茨城県のヤード条例は、2024年(令和6年)4月1日から施行されています。この記事で比べている群馬県・千葉県・埼玉県と違うのは、すでに勧告・公表・命令の3段が実際に動いていることです。
県が公表した資料に、こう書かれています。
※ 保管状況基準違反84事業場への対応状況(6/25 時点)
・措置命令 9事業場
・公表 38事業場
・改善 35事業場
・その他 2事業場(火災発生事業場:廃棄物処理法に基づき、燃え殻等の処分を指導中)
そして、公表された勧告の中身は、ほとんどが同じ文でした。
保管物の高さ及び保管単位について、既存屋外保管事業場届出書の内容に合致するよう是正すること。
自分が届出書に書いた高さと面積が、そのまま自分を縛る基準になっています。この記事は、既存事業者が届出書に何を記載し、その内容がみなし許可の中身としてどこで効いているのかを、条例・規則・構造基準・要領の条文から順にたどります。これから設置する場合の手続きも、あわせて見ます。

いつから、何が変わったのか
条例の名前は「茨城県再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例」(令和5年茨城県条例第41号)です。付則第1項に、こうあります。
この条例は、令和6年4月1日から施行する。
目的は第1条です。何を守ろうとしている条例なのかは、ここで決まります。
この条例は、再生資源物の屋外における適正な保管について、屋外保管事業場設置者及び県の責務を明らかにするとともに、必要な規制を定めることにより、屋外に保管された再生資源物の崩落等の事故又は火災の発生等を防止し、併せて当該保管に伴う騒音又は振動等の発生の防止等を図り、もって災害の防止及び生活環境の保全に資することを目的とする。
崩落、火災、騒音・振動。囲いの基準も、積み上げ高さの上限も、すべてこの3つに紐づいて置かれています。廃棄物の適正処理を目的とする条例ではありません。廃棄物の規制が及ばない有価物を対象にした条例です。
既存事業場の届出期限は、もう終わっています

ここは、群馬県や埼玉県の解説をそのまま読むと間違えます。茨城県の経過措置は、付則第2項・第3項です。
この条例の施行の際現に屋外保管事業場を設置している者(略)については、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して6月を経過する日までの間に限り、同項及び第7条第3項の規定にかかわらず、引き続き当該屋外保管事業場において再生資源物の保管を行うことができる。
3 前項に規定する者が、同項の期間内に、規則で定めるところにより知事に届け出たときは、施行日において第6条第1項の許可を受けたものとみなす。
施行日は2024年4月1日ですから、6か月を経過する日は2024年9月末です。この届出期間は、すでに終了しています。
もうひとつ、第4項があります。
4 前項の規定により許可を受けたものとみなされた者については、第7条第3項の規定は、適用しない。
期限内に届け出てみなし許可を受けた既存事業者には、第7条第3項の検査が適用されません。あとで出てくる「許可を受けても検査に通るまでは使えない」は、これから新しく設置する場合の話です。
もうひとつ、注意が要ります。群馬県には維持管理基準6か月・構造基準1年という号ごとの猶予がありますが、茨城県の条例・規則・構造基準・要綱には、基準ごとの猶予期間を定めた規定がありません。付則第2項が適用を外しているのは、第6条第1項(許可)と第7条第3項(検査を受けるまで使用できないこと)の2つだけです。
囲いの高さ、可視化部分、積み上げ高さ、不浸透性の舗装、火災防止の措置。これらに「いつまで猶予」という条文はありません。実際に公表された勧告にも、「令和8年5月8日までに」「令和8年5月15日までに」といった具体的な是正期限が置かれていました。
うちは対象になるのか

3つで見ます。扱っている物、保管の目的、そして面積です。
まず、物。第2条第1号です。
再生資源物 使用を終了し、収集された木材、ゴム、金属、ガラス、コンクリート、陶磁器若しくはプラスチックを原材料とするもの(分解、破砕、圧縮等の処理がされたものを含む。)又はこれらの混合物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(略)第2条第1項に規定する廃棄物(略)及び法第17条の2第1項に規定する有害使用済機器に該当するものを除く。)をいう。
