奈良県の盛土規制法——窓口・手数料と、擁壁の扱い

奈良県の盛土規制法

奈良で盛土・切土・擁壁の工事をする人、造成した土地を買う人へ。

まずすること

まず、何を確かめればいいですか

奈良県では、県内のどの土地も、盛土規制法の宅地造成等工事規制区域か特定盛土等規制区域のどちらかに入っています。宅地造成等工事規制区域のほうが、小さな工事から許可が要ります。

許可を出すのは、土地のある市町村で2通りに分かれます。奈良市は、市が許可します(区域の指定も市)。残る38市町村は県が受け持ち、県知事か土木事務所長が許可します(県の手引2-3)。申請書は、大和郡山市・天理市など25市町村では市町村役場に、ほかの13市町村では土木事務所に出します。相談と審査を受け持つのは、工事をする土地の面積が3,000平方メートル以上なら県の建築安全課、それより小さければ土地を受け持つ土木事務所です。県が指定した区域では令和7年5月7日に、奈良市では令和7年4月1日に規制が始まりました。

工事の前に、この順で進めてください。

  1. 土地が2つの区域のどちらかを確かめる。奈良市と、大和高田市・橿原市など23市町村は、全域が宅地造成等工事規制区域です。残る15市町村は、県の区域図で確かめます。
  2. 盛土・切土の高さと面積、できる崖の高さを設計者に出してもらう。許可が要るかは、まずこの数字で決まります。
  3. 許可が要るなら、下りるまで着手しない(根切りなどの掘削も含みます)。申請するのは工事主(施主)です。特定盛土等規制区域で届出で済む工事は、着手の30日前までに届け出ます。県が許可する土地の標準処理期間は、面積2,000平方メートル未満なら27日で、申請書を市町村役場に出す25市町村では7日が足されます。奈良市は30日です。どれも休みの日を除いた日数なので、暦では1か月を超えます。書類の不備を直す期間なども数えないため、実際にはもっと長くかかることがあります(面積ごとの日数と数え方)。申請の前にする土地の所有者などの同意と周りの住民への周知、図面と構造計算書をそろえる期間もこの日数に入らないので、着手したい日から逆算して始めてください。窓口は相談先の表で引けます。
まず、何から始める?
まず、何から始める?
着手の前に、窓口へ
着手の前に、窓口へ

当社の製品

盛土の崖を覆う擁壁は、工場で造った「土のねっこ」で。申請に要る図面と構造計算書も、当社が用意します。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます

当社は擁壁のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。図面が無ければ、段差の高さと長さ、現場の写真と住所から始められます。お電話は ☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)。

【無料の判定アプリ】自分の工事に許可が要りそうかを確かめる。盛土の高さ・崖の高さ・面積を入れると、盛土規制法の許可が要りそうかの目安と、相談する窓口が分かります(登録不要)。

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全国で同じこと

全国で同じこと

許可が要る工事の規模、擁壁の構造計算や水抜穴、検査、罰則は、大枠が全国共通の法律・政令・省令で決まっています。規模や数字の一部は、県や市が条例・規則で変えられます。奈良県は、盛土規制法の施行細則第5条で、擁壁の裏の全面に透水層を設けること(奈良県で擁壁を設計するときの数字)と、谷筋やわき水のある斜面で盛土・切土をするなら、地下に水を抜く暗渠(あんきょ)などを設けることを決めています。条文と図は盛土規制法の全国共通ページにあります。

土地を買う前に

造成済みの土地を買う前に、どこで確かめれば良いか

造成済みの土地を買うなら、契約の前に、造成の許可と検査済証があるかを売主に聞いてください(聞き方は全国共通ページの冒頭「造成済みの土地を買う前に」)。聞く許可は、造成の時期で変わります。規制が始まってから(県が指定した区域は令和7年5月7日、奈良市は令和7年4月1日から)着手した、許可が要る大きさの造成なら、盛土規制法の許可と、完了検査の検査済証です。区域の指定のあとに都市計画法の開発許可を受けて造成した土地で、その造成が許可の要る大きさなら、開発許可の検査済証が、盛土規制法の検査済証の代わりになります(県の手引2-33)。開発許可のあとの変更で許可の要る大きさになった造成は、この扱いにならず、盛土規制法の許可が別に要ります(奈良市の技術基準)。それより前の造成で、旧法(宅地造成等規制法)の許可が要った工事なら、旧法の許可と検査済証です。旧法の許可が要ったのは、旧法の規制区域の中の造成だけでした。その区域は、昭和38年に生駒市などで指定されてから広がり、盛土規制法の前には奈良市・生駒市など、都市計画区域の中の20の市町の約30,085ヘクタールでした(県の手引1-1)。20の市町の名前は手引に載っていないので、旧法の区域だったかは、土地の所在地と造成した時期を伝えて相談先に尋ねます。

