広島県では、住居の用に供する建物を建てるとき、がけの上なら「高さ2メートル超」のがけの下端から、がけの下なら「高さ5メートル以上」のがけの上端から、がけの高さの1.7倍以上の水平距離を保たなければなりません。距離の規定には、第4条の2第2項に6つの適用除外があります——第1〜5号が「災害防止工事の検査済証」ルート、第6号が特定行政庁の認定です。これとは別に、災害危険区域とがけ下のレッドゾーンでは別の規制体系になり、がけ下のイエローゾーンも県の案内では「適用なし」と整理されています(がけの位置・形状等によっては別の判断があり得るため、個別の計画は窓口確認)。敷地がどの区域にあるかで、規制の入口が変わる条例です。
この記事は、いわゆる広島県の「がけ条例」——正式には広島県建築基準法施行条例(昭和47年条例第16号)第4条の2と、対になる第3条・第4条(災害危険区域)——を、現行条文(広島県法規集。令和8年8月28日時点の表示で、基準日 令和6年4月1日施行。第4条の2の直近の改正は令和5年)と、県の案内ページ(掲載日2026年4月1日)から読んだ整理です。

「がけ条例」の実体は、建築基準法施行条例の第4条の2です
「がけ条例」は通称です。建築基準法第39条(災害危険区域)・第40条(条例による制限の附加)などの委任を受けた広島県建築基準法施行条例が実体で(第1条)、がけの規制は第4条の2に、災害危険区域の仕組みは第3条・第4条にあります。県のQ&Aにあるとおり、都市計画区域の外でも適用され、建築確認の対象となる計画では、この条例への適合も原則として確認審査の対象です。確認特例の適用は、建築物・設計者の区分に応じて建築基準法第6条の4・施行令第10条で決まり、法第39条から第41条までに基づく条例規定のうち特定行政庁が規則で定めた規定が審査省略の対象になり得ます。条例への適合義務は、審査の範囲とは別に生じます。
どこからが対象か——がけの上は「2メートル超」、がけの下は「5メートル以上」
第四条の二 住居の用に供する建築物を建築する場合には、その敷地(災害危険区域内にあるものを除く。)が、二メートルを超える高さのがけ(地表面が水平面に対し三十度を超える角度をなす土地をいう。以下同じ。)の上にあるときにあつてはがけの下端から、五メートル以上の高さのがけの下にあるとき(特別警戒区域内にあるときを除く。)にあつてはがけの上端から、当該建築物との間にそのがけの高さの一・七倍以上の水平距離を保たなければならない。
広島県建築基準法施行条例 第4条の2第1項
「がけ」は地表面が水平面に対して30度を超える角度をなす土地で、しきい値が上下で違います——がけの上に建てるなら「高さ2メートルを超える」がけ、がけの下に建てるなら「高さ5メートル以上」のがけが対象です。保つ距離はどちらもがけの高さの1.7倍以上。たとえば高さ4メートルのがけの上なら、下端から6.8メートル以上です。ただしこれは、隣り合う緩斜面や小段等がない単純な一枚がけの例です。実際の「がけの高さ」「上端・下端」「水平距離」の取り方は、がけに接する30度以下の斜面・小段・不安定な盛土等の状況で変わる場合があります——県は、がけの上方に接する30度以下の緩斜面の所定範囲をがけの一部として扱う基準(下方に接する緩斜面は、安定した土地ならがけの一部とせず、盛土・崩落土の堆積等で安定していない場合は一体のがけとして扱う)や、小段で分かれた上下のがけを一体とみなす取扱い、道路等を挟む場合の取扱い(がけ下の図示事例では、道路等があってもそれだけでは適用から外れず、がけの上端から1.7H以上を確保。長大な自然斜面や図示事例と条件が合致しない場合は、各特定行政庁の個別判断)を公開していて、適用の判定に使う高さと、距離の算定に使う高さが異なる事例もあります。県の取扱い基準(県の案内ページに掲載)と所管窓口で確認してください。距離の起点について、広島市の運用マニュアルはがけの上は「下端から基礎フーチング面等まで」、がけの下は「上端から外壁面等まで」としています。
ただし、条例の対象にならない斜面や建物でも、安全の検討が不要になるわけではありません。県のQ&Aも、対象外の倉庫について「敷地の状況によっては、別途、建築基準法第19条の規定に基づき、安全性を確認する必要があります」としています。建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれがあると判断される場合には、建築基準法第19条第4項により、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければなりません。個別の計画がその「おそれのある場合」に当たるかは、がけの状態・距離・地盤・建物の計画などによって判断されます。