7種類です。木材、ゴム、金属、ガラス、コンクリート、陶磁器、プラスチック。分解・破砕・圧縮されたあとのものも含みます。逆に、廃棄物と有害使用済機器は除かれます。
次に、目的。第2条第2号です。
屋外保管 業として再生資源物の取引を行うため屋外において再生資源物を保管することをいう。
「業として」と「取引を行うため」の2つが要件です。この2つの言葉の定義は、条例にも規則にも書かれていません。県は説明会でこう説明しています。
〇継続反復して、再生資源物を収集し、その再生資源物若しくはその再生資源物を処理(分解、破砕、圧縮等)したものを販売する者のこと。例:①金属スクラップを収集し、選別・圧縮して転売する。②電気製品や電線を破砕し、プラスチックと金属に分別し販売する。
〇原材料を購入し、最終製品を生産する場合は該当しない。例:鉄スクラップを購入し鋳物製品を生産する。
これは説明会資料に載った県の説明であって、条文ではありません。同じ資料には、最終製品を作るための原料としての保管は条例が適用されない、という整理も載っています。ただし、そこでいう最終製品からは「資材や燃料として使用されるもの」が除かれています。燃料用のチップを作るために置いている場合は、この理屈では外れません。
3つめ、面積。第5条第2項です。
その敷地面積(隣接する2以上の屋外保管事業場を共に屋外保管の用に供する場合には、これらの全ての屋外保管事業場の敷地面積の合計。次条第1項第4号において同じ。)が100平方メートルを超えない屋外保管事業場については、前項第1号の規定は、適用しない。
隣接する事業場は合計で見ます。分けても逃げられません。そして「100平方メートルを超えない」ですから、ちょうど100㎡は許可の対象外、100㎡を超えると許可が要ります。「100㎡以上」と書くと逆になります。ただし、許可が要らないことと、条例が適用されないことは別です。次の節で見ます。
100㎡を超えなくても、条例は関係あります

ここを取り違えている解説を見かけます。もう一度、第5条第2項を読んでください。適用しないと書かれているのは「前項第1号」だけです。
第5条第1項の第1号は、囲いと掲示板です。第2号以下は外れていません。
- 第2号——飛散・流出・地下浸透・悪臭を防ぐ措置(囲いの構造耐力、積み上げ高さ、底面の不浸透性、油分離装置と排水溝)
- 第3号——騒音又は振動による支障の防止
- 第4号——火災の発生又は延焼の防止(区分保管、電池・潤滑油の回収、保管単位の面積、間隔)
- 第5号——ねずみが生息せず、蚊・はえその他の害虫が発生しないようにすること
つまり、100㎡以下なら設置の許可は要りません(第6条第1項第4号)。囲いと掲示板の基準も適用されません(第5条第2項)。しかし条例の適用外ではありません。積み上げ高さ、汚水、火災、騒音・振動、ねずみ・害虫の基準はかかります。「100㎡以下なら条例は関係ない」と読むと、勧告の対象になり得ます。
許可が要らない場合と、条例が適用されない場合は別です
この2つは混ざりやすいところです。条文が別に置かれています。
まず、許可が要らない場合。第6条第1項ただし書です。
屋外保管事業場を設置しようとする者は、当該屋外保管事業場ごとに、知事の許可を受けなければならない。ただし、当該屋外保管事業場が次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
(1) 法第8条第1項の規定による許可を受けた一般廃棄物処理施設又は法第15条第1項の規定による許可を受けた産業廃棄物処理施設に該当する場合
(2) 使用済自動車の再資源化等に関する法律第60条第1項の規定による解体業の許可又は同法第67条第1項の規定による破砕業の許可を受けた者のそれぞれ当該許可に係る事業所に該当する場合
(3) 茨城県廃棄物の処理の適正化に関する条例(略)第12条第1項の規定による許可を受けた指定処理施設等に該当する場合
(4) その敷地面積が100平方メートルを超えない場合
第2号の「当該許可に係る事業所」に注意してください。自動車リサイクル法の許可を持っていても、その許可に係る事業所ではない別の場所なら、許可が必要になります。
一方、条例そのものが適用されない場合は、第20条です。
この条例の規定は、次の各号に掲げる場合には、適用しない。
(1) 屋外保管を適正に行うことができる者として規則で定めるものが屋外保管を行う場合
(2) 国又は地方公共団体が屋外保管を行う場合
(3) 港湾法(略)第2条第5項第8号に規定する保管施設において屋外保管を行う場合
