【盛土ニュース】市原市の無許可の盛土、県の撤去命令に従わなかった疑いで代表ら3人逮捕 台風25号で崩れた袖ケ浦市大竹の盛土も同じ会社と報道

市原市の無許可の盛土 県の撤去命令に従わず3人逮捕

千葉県で「土を入れさせてほしい」と言われた土地の持ち主、撤去されていない盛土の近くに住む方、自分の土地に土を盛る方に関わる話です。

逮捕までの経過

市原市西国吉で、何があったのか

2026年10月7日、千葉県警は、市原市西国吉の土地に県の許可を受けずに土砂を埋め立てたなどとして、市原市の土木会社の代表ら3人を、県の残土条例違反の疑いで逮捕した。県はこの会社に2025年11月27日、埋め立てた土砂の全部を撤去するよう命じ、期限の2026年2月10日を過ぎても撤去されなかったため、2026年3月に県警へ告発(刑事事件として届け出ること)していた(毎日新聞、10月7日)。

2025年4月〜11月ごろ西国吉の土地に、県の許可を受けずに、よそから運んだ土砂を埋め立てた疑い(毎日新聞)
2025年11月27日県が残土条例第23条第2項の措置命令。無許可で埋め立てた土砂等の全部を撤去すること、撤去が終わるまで崩落・飛散・流出を防ぐ応急の対策をとること。期限は2026年2月10日(県の発表)
2026年3月期限までに撤去されず、県が県警に告発(毎日新聞)
2026年9月台風25号の大雨で、県内4か所の盛土が崩れた。袖ケ浦市大竹の盛土は、捜査関係者によると同じ会社が許可なく造成したもの(毎日新聞)
2026年10月7日県警が代表ら3人を逮捕。西国吉の盛土は撤去されていない(ABEMA TIMES)
措置命令から逮捕までの経過(県の発表と報道から)

県の命令書は、無許可で埋め立てた区域を「3,000平方メートルを超える区域」と書いている。3,000平方メートルは残土条例で許可が要る線で、測った広さではない。広さと高さは、毎日新聞が約1万平方メートル・最大約15メートル、ABEMA TIMESが1万平方メートル超・最大15メートルと伝えている。3人が容疑を認めているかどうかを、県警は明らかにしていない(毎日新聞、10月7日時点)。

9月の台風25号では、県内4か所の盛土が崩れた(毎日新聞。10月5日のニュース)。袖ケ浦市によると、大竹の盛土には2025年6月から土砂が運び込まれ、県と市が2025年7月から2026年7月ごろまで何度も撤去を指導したが、業者は応じなかった。この盛土も同じ会社が許可なく造成したものだと、毎日新聞は捜査関係者の話として伝えている。

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残土条例とは

残土条例とは、どんな決まりか

正式な名前は「千葉県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例」(平成9年千葉県条例第12号)。よそから持ち込んだ土砂で3,000平方メートル以上の土地を埋め立てたり盛ったりする事業を「特定事業」と呼び、事業の土地ごとに、始める前に知事の許可を受けることを求めている(第2条第2項・第10条。国や自治体の公共事業などは例外)。市原市は、この県条例がかかる区域だ。千葉市・松戸市・君津市など26市町村は自分の条例で規制していて、県条例の適用から外れている(県の一覧、2026年1月1日現在)。この26市町村でも、次のタブの盛土規制法はかかる。

土地の持ち主の同意許可を申請する業者は、事業の土地の所有者に事業の内容を説明し、同意を得る(第10条の2第1項)
措置命令許可を受けずに行った業者に、知事は土砂の全部または一部の撤去や、崩落・飛散・流出を防ぐ措置を命じることができる(第23条第2項)
罰則許可を受けずに特定事業を行った人も、命令に従わなかった人も、1年以下の拘禁刑(刑務所に入れる刑)または100万円以下の罰金(第33条)。会社の業務なら、会社にも罰金(第36条)
残土条例の、今回に関わる条文
よそから持ち込む土砂で3,000㎡以上を埋め立てたり盛ったりするには知事の許可。無許可はそれだけで罰則。撤去の命令に従わなくても罰則(拘禁刑1年以下か罰金100万円以下)
無許可そのものにも、命令違反にも罰則があります(第10条・第23条・第33条)

