大臣認定擁壁は特別なのか——認定がなくても宅地に使える擁壁と、その確かめ方

大臣認定擁壁は特別なのか?——宅地の段差を受けるL型擁壁

大臣認定擁壁とは

大臣認定擁壁とは、どんな擁壁ですか

工場で造った擁壁(ようへき。段差の土を留める壁)は、大臣認定がないと宅地に使えないのか。国の決まり(盛土規制法の政令と施行規則)に、工場で造った擁壁に認定を求める条文はありません。政令の決まりどおりに設計して造った鉄筋コンクリートの擁壁なら、工場製でも大臣認定は要らない、と当社は考えています。ただ、県の手引(県が許可の審査に使う基準)には、工場製に認定品を求めるものがあります。製品を決める前に、許可を出す県や市の窓口で確かめてください。

大臣認定擁壁は、政令(盛土規制法の施行令)の決まりどおりに造らない擁壁を、国土交通大臣が「同等以上」と認めて使えるようにしたものです(政令第17条)。

擁壁許可が要る宅地の工事で使えるか
現場で打つ鉄筋コンクリートの擁壁(政令の決まりどおりに設計)使える。構造計算書で確かめる(政令第8条〜第12条)
工場で造る鉄筋コンクリートの擁壁(同じ)国の決まりに、認定を求める条文はない。当社は使えると考えている
決まりどおりでない擁壁大臣認定があれば、認定の条件の中で使える(政令第17条)
県の手引が認定品を求める土地の、工場製の擁壁製品を決める前に、窓口で確かめる
大臣認定が要るかどうか

図面と構造計算書は当社でご準備できます。当社の「土のねっこ」は、工場で造る鉄筋コンクリートのL型擁壁です。大臣認定擁壁が要る土地なら、国の一覧表に載っている認定品を当社で手配します。当社は擁壁のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。全国に配送します(沖縄・北海道・離島を除く)。擁壁を相談する(無料) 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)

政令第17条は、盛土規制法の技術的基準の1つです。この基準は、規制区域の中で許可を受けて行う盛土・切土などの工事にかかります(法第13条第1項・第31条第1項)。許可が要らない工事でも、高さ2mを超える擁壁には建築基準法の決まりがかかります(建築基準法施行令第138条第1項第5号・第142条)。許可が要るかどうかは、盛土規制法の判定アプリ(無料)で目安と窓口を調べられます。

大臣認定擁壁は、特別な擁壁?
大臣認定擁壁は、特別な擁壁?
決まりの外を認める、別の入口
決まりの外を認める、別の入口

盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)の政令は、許可が要る工事で崖に造る擁壁(段差の土を留める壁)を、鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造・練積み造の3つに限り、構造計算や水抜穴のことも細かく定めています(第8条〜第12条)。この決まりどおりでない擁壁を、国土交通大臣が同等以上と認めたものが大臣認定擁壁です。

第十七条 構造材料又は構造方法が第八条第一項第二号及び第九条から第十二条までの規定によらない擁壁で、国土交通大臣がこれらの規定による擁壁と同等以上の効力があると認めるものについては、これらの規定は、適用しない。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行令 第17条(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月25日確認)

政令でいう崖は、地面が30度を超える角度で傾いている土地です(硬い岩盤は、風化の著しいものを除いて入りません。第1条第1項)。宅地の段差も、この角度を超えれば崖に当たります。崖に当たっても、許可が要るかどうかは盛土・切土の高さや面積で決まります。

盛土規制法でいう宅地は、農地・採草放牧地・森林と、道路・公園・河川など公共の施設の土地を除いた、すべての土地です(法第2条第1号)。家の敷地に限らず、空き地も宅地です。

一 宅地 農地、採草放牧地及び森林(略)並びに道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供されている土地(略)以外の土地をいう。

宅地造成及び特定盛土等規制法 第2条第1号(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月16日取得の控え)
宅地って家の敷地だけ?
宅地って家の敷地だけ?
家の敷地も空き地も宅地
家の敷地も空き地も宅地