第1号の中身は条例には書かれていません。規則第21条に、24種類の許可・認定・委託・指定が並んでいます。廃掃法の処理業許可や再生利用認定、家電リサイクル法の認定・指定とその委託先、小型家電リサイクル法の認定とその委託先などです。ただし、条件が付いています。
(略)を受け、かつ、当該許可等に係る事業場において屋外保管を行おうとする者とする。
許可等を持っていても、その許可等に係る事業場以外の場所なら適用除外になりません。ここも第6条第1項第2号と同じ作りです。
もうひとつ、第21条があります。
市町村が制定した屋外保管の規制に関する条例の内容が、この条例の趣旨に即したものであり、かつ、この条例と同等以上の効果が期待できるものと知事が認めるときは、この条例の規定は、当該市町村の区域には、適用しない。
市町村に条例があれば自動的に県条例が外れるわけではありません。知事が認めることが要件です。
県の条例のページには、名指しでこう書かれています。
なお、常陸大宮市については、独自の条例を制定し、2024年4月1日から施行していますので、常陸大宮市役所の指示に従ってください。
常陸大宮市に事業場があるなら、まず市に確認してください。ほかに該当する市町村があるかどうかは、県または市町村にご確認ください。
事業場の周囲の囲いは、何を満たせばよいのか

条例第5条第1項第1号アは、こうです。
屋外保管事業場の周囲に、外部から再生資源物の保管の状況が確認できる構造の囲いが設けられていること。
具体的な数字は、条例にも規則にもありません。「屋外保管事業場の構造に関する基準」という別の文書に置かれています。その1(囲いの設置)です。
(1)囲いは、原則として、屋外保管事業場の全周囲に設け、みだりに人が屋外保管事業場に立ち入るのを防止することができること。
(2)囲いの高さは、地盤面から1.8メートル以上とすること。
(3)囲いは、風圧等により容易に転倒、破壊されないものとすること。
1.8メートルです。群馬県の2メートルとは違います。囲い本体の材質については、一律の指定がありません。

そして、今回比べている群馬県・千葉県・埼玉県にはない、茨城県独自の要件が続きます。
(4)道路等の外部から屋外保管事業場内の作業及び保管の状況が確認できるようにするため、道路等に面する側に、道路等に面する側の囲い(門扉を含む)の総延長の20%程度について、見通すことができる素材又は構造の部分(以下「可視化部分」)を適切に配置すること。
分母は「囲い全体」ではありません。「道路等に面する側の囲いの総延長」です。そして門扉もその延長に含めて数えます。「20%以上」ではなく「20%程度」と書かれている点も、そのまま読んでください。
新しく作る場合の寸法も決まっています。
(6)可視化部分を新設する場合は、原則として、1つの可視化部分は幅が50センチメートル以上、高さが地盤面から1メートルから2メートルの範囲以上の大きさとすること。
門扉については、こうです。
(7)門扉は、(1)から(3)の構造を有し、施錠できるものであること。
(8)門扉は、(5)及び(6)の構造を有することにより、(4)に規定する「見通すことができる素材又は構造の部分」に含めることができる。
門扉も、(5)と(6)の構造を満たせば20%の分子として数えられます。透ければ何でもよい、ということではありません。基準の図では、50メートルの辺に対して透視可能な囲い5メートルと門扉5メートル、合わせて10メートルが配置された例が示されています。
そして、20%程度の可視化部分を設ければ終わり、でもありません。県の質問事項回答は、こう答えています。
外部のいずれかの部分から、概ね敷地全体を見通せることが必要となる。
掲示板は、大きさが規則第2条、置く場所が構造基準の2です。
(1)入口付近の見やすい箇所に、下記表示様式により、許可屋外保管事業場であることを表示する立札等を設けること。
(2)表示位置は、原則として門扉の付近とする。
大きさと書く内容は、規則第2条です。
条例第5条第1項第1号イの規定による掲示板は、縦及び横それぞれ60センチメートル以上であり、かつ、次に掲げる事項を表示したものでなければならない。
(1)許可の年月日及び許可番号
(2)保管する再生資源物
(3)保管の場所の管理者の氏名又は名称及び連絡先
(4)容器を用いずに保管する場合にあっては、次条に規定する高さのうち最高のもの
最高の保管高さを、看板に書くことになります。そして、その数字を超えれば勧告の対象です。