報道によると、今回の容疑は、許可を受けずに埋め立てたことと、撤去の命令に従わなかったこと。条例では、前者が第10条違反、後者が第23条第2項の命令違反にあたり、どちらにも第33条の罰則がある。命令を受けて必要な措置を終えていない業者は、新しい許可を申請できない(第11条の2第2項)。

第三十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
一 第八条第二項若しくは第三項、第二十三条第一項若しくは第二項、第二十四条第一項、第二十五条又は第二十六条の三第一項若しくは第二項の規定による命令に違反した者
二 第十条、第十三条第一項又は第二十一条の三第一項の規定に違反して特定事業を行った者

千葉県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例 第33条(原文。条文は県「申請の手引き」令和8年5月改正・後編による。2026年10月20日閲覧)

もう1つの法律、盛土規制法

盛土規制法で、許可なく盛るとどうなるか

許可を受けずに工事をすると、3年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金。会社の業務なら、会社にも3億円以下の罰金(第55条第1項第1号・第60条第1号)。千葉県では、2025年5月26日に盛土規制法の規制が始まった。千葉市・船橋市・柏市を除く市町村は全域が宅地造成等工事規制区域(この法律で許可が要る区域)で、市原市も袖ケ浦市も入る。面積が500平方メートルを超える盛土、高さ2メートルを超える盛土、盛土で高さ1メートルを超える崖ができる工事などは、どれか1つに当たれば、始める前に知事の許可が要る。ここに無い工事にも許可が要るものがあるので、判定アプリか窓口で確かめる。

規制区域で、高さ2m超または面積500㎡超などの盛土を許可なしで行うと、拘禁刑3年以下または罰金1,000万円以下。会社の業務なら罰金3億円以下
許可なしで盛ると、罰則があります(盛土規制法 第55条・第60条)

残土条例と盛土規制法は別の決まりで、両方がかかることがある。残土条例は、よそから持ち込む土砂で3,000平方メートル以上のときに許可が要り、土砂に有害な物が混じっていないか(土壌の汚染)も見る。盛土規制法は500平方メートル超など、もっと小さい規模からかかるが、土壌の汚染は見ない。県は、このため残土条例を廃止せずに続けている(県のページ)。残土条例の許可を受ける事業でも、盛土規制法の手続を宅地安全課か地域振興事務所で先に確かめるよう、県の手引きは求めている。今回の県の処分と逮捕の容疑は残土条例によるもので、この盛土に盛土規制法が使われたかどうかは、県の発表にも報道(毎日新聞・ABEMA TIMES)にも出ていない(10月20日時点)。

規制が始まる前に盛った土も、擁壁(崖の土を支える壁)などの備えが無いか極めて不十分なために崩れるおそれが大きいと認められると、県は土地の持ち主・管理者・使っている人に改善命令を出すことができる。従わなければ、県が自ら工事をして費用を負担させることができる(第22条第1項・第23条第1項・第3項、第20条第5項〜第7項)。

すでにある盛土も、備えが無いか極めて不十分なために崩れるおそれが大きいと改善命令の対象。従わないと県が工事して費用を請求
規制の前からある盛土も、改善命令の対象になります(盛土規制法 第23条)

▶ 千葉県の盛土規制法(許可が要る工事・窓口)

▶ 盛土規制法の全国ガイド

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土地を貸してと言われたら

「土を入れさせてほしい」と言われたら

その場で返事をしない。相手と事業の内容を確かめ、土砂の埋立てに要る許可や届出を相手が済ませているかを確かめる。契約は書面にし、貸したあとも定期的に見に行く(県「悪質な土地の埋立てに御注意ください!」)。許可が要る規模かどうか分からなければ、県のヤード・残土対策課 残土・再生土対策班 043-223-2641に聞く(市原市など県条例の区域の場合。26市町村は各市町村の窓口)。