認定の審査

大臣認定は、どんな審査で決まりますか

認定の前に現場の実績
認定の前に現場の実績

認定を受けた擁壁は、国土交通省の「大臣認定擁壁」のページにある一覧表に載っています。令和8年3月現在の一覧表は104件で、いちばん古い認定は昭和38年(1963年)1月26日です。令和8年3月時点で載っているかは、この一覧表で製品名と認定番号を探せば確かめられます。見つからなければ、製品を作った会社に、いまの認定の状況を聞いてください。

誰が認定を受けたかは、一覧表の「認定取得者」の欄で分かります。大臣が認める基準は施行規則(国土交通省令)にあり、構造だけでなく、工場の製造工程の管理まで見ます。

国土交通大臣は、令第八条第一項第二号及び第九条から第十二条まで(略)の規定によらない擁壁であつて、構造材料、構造方法、製造工程管理その他の事項について国土交通大臣が定める基準に適合しているものを、令第十七条(略)の規定に基づき、令第八条第一項第二号及び第九条から第十二条までの規定による擁壁と同等以上の効力があると認めるものとする。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行規則 第13条第1項(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月25日確認)
審査見ること
技術審査原則として、申請の日の1年前までに施工が終わった実績が50件以上・前面の面積1万㎡以上あり、倒壊等の重大な支障(ひび割れなどの変状を含む)がないこと。壊れない・倒れない・滑らない・沈まないこと(安全率は政令第9条第2項と同じかそれ以上)。審査基準Ⅱ(1)イ
工場の審査製造工程の管理。プレキャスト鉄筋コンクリート部材の擁壁で、認証を受けた工場の部材なら、この部分は基準に合っているものとみなす(施行規則第13条第2項)
大臣認定の審査は2本立て

この「国土交通大臣が定める基準」が、国土交通省の審査基準です(いまの版は令和8年2月)。

認定申請の日から起算して1年前までに施工が終了した当該特殊擁壁の施工実績が施工件数で50件以上かつ擁壁前面の面積で1万㎡以上あり、倒壊等の重大な支障を生じたことがないこと。(略)

国土交通省「宅地造成及び特定盛土等規制法施行令第17条に基づく国土交通大臣認定擁壁に係る審査基準」Ⅱ(1)イa1、2頁(令和8年2月、2026年9月25日確認)

認定を受けるには、先に現場での実績が要ります(審査基準は「原則として」と書き、すでに認定を受けた擁壁にコーナー部を足すときなどを除いています)。いまの審査基準で認定を受ける擁壁は、最初の50件を認定なしで造っていることになります。その50件を、どんな工事で、どの手続で造ったかは、審査基準には書いてありません。

「特殊擁壁」は審査基準の呼び名で、「令第17条に規定する特殊な材料又は構法を用いる擁壁」のことです(審査基準Ⅰ総則)。

認定の権限は地方整備局長と北海道開発局長に委ねられていて(施行規則第89条)、申請は地方整備局等を通じて行います。北海道は北海道開発局、沖縄県は沖縄総合事務局が窓口です(国土交通省「大臣認定擁壁」のページの窓口の表)。工場の審査は、国の登録認証機関もできます。令和7年6月現在、公益社団法人全国宅地擁壁技術協会の1団体だけです(国土交通省の概要資料)。

「同等以上」は、決まりどおりの擁壁に劣らないことを確かめた、という意味です。当社は、大臣認定を上等な擁壁の印とは考えていません。決まりの外にある擁壁を認める、別の入口です。

認定なしで使えるか

認定がないと、宅地に使えないのですか

認定がないと宅地に使えない?
認定がないと宅地に使えない?
当社の考え 決まりどおりでOK
当社の考え 決まりどおりでOK

政令の決まりどおりに造った擁壁なら、認定がなくても、もちろん使えます(当社の考えです。国の決まりに、認定を求める条文はありません)。決まりどおりでない擁壁は、認定が要ります。県の手引が認定品を求める土地では、窓口の答えが先です(工場で造った擁壁は、どう扱われますか)。

政令は擁壁の造りを鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造・練積み造に限っていますが、コンクリートを現場で打つか、工場で造って運ぶかは書き分けていません。

二 前号の擁壁は、鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造又は間知石練積み造その他の練積み造のものとすること。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行令 第8条第1項第2号(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月25日確認)