積み上げられる高さは、囲いに荷重をかけられるかで変わります

ここが、茨城県の条例のいちばん実務に効くところです。条例第5条第1項第2号イが、規則に委ねています。
イ 容器を用いずに保管する場合にあっては、積み上げられた再生資源物の高さが規則で定める高さを超えないようにすること。
その規則第3条は、3つの場合に分けています。分け方の軸は「囲いに荷重が直接かかる構造の部分があるかどうか」です。
まず、無い場合。第1号です。
(1) 保管の場所の囲いに保管する再生資源物の荷重が直接かかる構造である部分(以下この条において「直接負荷部分」という。)がない場合(第3号に掲げる場合を除く。) 当該保管の場所の任意の点ごとに、地盤面から、当該点を通る鉛直線と当該保管の場所の囲いの下端(略)を通り水平面に対し上方に50パーセントの勾配を有する面との交点(当該交点が2以上ある場合にあっては、最も地盤面に近いもの)までの高さ又は5メートルのうちいずれか低いもの
起点は囲いの下端です。上端ではありません。そこから水平2に対し垂直1の勾配で立ち上がる斜面が天井になります。囲いのそばではほとんど積めず、離れるほど高く積めます。ただし5メートルが上限です。
次に、ある場合。第2号です。
(2) 保管の場所の囲いに直接負荷部分がある場合(次号に掲げる場合を除く。) 直接負荷部分の上端から下方に垂直距離50センチメートルの線(直接負荷部分に係る囲いの高さが50センチメートルに満たない場合にあっては、その下端)(以下この条において「基準線」という。)から当該保管の場所の側の任意の点ごとに、次のアに規定する高さ(当該保管の場所の囲いに直接負荷部分でない部分がある場合にあっては、ア又はイに規定する高さのうちいずれか低いもの)又は5メートルのうちいずれか低いもの
荷重を受け止められる囲いがあれば、勾配の斜面から解放されます。そのかわり、天端いっぱいまでは積めません。上端から50センチメートル下がった「基準線」の高さまでです。
ただし、条文をよく見てください。かっこ書きに「当該保管の場所の囲いに直接負荷部分でない部分がある場合にあっては、ア又はイに規定する高さのうちいずれか低いもの」とあります。囲いの一部に荷重を受けられる部分があれば勾配の制限から外れる、というわけではありません。直接負荷部分でない部分が混じっていれば、基準線の高さと、第1号の50パーセント勾配による高さとを比べて、低いほうが上限になります。
この差が、同じ土地で置ける量を変えます。囲いに荷重をかけられない場合、囲いから2メートルの地点で積めるのは1メートルまでです。荷重をかけられる囲いが1.8メートルあれば、その地点でも1.3メートル(1.8メートル引く50センチメートル)まで積めます。敷地の外周に沿った帯の部分で、差がそのまま容量になります。
3つめ、三方を囲った場合。第3号です。
(3) 保管の場所の三方の囲いに直接負荷部分がある場合 次のアからウまでに規定する高さのうちいずれか低いもの又は前号に規定する高さ
ア 当該保管の場所の当該三方以外の方向から、屋外保管事業場の敷地の境界線への水平距離のうち最小のものの2分の1に相当する高さ
イ 当該直接負荷部分の基準線の高さ
ウ 5メートル
測るのは、開いている一方から敷地の境界線までです。囲いまでではありません。境界まで6メートルなら3メートル、10メートルあって初めて5メートルに届きます。
ただし、この2分の1だけで決まるわけではありません。条文は、ア(境界線までの水平距離の2分の1)・イ(直接負荷部分の基準線の高さ)・ウ(5メートル)の3つのうち低いものと、第2号に規定する高さとを並べています。境界まで6メートルあるから3メートル積める、と決めつけないでください。ほかの3つのほうが低ければ、そちらが上限になります。
県は、この2分の1を、書く側から見て裏返して説明しています。
再生資源物の保管場所について、三方の囲いに直接負荷部分がある場合、当該三方以外の方向から敷地境界線への水平距離が保管高さの2倍とられていることを示す図示すること。
これは届出書作成時の留意事項という県の記載指導であって、条文ではありません。規則の文言は「水平距離のうち最小のものの2分の1に相当する高さ」です。
荷重をかけるなら、構造耐力上安全であることが要ります

条例第5条第1項第2号アです。
ア 保管する再生資源物の荷重が直接囲いにかかり、又はかかるおそれがある構造である場合にあっては、当該荷重に対して当該囲いが構造耐力上安全であること。