奈良市は、許可した工事の場所を、市の「盛土規制法に基づく工事の許可及び届出に係る公表について」のページから入る地図情報公開サイトで公表しています。県の盛土規制法のページ(2026年8月24日更新)と規制区域のページ(2026年5月28日更新)には、県が許可した工事の一覧の案内がありません。一覧に載っていても、完了検査に合格したかは検査済証で確かめます。

一覧で見つからないときや、売主が検査済証を見せられないときは、土地の所在地を伝えて、許可を出すところ(相談先の表)に記録を問い合わせます。記録が見つからないときは、擁壁の図面や構造計算書が残っていないかを売主に確かめます。記録があってもなくても、今の擁壁の状態は、契約の前に設計者に見てもらってください。頼める設計者に心当たりが無ければ、奈良県建築士事務所協会の会員の一覧から、近くの設計事務所を探せます。造り替えるときに使える製品と概算は、当社にご相談ください(地域によっては、施工業者さんのご紹介もできます)。

許可を出すところ

奈良県で、許可を出すのはどこですか

土地のある市町村区域を指定した日区域許可を出すのは
奈良市(中核市)令和7年4月1日(市が指定)市内全域が宅地造成等工事規制区域。特定盛土等規制区域は指定なし奈良市長
申請書を市町村役場に出す25市町村(大和郡山市・天理市・橿原市・桜井市・五條市・御所市・生駒市・香芝市・葛城市・宇陀市・平群町・三郷町・斑鳩町・川西町・明日香村・上牧町・王寺町・広陵町・河合町・吉野町・大淀町・下市町・天川村・東吉野村・高取町)。高取町は令和8年1月1日から令和7年5月7日(県が指定)県の区域図のとおり奈良県知事か土木事務所長(窓口は土木事務所か建築安全課)
申請書を土木事務所に出す13市町村(山添村・安堵町・大和高田市・野迫川村・十津川村・三宅町・田原本町・曽爾村・御杖村・黒滝村・下北山村・上北山村・川上村)令和7年5月7日(県が指定)県の区域図のとおり奈良県知事か土木事務所長(窓口は土木事務所か建築安全課)
県の盛土規制法のページと規制区域のページ、奈良市のページ

・許可等の処分は奈良県が行います。
・申請書等は橿原市の経由が必要となります。

橿原市「宅地造成及び特定盛土等規制法」(2025年5月14日更新)

この「経由」は、県の条例(奈良県事務処理の特例に関する条例)で25市町村に任された仕事です(県の盛土規制法のページ、手引の許可・手続き編2-23)。奈良市の土地は、市の「奈良市宅地造成及び特定盛土等規制法に関する技術基準」(令和8年1月改訂)に沿って手続をします。

区域図

自分の土地がどちらの区域かは、どこで見られますか

うちの土地は規制区域?
うちの土地は規制区域?
区域は2種類。県が指定します
区域は2種類。県が指定します

県が受け持つ38市町村は、全域がどちらかの区域に入っています。都市計画区域は全域が宅地造成等工事規制区域で、ほかは、一部を除いて特定盛土等規制区域です(県の規制区域のページ)。県の都市計画区域は、大和都市計画区域と吉野三町都市計画区域の2つです。奈良市のほかに入るのは、大和高田市・大和郡山市・天理市・橿原市・桜井市・五條市・御所市・生駒市・香芝市・葛城市・宇陀市・平群町・三郷町・斑鳩町・安堵町・川西町・三宅町・田原本町・高取町・明日香村・上牧町・王寺町・広陵町・河合町(大和)と、吉野町・大淀町・下市町(吉野三町)の27市町村で、五條市・宇陀市・吉野町・下市町は一部です(県の「区域区分、地域地区、地区計画」のページ、2026年3月31日更新)。この4市町を除く23市町村は、全域が宅地造成等工事規制区域です。