対象は「住居の用に供する建築物」です

対象は住居の用に供する建築物で、広島市の運用マニュアルは一戸建ての住宅・長屋・共同住宅・下宿・老人ホーム・就寝用途のあるデイサービスなどを例示しています。県のQ&Aのとおり、倉庫には第4条の2は適用されません(住居部分を併設する建物は該当性の確認が要ります。上記の法第19条の検討も別です)。ここでいう「建築」には新築だけでなく、増築・改築・移転も含まれます(建築基準法第2条第13号)。工事を伴わない用途変更も、同法第87条第2項により条例の規定が準用されることがあります(同条第3項などの例外もあります)。また、建築基準法第3条第2項により該当する規定の適用を受けない既存不適格の建築物について、増築・改築・移転・大規模の修繕・模様替をする場合には、特定行政庁がやむを得ないと認めたときに適用を緩和する定めがこの条例自身にあります(第20条)——該当しそうな計画は、窓口で確認してください。
敷地がどの区域にあるかで、入口が変わります

第四条 災害危険区域内においては、住居の用に供する建築物を建築してはならない。ただし、建築物の構造、敷地の状況及び災害防止措置の状況により特定行政庁が建築物の安全上支障がないと認めた場合においては、この限りでない。
同 第4条
①敷地が災害危険区域内にあるとき——第4条の2は適用されません(第1項の括弧書き)。県条例第3条により指定された区域では、代わりに第4条がかかります。県条例第3条の災害危険区域は、急傾斜地崩壊危険区域(急傾斜地法に基づき知事が指定)から、急傾斜地の崩壊を原因とするレッドゾーン部分を除いた区域です。これとは別に、市町の条例による災害危険区域もあります——その区域では、その市町条例に定める建築制限を確認してください。県条例第3条の区域では、住居の用に供する建物の建築が原則禁止で、例外は建築物の構造・敷地の状況・災害防止措置の状況により、特定行政庁が安全上支障がないと認めた場合です。なお、災害危険区域かどうかとは別に、急傾斜地崩壊危険区域内で切土・盛土や工作物の設置などを行う場合は、急傾斜地法第7条第1項により知事の許可が必要になることがあります(砂防担当窓口へ)。
②敷地が、がけ下の土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン・急傾斜。土石流・地すべりとの重複指定を含みます)内にあるとき——第4条の2の距離の規定は適用されません(第1項の括弧書き。除外されるのは敷地がこの区域内にある場合で、がけの下の一部が区域でも敷地が区域外なら、この括弧書きの除外には当たりません——第4条の2の適用は、用途・がけの高さ・災害危険区域・第2項の適用除外など、ほかの要件も含めて判断します)。県の案内では、この場合は建築基準法施行令第80条の3の構造規制が適用されるため除外している、と説明されています。もっとも、令第80条の3の構造規制そのものは居室を有する建築物の全部又は一部が特別警戒区域内にある場合に働くものです——敷地の一部だけが区域内で、建築物を区域外に配置する計画では、第4条の2からの除外の判定と、令第80条の3が掛かるかの判定を、別々に確認してください。ただし県の案内は、がけの位置・形状等によっては必ずしも除外区域とならない場合があるとも注意しています——区域内であることだけで、敷地の周りのすべてのがけについて第4条の2が外れる、とは判断できません。
③敷地が、がけ下の土砂災害警戒区域(イエローゾーン・急傾斜。土石流・地すべりとの重複指定を含みます)内にあるとき——ここは書き分けが要ります。条文の文言上、がけの下の除外は「災害危険区域」と「特別警戒区域」だけです。一方、県の案内ページと広島市の運用マニュアルは、がけ下のイエローゾーン(急傾斜)も「適用なし」として整理しています(がけ上については、第1項の除外の括弧書きが「がけの下にあるとき」に掛かる書き方なので、急傾斜レッド・イエローの区域内でも、がけ上の計画には第4条の2の適用があります——区域に入っていることだけで一律に外れる、とは読めません。県はイエローについて理由を、警戒区域は避難体制の整備等のソフト対策により対応する区域として指定されているため、と説明しています。一方、マニュアルの適用表のこの行には、条文の根拠は記されていません)。県は同時に、小段等によって上下に分離されたがけがある場合等については、がけ下の土砂災害警戒区域であっても認定が必要となる場合があるとして、問合せ先への確認を案内しています。イエローゾーン内のがけ下の計画は、第4条の2の適用の有無そのものを窓口で確認してください。