「かかる」だけでなく「かかるおそれがある」も入っています。寄りかからせるつもりがなくても、そういう構造なら対象です。
許可申請の添付書類は、規則第7条第3項第1号です。
(1) 屋外保管事業場の構造を明らかにする平面図、立面図、断面図、構造図及び設計計算書並びに当該屋外保管事業場の付近の見取図
設計計算書は「あれば添付」ではありません。規則が並べている必須の添付書類です。変更許可のときも、規則第13条第2項第1号が「変更後の屋外保管事業場の構造を明らかにする設計計算書」を求めています。
当社の擁壁型の囲い「ヤードン」は、逆T型で自立し、製品部分の設計計算書をお出しできます。適用の条件を確認できた案件に限られますし、届出・申請の書類としてどこまでが必要になるかは、事業場の条件と県の確認内容によって変わります。詳しくはヤードンのページをご覧ください。
火災を防ぐための決まり

条例第5条第1項第4号が、規則第5条に委ねています。5つあります。
(1) 再生資源物がその他の物と混合するおそれのないように他の物と区分して保管すること。
(2) 再生資源物に電池、潤滑油その他の火災の発生又は延焼のおそれがあるものが含まれる場合にあっては、技術的に可能な範囲でこれらを適正に回収し、処理すること。
(3) 再生資源物の一の保管の単位の面積を200平方メートル以下とすること。
(4) 隣接する再生資源物の保管の単位の間隔は、2メートル以上とすること(当該保管の単位の間に仕切りが設けられている場合を除く。)。
(5) その他必要な措置
茨城県では、区分によらず全部にかかります。千葉県では、200㎡と2メートルは雑品スクラップに限られています。他県の解説をそのまま当てはめないでください。
第4号の「仕切り」について、県の質問事項回答はこう答えています。
フレコン等を用いて保管する場合でも隣接する保管場とは2メートル空ける必要があるか。
火災防止のための措置であるため、不燃材料での仕切りが無いのであれば必要となる。
仕切りなら何でもよい、ということではありません。
そして第5号の「その他必要な措置」です。条文に書かれた4つを満たせば済む、という作りではありません。
新しく設置するなら、事前審査から始まります

ただし、「事前審査」という言葉は条例本文には一度も出てきません。条文上の根拠は第6条第1項の許可制で、その運用手続として「屋外保管事業場の設置に係る事前審査」という要領が置かれています。
3 事前審査の対象者 条例第6条第1項に定める屋外保管事業場を設置しようとする者(以下「事業計画者」という。)は、あらかじめ、知事の審査(以下「事前審査」という。)を受けなければならない。
最初に出すものは、こうです。
ア 事業計画者は、事前審査を受けようとするときは、屋外保管事業場の設置に係る事業計画書(様式第1号。以下「事業計画書」という。)正本1部及び副本2部(敷地が複数の市町村の区域を含む場合は、該当市町村数に1を足した部数)並びに立地調書(様式第2号)14部を知事に提出しなければならない。
立地調書14部は、関係課へ一斉に照会するための部数です。要領の別表には18の項目が挙がっていますが、1から13までが共通で、14から18は設置地域を所管する出先機関のうちの1つです。実際に照会がかかるのは、共通の13課と、その地域を所管する機関1か所になります。
そして、ここに住民説明会が入ります。条例第6条第3項が、こう定めています。
第1項の許可の申請をしようとする者は、当該許可の申請をする日までに、当該許可に係る屋外保管事業場の周辺地域の住民その他の者に対し、前項第1号から第3号までに規定する事項その他知事が必要と認める事項を周知するため、説明会を開催するよう努めなければならない。
条例の上では努力義務です。ただし、事前審査の要領は、その相手をこう定義しています。
屋外保管事業場が設置される敷地の境界から、300メートル以内の居住者、勤務者、又は日常生活上使用する土地、建物、工作物を有する者をいう。
そして、手順が決まっています。
(2)事業計画者は、7(1)ウの市町村意見書の通知を受けた後、条例第6条第3項に定める周辺住民等への説明会(以下「住民説明会」という。)の予定や説明内容について、市町村長と協議し、了解を得るものとする。
(3)事業計画者は、(2)により市町村長の了解を得た後、住民説明会を開催し、その結果を書面により市町村長に報告するものとする。
協議内容どおりに実施したと認められないときは、再度の説明会その他必要な周知措置を指示されます(同(5))。回覧を回して終わり、という運用にはなっていません。