残る15市町村(五條市・宇陀市・山添村・曽爾村・御杖村・吉野町・下市町・黒滝村・天川村・野迫川村・十津川村・下北山村・上北山村・川上村・東吉野村)は、県の「規制区域」のページの「詳細図」(PDF)で、土地がどちらの区域かを確かめます。詳細図は大きく、五條市は約33MB、十津川村は約54MBあります。市町村ごとの「位置図」(PDF、1枚2〜4MB)もあります。同じページの「GISデータ」の欄からは、奈良県GISの「奈良県 盛土規制法規制区域マップ(R7.5.7指定)」に進み、区域を地図の上で見られます。図で分からないときは、地番を伝えて相談先に問い合わせてください。地番は登記で土地ごとに付いている番号で、住所の番地と違うことがあります(登記事項証明書や、固定資産税の課税明細書に載っています)。

宅地造成等工事規制区域は、市街地や集落とその周りなど、人家がまとまっている所です。特定盛土等規制区域は、市街地や集落から離れていても、地形などから、盛土などをすると人家に害が及ぶおそれのある所です(県の説明)。

奈良市は市内全域が宅地造成等工事規制区域で、区域は市が指定しました。どちらの区域かを図で探す必要はありません。区域の平面図(PDF)は、市の「宅地造成等工事規制区域の指定について」のページで見られます。

許可の規模

許可が要る工事の規模は、奈良県で変わりますか

どんな工事に許可が要る?
どんな工事に許可が要る?
盛土で1mを超える崖なら許可
盛土で1mを超える崖なら許可
崖がなくても、盛土2m超は許可
崖がなくても、盛土2m超は許可

県が許可する38市町村でも奈良市でも、許可が要る規模は全国の数字のままです(県の手引の「許可対象となる盛土等の規模」の表、奈良市の技術基準の表1-2)。図の数字は、宅地造成等工事規制区域のものです。この区域で許可が要るのは、盛土で1メートル、切土で2メートル(盛土と切土を同時にするなら2メートル)を超える崖ができる工事と、高さ2メートルを超える盛土、面積が500平方メートルを超える盛土・切土です。県が受け持つ土地のうち特定盛土等規制区域で許可が要るのは、盛土で2メートル、切土で5メートル(同時にするなら5メートル)を超える崖ができる工事と、高さ5メートルを超える盛土、面積が3,000平方メートルを超える盛土・切土です。特定盛土等規制区域で、それより小さく、宅地造成等工事規制区域の数字を超える工事は、着手の30日前までに届け出ます。届出書は、申請書と同じ所(市町村役場か土木事務所)に出します。

規模を決める「崖」は、地面が30度より急な所(風化の著しくない硬い岩盤を除く)のことで、擁壁で覆った段差も崖に入ります。たとえば境界に擁壁を立て、内側に土を1メートルより高く盛ると、「盛土で高さ1メートルを超える崖」ができます。宅地造成等工事規制区域なら許可が要ります(全国共通ページの「擁壁を造る・造り替えるだけでも、許可は要りますか」)。

県が許可する宅地造成等工事規制区域では、高さ2メートル以下で、盛る・削る厚さが30センチメートル以内の部分を、面積500平方メートルに数えません

主務省令第八条第九号に定める「宅地造成等に伴う災害の発生のおそれがないと認められる工事」は、以下の条件を全て満たしたものとする。
ア 高さ(盛土又は切土を行った後の地盤面の標高が最も高い地点と最も低い地点の標高差とする。)が2m以下
イ 盛土又は切土をする前後の地盤面の標高の差が30cmを超えない
ただし、盛土又は切土をする土地の面積のうち、上記アとイの条件を満たさない部分が有る場合、当該部分の面積が500平方メートルを超える場合には許可が必要である。

奈良県「宅地造成及び特定盛土等規制法に関する運用の手引き 許可・手続き編」(令和7年3月・令和7年12月改定)1-21「方針・判断基準」

宅地造成等工事規制区域では、盛る・削る厚さが30センチメートルを超える所などの面積を足して、500平方メートルを超えれば許可です(特定盛土等規制区域では、面積で許可になるのは3,000平方メートルを超えるときです)。たとえば平らな土地で、800平方メートルに盛土をし、そのうち300平方メートルを50センチメートル、残る500平方メートルを20センチメートルの厚さで盛るなら、条件を満たさないのは300平方メートルです。面積の区分では許可が要りません(崖ができるなら、崖の高さでも見ます)。それでも、市町村の土砂の条例で別に手続が要ることがあります。奈良市の技術基準には、この数え方の定めが見当たりません。奈良市の土地なら、開発指導課に確かめてください。