第4条の2第2項の適用除外は6つ。第1〜5号が「検査済証」ルート、第6号が特定行政庁の認定です

2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときには、適用しない。
同 第4条の2第2項
一 当該がけに係る災害防止工事について、法第八十八条第一項の規定により準用する法第七条第五項又は法第七条の二第五項の検査済証の交付があつたとき。
二 当該がけに係る災害防止工事(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第三十三条第一項第七号の規定により、宅地造成及び特定盛土等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号。以下「盛土規制法」という。)第十三条又は第三十一条の規定に適合するもののうち、宅地造成及び特定盛土等規制法施行令(昭和三十七年政令第十六号。以下「盛土規制法施行令」という。)第六条に規定する崖面崩壊防止施設の設置を除く。)について、都市計画法第三十六条第二項の検査済証の交付があつたとき。
三 当該がけに係る災害防止工事について、宅地造成等規制法の一部を改正する法律(令和四年法律第五十五号。以下「改正法」という。)による改正前の宅地造成等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号)第十三条第二項の検査済証の交付があつたとき。
四 当該がけに係る災害防止工事について、改正法附則第二条の規定によりなお従前の例によることとされる同法による改正前の宅地造成等規制法第十三条第二項の検査済証の交付があつたとき。
五 当該がけに係る災害防止工事(盛土規制法施行令第六条に規定する崖面崩壊防止施設の設置を除く。)について、盛土規制法第十七条第二項又は第三十六条第二項の検査済証の交付があつたとき。
六 前五号に掲げるもののほか、建築物の位置及び構造、がけの土質並びに災害防止措置の状況により特定行政庁が建築物の安全上支障がないと認めたとき。
第1号から第5号は、がけの災害防止工事に「検査済証」があるルートです——建築基準法(法第88条第1項で準用する完了検査)、都市計画法の開発の検査(第33条第1項第7号により盛土規制法第13条・第31条に適合する災害防止工事に係るもの)、旧宅地造成等規制法の検査(経過措置分を含む)、盛土規制法の検査。第2号・第5号では崖面崩壊防止施設の設置によるものが除かれています。県の案内には実務の注意もあります——検査済証の交付があった擁壁でも、増積みや持ち出しスラブなどで形状が大きく変わったものは該当しません。また、劣化(はらみ・亀裂・風化等)がないかの確認もするように、とされています。広島市の運用マニュアルはさらに踏み込み、検査後に高さ・形態を変更した場合や、ひび割れ・はらみ出し・雑草・水抜き穴の閉塞などで状態が良好でない場合は、第1〜5号に該当しないものとみなすとしています(広島市では、旧住宅地造成事業に関する法律による検査済証を第3号として扱う運用もあります)。広島市以外では、所管の特定行政庁の取扱いを確認してください。
第6号は、特定行政庁の認定です——建築物の位置・構造、がけの土質、災害防止措置の状況により、安全上支障がないと認めたとき。県は認定基準を公開しています。