そして、終わったときに出るものは、許可証ではありません。
(5)事前審査の終了 知事は、事業計画書及び他法令等確認報告書の内容を確認し、4に掲げる事項について適正と認めるときは、事前審査終了通知書(様式第7号)を事業計画者に送付するとともに、その写しを市町村長及び(3)アで協議・調整が必要な旨を回答した関係課に送付するものとする。
このあとに、別途、設置許可の申請が要ります。手数料は、付則の別表でこう決まっています。
- 屋外保管事業場設置許可申請手数料 57,000円
- 屋外保管事業場設置許可更新申請手数料 48,000円
- 屋外保管事業場設置変更許可申請手数料 44,000円
- 屋外保管事業場譲受け又は借受け許可申請手数料 32,000円
- 屋外保管事業場設置法人合併等認可申請手数料 32,000円
許可は取りきりではありません。第8条第1項です。
第6条第1項の許可は、当該許可の日から起算して5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
許可を受けても、検査に通るまでは使えません
条例第7条第3項です。この条文には「使用前検査」という見出しは付いていませんが、中身はそれです。
前条第1項の許可を受けた者(略)は、規則で定めるところにより、当該許可に係る屋外保管事業場について、知事の検査を受け、当該屋外保管事業場が当該許可に係る同条第2項の申請書に記載した屋外保管事業場の設置に関する計画及び屋外保管事業場における災害の防止及び生活環境の保全のための計画に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。
違反には罰則があります。第24条第1号が「6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」を定めています。許可が下りた時点ではまだ使えない、ということです。
勧告、公表、命令。3段になっています

条例第11条です。茨城県で実際に動いているのが、この3段です。
知事は、次の各号のいずれかに該当する場合は、当該各号に定める者に対し、期限を定めて、必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。(略)
2 知事は、前項に規定する勧告を受けた者がその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
3 知事は、第1項に規定する勧告を受けた者が、前項の規定によりその勧告に従わなかった旨を公表された後において、なお、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、その者に対し、期限を定めてその勧告に係る措置を講ずるよう命じ、又は期間を定めて屋外保管事業場の全部若しくは一部の使用の停止を命ずることができる。
勧告に従わなければ公表、公表されてもなお従わなければ命令。そして命令に違反すれば、第23条第4号により2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。
公表の仕方も、要領で決まっています。
(公表の方法)第3条 前条及び条例第11条第2項の規定により公表を行う場合は、次の方法により行うこととする。(1)報道機関への資料提供 (2)茨城県ホームページ(廃棄物規制課ホームページ)への掲載。ただし、ホームページへの掲載期間は掲載日より5年以内とする。
(公表の時期)第4条 第2条の規定による公表は行政処分を行った後、概ね1週間以内に行うものとする。
公表される中身は、2種類に分かれています(第5条)。
(1) 第2条の規定により公表を行う場合
屋外保管事業場設置者名、住所、対象の屋外保管事業場、処分年月日、行政処分の内容及び行政処分を行った理由
(2) 条例第11条第2項の規定により公表を行う場合
屋外保管事業場設置者名、住所、対象の屋外保管事業場、条例第11条第1項の規定に基づく勧告の内容及び当該勧告に従わなかった旨
命令や許可の取消しなら処分の内容と理由、勧告に従わなかった場合なら勧告の内容と従わなかった旨です。いずれも会社名と住所が県のホームページに載ります。掲載期間は、掲載日から5年以内とされています。
何が違反とされたのか

県が公表した資料に、違反の中身が条番号つきで並んでいます。実際に何を見られているかが分かります。
