香川県のがけ条例——崖の近くに建てられるか

香川県のがけ条例

香川でがけの近くに家を建てる・買う人へ——最初に答えから。

窓口に行く前に。擁壁の図面と構造計算書は当社が用意します。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。窓口には、その図面を持って行けます。 土のねっこ(L型擁壁) やまがみ(土砂待受擁壁) 擁壁を相談する ☎ 0120-1181-46
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自分の土地で確かめる。高さ・角度・距離を入れると、その県と市の条例のどこに当たるかを整理して、窓口に持っていける資料にします(無料・登録不要)。 がけ条例 かんたん判定

香川県の「がけ条例」とは、建築基準法施行条例 第4条のことです。高さ3メートル以上、30度以上の崖の近くに建てるときは、原則として擁壁を設けることが求められます。

擁壁が要るかどうかは、条例の当てはめで決まります。擁壁の種類と、確かめる順は「擁壁の選び方」にまとめています。

図で見る——押すと、その話へ飛びます

まず、何から始める?契約の前に、建築士へ電話
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香川にがけ条例はある?実体は施行条例第4条
香川にがけ条例はある?
どこからが「がけ」ですか3m以上・30度以上
どこからが「がけ」ですか
どこから測るのですか上に建てるなら下端から
どこから測るのですか
がけの下に建てるときは?下に建てるなら上端から
がけの下に建てるときは?
何メートル離せばいい?離すのではなく擁壁を設ける
何メートル離せばいい?
結局、建てられますか擁壁を設ければ満たせます
結局、建てられますか
擁壁なしで済む道は?ただし書は3つの号
擁壁なしで済む道は?
がけの上の敷地で要ることは?排水の措置も要ります(第2項)
がけの上の敷地で要ることは?
レッドゾーンなら外れる?区域に入っても第4条は残る
レッドゾーンなら外れる?
許可を受けた造成のがけは?条例に外す定めはありません
許可を受けた造成のがけは?
守らないと、どうなりますか罰金は50万円以下。原則設計者
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条件を満たせば安心ですか法第19条第4項が残ります
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高松市でも同じですか高松市は市の条例。数字は同じ
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どこに聞けばいい?高松市は市へ、ほかは県の5か所
どこに聞けばいい?
いつ、誰に相談しますか売買契約の前に動きます
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先にすることは、3つです。がけ条例がかかっても、建てられないと決まったわけではありません。まず、土地の売買契約を結ぶ前に動く(すでにお持ちの土地なら、設計を始める前に)——買ったあとでは、擁壁(ようへき=がけの土が崩れないように留めるコンクリートなどの壁)の費用や配置の変更を、土地の値段に織り込みにくくなります。つぎに、建築士に現況の測量図・断面図・配置案を用意してもらう。そのうえで、その図面を持って建築行政の窓口へ、条例の当てはめを確かめる。相談先は、土地が高松市にあるかどうかで分かれます——原則として、高松市内なら高松市の建築指導課(電話087-839-2488)、高松市以外の市町なら香川県の建築指導課か土木事務所(連絡先は記事の終わりに)です。高松市内の土地なら、県の条例も重ねてかかるのかどうかを、県にも確かめてください——条文からは決まりませんでした。高さも角度も距離も、目測で判断しないでください。

窓口や建築士に行く前に、図面はご用意できます。擁壁の図面と構造計算書は当社でご準備できます。持って行ける形でお渡しします。
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①香川の「がけ条例」は、建築基準法施行条例(昭和30年香川県条例第8号)の第4条です——題名に「香川県」は付きません。②かかるのは、傾斜度が30度以上で、高さが3メートル以上の土地(条文はこれを「がけ」と呼びます)の近くに建築物を建てるときです。③そのとき条文が命じているのは距離ではなく、がけに保安上必要な擁壁を設けること。④かかる位置は3つ——がけの上に続く地盤面でがけの下端から高さの2倍以内(条文の言葉で「上端面の位置」)、がけの下に続く地盤面でがけの上端から高さの2倍以内(同じく「下端面の位置」)、そしてがけ面に建てる場合です。起点は、がけの上と下で入れ替わります。⑤擁壁を設けなくてもよい道があります。条文のただし書(=「ただし……この限りでない」で始まる、義務が外れる場合の定め)が3つの号を挙げていて、どれかに当たると認められれば第4条第1項の擁壁の義務は外れます——建てられるかどうかは、ほかの規定も含めて別に判断されます。がけの上に建てるなら同じ条の第2項(排水の措置)も残ります。使える道は建てる位置で違い、工事費も別に要ります。土砂災害の区域・法第19条第4項は別に確認してください。⑥高松市には、市の条例があります——高松市建築基準法施行条例の第4条で、がけの数字は同じです。高松市の土地の方は、高松市の節へ飛んでください。(県の条例が高松市の区域にも重ねてかかるかどうかは、条文からは決まりませんでした——市と県の両方に確かめてください。)⑦条文は2026年9月4日に、香川県法規集データベースと高松市例規集で確認しました。

「がけ条例」の実体は、建築基準法施行条例の第4条です

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香川にがけ条例はある?
香川にがけ条例はある?