工場で造るコンクリート製品は、プレキャストや二次製品とも呼びます。政令の条文には、「プレキャスト」「工場」「二次製品」という言葉が出てきません(2026年9月25日時点の現行条文。e-Gov法令検索に載っている附則を含む)。

主な決まりは4つです。

決まり中身条
構造計算土圧などに対する擁壁の安全を、計算で確かめる。結果をまとめた書類が構造計算書政令第9条
鉄筋のかぶり厚さ鉄筋の外側を覆うコンクリートの厚さ。土に接する壁は4cm以上、基礎は6cm以上建築基準法施行令第79条第1項(政令第11条)
配筋鉄筋の端はかぎ状に曲げるなどしてコンクリートから抜けないようにし、重ね継手は決まった長さを重ねる建築基準法施行令第73条
水抜穴壁面の面積3㎡以内ごとに1個以上、内径7.5cm以上。裏の水抜穴のまわりには砂利などで透水層を設ける政令第12条
鉄筋コンクリート造の擁壁にかかる主な決まり

このほか、コンクリートの材料・強さ・養生(固まるまで温度や乾きから守ること)の決まりなども、政令第11条でかかります(建築基準法施行令第72条・第74条・第75条)。

工場で造る部材は、条件を満たせば、かぶりを薄くできます。政令第11条が擁壁に準用する建築基準法施行令第79条は、第2項で、国土交通大臣が定めた構造方法を使う部材には第1項を適用しないとしていて、その構造方法を定めたのが平成13年国土交通省告示第1372号です。

ただし、鉄筋に対するコンクリートの付着割裂について(i)から(iii)までに定めるいずれかの構造計算によって安全であることが確かめられた場合においては、プレキャスト鉄筋コンクリート造で造られた部材の鉄筋に対するかぶり厚さは(略)直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあっては三センチメートル以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあっては捨コンクリートの部分を除いて四センチメートル以上(略)とすることができる。

平成13年国土交通省告示第1372号 1第一号ニ(2)(国土交通省の告示PDF。平成27年国土交通省告示第184号による改正までの版、2026年9月25日確認)

この告示は、第79条を準用する規定として建築基準法施行令の条(第139条〜第142条)だけを挙げていて、盛土規制法の政令は挙げていません。盛土規制法の許可の擁壁で使えるかは、窓口で確かめてください。

当社は、この4つをはじめ政令の決まりを満たした擁壁なら、工場で造ったものも政令どおりの鉄筋コンクリート造の擁壁だと考えています。

土のねっこは、宅地造成擁壁として利用できます。壁のかぶりは4cm(建築基準法施行令第79条第1項の数字どおり)、コンクリートの設計基準強度(強さ)は30N/mm²で造っています。

当社の製品

図面と構造計算書は当社でご準備できます

土のねっこ——宅地の造成で盛土を支えるL型のプレキャスト擁壁(2021年、施工例)

土のねっこ(鉄筋コンクリートのL型擁壁)

工場で造って、現場に据えます。製品の高さは50cm〜3m。根入れ(地面に埋める深さ)・裏込め(擁壁の裏に詰める砂利など)・排水は、現場ごとに当社の図面で決めます。全国に配送します(沖縄・北海道・離島を除く)。

お電話は 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)。

工場製の擁壁

工場で造った擁壁は、どう扱われますか

工場製でも認定なしで使える?
工場製でも認定なしで使える?
製品を決める前に窓口へ
製品を決める前に窓口へ

工場で造った擁壁の扱いは、県で違います。国の審査基準は、工場で造る鉄筋コンクリートの擁壁を、大臣認定の審査で扱う擁壁の1つに挙げています。県の手引にも、工場製の擁壁に大臣認定を求めるものがあります。製品を決める前に、許可を出す窓口で確かめてください。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行令(以下「令」という。)第17条に規定する特殊な材料又は構法を用いる擁壁(以下「特殊擁壁」という。)の認定については、この審査基準により行う。
(略)
この審査基準で扱う特殊擁壁は、以下のように分類する。
(略)
ニ.プレキャスト製品による鉄筋コンクリート造擁壁(以下「プレキャスト鉄筋コンクリート造擁壁」という。)
プレキャスト製品を用いた鉄筋コンクリート造擁壁。ただし、プレキャスト製品であるコンクリートブロックを用いて組積みする構造のものは除く。