(1)屋外保管の基準違反
① 囲いの未設置や破損、可視化部分を設けていないこと(条例第5条第1号ア)
② 囲いに直接接し重みをかけて保管する許可を受けていない施設において、構造耐久上の安全が確認されていない囲いに、直接重みをかけて保管していること(同条第2号ア)
③ 許可された最高保管高を超過して保管していること(同条第2号イ)
④ 許可された保管単位(面積)を超過して保管していることや、火災の発生又は延焼防止の処置(各保管場の間を2m以上離す又は不燃性の仕切りを設ける)を講じていないこと(同項第4号)
(2)屋外保管事業場の無許可設置 無許可で新たな屋外保管事業場を設けていること(条例第6条第1項)
(3)屋外保管事業場の無許可変更 許可屋外事業場内で、無許可で保管場所を追加していることや、保管方法を無許可で変更(容器を用いる保管から野積み保管に変更)していること(条例第10条第1項)
②を読んでください。荷重をかけること自体が違反なのではありません。構造耐力上の安全が確認されていない囲いに荷重をかけていることが違反です。そして、荷重をかけて保管する許可を受けていない施設で、という前提が付いています。
③と(3)も実務的です。許可された最高保管高を超えたこと。容器保管から野積みに変えたこと。どちらも、届出書・申請書に書いた内容から外れたことが違反になっています。
変更するなら、先に許可です
条例第10条第1項です。
許可屋外保管事業場設置者は、第6条第2項第2号から第4号までに掲げる事項を変更しようとするときは、規則で定めるところにより、知事の許可を受けなければならない。ただし、その変更が規則で定める軽微な変更であるときは、この限りでない。
「変更しようとするとき」です。原則として、変更する前に許可です。対象は第6条第2項の第2号から第4号、つまり設置の場所、面積・保管する再生資源物・保管量・保管の高さ、設置に関する計画です。無許可変更は、第23条第2号により2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。
ただし、ただし書に例外があります。規則第14条が「許可を要しない軽微な変更」を4つ挙げています。
(1)屋外保管事業場の設置の場所に係る変更(地域の名称の変更又は地番の変更に伴うものに限る。)
(2)許可屋外保管事業場設置者が法人である場合におけるその役員又は第10条に規定する使用人の氏名又は住所に係る変更
(3)(略)
(4)屋外保管事業場の構造に係る変更(災害の防止及び生活環境の保全に支障を及ぼすおそれがないものとして知事が別に定めるものに限る。)
第1号の「場所の変更」は、事業場が動くことではありません。地名や地番が変わっただけの場合です。そして第4号の構造の変更も、知事が別に定めるものに限られます。軽微に当たるかどうかは、県にご確認ください。
罰則は3段階です

すべての違反が2年以下というわけではありません。
(罰則)第23条 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する。
(1)第6条第1項の規定に違反して、屋外保管事業場を設置した者
(2)第10条第1項の規定に違反して、第6条第2項第2号から第4号までに掲げる事項を変更した者
(3)不正の手段により第6条第1項の許可、第8条第1項の許可の更新又は第10条第1項の変更の許可を受けた者
(4)第11条第3項の規定による命令に違反した者
(5)第13条第1項の規定に違反して、許可に係る屋外保管事業場を譲り受け、又は借り受けた者
第24条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。
(1)第7条第3項(第10条第3項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、当該屋外保管事業場を使用した者
(2)第18条第2項の規定による命令に違反した者
第25条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
(1)第10条第2項又は第15条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(2)第16条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