香川に、「がけ条例」という題名の条例はありません。実体は建築基準法施行条例(昭和30年4月1日 香川県条例第8号)の第4条(がけ附近の建築物)です。正式な題名に県名は付かないので、例規集で「香川県建築基準条例」を探しても出てきません。条見出しの「附近」は「附」の字です。第4条は第2章(建築物の敷地及び構造)にあり、同じ章の第5条は削除されています。

実体は施行条例 第4条
実体は施行条例 第4条

条例の第1条は、根拠に3つを挙げています——建築基準法第40条(建築物の敷地・構造・建築設備に関する制限の付加)、法第43条第3項(敷地と道路との関係に関する制限の付加)、法第56条の2第1項(日影による中高層の建築物の高さの制限に係る区域等の指定)。第40条は、その地方の気候・風土の特殊性などにより、法第2章の規定やこれに基づく命令の規定だけでは建築物の安全・防火・衛生の目的を十分に達しがたいと認める場合に、地方公共団体が条例で制限を付け加えられるという規定です。

第4条には、都市計画区域の中に限る、という文言がありません。同じ条例の第8条や第13条は「都市計画区域内における」と書き出していますが、第4条にはその限定がありません。県がこの点を説明した資料は、探した範囲では見つけられませんでした。都市計画区域の外の土地は、窓口で確かめてください。

どこからが「がけ」か——傾斜度30度「以上」、高さ3メートル「以上」。ちょうども入ります

どこからが「がけ」ですか
どこからが「がけ」ですか

どこからが「がけ」ですか

(がけ附近の建築物)
第4条 傾斜度が30度以上の土地で、その高さが3メートル以上のもの(以下この条において「がけ」という。)の上端に続く地盤面においてがけの下端からの水平距離ががけの高さの2倍以内の位置(以下この条において「上端面の位置」という。)に建築物を建築する場合、がけの下端に続く地盤面においてがけの上端からの水平距離ががけの高さの2倍以内の位置(以下この条において「下端面の位置」という。)に建築物を建築する場合又はがけ面に建築物を建築する場合は、がけの形状若しくは土質又は建築物の位置、規模若しくは構造に応じて、がけに保安上必要な擁壁を設けなければならない。

建築基準法施行条例(昭和30年香川県条例第8号) 第4条第1項本文

押さえるところは4つです。①傾斜度は「30度以上」——30.0度ちょうども入ります。②高さは「3メートル以上」——3.00メートルちょうども入ります。どちらも「超える」ではありません。③2つの条件は「かつ」です。傾斜度30度以上で、なおかつ高さ3メートル以上。片方だけでは、この条の「がけ」に当たりません。④定義に、岩を除く言葉がありません。条例の全文に「岩」の字は一度も出てきません。硬い岩の斜面でも、30度以上・3メートル以上なら、条文の上では「がけ」です。

3m以上・30度以上
3m以上・30度以上

この定義には、もうひとつ限定が付いています。「以下この条において」——この「がけ」の意味は第4条の中だけのものです。条文が使うのは「傾斜度」で、勾配ではありません。条例は自分の中で定義を完結させていて、ほかの法令の定義を借りていません。

紛らわしいものを、ここで分けておきます。造成の側の法律である盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)の施行令第1条第1項は、「崖」を「地表面が水平面に対し三十度を超える角度をなす土地で硬岩盤(風化の著しいものを除く。)以外のもの」と定めています。ちょうど30度は、そちらの「崖」には当たりません。硬岩盤(こうがんばん=かたい岩の地盤)も、風化の著しいものでなければ外れます。ただし、外れるのは盛土規制法の「崖」のほうです——香川県条例の「がけ」は、岩でも外れません。条例の「がけ」と、盛土規制法の「崖」は、当てはまる土地の範囲が違います。どちらの話をしているのか、資料を読むときに確かめてください。

条文が書いていないこともあります。がけの高さをどこからどこまで測るか、途中に平らな段がある斜面を1つのがけと数えるか——どちらも条例には書かれていません。目の前の斜面が30度以上か、3メートル以上か——見ただけでは決まりません。測って図にするのは地盤調査と建築士、条例の当てはめを判断するのは、あとに出てくる建築行政の窓口です。

かかる範囲は「がけの高さの2倍以内」——起点が、がけの上と下で入れ替わります

どこから測るのですか
どこから測るのですか

言葉を決めておきます。下端(かたん)は、がけの斜面がふもとで下の地面と接するところ。上端(じょうたん)は、がけの斜面が上の平らな地面と接するところです。断面図の上で、どこが下端でどこが上端かが決まります。

上に建てるなら下端から
上に建てるなら下端から

条文が距離の起点に置いているのは、こちらです。がけの上に建てるなら、起点は「がけの下端」。がけの下に建てるなら、起点は「がけの上端」。言いかえると、起点はいつも、自分がいる側とは反対側の端です。

がけの下に建てるときは?
がけの下に建てるときは?

がけの下に建てるときは?

下に建てるなら上端から
下に建てるなら上端から
建てる位置条文の呼び方距離の起点かかる範囲
がけの上に続く地盤面上端面の位置がけの下端からがけの高さの2倍以内
がけの下に続く地盤面下端面の位置がけの上端からがけの高さの2倍以内
がけ面(呼び名なし)—距離を問わずかかります

ここで、倍率の向きを取り違えないでください。条文は「2倍以上離しなさい」とは書いていません。書いてあるのは「2倍以内の位置に……建築する場合は」——つまり2倍は、義務がかかる範囲の外枠です。範囲の中に建てるなら、擁壁が要る。範囲の外に建てるなら、第4条はそもそもかかりません——第2項の「上端面の位置」も、2倍以内の位置を指す条文の言葉だからです。ただし、第4条がかからなくても、建築基準法第19条第4項は残ります(後述)。結果として「離す」という選び方はできますが、条文が命じているのは擁壁のほうです。