県は、資材置場として貸した土地に大量の土砂を持ち込まれた例や、使っていない土地に無断で土砂を山積みされた例が県内で起きていると注意を出している。県が挙げる持ち主の不利益は5つ。

土地が使えない土砂が撤去されるまで
評価額土地の評価額が下がる
撤去の費用自分で撤去すると、数百万円から数千万円かかることがある
土砂災害備えの無い盛土は崩れることがある
隣とのトラブル境界を越えた埋立てや、土砂の流れ込み
土地を貸した持ち主が受ける不利益(県の注意ページから)

残土条例の第4条は、土地の持ち主に、汚染や災害のおそれがある業者に土地を提供しないよう努めることを求めている(努力を求める条文で、この条自体に罰則は無い)。許可を取る業者は、申請の前に土地の所有者に事業の内容を説明し、同意を求める(第10条の2第1項)。同意した所有者は、工事のあいだ、毎月1回以上は現場で施工の状況を見る(第26条の2第2項、規則第16条の3)。崩れそうだと気づいたら、まず安全な場所へ離れ(身の危険があれば119番)、業者に工事を止めるよう求めるか元に戻させ、関係機関に知らせる(同条第3項)。崩落を防ぐ緊急の必要があるときは、同意した所有者にも知事が措置命令を出せる(第26条の3第2項)。

第四条 土地の所有者は、土砂等の埋立て等を行う者に対して土地を提供しようとするときは、当該土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害が発生するおそれのないことを確認し、これらのおそれのある土砂等の埋立て等を行う者に対して当該土地を提供することのないよう努めなければならない。

同条例 第4条(土地所有者の責務)(原文。条文は県「申請の手引き」令和8年5月改正・後編による。2026年10月20日閲覧)

盛土規制法でも、土地の持ち主・管理者・使っている人は命令の相手になる。自分で盛っていなくても、擁壁などの備えが無いか極めて不十分なために崩れるおそれが大きいと認められると、改善命令が出ることがある。土を盛った業者のほうに命じるのは、その業者の工事が原因だとはっきりしていることなど、3つの条件がそろうときに限られる(盛土規制法 第23条第1項・第2項)。

盛っていなくても、備えが無いか極めて不十分なために崩れるおそれが大きい土地の持ち主は命令の相手。土を盛った人へ命じるのは、原因が明らかなど3つの条件がそろうとき
盛っていなくても、持ち主が命令の相手になることがあります(盛土規制法)

すでに貸していて、約束と違う土が入っている、無断で土砂が持ち込まれている、というときは、産廃残土県民ダイヤル 043-223-3801(24時間365日)か、ヤード・残土対策課 監視指導班 043-223-4724へ。

近くに住んでいる方へ

撤去されていない盛土の近くに住んでいる方が、気をつけること

西国吉の盛土は、10月7日の時点で撤去されていない(ABEMA TIMES)。県は撤去と合わせて、撤去が終わるまで崩落・飛散・流出を防ぐ応急の対策も命じていたが、その対策が行われたかどうかは、県の発表にも報道(毎日新聞・ABEMA TIMES)にも出ていない(10月20日時点)。残土条例の許可を受ける事業なら、県が埋立ての構造の基準(規則別表第二)と構造安定計算書を審査する。この盛土はその審査を受けていない。盛土規制法のほうの手続があったかどうかは、上に書いたとおり分からない。

がけのひび割れ、湧き水、小石が落ちる、雨が続くのに川の水が減る。気づいたら警報が無くてもすぐ離れる
前触れに気づいたら、警報を待たずに離れる(首相官邸の呼びかけ)

首相官邸は土砂災害の前触れとして、がけや地面のひび割れ、がけや斜面から水が湧き出る、井戸や川の水が濁る、小石がばらばらと落ちてくる、雨が続くのに川の水位が下がる、樹木が傾く、などを挙げ、土砂災害警戒情報が出ていなくてもこうした状況なら直ちに安全な場所へ避難し、市町村などに連絡するよう呼びかけている。身の危険があれば119番。

