読むと、たとえば次のような書き方がありました。

  • 土留めは工事、擁壁は構造物
  • 擁壁は土留めの一種
  • 小さな段差を支えるのが土留め、本格的なものが擁壁

Yahoo!知恵袋・OKWAVE・住宅の掲示板などの質問69件では、段差の高さが書いてある40件のうち、1m以下の21件は「土留め」と書く人が多く(「土留め」だけ12件)、1mを超える19件は「擁壁」と書く人が多めでした(「擁壁」だけ10件)。この69件での呼び名の傾向で、法律上の区別とは別です。

法律では、言葉ごとに決まりが分かれています。擁壁は、高さや場所によって、構造計算や水抜穴などの造り方が決まっていて、工事の前に許可や確認申請が要ることがあります。工事の間だけの土留めにも、工事の安全のための決まりがあります。庭や敷地の段差に関わるのは、表の上の3行です。

盛土規制法施行令 第8条
擁壁:盛土・切土でできた崖の面を覆う壁。鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造、練積み造で造る
盛土規制法施行令 第6条
その他の土留:擁壁や排水施設と並んで、「地滑り抑止ぐい又はグラウンドアンカーその他の土留」が出てくる
建築基準法施行令 第138条・第142条
擁壁:高さ2mを超えるものは工作物で、腐らない材料・水抜穴・構造計算が要る
建築基準法施行令 第136条の3
山留め:建築工事などで、深さ1.5m以上の根切り(基礎のために地面を掘ること)をするときは、崩れるおそれがないときなどを除いて設ける。矢板などで、掘った穴の壁を押さえる
労働安全衛生規則 第361条・第368条ほか
土止め支保工:崩れるおそれのある掘削の作業で、防護網を張る・立入りを禁止するなどと並ぶ、危険を防ぐ措置の1つ。材料や組み方にも決まりがある
出典 宅地造成及び特定盛土等規制法施行令(令和5年5月26日施行の版)第6条・第8条第1項、建築基準法施行令(令和7年12月1日施行の版)第136条の3第4項・第5項・第138条第1項第5号・第142条第1項、労働安全衛生規則(令和8年10月1日施行の版)第361条・第368条〜第371条(e-Gov法令検索(盛土規制法施行令)・(建築基準法施行令)・(労働安全衛生規則)、2026年10月7日閲覧)
ウィキペディア日本語版「擁壁」(2026年9月23日の版)Webページ/検索で出てきた30ページ(当社が検索の道具の結果から選んで読んだもの)・質問69件は当社調べ(2026年10月6日)

何で留める?

土留めには、何を使いますか

段差の土は何で留める? 崩れないようにしたい
段差の土は何で留める?
段差の土は擁壁で受ける。平らな地面の花壇の縁はレンガ・板、段差の土はL型擁壁で受ける
段差の土は擁壁で受ける

一般に、敷地の段差の土は擁壁で留めます。平らな地面の花壇の縁なら、レンガや板でも造れます。高さ1m以下の盛土の段差のような小さな段差は、何で留めるかを施工業者さんと相談して決めます。手続きが要るかは、高さだけでなく場所や工事の内容でも変わるので、工事の前に窓口で確かめてください。擁壁の主な造り方は、次の3つです。

  • 現場でコンクリートを打つ擁壁:L型・逆L型・重力式など。現場で型枠を組み(L型などは鉄筋も組み)、コンクリートを流し込みます。形や高さを現場に合わせやすい造りです(L型擁壁とは)。
  • 工場で造る擁壁:鉄筋コンクリートのL型などを運び込み、現場で据えます。運び込む道に大きな車やクレーンが入れるかは、施工業者さんに先に確かめてもらってください。当社の土地分け丸のL型は、製品の高さ500〜1,000mmで、うち300mmは地中に入ります。
  • 間知ブロック(間知石)の練積み擁壁:奥行きのある擁壁用のブロックや石を積み、すき間をコンクリートで固めて一体にします。

国土交通大臣が認定した擁壁(大臣認定擁壁)も使えます。どれにするかは、段差の高さ、上に載るもの(家・車・さらに盛る土)、地盤、運び込む道で決まります(擁壁の選び方)。工場で造る擁壁は、当社でもご準備できます。

塀に使う空洞ブロック(穴のあいたブロック)で段差の土を留めるのは、当社では推奨できないと考えています。全国建築コンクリートブロック工業会も、「土留めに使っている。」というチェック項目で、こう書いています。

ブロックでの土留めは、後ろの土の重量を支えるだけのブロックの厚さや必要な鉄筋の本数が不足します。したがってこのようなつくりかたは地震で倒れる危険性が大です。

全国建築コンクリートブロック工業会「ブロック塀大事典 4-1. チェックポイント」

いま塀の空洞ブロックで段差の土を留めているなら、段差の高さ、ブロックの厚さ、ひびや傾きの写真を用意して、擁壁に詳しい建築士か、建築の窓口に相談してください。

出典 宅地造成及び特定盛土等規制法施行令(令和5年5月26日施行の版)第8条第1項第2号・第10条・第17条 e-Gov法令検索/全国建築コンクリートブロック工業会「ブロック塀大事典」4-1. チェックポイント(「土留めに使っている。」の項。発行日の記載なし)Webページ/土地分け丸の製品ページ(L型の製品の高さ500〜1,000mm・根入れ300mm)Webページ(いずれも2026年10月7日閲覧)

手続きは?