何メートル離せばいい?
何メートル離せばいい?
離すのではなく擁壁を設ける
離すのではなく擁壁を設ける

離すのではなく擁壁を設ける

数字にすると、高さ3メートルのがけなら起点から6メートル、高さ5メートルなら10メートルです。起点が反対側の端なので、がけそのものの横幅も、この範囲に入ります。がけの上の敷地で、手前の上端から5メートル空けたつもりでも、起点は向こう側の下端です。「以内」なので、ちょうど2倍の位置は範囲に入ります。

測り方については、県の細則が図書の側から書き込んでいます。建築基準法施行細則の別表(第11条関係)2の項は、条例第4条の規定が適用される建築物の配置図に明示すべき事項として、次のように定めています。

がけの端部(建築物の敷地ががけの上端に続く地盤面においてはがけの下端、建築物の敷地ががけの下端に続く地盤面においてはがけの上端をいう。以下同じ。)からの水平距離(がけの端部の水平投影線からの水平距離をいう。以下同じ。)ががけの高さの2倍以内である敷地の範囲及びがけの端部から建築物までの水平距離

建築基準法施行細則(香川県) 別表(第11条関係)2の項

ここで2つのことが決まります。ひとつ、「がけの端部」は、条文の起点の入れ替わりをそのまま言いかえた言葉です。ふたつ、水平距離は「がけの端部の水平投影線からの水平距離」——斜面に沿った長さではなく、真上から見た平面での長さです。同じ項は、断面図にがけの形状・高さ・傾斜角と建築物の位置・基礎の外形形状・根入れ深さ(根入れ=基礎を地中に埋める深さ)を示すこと、構造説明書にがけの土質性状を確認するために必要な事項を示すこと、擁壁を設ける場合は位置・種別・形状・延長と、確認済証・検査済証の交付番号及び年月日を示すことも求めています。

義務の形は「がけに保安上必要な擁壁を設けること」です——ただし書は3つの号

結局、建てられますか
結局、建てられますか
擁壁を設ければ満たせます
擁壁を設ければ満たせます

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この土地の擁壁を検討する方へ

「安全な擁壁」の図面と構造計算書を、当社でご準備できます。工場で造る鉄筋コンクリートのL型擁壁「土のねっこ」(高さ500〜3,000mm)。高さ1メートル以下なら「土地分け丸」。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。この条に合うかどうかは、窓口で決まります。

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条文が命じているのは「がけの形状若しくは土質又は建築物の位置、規模若しくは構造に応じて、がけに保安上必要な擁壁を設けなければならない」です。設ける先は建物の周りではなく「がけに」。しかも「応じて」——がけの側の条件(形状・土質)だけでなく、建築物の位置・規模・構造も考え合わせるという書き方です。土質を誰がどう調べるかを、設計の早い段階で建築士と決めておくことになります。

ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
(1) がけの形状又は土質により保安上支障がない場合
(2) 上端面の位置又はがけ面に建築物を建築する場合で、当該建築物の基礎ががけ崩れの原因となる等の影響を及ぼさないとき。
(3) 下端面の位置に建築物を建築する場合で、当該建築物の主要構造部(がけ崩れによる被害を受けるおそれのない部分を除く。)を鉄筋コンクリート造とし、又はがけと当該建築物との間に安全上適当な流土止めを設けたとき。

建築基準法施行条例 第4条第1項ただし書
擁壁なしで済む道は?
擁壁なしで済む道は?
ただし書は3つの号
ただし書は3つの号

擁壁の形や寸法の一般的な考え方は、擁壁の選び方にまとめています(この条の当てはめは、この記事に書いた窓口で確かめてください)。

第1号——がけの形状又は土質により、保安上支障がない場合

第1号には、建てる位置の限定がありません。上端面の位置でも、下端面でも、がけ面でも使えます。ゆるい傾斜、締まった地盤など、がけそのものの性質で支障がないと認められる場合です。誰がどの手続で認めるかは、条文に書かれていません。県の細則の別表は、この号について「条例第4条第1項ただし書に規定する内容に適合することの確認に必要な図書」を求めており、確認申請の図書で示す形になっています——審査の中で判断されるので、設計の早い段階で窓口に相談してください。形状や土質を測って図にするのは、地盤調査と建築士の仕事です。

第2号——がけの上・がけ面だけ。基礎ががけ崩れの原因となる等の影響を及ぼさないとき

第2号は、上端面の位置とがけ面でだけ使えます。がけの下に建てる場合には使えません。条文は「基礎ががけ崩れの原因となる等の影響を及ぼさないとき」と書いており、影響の中身は書かれていません。深い基礎にする、杭を打つ、といった設計がここに当たり得ます。高松市の細則は、この号についてがけ断面図に「建築物の基礎の底部又は基礎ぐいの先端の位置」を示すよう求めています。何をもって影響がないとするかは、設計者が図で示し、窓口が判断します。

第3号——がけの下だけ。鉄筋コンクリート造にするか、流土止めを設けるか

第3号が使えるのは下端面の位置だけです。がけの上には使えません。道は2つあり、条文は「又は」でつないでいます。ひとつは、建物の主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段。建物の構造上重要な部分)を鉄筋コンクリート造とすること——ただし括弧書きで「がけ崩れによる被害を受けるおそれのない部分を除く」としているので、建物の全部を鉄筋コンクリート造にせよ、とは書いていません。

もうひとつは、がけと建築物との間に「安全上適当な流土止め」を設けることです。流土止め(りゅうどどめ)は、崩れてきた土砂を建物の手前で受け止めるための構造物です。何が「安全上適当」かは条文に書かれていません——設計者が図で示し、窓口が判断します。高松市の細則は、この号について、流土止めを設ける場合は配置図とがけ断面図に流土止めの位置を、設けない場合は主要構造部の構造詳細図を求めており、2つの道を図書の側でも分けています。擁壁と流土止めは条文の中で別々の言葉として使われており、条例はこの2つを並べて書いています。