国土交通省「宅地造成及び特定盛土等規制法施行令第17条に基づく国土交通大臣認定擁壁に係る審査基準」Ⅰ総則・Ⅰ(2)ニ、1頁(令和8年2月、2026年9月25日確認)

工場製は、この分類に入っています。ただ、審査基準には、工場製の擁壁は認定を受けなければならない、とは書いていません(全8頁に、そう定めた文はありません)。

施行規則は、工場製の擁壁が認定を受けるときに、工場の審査をどう扱うかも決めています。

2 前項の場合において、擁壁がプレキャスト鉄筋コンクリート部材によつて築造されるものであり、かつ、当該部材が、製造工程管理が適切に行われていることについて認証を受けた工場において製造されたものであるときは、当該擁壁については、同項の国土交通大臣の定める基準のうち製造工程管理に係る部分に適合しているものとみなす。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行規則 第13条第2項(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月25日確認)
国の決まり工場で造った擁壁について
政令(第8条〜第12条・第17条)現場で打つか、工場で造るかを書き分けていない
施行規則第13条第2項工場製が認定を受けるときの、工場の審査の扱いを決めている
審査基準(令和8年2月)工場製を、認定の審査で扱う擁壁の1つに挙げている。認定を受けなければならない、とは書いていない
工場で造った擁壁について、国の決まりに書かれていること

県の手引

県の手引では、どう扱われますか

県の手引で扱いが分かれる
県の手引で扱いが分かれる

そのため、県の手引で扱いが分かれます。工場製の鉄筋コンクリート擁壁を大臣認定擁壁の側に分け、認定品を用いなければならない、と書いた手引があります。愛知県の設計指針です。

(2) 大臣認定擁壁
義務擁壁の構造規定を満たす擁壁で、特殊な材料又は構法による擁壁を使用する場合は、大臣認定擁壁を用いなければならない。
(略)
なお、特殊な材料又は構法による擁壁は、次のものに分類される。
(略)
・プレキャスト製品による鉄筋コンクリート造擁壁

愛知県都市計画課「盛土規制法に係る設計指針」5.2【参考】(2)、52頁(令和7年12月9日一部改訂、刈谷市のページに載っている版。2026年9月25日確認)

大分県の手引も、「プレキャストL型擁壁は、原則として政令第17条の規定に基づく大臣認定擁壁を使用すること」と書いています(大分県「盛土規制法運用の手引」令和8年4月、17 擁壁の設置に関する技術的基準〔解説〕5)⑥、印刷70頁)。

反対に、認定のない工場製の擁壁に付ける書類を決めている手引もあります。滋賀県の技術的基準は、擁壁の種類ごとに付ける書類の表を置いています。

【留意事項】
下記のとおり、擁壁の種類別に必要資料を添付すること。
表2-2-2 擁壁の種類別添付資料

滋賀県「技術的基準_第2章(擁壁)【県規則内容反映】」表2-2-2、第2章-5頁(県のページ「盛土規制法に基づく許可基準について【令和7年5月改正】」に載っている版、2026年9月25日確認)

この表には「大臣認定以外のプレキャスト擁壁」の行があり、構造計算書・構造図(配筋図含む)・カタログ・土質試験結果等に○が付いています(宅造認定証の欄は空いています)。県ごとの手引の書き方は、盛土規制法の全国ページの「あなたの県の状況」にあります。

県の手引工場で造った擁壁の書き方
愛知県「盛土規制法に係る設計指針」特殊な材料又は構法による擁壁(プレキャスト製品による鉄筋コンクリート造擁壁を含む)は、大臣認定擁壁を用いなければならない
大分県「盛土規制法運用の手引」プレキャストL型擁壁は、原則として大臣認定擁壁を使用する
滋賀県「技術的基準」表2-2-2「大臣認定以外のプレキャスト擁壁」の行があり、構造計算書・構造図・カタログ・土質試験結果等を付ける
県の手引の書き方は分かれる(愛知・滋賀は2026年9月25日、大分は9月確認)