第4条ただし書の認定基準に適合するもののほか、次の3つの基準のいずれかに該当し、がけの崩壊により建築物の埋没・倒壊のおそれがないと認められる計画が対象です——認定基準1・建築物自体で対応する計画(がけ下=がけ崩れにより被害を受けるおそれのある建築物の部分を鉄筋コンクリート造とし、がけに面する側は原則として開口部を設けない/がけ上=基礎の根入れを深くする等、基礎の応力ががけに影響を及ぼさない——上下で基準が異なります)、認定基準2・がけ面の措置により対応する計画で、実施が確実と見込まれるもの((1)認定基準に列挙された開発許可・宅地造成等の法定の許可に基づくもの、(2)同じく列挙された法定の協議が成立したもの、(3)令第142条による擁壁で覆われるもの、(4)公共工事として施工され・維持管理され・安全性が確かめられる崩壊防止工事、(5)土質試験等に基づく地盤の斜面安定計算で、がけの安全が確かめられるもの、(6)基準の土質・勾配・表面保護等の条件を満たす切土、(7)として、(5)又は(6)に該当する法面で勾配30度超・垂直距離5メートル超の場合に所定の幅・間隔の小段を設ける基準——のり肩・小段・縦方向の排水溝等の条件つき——など。(1)は当該許可区域外に隣接してがけがある場合には該当せず、土石の堆積・崖面崩壊防止施設の設置の除外は(1)(2)に掛かるもので、基準2全体の一律の除外条件ではありません——該当は基準の原文と窓口で確認)、認定基準3・その他(基準1・2の措置に準じた計画等で埋没・倒壊のおそれがないもの、地域の特性に即し十分な技術的根拠をもって計画されるもの)。県の案内では、建築確認が必要な計画は第6号の認定を受けたうえで確認申請を行い、確認申請が不要な計画は工事の着手前に認定を受ける、とされています。工事を伴わない用途変更で認定が問題になる場合は「工事の着手前」という時点がないため、用途変更の前に、認定の要否と申請の時期を所管窓口へ確認してください。認定申請の提出先は、県の所管区域では建築場所の市町の建築基準法担当課、広島市では建築場所の区役所の建築課、その他の特定行政庁の市ではその市の担当課です。事前の相談は、建築場所を所管する県の建設事務所建築課、または市(区)の担当課へ——県ページに一覧があります。
そして、規制の範囲に既に擁壁がある場合は、その検査済証の有無(第1〜5号に当たるか)と現況(形状の変化・劣化)の確認から入ります。第1〜5号の該当は検査済証と現況の資料で確かめ、第6号は特定行政庁への別個の認定手続です——言い分だけでは決まりません。がけのある計画は、早い段階で建築士と窓口へ。
罰則は第21条・第22条。適合の義務は、審査の有無にかかわらず残ります
第21条第1項は、第4条・第4条の2を含む列挙規定(「第4条から第18条まで」)への違反について、当該建築物・工作物・建築設備の設計者(設計図書を用いずに施工した場合、または設計図書に従わずに施工した場合は工事施工者)を50万円以下の罰金に処すると定めています。違反が建築主・工作物の築造主・設置者の故意によるときは、その建築主等にも同じ刑が科されることがあります(同条第2項)。法人の代表者や、法人又は人の代理人・使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して違反行為をした場合は、行為者を罰するほか、その法人又は人にも罰金刑が科されます(第22条)——ただし書で除かれるのは、代理人・使用人その他の従業者の違反について、法人・人が防止のため相当の注意・監督を尽くしたと証明できた場合の法人・人への刑だけです。
そして建築確認の対象となる計画では、第4条・第4条の2への適合も原則として確認審査の対象です。確認特例(法第6条の4・令第10条)による審査省略は、建築物・設計者の区分と、法第39条から第41条までに基づく条例規定のうち特定行政庁が規則で定めた規定の範囲で決まります——適合義務は、審査の範囲とは別に生じます。建築確認が要らない計画でも、第4条・第4条の2の適用要件(用途・がけの高さ・区域等)を満たすときは条例への適合義務が残り、違反すれば是正命令(建築基準法第9条。除却・使用禁止などの措置を含みます)や罰則の対象になり得ます。なお、この条例には、特定の仮設興行場等に条例を適用しない定め(第19条)もあります——一般の住宅の計画で中心になるのは、ここまでに見た規定です。
土砂災害の区域の確認は、県の公表資料で