崩れてきた土砂を建物の手前で受け止める施設については、土砂災害特別警戒区域で求められる構造にまとめています(それがこの条の施設に当たるかは、窓口で確かめてください)。

3つの号のどれかに当たれば、第4条第1項の擁壁の義務は外れます——第2項は残ります

2倍の範囲に入っていても、3つの号のどれかに当たる計画が成立すれば、第4条第1項の擁壁の義務は外れます——ただし、がけの上に続く地盤面(上端面の位置)に建てるなら、同じ第4条の第2項(排水の措置)は外れずに残ります。がけの形状・土質で支障がなければ第1号、がけの上・がけ面で基礎が影響を及ぼさなければ第2号、がけの下で鉄筋コンクリート造か流土止めなら第3号です。2倍の範囲の外に建てる計画なら、第4条の対象からは外れます——ただし、がけ崩れ等による被害を受けるおそれがある場合の措置(建築基準法第19条第4項)は、距離にかかわらず残ります。

ここでいう「原則として」は、この条の義務が外れるという意味だけです。建築できるかどうかは、ほかの規制を含めて別に判断します——建築基準法第19条第4項の措置、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の構造の規制(建築基準法施行令第80条の3)、盛土規制法の許可は、この条とは別に残ります。設計は建築士の仕事で、工事費も別に要ります。

ただし書は、認定の申請の対象になっていません。県の細則第23条は「条例による認定の申請」を定めていますが、そこに挙がっているのは条例第8条ただし書(第11条第2項において準用する場合を含む)・第13条第1項ただし書・第23条第1項・第26条ただし書・第28条ただし書で、第4条は入っていません。高松市の細則第13条の2(認定の申請)の並びにも、市の条例第4条は入っていません。この2つの並びに第4条が無いので、ただし書のために出す別の認定申請はありません。確認申請が要る計画なら、判断の場はその審査です。ただし、確認申請の要らない計画には、その審査がありません——そのときに、いつ・誰に・どの資料でただし書への適合を確かめるかは、所管の建築行政の窓口に、設計の早い段階で確かめてください。

もうひとつ、県の条例には、既存の建物についての緩和の条がありません。条例の章立ては、第1章 総則/第2章 建築物の敷地及び構造/第3章 特殊建築物/第4章(削除)/第5章 日影による中高層の建築物の高さの制限に係る区域等/第6章 罰則で、雑則の章そのものがありません。「緩和」の語が出てくるのは第23条(興行場等の制限の緩和)だけで、がけとは関係しません。この記事が扱っているのは、これから建てる場合です(新築・増築・改築・移転)。すでに建っている建物のことは、この記事に書いた窓口へお尋ねください。

第2項——がけの上に建てるなら、排水溝を設ける等の措置が別に要ります

がけの上の敷地で要ることは?
がけの上の敷地で要ることは?

がけの上の敷地で要ることは?

2 上端面の位置に建築物を建築する場合は、地表水等を有効に排水することができる排水溝を設ける等がけへの流水又は浸水を防止するための適当な措置を講じなければならない。

建築基準法施行条例 第4条第2項
排水の措置も要ります(第2項)
排水の措置も要ります(第2項)

第2項は「上端面の位置に建築物を建築する場合」だけの定めです。下端面の位置とがけ面には、この項は及びません。求められているのは、地表水等を有効に排水することができる排水溝を設けるなどして、がけへの流水・浸水を防ぐこと。条文は「排水溝を設ける等」なので、みぞ以外の方法もあり得ます——具体の方法は、設計者が図で示し、窓口が判断します。県の正文では「排水溝」の「溝」に「こう」の読みが付いています。

大事なのは、第1項のただし書は、第2項には効かないことです。ただし書は「この限りでない」と書いてあるだけで、外れるのは第1項の擁壁の義務です。ただし書は第1項の中に置かれていて、第2項には及びません。がけの上に建てるなら、擁壁を設けなくてよい計画でも、排水の措置は別に要ります。そして第2項には、ただし書も適用除外もありません。県の細則の別表も、配置図に「排水溝等がけへの流水又は浸水を防止するための適当な措置(位置、種別及び構造)」を明示するよう求めています。

土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の規制は、この条例とは別に効きます

レッドゾーンなら外れる?
レッドゾーンなら外れる?

名前のよく似た2つを分けておきます。土砂災害警戒区域(イエロー)と土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)は、「特別」の2字しか違いませんが、別のものです。この記事で「レッドゾーン」と書くのは、「特別」が付くほうだけです。どちらも、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(土砂災害防止法)で知事が指定します。

区域に入っても第4条は残る
区域に入っても第4条は残る

条例は、この区域に触れていません。県の条例にも高松市の条例にも、全文に「土砂災害」の語は出てきません。第4条には、レッドゾーンによる適用除外も、上乗せもありません。レッドゾーンの中でも、条文の上では第4条の当てはめは変わりません。

かわりに、全国共通の仕組みが別に効きます。レッドゾーンの中で居室(きょしつ=居住・執務・作業などに継続して使う部屋で、住宅ならふつう当てはまります)を有する建築物を建てるときは、建築基準法施行令第80条の3により、外壁及び構造耐力上主要な部分のうち、知事が定めた土石等の高さ以下で衝撃が作用すると想定される部分(同条はこれを「外壁等」と呼びます)を、想定される衝撃が作用しても破壊を生じないものとして国土交通大臣が定めた構造方法にすること。ただし、土石等の高さ以上の高さがあり、外壁等と同等以上の耐力を有するものとして大臣が定めた構造方法を用いる門または塀を、衝撃を遮るように設けた場合は、この限りでない——という規定です。第4条に適合していても、この構造の規制は残ります。