気になる盛土があれば、まず産廃残土県民ダイヤル 043-223-3801(24時間365日)。ヤード・残土対策課 監視指導班 043-223-4724でもよい。その盛土に盛土規制法の許可があるかを調べたいときは、市原市なら県庁の宅地安全課盛土対策室 043-223-4494(市原市は、工事の面積にかかわらずここが窓口)。

▶ 10月5日のニュース:台風25号で崩れた千葉の盛土4か所

自分の土地に盛るなら

自分の土地に土を盛るなら、何が要るか

よそから土砂を持ち込んで3,000平方メートル以上なら残土条例の許可。面積500平方メートル超や高さ2メートル超など、どれか1つに当たれば盛土規制法の許可。どちらの許可が要るか、両方に要るかは、下の窓口で先に聞く。判定アプリでも、盛土規制法のほうの目安が分かる。

残土条例
許可が要る規模:3,000平方メートル以上
対象の土:よそから持ち込む土砂
見るもの:土壌の汚染と、崩落などの災害
市原市の窓口:県 ヤード・残土対策課 残土・再生土対策班 043-223-2641
盛土規制法
許可が要る規模:面積500平方メートル超、高さ2メートル超、盛土で高さ1メートル超の崖ができる工事 など
対象の土:持ち込む土かどうかを問わない
見るもの:崩落などの災害
市原市の窓口:県庁 宅地安全課 盛土対策室 043-223-4494(千葉市・船橋市・柏市は各市)
2つの決まりの違い(千葉県)

盛土規制法の許可を受ける工事では、盛土でできた崖を擁壁などで支えているか、水を抜く構造があるかが審査される。擁壁を使うなら、その図面と構造計算書が、許可の申請に添える書類に入る(盛土規制法の全国ガイド)。

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出典

  • 毎日新聞「無許可で盛り土造成疑い 千葉県警、土木会社代表ら3人逮捕」(2026年10月7日19時57分配信、Yahoo!ニュース)https://news.yahoo.co.jp/articles/cf03ac495481424680d4cdd95003e1f1270fabfd(2026年10月20日閲覧)
  • ABEMA TIMES「千葉“盛り土問題”で会社役員ら3人逮捕」(2026年10月7日18時04分)https://times.abema.tv/articles/-/10277846(2026年10月20日閲覧)
  • 千葉県「千葉県残土条例に基づく行政処分について(令和7年11月27日)」https://www.pref.chiba.lg.jp/yard/press/2025/shobun-20251127.html /同 措置命令の内容(PDF)https://www.pref.chiba.lg.jp/yard/zando/documents/zandomeirei2025-01.pdf(2026年10月20日閲覧)
  • 千葉県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例(平成9年千葉県条例第12号)第2条・第4条・第10条・第10条の2・第11条の2・第23条・第26条の2・第26条の3・第33条・第36条。条文は千葉県「土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例申請の手引き(令和8年5月改正)」後編の条例本文による https://www.pref.chiba.lg.jp/haishi/tetsuzuki/zando/documents/zandotebiki2.pdf /同 前編(Ⅰ 第一 7、盛土規制法の手続の確認)https://www.pref.chiba.lg.jp/haishi/tetsuzuki/zando/documents/zandotebiki.pdf(2026年10月20日閲覧)
  • 千葉県「千葉県土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例」(県条例の適用除外市町村の一覧、盛土規制法との関係)https://www.pref.chiba.lg.jp/haishi/zando/law.html(2026年10月20日閲覧)
  • 千葉県「悪質な土地の埋立てに御注意ください!」https://www.pref.chiba.lg.jp/yard/zando/alert.html(2026年10月20日閲覧)
  • 千葉県「盛土規制法に基づく規制区域の指定及び規制開始について」https://www.pref.chiba.lg.jp/tokei/kaihatsukoui/kiseikaishi.html(2026年10月20日閲覧)
  • 宅地造成及び特定盛土等規制法 第12条・第20条・第22条・第23条・第55条第1項第1号・第60条第1号(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000191(2026年10月20日閲覧)
  • 首相官邸「土砂災害から身を守るには」https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/doshyasaigai.html(2026年10月20日閲覧)

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