古い擁壁の造り替え

古い擁壁を造り替えるとき、許可は要りますか

県の手引(令和7年12月改定)と奈良市の技術基準(令和8年1月改訂)には、同じ位置・同じ高さで擁壁だけを新しくする場合の扱いが見当たりません。今と計画の擁壁の位置・高さと、前後の地盤の高さを図にして、許可を出すところ(相談先)に見せて決めてもらいます。許可が要る工事で、古い擁壁の上や下に擁壁を足すなら、県の手引の「二段擁壁」の決まりがかかり、上下の擁壁が近ければ一体の構造として設計します(技術基準編3-13・3-14)。

古い擁壁を壊して造り直すときは、許可が要らなくても、高さ2メートルを超える擁壁なら、壊す工事の着手の14日前までに届出が要ります(全国共通ページの「2メートルを超える擁壁を壊すとき、届出は要りますか」)。届出書の出し先は、申請書と同じです(奈良市の土地は奈良市、県が受け持つ土地は市町村役場か土木事務所)。許可の要らない造り替えで、造り直す擁壁が2メートルを超えるなら、その擁壁は確認申請(工作物の確認)の対象です。

当社の製品

その擁壁、工場で造ってあります。盛土の崖を覆う擁壁が要ると分かったら、「土のねっこ」をご検討ください。鉄筋コンクリートのL型擁壁で、高さ500〜3,000mm。構造計算(政令第9条の4項目)と水抜穴は、製品の構造計算書と図面で示します——書類は当社が用意します。擁壁本体は工場で造ってあるので、現場で型枠を組んでコンクリートを養生する日数が要りません(基礎や埋め戻しの工程は、現場の施工計画で決めます)。崖の土砂を受け止める擁壁なら「やまがみ」です。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。

工場製の擁壁

工場製の擁壁は使えますか——大臣認定の扱い

大臣認定でないとだめ?
大臣認定でないとだめ?
コンクリート擁壁は2つの道
コンクリート擁壁は2つの道

工場で造る鉄筋コンクリートの擁壁も、構造計算書を付ければ、大臣認定がなくても申請できます。県の手引(令和7年12月改定)にも奈良市の技術基準(令和8年1月改訂)にも、工場製に大臣認定を求める定めは見当たりません。認定の無い工場製の擁壁を使うなら、構造計算書と製品の仕様を持って、申請の前に窓口で確かめます。コンクリートの擁壁には、構造計算で確かめる道と、国土交通大臣の認定を受けた擁壁を使う道があります(大臣認定の擁壁と、認定のない擁壁)。

ア 擁壁は、次のいずれかの構造とすること。
(ア) 間知ブロック又はその他の練積み造擁壁
(イ) 鉄筋コンクリート造擁壁
(ウ) 無筋コンクリート造擁壁
(エ) くずれ石積擁壁

奈良県「宅地造成及び特定盛土等規制法に関する運用の手引き 技術基準編」(令和7年2月・令和7年12月改定)3-3【審査基準】

工場製の鉄筋コンクリートの擁壁は、このうち(イ)に当たります。奈良市の技術基準も、擁壁の種類は同じ4つです。大臣認定擁壁を使うなら、許可の審査で、認定を受けた擁壁かが確かめられます(技術基準編3-4の解説)。

許可を出すところ工場製の擁壁の扱い擁壁で申請に付けるもの
奈良県(38市町村)認定の無い工場製は、窓口で確かめる。大臣認定擁壁は使える(認定の内容・仕様書に合う使い方にする。技術基準編3-31)擁壁の断面図・背面図と崖の断面図(縮尺50分の1以上)。鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造は構造計算書。高さ5メートルを超える擁壁は、設計者の資格を証する書類も
奈良市認定の無い工場製は、市に確かめる。大臣認定擁壁は使える(大臣認定書の写しを付け、構造は認定の仕様による)擁壁の断面図(全高1メートル以上は構造計算書。大臣認定擁壁は、計画が認定の条件を満たすことが分かる書類)、背面図(水抜き穴の必要数の計算式を書く)、崖の断面図。高さ5メートルを超える擁壁は、設計者の資格に関する申告書も
県の手引の申請書類一覧と、奈良市の技術基準