もうひとつ、都市計画区域の外でも、建築確認が要る場合があります。土砂災害防止法第25条は、「特別警戒区域(建築基準法第6条第1項第3号に規定する区域を除く。)内における居室を有する建築物」(同項第1号又は第2号に掲げるものを除く。)について、同項第3号の区域内の建築物とみなして、確認・検査などの規定を適用すると定めています。敷地がレッドゾーンの内外にわたるときは、建築基準法第91条により、敷地の過半が属する区域の規定によります(同条は第25条が適用する規定に含まれています)。これは確認・検査の手続についての話で、令第80条の3の構造の規定まで敷地の過半で外れる、という意味ではありません。「都市計画区域の外だから確認は要らない」とは読めません。

自分の土地がどちらかは、目で見ても分かりません。どちらでもないこともあります。香川県は、指定した区域を土砂災害警戒区域等のページで公表しています。指定の内容を記載した図書は、土砂災害防止法第9条第7項により、関係する市町の事務所で縦覧できます。土地を買う前なら、不動産会社にも「この区域に入るか」を確かめてください。

レッドゾーンでどんな構造が求められるかは、土砂災害特別警戒区域で求められる構造にまとめています(区域に入るかどうかの判定と、この条例の当てはめは、上の窓口で確かめてください)。

許可を受けた工事でできたがけを外す定めは、この条例にはありません

許可を受けた造成のがけは?
許可を受けた造成のがけは?

造成の許可を受けた土地でも、扱いは変わりません。盛土規制法や都市計画法の許可を受けた工事でできたがけを、第4条から外す定めがないからです。県の条例にも高松市の条例にも、全文に「宅地造成」「盛土」の語は出てきません。許可を受けて造成された土地のがけでも、第4条の当てはめは同じです——擁壁を設けるか、3つの号のどれかに当たるか、2倍の範囲の外に建てるか、という順で読みます。

条例に外す定めはありません
条例に外す定めはありません

造成そのものには、盛土規制法(宅地造成及び特定盛土等規制法)が別に効きます。がけを削る・土を盛る工事を伴う計画なら、その土地が規制区域に入るか、許可や届出が要るかを、県の盛土規制法のページの担当課か、高松市内なら高松市に確かめてください。第4条が求める擁壁を実際に築造するときにも、その造成の規模によっては、盛土規制法の手続が別に重なります。

高さが2メートルを超える擁壁は、令第138条第1項第5号の工作物です。その擁壁の構造の基準が、建築基準法施行令第142条第1項にあります——同項が対象にしているのは、この第5号の擁壁です。高さ2メートル以下の擁壁は、同項の対象ではありません(どの基準によるかは、建築士と窓口で確かめてください)。同項は道を2つ書いています。ひとつは同項各号の基準に適合する構造方法——腐食しない材料を用いること、水抜穴を設けること、構造計算で安全性が確かめられることなどです。もうひとつは、これと同等以上に擁壁の破壊及び転倒を防止できるものとして国土交通大臣が定めた構造方法。条文は、この2つを「又は」でつないでいます。この高さ2メートル超の擁壁は、都市計画区域や準都市計画区域などの中では、原則として、建物とは別に確認申請が要ります(法第88条第1項が準用する法第6条第1項第3号)。県の細則が、擁壁について確認済証・検査済証の番号と年月日の記載を図書に求めているのは、この手続と結び付きます。

ただし、法第88条第4項の適用除外があります。宅地造成及び特定盛土等規制法(第12条第1項・第16条第1項・第30条第1項・第35条第1項)、都市計画法(第29条第1項・第2項・第35条の2第1項本文)、特定都市河川浸水被害対策法(第57条第1項・第62条第1項)、津波防災地域づくりに関する法律(第73条第1項・第78条第1項)の許可を受けなければならない場合の擁壁については、工作物の確認・検査等の規定を適用しません(法第6条から第7条の5まで、法第18条(第1項・第41項を除く)、法第89条に係る部分)。言いかえると、上に挙げた許可が要る場合の擁壁は、工作物の確認が外れます——外れるのは擁壁ぶんだけで、建物の確認申請は別です。ただし、法第20条は除外されていません——擁壁の構造耐力の規定は、そのまま残ります。県条例第4条がかかることと、擁壁の確認申請が要ることは別です。ここを混ぜると、費用と期間を多く見積もります——造成の許可と併せて、必要な手続を窓口に確かめてください。

罰則は第32条——50万円以下の罰金。名宛人は原則、設計者です

守らないと、どうなりますか
守らないと、どうなりますか

第32条 第3条、第4条、第6条から第8条まで(これらの規定を第11条第2項において準用する場合を含む。)、第9条、第11条第1項、第13条第1項、第14条第1項若しくは第2項、第15条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)から第3項まで、第16条から第20条の2(第1項第6号を除く。)まで、第22条又は第26条から第28条までの規定に違反した建築物又は建築設備の設計者(設計図書を用いないで工事を施工した場合においては、その建築物又は建築設備の工事施工者)は、50万円以下の罰金に処する。

建築基準法施行条例 第32条第1項

並びの2つ目が「第4条」です。しかも項を切らずに「第4条」と書かれているので、第2項(排水の措置)の違反も対象です。名宛人(なあてにん=この罰則を受ける人)は原則、設計者——設計図書を用いないで工事を施工した場合は工事施工者です。額は50万円以下の罰金です。この額は、条例が自由に決めたものではありません——建築基準法第107条が、法第40条などに基づく条例に置ける罰金を50万円以下と定めており、県も高松市も、その上限いっぱいです。