製品を決める前に、当社の製品の仕様を持って許可を出す窓口へ行き、「認定のない工場製の鉄筋コンクリート擁壁を使えますか」とたずねてください。設計者がいればその人が、いなければ当社がご相談に乗ります。許可を出すのは原則として都道府県ですが、政令指定都市・中核市の土地はその市です(県から権限を移された市町村が扱う所もあります)。窓口で認定品を求められたら、それも当社で手配します。

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認定品を使うと

大臣認定擁壁を使うと、何が違いますか

認定品は認定の規格の中で
認定品は認定の規格の中で

認定の条件の中で使うなら、政令の第8条第1項第2号と第9条〜第12条の決まりはかかりません(政令第17条)。構造計算・かぶり厚さ・水抜穴などは、政令の決まりではなく、認定のときに決めた仕様に従います。ただ、国の審査基準は、認定の審査でも、かぶり厚さなど建築基準法施行令の規定を満たすこと(実験などで同等以上と認められた場合を除く)と、政令第12条の水抜穴と同等以上の排水を求めています(審査基準Ⅱ(1)イi・n)。

決まりどおりの擁壁大臣認定擁壁
根拠政令第8条〜第12条政令第17条
安全の確かめ方構造計算(政令第9条)認定のときに決めた仕様
申請に付ける書類構造計算書(施行規則第7条第1項第2号)規則は認定擁壁を除いていない。構造計算書の代わりに認定書の写しなどを求める県の手引がある
使える範囲現場ごとに構造計算で決める認定の条件(背面の土の内部摩擦角などの設計条件ごとに決めた勾配・高さの規格)の中だけ
決まりどおりの擁壁と、大臣認定擁壁の違い

許可の申請に付ける書類は、施行規則第7条で決まっていて、鉄筋コンクリート造の擁壁なら構造計算書です(同条第1項第2号)。大臣認定擁壁については、構造計算書に代えて、認定書の写しやカタログなどを出すよう書いた県の手引があります(滋賀県の表2-2-2は、大臣認定のプレキャスト擁壁に構造図・カタログ・宅造認定証・土質試験結果等を求めています)。何を出すかは、県の手引の添付書類の表で確かめてください。

ただし、認定の条件の外では使えません。認定を受けた擁壁は、背面の土の内部摩擦角(土の崩れにくさを表す角度)などの設計条件ごとに、勾配や高さの規格が決まっています(審査基準Ⅱ(1)イd)。審査基準は、曲線部やコーナー部、土質が大きく変わる所では、必要に応じて補強も求めています(同m)。国の一覧表にも、注意書きがあります。

認定擁壁を使用する際は、仕様書を参照のうえ、現地の地盤の状況や各自治体の現行の許可基準などに適合しているかをご確認ください。

国土交通省「宅地造成及び特定盛土等規制法施行令第17条に基づく認定擁壁一覧表(令和8年3月現在)」の注記、1頁(2026年9月25日確認)

現場の条件が規格に入らなければ、構造計算で確かめる擁壁にするか、条件に合う別の認定品を探します。使いたい認定品があるなら、メーカーから認定書の写しと仕様書を取り寄せ、現場の条件が入っているかを設計者と確かめてください。

道路用の擁壁

道路用の擁壁は、宅地に使えますか

道路用の擁壁は宅地に使える?
道路用の擁壁は宅地に使える?
かぶり厚さを見比べる
かぶり厚さを見比べる

道路用のL型擁壁を宅地に使うなら、まずカタログのかぶり厚さ(鉄筋を覆うコンクリートの厚さ)を、宅地の値と見比べてください。見た目が同じでも、道路用と宅地用では、かぶり厚さの決まりが違います。宅地の擁壁のかぶりは、建築基準法施行令第79条にあります。

鉄筋に対するコンクリートのかぶり厚さは、(略)直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあつては四センチメートル以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあつては捨コンクリートの部分を除いて六センチメートル以上としなければならない。

建築基準法施行令 第79条第1項(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月25日確認)