擁壁の設計の数字

奈良県で擁壁を設計するときの数字

水抜穴と根入れは?
水抜穴と根入れは?
3㎡に1か所・内径75mm以上
3㎡に1か所・内径75mm以上

県が許可する土地では、擁壁を次の数字で設計します(技術基準編3-5〜3-31の【審査基準】)。

  • 地面の下に入る部分も含めた高さ(全高)が1メートル以上のコンクリートの擁壁は、安定計算・構造計算をする
  • 地面から上端までの高さ(見え高)が5メートルを超える擁壁と、立地上とくに重要な擁壁は、大地震時の安全も確かめる。水平設計震度0.25で、転倒・滑動・支持力の安全率を1.0以上にする
  • 擁壁の裏の地面に見込む重さ(載荷重)は、宅地なら戸建て住宅を想定して原則10kN/㎡以上。擁壁の上端(天端)にフェンスを直接立てる宅地の擁壁は、天端から1.1メートルの高さに水平荷重1kN/mを見込む
  • 地面より下に埋める深さ(根入れ)は、地盤の土質(設計者が調べて区分する)が第一種・第二種(砂利や真砂土など)なら見え高の0.15倍以上かつ35センチメートル以上、そのほかの土質なら0.20倍以上かつ45センチメートル以上。コンクリート造は、地盤面から擁壁の底面までを測る
  • 擁壁の裏に砕石などで設ける水の通り道(透水層)は、コンクリート造なら、天端から30センチメートル下の位置から前面の地盤線まで、厚さ30センチメートル以上。練積み造は、高さに応じて厚さを変える。擁壁の裏面の全面に設けることは、県の施行細則第5条でも決めている(切土で、軟岩以上の硬さの地盤などは除く)
  • 水抜き穴は内径75ミリメートル以上で、壁面3平方メートル以内に1個。上下の段で位置をずらす千鳥に並べ、前面の地盤面の位置と、見え高の2分の1以下の高さに設ける。塩化ビニル薄肉管(VU)のように変形するものは使わない
  • 地面から50センチメートル以上出ていて、主に土を留めるための構造物は、擁壁として扱う

奈良市の技術基準は、住宅地の擁壁の裏の地面に見込む重さ(積載荷重)を、一般的な戸建て住宅を想定して「5~10kN/㎡以上」としています。どの値で設計するかは、設計者が開発指導課に確かめます。地震時の検討をする擁壁は、見え高5メートル以上です。構造計算(全高1メートル以上)・根入れ・透水層の厚さ・水抜き穴の大きさと数・見え高50センチメートルは、県と同じ数字です。

「土のねっこ」を使うなら、県か奈良市の数字に合わせた図面と構造計算書、製品の仕様をお出しします。大臣認定擁壁で計画するなら、当社で手配します。

建築確認

家を建てるとき、建築確認はどうなりますか

建築確認を取れば要らない?
建築確認を取れば要らない?
許可とは別の手続です
許可とは別の手続です

盛土規制法の許可と、建築基準法の確認は別の手続です(全国共通ページの「建築確認を受ければ、盛土規制法の許可は要りませんか」)。高さ2メートルを超える擁壁は、建築基準法の工作物で、確認申請が要ります(第88条第1項・施行令第138条)。ただし、盛土規制法の許可を受けなければならない工事の擁壁には、この確認は要りません(第88条第4項)。確認申請は、家の建築確認と同じく、建築主事のいる県・市の窓口か、民間の指定確認検査機関に出します。

家の建築確認で、盛土規制法に合っていることを示す書面(省令第88条)を求められたら、県が許可する土地では、県の「許可証明書交付申請書」(第16号様式)に、付近見取図と、今と計画の平面図・断面図(縮尺100分の1以上)を付けて交付を申請します(県の施行細則第15条)。様式(Word)は、県の盛土規制法のページから取れます。奈良市の土地での出し方は、市の技術基準に書かれていないので、開発指導課に聞いてください。

崖の近くに家を建てるなら、奈良県のがけ条例(建築基準法施行条例第3条)もかかります。高さ2メートルを超える崖の近くでは、崖の高さの2倍以上離して建てるのが決まりで、崖は盛土規制法の政令の崖で数えます。盛土規制法の完了検査で、工事が技術的基準に合うと認められた土地の建物や、建築基準法の検査済証を受けた擁壁の崖の近くの建物などには、この決まりがかかりません(同条第2項)。それでも、敷地の周りの古い擁壁などが安全かは確かめる必要があり、年数の経った擁壁は劣化の具合も見て判断する、と県は答えています(県の「奈良県建築基準法施行条例」の運用に係るQ&A Q4)。