罰金は50万円以下。原則設計者
罰金は50万円以下。原則設計者

第32条第2項は、その違反が建築主または建築設備の設置者の故意によるものであるときは、設計者または工事施工者を罰するほか、建築主等にも同じ刑を科すると定めています。第3項は両罰規定です。法人の代表者、または法人・人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前2項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人にも第1項の刑を科します。免責のただし書は、範囲が限られています——条文が免責の対象にしているのは「法人又は人の代理人、使用人その他の従業者の」違反行為について、その防止のため業務に対し相当の注意及び監督が尽くされたことの証明があったときだけです。代表者自身の違反行為は、このただし書の書き方には含まれていません。

是正命令は、建築主・所有者などが相手方になり得ます(法第9条第1項)

罰金の名宛人が原則として設計者でも、是正命令の相手方は別です。建築基準法第9条第1項は、違反した建築物・敷地について、建築主、工事の請負人(下請人を含みます)、現場管理者、建築物または敷地の所有者・管理者・占有者に対して、工事の施工の停止を命じ、または相当の猶予期限を付けて除却(じょきゃく=取り壊し)・移転・改築・使用禁止その他の是正に必要な措置を命ずることができる、と定めています。故意は要件ではありません。設計者は、設計者であることだけでは名宛人に挙げられていませんが、設計者が現場管理者を兼ねていれば名宛人になり得ます。命令に違反した場合は、法第98条第1項第1号により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。

命令を出す特定行政庁(とくていぎょうせいちょう)は、役所ではなく人です——原則として、建築主事または建築副主事を置く市町村の区域ではその市町村長、それ以外の区域では都道府県知事をいいます。ただし、法第97条の2第1項若しくは第2項の規定により建築主事等を置く市町村(限定特定行政庁)の区域内の政令で定める建築物については都道府県知事です(建築基準法第2条第35号。同号のただし書は法第97条の3も挙げていますが、そちらは特別区の定めです)。香川県内なら、高松市の区域では高松市長、それ以外の16市町では香川県知事です。

第4条の擁壁の義務が外れても、建築基準法第19条第4項は残ります

条件を満たせば安心ですか
条件を満たせば安心ですか

条件を満たせば安心ですか

4 建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない。

建築基準法 第19条第4項

この規定は、県内のどこでも働きます(法第85条の応急仮設建築物など、法が適用されない場合を除きます)。条例の第4条に当たらない土地でも、がけ崩れ等による被害を受けるおそれがあるなら、擁壁の設置その他安全上適当な措置が要ります。求められているのは擁壁だけではなく、「その他安全上適当な措置」を含みます。「30度に足りないから何もしなくてよい」とは読めません。高さ3メートルに満たないがけも、傾斜度30度に満たない斜面も、同じです。

法第19条第4項が残ります
法第19条第4項が残ります

高松市には市の条例があります——がけの数字は同じで、罰則の書き方が違います

高松市でも同じですか
高松市でも同じですか

県内で建築主事を置くのは高松市だけです。県の建築基準法のページは「建築物等の所在地が高松市内のものは、高松市建築指導課(電話087-839-2488)にお問い合わせください。」と案内し、県の建築基準法施行事務処理要綱の第1条も、その対象を「香川県(高松市を除く。)における事務処理の取扱い」と書いています。高松市の区域では、高松市長が特定行政庁です。

高松市は市の条例。数字は同じ
高松市は市の条例。数字は同じ

高松市建築基準法施行条例(昭和45年3月26日 高松市条例第12号)の第4条(がけ付近の建築物)が、市の側のがけの条です。数字はすべて同じ——傾斜度30度以上、高さ3メートル以上、2倍以内、上端面の位置・下端面の位置・がけ面の3つ、義務は「がけに保安上必要な擁壁を設けなければならない」、ただし書は3つの号、第2項は上端面の位置の排水の措置です。本文を1字ずつ突き合わせて、違うのは3か所だけでした。

くらべたところ県の条例高松市の条例
条見出しがけ附近の建築物がけ付近の建築物
第1項第1号の末尾保安上支障がない場合保安上支障がないとき。
第2項の「排水溝」「溝」に「こう」の読みあり読みなし

罰則の書き方には、読者に効く違いがあります。市の条例の第33条も50万円以下の罰金で、名宛人は原則、設計者です。ただし工事施工者に回る条件が広い——県は「設計図書を用いないで工事を施工した場合」だけですが、市は「又は設計図書に従わないで工事を施工した場合」も入ります。第2項(建築主等の故意)と第3項(両罰と免責のただし書)は、県と同じ形です。免責のただし書が向いている先も同じで、代理人、使用人その他の従業者の違反行為についての注意・監督が尽くされたことの証明に限られています。ただし、県の条例が高松市の区域にも重ねてかかるのかどうかは、条文からは決まりませんでした——どちらの罰則で見るのかも含めて、市と県の両方に確かめてください。

市の条例には、既存の建物についての緩和の条があります。第31条は、建築基準法第3条第2項によりこの条例の規定の適用を受けない建築物(=いわゆる既存不適格〈きそんふてきかく=建てたときは適法だった建物〉)で、増築又は改築に係る部分の床面積の合計が50平方メートルを超えない増築・改築について、やむを得ないと認められる場合に限り第3章の規定による制限を緩和することができると定めています。緩和の対象は「第3章」(特殊建築物)です——がけの第4条は第2章なので、この緩和は使えません。