(3)第17条第1項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第26条は両罰規定です。法人の代表者や従業者が違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科すとされています。
いま、確かめておくこと

- 扱っているものが木材・ゴム・金属・ガラス・コンクリート・陶磁器・プラスチックを原材料とするものか。廃棄物と有害使用済機器は除かれる
- 業として取引を行うための保管か。原材料を購入して最終製品を生産する場合は該当しない(県の説明。ただし資材・燃料になるものは最終製品から除かれる)
- 敷地面積は100㎡を超えるか。隣接する事業場があれば合計で判定する
- 100㎡以下なら設置の許可は要らない。ただし条例の適用外ではない。囲いと掲示板以外の基準はかかる(積み上げ高さ、汚水、火災防止、騒音・振動、ねずみ・害虫)
- 囲いは原則として全周囲、地盤面から1.8メートル以上、風圧等で容易に転倒・破壊されないか
- 道路等に面する側の囲い(門扉を含む)の総延長の20%程度に、見通せる部分があるか
- 掲示板は入口付近、原則として門扉の付近にあるか。縦横それぞれ60cm以上で、許可の年月日と番号、保管する再生資源物、管理者と連絡先、最高の保管高さを表示しているか
- 囲いに保管物の荷重が直接かかる、またはかかるおそれがあるか。該当するなら構造耐力上安全であることを示せるか
- 積み上げ高さは、直接負荷部分がない場合は50パーセント勾配、ある場合は基準線(上端から下方50センチメートル)、三方なら境界線までの水平距離の2分の1。いずれも5メートルが上限。直接負荷部分でない部分が混じるなら勾配による高さと比べて低いほう、三方なら4つを比べる
- 一の保管の単位は200㎡以下、隣接する単位の間隔は2メートル以上(仕切りがある場合を除く)か。茨城県は区分によらず全部にかかる
- 電池、潤滑油その他の火災のおそれがあるものを、技術的に可能な範囲で回収・処理しているか
- 許可の日から5年ごとの更新を忘れていないか
- 設置の場所、面積、保管物、保管量、保管の高さ、設置に関する計画を変えるなら、原則として変更する前に変更許可を受けているか(規則第14条の軽微な変更は、変更許可ではなく届出)
- 新しく設置するなら、許可申請の前に事前審査。事業計画書は正本1部・副本2部、立地調書は14部
- 新しく設置するなら、敷地の境界から300m以内の周辺住民等への説明会を、市町村長と協議のうえ開催し、結果を書面で報告したか(条例第6条第3項・事前審査要領)
- 2メートルの間隔を仕切りで代えるなら、不燃材料の仕切りか(県の質問事項回答)
- 許可を受けたあと、知事の検査に適合と認められるまでは使えないことを工程に織り込んでいるか
手続きや解釈の判断は、茨城県県民生活環境部 廃棄物規制課 施設指導にご確認ください。
出典
- 茨城県 茨城県再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例
- 茨城県再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例(PDF)
- 茨城県再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例施行規則(PDF)
- 屋外保管事業場の構造に関する基準(PDF)
- 屋外保管事業場の設置に係る事前審査(PDF)
- 茨城県再生資源物の屋外保管事業場の構造に関する要綱(PDF)
- 質問事項回答(PDF)
- 届出書作成時の留意事項(PDF)
- 説明会資料(PDF)
- 付則手数料一覧(PDF)
- 行政処分等の公表に関する要領(PDF)
- 再生資源物の屋外保管事業場に係る条例違反事業者に対する行政処分について(令和8年6月26日・PDF)
- 条例違反事業者の公表(令和8年2月25日・PDF) 本文で引用した「条例違反の内容」はこの資料によります
- 条例違反事業者の公表 令和8年5月11日/同5月18日/同6月1日(いずれもPDF) 本文で引用した勧告の文はこれらによります
同じヤード条例でも、県によって求めるものが違います。ほかの県は、こちらにまとめています。
- 千葉県のヤード条例 2024年4月1日施行・許可制・面積の下限なし
- 埼玉県のヤード条例 2025年1月1日施行・許可制
- 群馬県のヤード条例 2026年10月1日施行・許可制
- スクラップヤードの規制 国の制度と全体の流れ