期間と手数料

許可はいつ下りて、手数料はいくらですか

許可を出すところ標準処理期間(盛土・切土)手数料(500㎡以内の盛土・切土)
奈良県(38市町村)27日(面積2,000㎡未満。市町村役場に申請書を出す25市町村は34日)19,100円
奈良市30日13,000円
県の手引・盛土規制法のページと奈良市の期間・手数料

標準処理期間は、書類のそろった申請が出てから許可が出るまでの目安です。県の日数は、申請書が市町村役場(25市町村)か土木事務所に着いた日から数え、県の休みの日と、補正・申請内容の変更・追加の資料に要る期間は入りません(県の手引2-23)。奈良市の30日も、市の休日(土日・祝日と12月29日〜1月3日)と、書類の不備を直す期間を数えません。奈良市で開発許可と一緒に申請するなら、長いほうの期間になります(市の標準処理期間の表)。

県の標準処理期間は、面積で延びます。2,000平方メートル以上3,000平方メートル未満が29日、3,000平方メートル以上10,000平方メートル未満が39日、10,000平方メートル以上20,000平方メートル未満が57日で、それより広い工事は58〜64日です(市町村役場を通すなら、どれも7日を足した日数)。土石の堆積の許可は、県が14日(2,000平方メートル未満。市町村役場を通すなら21日)、奈良市が14日です。

手数料は、工事をする土地の面積で上がります。

土地の面積県・盛土・切土の許可県・土石の堆積の許可奈良市・盛土・切土の許可
500平方メートル以内19,100円14,900円13,000円
500平方メートル超 1,000平方メートル以内29,400円15,600円23,000円
1,000平方メートル超 2,000平方メートル以内40,700円18,200円33,000円
2,000平方メートル超 3,000平方メートル以内58,400円21,600円48,000円
3,000平方メートル超 5,000平方メートル以内71,200円31,900円61,000円
5,000平方メートル超 10,000平方メートル以内93,500円36,200円81,000円
10,000平方メートル超 20,000平方メートル以内153,000円42,100円120,000円
20,000平方メートル超 40,000平方メートル以内234,000円57,000円190,000円
40,000平方メートル超 70,000平方メートル以内366,000円79,300円310,000円
70,000平方メートル超 100,000平方メートル以内518,000円119,000円450,000円
100,000平方メートル超668,000円144,000円580,000円
県の盛土規制法のページ(2026年8月24日更新)と奈良市の手数料

中間検査が要る規模の工事は、中間検査の手数料が別にかかります。県は、盛土・切土の面積が3,000平方メートル以内なら5,700円、100,000平方メートル超は63,400円です。奈良市は3,000平方メートル以内なら4,000円、100,000平方メートル超は35,000円です。奈良市の土石の堆積の許可の手数料は、面積に応じて9,000円から110,000円です。県の手数料の表と奈良市の手数料のページに載っているのは、許可・中間検査・変更の許可の手数料で、完了検査の手数料は載っていません。

変更の許可の手数料は、県では、面積の変わらない変更なら元の面積の額の10分の1、面積が減るなら変更後の面積の額の10分の1です。設計の変更で面積が増えるなら、元の面積の額の10分の1に増えた面積の額を足し、設計を変えずに面積だけが増えるなら、増えた面積の額だけです(上限は盛土・切土が668,000円、土石の堆積が144,000円)。奈良市は、設計の変更が許可の手数料の10分の1、区域を足すなら10分の1に足した面積の額を加え、そのほかの変更は10,000円です。

市町村の条例

市町村の条例で、別に手続が要ることはありますか

盛土規制法とは別に、土砂の埋立てや盛土を市町村の条例で規制しているところがあります。土砂による汚染や崩落を防いで、周りの生活環境を守るための条例で、市町村によって、事前の協議や相談、隣の土地の所有者などの同意、周りの住民への説明を求めます。