高松市以外の16市町は、丸亀市・坂出市・善通寺市・観音寺市・さぬき市・東かがわ市・三豊市の7市と、土庄町・小豆島町・三木町・直島町・宇多津町・綾川町・琴平町・多度津町・まんのう町の9町です(県の市町一覧による8市9町から高松市を除いた数)。この16市町では、県の条例の第4条がかかり、香川県知事が特定行政庁です。

災害危険区域(法第39条)の定めは、この条例にはありません

建築基準法第39条第1項は、地方公共団体が条例で津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定できると定めています。県の条例には、この定めがありません。第1条が根拠に挙げているのは法第40条・第43条第3項・第56条の2第1項の3つで、法第39条は入っていません。条例の全文に「災害危険区域」の語も出てきません。高松市の条例の第1条も、根拠は法第40条・第43条第3項・第56条の2第1項・第69条(建築協定)で、法第39条は入っていません。

これは、「この2本の条例には、災害危険区域の定めが無い」という意味です。「香川県に災害危険区域が無い」という意味ではありません——県のほかの例規と、17市町の例規は確認できていません。土地のある市町の窓口で確かめてください。なお、急傾斜地崩壊危険区域(急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第3条第1項により知事が指定する区域)は別の制度で、区域内で、のり切(のりきり)・切土(きりど)・掘さく(くっさく)・盛土(もりど)——斜面を削る、地面を掘る、土を盛るといった工事です——や、立木竹の伐採・土石の採取などをするには原則として知事の許可が要ります(同法第7条第1項ただし書は、非常災害のための応急措置として行う行為、区域の指定の際すでに着手している行為、政令で定めるその他の行為を除いています)。この区域は、建築基準法第39条の災害危険区域とは別のものです。

窓口は、高松市の建築指導課と、県の建築指導課・土木事務所です

どこに聞けばいい?
どこに聞けばいい?

高松市内の土地なら、高松市都市整備局建築指導課(電話087-839-2488)です。それ以外の16市町は県が受け持ちます。県は、敷地が高松市以外にある場合の連絡先として、次の5か所を公表しています。

高松市は市へ、ほかは県の5か所
高松市は市へ、ほかは県の5か所

高松市は市へ、ほかは県の5か所

県の窓口電話
香川県土木部建築指導課 審査指導グループ087-832-3611(3560も)
小豆総合事務所 用地管理課 建築指導担当0879-62-1334
長尾土木事務所 総務課 建築指導担当0879-52-2588
中讃土木事務所 総務課 建築指導担当0877-46-3183
西讃土木事務所 総務課 建築指導担当0875-25-5261

この5か所は、県が中間検査の案内のページに載せている連絡先です。どの事務所が自分の市町を受け持つかは、県の建築指導課に確かめてください——県の細則は「建築主事は、本庁並びにその設置が必要な土木事務所及び香川県小豆総合事務所に置き、その所管区域及び事務の区分は、別に定める。」と書いており、区域の割り振りは条文の外にあります。なお、確認申請の提出先は行政庁だけではありません。指定確認検査機関(民間の確認検査機関)にも申請できます(建築基準法第6条の2)。ただし、条例の当てはめについて事前に相談するなら、上の窓口です。

確認申請には、がけの配置図・断面図・構造説明書が要ります(細則第11条・別表)

県の細則第11条と別表(第11条関係)2の項は、条例第4条の規定が適用される建築物について、付近見取図・配置図・各階平面図・構造説明書・2面以上の断面図を求め、それぞれに明示すべき事項を細かく定めています。この図書が、建築士に用意してもらうものの中身です。条例の当てはめは、この図書の上で決まります。だから、目測では決まりません。高松市でも、市の細則の別表第1が配置図とがけ断面図を求めています。

売買契約の前に、専門家と確かめること

いつ、誰に相談しますか
いつ、誰に相談しますか

この一覧は、自分で判定するためのものではありません——測って図にするのは建築士、条例の当てはめは所管の建築行政の窓口です。個別の判断は、建築士と窓口にご確認ください。

窓口に行く前に。擁壁の図面と構造計算書は当社が用意します。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。窓口には、その図面を持って行けます。 土のねっこ(L型擁壁) やまがみ(土砂待受擁壁) 擁壁を相談する ☎ 0120-1181-46