道路用の例は、国土交通省四国地方整備局のマニュアルです。車道や歩道の端に据えるプレキャストのL型擁壁の設計の決まりを、道路土工擁壁工指針(日本道路協会)に合わせてまとめたもので、かぶり厚さは一般の環境で25mm、土中及び地下水位以下で45mmです(下の表)。

擁壁決まり鉄筋のかぶり厚さ
宅地の擁壁建築基準法施行令第79条第1項(盛土規制法施行令第11条が準用)直接土に接する壁 4cm(40mm)以上
基礎 6cm(60mm)以上
道路用の例四国地方整備局「プレキャストL型擁壁設計施工マニュアル(案)」改訂版(令和7年12月)表-3.9一般の環境 25mm
土中及び地下水位以下 45mm
工場で造る部材の特例告示第1372号(建築基準法施行令第79条第2項)。強度などの条件と、付着割裂の構造計算が要る。盛土規制法の擁壁は窓口で確かめる直接土に接する壁 3cm(30mm)以上
基礎 4cm(40mm)以上

カタログのかぶりが壁4cm・基礎6cmに届かなければ、その製品のままでは、決まりどおりの擁壁として宅地の義務擁壁(盛土規制法で設けなければならない擁壁)には使えません(大臣認定品なら、認定の仕様によります)。工場で造る部材の特例(壁3cm・基礎4cm)に頼る場合は、盛土規制法の擁壁で使えるかを窓口で確かめる必要があります。どちらも当社にご相談ください。

かぶり厚さは、確かめる項目の1つです。値が届いても、構造計算・配筋・水抜穴と現場の条件を設計者に見てもらってください。道路用か宅地用か分からない製品は、メーカーに、どの基準で設計した製品かと、かぶり厚さをたずねてください。宅地向けと道路向けで確かめる先の違いは、擁壁の種類と選び方のページにも載せています。

古いカタログ

古いカタログの「第14条」「第15条」は、何のことですか

古い番号も今の第17条
古い番号も今の第17条

どちらも、いまの第17条と同じ大臣認定の条です。2023年5月26日に施行された改正(令和4年政令第393号)で、政令の名前が「宅地造成等規制法施行令」から今の名前に変わり、大臣認定の条も第14条から第17条に移りました。見出しは前も今も「特殊の材料又は構法による擁壁」です。

その前は第15条でした。2006年(平成18年)9月30日に施行された改正で第14条になり、第15条で受けた認定は、そのまま第14条の認定として扱われています(平成18年政令第310号 附則第2項)。

「建設大臣認定」は、建設省の時代の認定です。国の一覧表でも、平成12年(2000年)12月までの認定番号には「建設省」の字が入っています。いまの一覧表は第17条の認定擁壁をまとめたもので、昭和38年の認定から載っています。カタログの認定番号か製品名で探し、載っていれば、令和8年3月時点で第17条の認定擁壁です。載っていなければ、メーカーにいまの認定の状況をたずねてください。

図面と計算書

擁壁の図面と構造計算書は、誰に頼めばいいですか

図面と計算書は当社で準備
図面と計算書は当社で準備

当社にご相談ください。

当社の製品

窓口に行く前に、使える擁壁と概算を知っておく

工場で造る鉄筋コンクリートのL型擁壁「土のねっこ」が使えるかと、概算をお答えします。全国に配送します(沖縄・北海道・離島を除く)。当社は擁壁のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。

  1. お客様:敷地の図面をお送りください(図面が無ければ、段差の高さと長さ、現場の写真と住所)
  2. 当社:使える製品と概算をお答えします
  3. お客様か設計者:製品を決める前に、製品の仕様を持って窓口へ行き、認定のない工場製の擁壁を使えるかをたずねてください
  4. 当社:窓口の答えに合わせて、土のねっこの図面と構造計算書か、認定品をご準備します
  5. 工事主(工事を注文する人。自分で工事をする人も含む。盛土規制法第2条第7号):許可を申請します(設計者に頼むのが一般的です)

お電話は 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)。

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土のねっこが使えるか、図面か、段差の高さと長さ・現場の写真・住所からお答えします。図面と構造計算書は当社でご準備できます。

当社は擁壁のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。

全国に配送します(沖縄・北海道・離島を除く)

お電話でも受け付けています。☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)

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