市町村条例対象手続
天理市天理市土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例1,000平方メートル以上の埋立て・盛土・たい積(隣の土地で1年以内に行われた事業と合算)市長との事前協議、土地と隣の土地の所有者などの同意、周りへの周知のあと、市長の許可
生駒市生駒市土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例500平方メートル以上(一団の土地で3年以内に行われた分と合算)か、高さ1メートル以上で土砂500立方メートル以上の埋立て・盛土・たい積市との事前協議、住民への説明会などの周知、土地の所有者などの同意のあと、市長の許可
宇陀市宇陀市土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び水質の汚濁並びに災害の発生の防止に関する条例1,000平方メートル以上の埋立て・盛土・たい積・切土(隣の土地で続く事業と合算)。よそへ運び出すための、1,000立方メートル以上・6か月以上のたい積あらかじめ協議したうえで、市長の許可
高取町高取町土砂等の搬入に関する条例500平方メートル以上か、搬入した土砂の高さが1メートル以上になる土砂の搬入住民課への事前相談と事前協議のあと、町長の許可。着手の30日前までに届出
山添村山添村土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例500平方メートル以上(隣の土地で続く事業と合算)、盛土で高さ1メートル以上・切土で高さ2メートル以上の所が一部でもある事業、よそへ運び出すための500立方メートル以上・6か月以上のたい積事前協議、住民への説明などの事前通知のあと、村長の許可
吉野町吉野町土砂等による土地の埋立て等の規制に関する条例500平方メートル以上(隣の土地で1年以内に行われた事業と合算)、盛土で高さ1メートル以上・切土で高さ2メートル以上の所が一部でもある事業町長の許可
各市町村の公式ページ・条例(2026年9月25日に確認)

天理市・宇陀市・山添村は、ほかの法令の許可などを受けて行う事業を、条例の許可の対象から外しています。生駒市は、盛土規制法の宅地造成等工事規制区域の許可(第12条第1項)を受けて行う宅地造成を、規則で対象から除いています(規則第5条第10号)。吉野町は、条例の別表で、「宅地造成等規制法」(盛土規制法の改正前の名前)などの許可に基づく事業を除いています。今の盛土規制法の許可で外れるかは、町に問い合わせてください。高取町は、盛土規制法と町の条例の両方に当たるなら、両方の手続が要ると町のページで案内しています。表の市町村で計画するなら、条例の担当課と盛土規制法の窓口の両方に確かめると、手続の漏れがありません。

奈良市(令和7年3月31日)と御所市(令和7年5月7日)は、盛土規制法の規制が始まるのに合わせて、市の土砂の条例を廃止しました。五條市も、令和7年6月23日の市議会で、条例を廃止する議案を可決しています。

表に無い市町村にも、条例のあるところがあります。地方自治研究機構の一覧(令和5年3月31日時点)では、葛城市・平群町・御杖村・大淀町・下市町にも土砂の埋立ての条例がありました。この5市町村の今の条例は、市町村のページで見つけられませんでした。表にも5市町村にも無い市町村も、条例が無いとまでは確かめていません(調べたのは、市町村の公式ページで探せた範囲と、この一覧です)。表の6市町村のほかで計画するなら、役場で、土砂の条例があるかを尋ねてください。

県の条例は、地方自治研究機構の一覧(盛土規制法の施行後の都道府県の表)の奈良県の欄が「-」で、土砂の埋立てや盛土を規制するものは載っていません。土を採る側には、県の奈良県土採取規制条例があります。盛土などに使う土を採って土採取場から運び出すなら、採る日の30日前までに知事に届け出ます(土採取場が1,000平方メートル未満で、採る土が2,000立方メートル未満なら要りません。規則で決めた法令の許可を受けた事業なども外れます。県の「土の採取制限」のページ、2026年2月27日更新)。

相談先

相談先——まず、どこに電話しますか

土地のある市町村申請書を出す所相談・審査の窓口電話
奈良市奈良市 都市整備部 開発指導課奈良市 都市整備部 開発指導課0742-34-5237
大和郡山市・天理市・生駒市・平群町・三郷町・斑鳩町市町の役場奈良県 郡山土木事務所 建築課(面積3,000平方メートル未満の工事)0743-51-0210
山添村・安堵町奈良県 郡山土木事務所 建築課奈良県 郡山土木事務所 建築課(面積3,000平方メートル未満の工事)0743-51-0210
五條市・御所市・香芝市・葛城市・上牧町・王寺町・広陵町・河合町市町の役場奈良県 高田土木事務所 建築課(面積3,000平方メートル未満の工事)0745-44-3878
大和高田市・野迫川村・十津川村奈良県 高田土木事務所 建築課奈良県 高田土木事務所 建築課(面積3,000平方メートル未満の工事)0745-44-3878
橿原市・桜井市・宇陀市・川西町・高取町・明日香村・吉野町・大淀町・下市町・天川村・東吉野村市町村の役場奈良県 中和土木事務所 建築課(面積3,000平方メートル未満の工事)0744-48-3079
三宅町・田原本町・曽爾村・御杖村・黒滝村・下北山村・上北山村・川上村奈良県 中和土木事務所 建築課奈良県 中和土木事務所 建築課(面積3,000平方メートル未満の工事)0744-48-3079
奈良市を除く県内で、面積3,000平方メートル以上の工事面積にかかわらず、市町村で決まる所(役場か土木事務所)奈良県 建築安全課 開発・盛土指導係0742-27-7573
県の盛土規制法のページ(提出先・所管窓口の表)と奈良市のページ