売買契約の前に動きます
売買契約の前に動きます
  • ①その土地は、高松市内か、それ以外の16市町か。高松市内なら市の条例の第4条、それ以外なら県の条例の第4条。がけの数字は同じですが、相談先と提出先が変わります。県の条例が高松市の区域にも重ねてかかるかどうかは、条文からは決まりませんでした——高松市の土地なら、市と県の両方に確かめてください
  • ②敷地の中や隣に、傾斜度30度以上で高さ3メートル以上の土地があるか。目測ではなく、現況の測量図と断面図で。ちょうど30度・ちょうど3メートルも入ります。岩でも「がけ」に当たり得ます
  • ③建てる位置が、がけの高さの2倍以内に入るか。起点は、がけの上なら下端、がけの下なら上端で、測るのは水平投影線からの水平距離です。高さ3メートルなら6メートル、高さ5メートルなら10メートル
  • ④がけが隣の土地にあってもかかります。条文は、がけの所有者を問うていません
  • ⑤範囲に入るなら、がけに保安上必要な擁壁を設けるか、3つの号のどれに当てはめるか——第1号(形状・土質)、第2号(がけの上・がけ面だけ。基礎が影響を及ぼさない)、第3号(がけの下だけ。がけ崩れによる被害を受けるおそれのない部分を除いた主要構造部を鉄筋コンクリート造にするか、安全上適当な流土止めを設ける)。どれかに当たると認められれば第4条第1項の擁壁の義務は外れます——建てられるかどうかは、別に判断されます
  • ⑥がけの上に建てるなら、第4条第2項の排水の措置が別に要ります。ただし書で第1項が外れても、第2項は残ります
  • ⑦すでに擁壁があるなら、いつ・どの基準で造られたか。県の細則は、擁壁について確認済証・検査済証の番号と年月日の記載を図書に求めています。設計者による安全性の判断が要ります
  • ⑧売主に、擁壁や造成の書類が残っているかを聞く——確認済証・検査済証・盛土規制法(旧宅地造成等規制法)の許可はあるか。契約後でも確認はできますが、購入判断や価格交渉に反映するため、契約の前に聞いてください
  • ⑨その土地が土砂災害警戒区域(イエロー)・土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に入っていないか。県のページで見て、最後は市町の窓口の図書で。レッドゾーンで居室のある建物なら、令第80条の3の構造が別に要ります
  • ⑩その土地が急傾斜地崩壊危険区域に入っていないか。入っていれば、切土・盛土などに原則として知事の許可が要ります(応急措置・指定の際の既着手など、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第7条第1項ただし書の除外があります)
  • ⑪がけを削る・土を盛る工事を伴うなら、盛土規制法の規制区域に入るか、許可や届出が要るかを、県か高松市に。許可が要る場合の擁壁は、工作物の確認が外れます(法第88条第4項)——外れるのは擁壁ぶんだけで、建物の確認申請は別。法第20条の構造の規定も残ります
  • ⑫確認申請には、がけの配置図・断面図・構造説明書が要ります(県は細則第11条と別表、高松市は市の細則の別表第1)。提出先は、高松市なら市、それ以外は県、または指定確認検査機関です
  • ⑬第4条の義務が外れても、建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれがある場合は、建築基準法第19条第4項の措置は別に要ります

確かめるのは、土地の売買契約を結ぶ前です。買ったあとでは、擁壁の費用や配置の変更を、土地の値段に織り込みにくくなります。すでにお持ちの土地なら、設計を始める前に。がけの高さと、がけからの距離は、現況の測量図と断面図がないと自分では判断できません——測量と図面は建築士に、条例の当てはめは所管の建築行政の窓口に、お尋ねください。どれくらい日数がかかるかは、がけの状態と計画で変わりますので、この記事では示せません。建築士と窓口に、最初に「いつごろ答えが出るか」を聞いてください——それが分かって初めて、売買契約の日取りを動かせます。

レッドゾーン内で居室を有する建築物について、令第80条の3に対応する2つの方法——外壁等を所定の構造にするか、土石等の高さ以上の高さで、外壁等と同等以上の耐力を有するものとして国土交通大臣が定めた構造方法による門・塀を、衝撃を遮るように設けるか——と、改修への補助の枠組みは、レッドゾーンの家と土地で整理しています。擁壁の形や寸法の一般的な考え方は、擁壁の選び方にまとめています(条例の第4条の当てはめは、この記事に書いた窓口で確かめてください)。

出典

条文は2026年9月4日に、香川県法規集データベースの本文と高松市例規集の本文(令和6年4月1日施行と表示されているもの)で確認しました。県の条例は、県が公表しているPDFとも突き合わせました(最後の改正の公布日の表示だけが食い違っています。下の⑦)。法律と政令は同じ日にe-Gov法令検索で確認しました。県の建築基準法のページ、中間検査のページ、市町一覧、細則・要綱のPDF、高松市の細則も、同じ日に開いて確かめました。

確かめきれなかったこと

この記事で確かめきれなかったことが、7つあります。ここに書いていないことは、確かめていないということです。

  • ①県の条例が、高松市の区域にも重ねてかかるのかどうか。県の条例には「高松市の区域には適用しない」という条文がありません(県の条例・細則の本文に「高松」の語は出てきません)。分かったのは事務処理要綱が事務の分担を書いていることまでで、条例の適用範囲そのものは条文からは決まりません。がけの数字は同じですが、罰則で工事施工者に回る条件が違うので、高松市の土地なら、県の建築指導課と高松市の建築指導課の両方に確かめてください
  • ②第4条に区域の限定が無いという読み。条文の並びからの読みで、県がそう説明した資料は見つけられませんでした
  • ③第4条の運用——第1号の「保安上支障がない」の判断のしかた、第2号の基礎の納め方、第3号の「安全上適当な流土止め」の仕様——を示す資料は、県・市のページを見た範囲では見つけられませんでした。紙や庁内の資料としてある可能性は消えていません
  • ④県のほかの例規と、17市町の例規集は確認できていないので、災害危険区域の条例や、市町が独自に定める制限があるかどうかは分かりません
  • ⑤県の窓口5か所が、どの市町を受け持つか。県の公表資料の中に、割り振りの表を見つけられませんでした。まず県の建築指導課(087-832-3611)に、どこへ掛ければよいかを聞いてください
  • ⑥盛土規制法の規制区域の範囲は、この記事では確かめていません——県のページか市町で確かめてください
  • ⑦県の条例の、最後の改正の公布日。県の法規集データベースは「令和6年3月25日条例第4号」、県が公表しているPDFは「令和5年3月25日条例第4号」と表示していて、食い違っています(施行日はどちらも令和6年4月1日)。どちらが正しいかは確かめられませんでした——県の建築指導課で確かめてください

香川県のレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)については、区域図の調べ方・建築の決まり・待ち受け擁壁・補助金・相談先を香川県のレッドゾーンのページにまとめています。

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