段差を造るとき、許可や届出は要りますか

うちの段差、手続きは要る? 段差を造り直したい
うちの段差、手続きは要る?
高さで手続きが要る。規制区域で、盛土の崖1m超・切土の崖2m超(ほかにもあり)
高さで手続きが要る

許可・届出・確認申請が要る主な場面は、段差を新しく造る・造り替えるとき、いまの擁壁を壊すとき、崖の近くに家を建てるときです。

盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)の区域で、土を盛る・削る
盛土で高さ1mを超える崖、切土で高さ2mを超える崖ができる工事などが対象です。宅地造成等工事規制区域では、工事を始める前に許可を受けます。特定盛土等規制区域では、工事を始める30日前までに届け出ます(大きな工事は許可)。できた崖の面は、擁壁などで覆うのが決まりです。切土の崖は、土質と角度によっては擁壁が要らないこともあります。要るかどうかは、窓口か設計者に確かめてください。
聞く先:盛土規制法の窓口(都道府県や市)
▶ 盛土規制法 かんたん判定・窓口さがし
高さ2mを超える擁壁を造る
建築基準法の工作物になり、鉄筋コンクリート造など腐らない材料と、水抜穴(裏の水を抜く穴)が要ります。土に押されて壊れたり倒れたりしないかは、構造計算で確かめます。都市計画区域などの中では、工事の前に確認申請も要ります。図面を出して法令に合うかを見てもらう手続きで、設計者が出します。盛土規制法の許可を受ける工事なら、確認申請の代わりに許可の審査で見られます。
聞く先:建築の窓口。建築主事を置く市はその市、置かない市町村は県です
▶ 擁壁の高さ、何mから構造計算が要るか
崖の近くに家を建てる
がけ条例(崖の近くに建てるときの、県や市の条例)で、擁壁を造る、崖から離して建てる、建物を丈夫な造りにするなど、求められることは条例によって違います。
聞く先:建築の窓口(建築主事を置く市はその市、置かない市町村は県)
▶ がけ条例 かんたん判定・がけ条例の一覧
いまの擁壁(高さ2m超)を、全部または一部壊す
盛土規制法の区域では、工事を始める14日前までに届出が要ります(許可を受けた工事などは除きます)。排水施設などを壊すときも、届出が要ることがあります。
聞く先:盛土規制法の窓口(都道府県や市)

表の「崖」は、30度より急な土地のことで、垂直な段差も入ります(硬い岩盤は除きます)。盛土規制法の区域は都道府県などが指定していて、宅地にするための盛土・切土のほか、すでに宅地や農地・森林などで行う盛土・切土も対象になることがあります。

段差の高さは、ふつう低い側の地面から高い側の地面までを見ます。測り方は窓口で確かめてください。盛土規制法では、擁壁の高さは、擁壁の前面の下端(地面に接する所)から上端までの垂直距離です。盛土(土を盛り足した所)か切土(地面を削った所)か分からなければ、測った高さと住所を、盛土規制法の窓口にそのまま伝えてください。

このほか、開発許可を受ける土地や急傾斜地崩壊危険区域、市町村の条例でも、擁壁や工事に条件が付くことがあります。住所と段差の高さを持って、建築の窓口で聞いてください。

盛土規制法の区域の工事で崖の面を覆う擁壁のうち、鉄筋コンクリート造と無筋コンクリート造は、土に押されて壊れないか、倒れないか、滑らないか、沈まないかを構造計算で確かめます。水抜穴は、内径7.5cm以上のものを壁の面積3㎡以内ごとに1個以上つけます(大臣認定擁壁は、認定の仕様によります)。

出典 宅地造成及び特定盛土等規制法(令和7年6月1日施行の版)第2条・第10条・第12条・第13条・第21条第3項・第26条・第27条・第30条・第31条・第40条第3項、同施行令(令和5年5月26日施行の版)第1条第1項・第4項・第3条・第8条第1項・第9条第1項・第12条・第17条・第26条・第30条・第34条、建築基準法施行令(令和7年12月1日施行の版)第138条第1項第5号・第142条第1項、建築基準法(令和8年5月27日施行の版)第4条・第6条第1項・第40条・第88条第1項・第4項、都市計画法、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律 e-Gov法令検索(盛土規制法)・(同施行令)・(建築基準法施行令)・(建築基準法)・(都市計画法)・(急傾斜地法)(2026年10月7日閲覧)

お問い合わせ

相談と見積(無料)

土のねっこが使えるか、図面か、段差の高さと長さ・現場の写真・住所からお答えします。図面と構造計算書は当社でご準備できます。

当社は擁壁のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。

全国に配送します(沖縄・北海道・離島を除く)

お電話でも受け付けています。☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)

当社の製品

段差の土を留めるなら、工場で造る擁壁で

高い段差には「土のねっこ」(製品の高さ500〜3,000mm、宅地造成擁壁として利用できます)。端がR(丸い形)の製品をつないで、敷地の角やカーブした境界に沿って据えられる、曲がる擁壁です(コーナーは90度まで)。小さな段差と境界には「土地分け丸」。図面と構造計算書は当社でご準備できます。全国に配送します(沖縄・北海道・離島を除く)。大臣認定擁壁も手配できます。

  1. 図面か現場の情報(段差の高さと長さ、上に載るもの、現場の写真、住所)を送る
  2. 使える製品と概算をお返しする(足りない情報は、こちらから伺います)
  3. 製品の図面と構造計算書をご準備する
  4. 工事は施工業者さんに。確認申請や許可・届出が要る工事なら、その図面と構造計算書を設計者に渡して申請してもらう

大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地元の施工業者さんに頼んでください。お電話は ☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)。

出典

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