役場で申請書を受け付ける課は、橿原市は建築安全推進課(0744-47-3517)、生駒市は都市整備部 建築課 開発指導係(0743-74-1111 内線3480)、香芝市は都市創造部 都市計画課 開発指導係(0745-44-3315)です(各市のページ)。ほかの市町村は、役場の代表電話で、盛土規制法の申請を受け付ける課を尋ねてください。

申請から着手まで

申請から着手まで

申請の前には、工事をする土地の所有者などの全員の同意と、周りの住民への周知(説明会か、書面の配布か、現地での掲示とインターネットでの公開を両方するか、のどれか。渓流などに高さ15メートルを超える盛土をするなら説明会)が要ります。県が許可する土地で、平地の盛土・切土や土石の堆積をするなら、周知する範囲は次のどちらかです(県の手引2-8の表)。

  • 盛土などの端から、その高さの2倍の距離までの範囲と、土地の境界から250メートル程度の範囲
  • 隣の土地と、土地が属する自治会などの範囲

周知は、どちらか一方の範囲で足ります。斜面に土を足す腹付けの盛土や谷を埋める盛土は、下流の範囲にかかる自治会などに周知します(県の手引2-8の表)。奈良市でも申請の前に周知が要ります。周知の相手になる自治会長の連絡先は、市の「自治会長の連絡先等について」のページの照会フォームで問い合わせられます(市の技術基準)。

奈良市は、申請の前の事前相談を設けています(任意)。事前相談書に、付近見取り図・公図・登記の謄本・今と計画の平面図・写真などを付けます。隣の土地に水抜き穴の水が入る擁壁や、隣の擁壁に土を当てる計画なら、隣の人に工事を説明して、同意書を申請に付けます(市の技術基準)。

許可を受けて工事に着手したら、工事着手届を出します。県が許可した工事は着手のあと速やかに(宅地造成及び特定盛土等規制法施行細則第4条)、奈良市では工事許可標識を現場に立てた写真を付けて出します(市の技術基準)。

当社の製品

窓口に行く前に、使える擁壁と概算を知っておく

窓口での相談は、盛土・切土の高さと面積、擁壁の位置と高さが決まっているほど早く進みます。図面か現場の情報を送っていただければ、工場製の擁壁「土のねっこ」「土地分け丸」のうち使える製品と概算をお答えします。申請に必要な図面と構造計算書も当社で用意します。全国対応——大臣認定擁壁も手配できます。

  1. 敷地の図面を送る(図面が無ければ、段差の高さと長さ、現場の写真と住所)
  2. 当社から、使える製品と概算をお答えする(計画に使えるかは、③の書類を持って窓口で確認します)
  3. 当社で、製品の図面と構造計算書を作る
  4. 工事主が許可を申請する(設計者に頼むのが一般的です)。許可が下りてから、施工業者さんが根切りなどの掘削も含めて工事に着手

お電話は 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)。

窓口に行く前に。擁壁の図面と構造計算書は当社が用意します。全国対応。窓口には、その図面を持って行けます。 擁壁を相談する ☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)

【無料の判定アプリ】自分の工事に許可が要りそうかを確かめる。盛土の高さ・崖の高さ・面積を入れると、盛土規制法の許可が要りそうかの目安と、相談する窓口が分かります(登録不要)。

盛土規制法の判定アプリを開く(無料)

窓口だけ探すなら「窓口さがし」アプリ(無料)

お問い合わせ

相談と見積(無料)

土のねっこが使えるか、図面か、段差の高さと長さ・現場の写真・住所からお答えします。図面と構造計算書は当社でご準備できます。

当社は擁壁のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。

全国に配送します(沖縄・北海道・離島を除く)

お電話でも受け付けています。☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)

出典

手引も条例も手数料も改正されます。県のページは各ページの更新日、市町村のページは2026年9月25日(奈良市の自治会長のページは9月26日、生駒市・香芝市の窓口のページは9月27日)の時点の内容です。申請の前に、現行の資料と窓口で確かめてください。

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