見てきたとおり、広島県のがけ条例は土砂災害防止法の区域指定と組み合わさって働きます。警戒区域(イエローゾーン)では警戒避難体制の整備などが行われ、特別警戒区域(レッドゾーン)では、住宅(自己居住用を除く)や、高齢者・障害者・乳幼児など特に防災上の配慮を要する人が利用する社会福祉施設・学校・医療施設(政令で定めるもの)——用途が未確定で、これら以外の用途であることが確定していない予定建築物も含みます——を建てるための土地の区画形質の変更(特定開発行為)の許可や、居室を有する建築物の構造規制(令第80条の3)が問題になります。最新の指定状況と区域の境界は、県が公表する指定の図書で確認してください。市町のハザードマップは避難の確認に有用ですが、作成時点より後の指定が反映されていないことがあります。レッドゾーン内の居室を有する建築物について、令第80条の3に対応する2つの方法——外壁等(外壁・構造耐力上主要な部分のうち、土石等の高さ等以下で、土砂災害の原因となる自然現象〔河道閉塞による湛水を除く〕により衝撃が作用すると想定される部分)を所定の構造にするか、土石等の高さ等以上の高さで、外壁等と同等以上の耐力を有するものとして国土交通大臣が定めた構造方法による門・塀を、衝撃を遮るように設けるか——と、改修への補助の枠組みは、レッドゾーンの家と土地で整理しています。擁壁の選び方も合わせてどうぞ。
いま、確かめておくこと

- ① 計画地の周辺に、30度を超える斜面があるか。がけの上に建てるなら「高さ2メートル超」、がけの下に建てるなら「高さ5メートル以上」のがけが対象です(第4条の2第1項)。30度超の部分だけでなく、接する緩斜面・小段・盛土等を含めて、一体のがけと扱われる範囲がないかも確認します
- ② 住居系の建物(住宅・長屋・共同住宅・老人ホーム等)の位置から、がけの下端(がけ上のとき)・上端(がけ下のとき)までの水平距離が、がけの高さの1.7倍以上あるか(同項。がけの高さ・上端下端・起点の取り方は、まず県の取扱い基準で確かめます。広島市内では市の運用マニュアルも、広島市外では所管の特定行政庁の取扱いを確認します——一体とみなされる範囲や小段の扱いで変わります)
- ③ 条例の対象にならない斜面・建物や、距離が取れている場合でも、がけ崩れ等の被害を受けるおそれがないかは別に確認。おそれがあると判断される場合は、建築基準法第19条第4項の安全上適当な措置が必要です
- ④ 敷地が災害危険区域に入っていないか。県条例第3条の区域(急傾斜地崩壊危険区域ベース)か、市町条例の区域かで、適用される条例が変わります。県条例の区域なら第4条——住居用の建物は原則建築禁止で、特定行政庁が認めた場合が例外の道です
- ⑤ 敷地が、急傾斜地の崩壊を原因とするがけ下のレッドゾーン内にあるか。あわせて居室を有する建築物の全部又は一部が区域内に入るかを確認し、入るなら令第80条の3の構造規制を確認。別のがけや小段のあるがけについて、第4条の2の適用が残らないかも窓口で確認します
- ⑥ 敷地が、急傾斜地の崩壊を原因とするがけ下のイエローゾーン内にあるか。県の案内・広島市のマニュアルでは適用なしと整理されていますが、少なくとも第4条の2第1項の文言だけからは、この整理の根拠は読み取れず、小段のあるがけ等では認定が必要となる場合もあります——適用の有無そのものを窓口で確認
- ⑦ 距離が取れない場合——まず、がけの災害防止工事について第1〜5号の検査済証があるか。あっても、増積み等の形状変化や劣化(はらみ・亀裂・風化)があると該当しない扱いになり得ます(運用は特定行政庁ごとに確認)。今は検査済証が無くても、法令に基づく災害防止工事を新たに行い、検査済証の交付を受けて第1〜5号に該当させる道を検討できる場合があります。第1〜5号によらないなら第6号の認定(既存不適格建築物の増築・改築・移転・大規模の修繕・模様替では、第20条による緩和の該当性も確認)——認定基準には、建築物側の措置(がけ下=被害のおそれのある部分をRC造・がけ側は原則開口部なし/がけ上=基礎の根入れを深くする等により基礎の応力ががけに影響を及ぼさないこと)、がけ面側の措置のほか、これらに準じる計画や、地域の特性に即した十分な技術的根拠をもつ計画(認定基準3)も示されています。工事・検査・認定・確認申請の順序は所管窓口で確認を——確認が必要な計画は、認定を受けてから確認申請です
- ⑧ 建築確認が要らないことだけを理由に、条例の対象外とは判断できません——第4条・第4条の2の適用要件を満たす計画には条例がかかります。違反すれば是正命令(除却・使用禁止などを含む建築基準法第9条の措置)や罰則の対象になり得ます
- ⑨ 最新の区域指定は、県が公表する指定の図書で確認(ハザードマップは作成時点の指定のことがあります)
個別の敷地でどう当たるかの判断は、建築士と、県の建設事務所・市(区)の建築基準法担当課にご確認ください。広島県は、案内ページ・認定基準・取扱い基準を公開しています——条文と併せて読むと、県の運用がわかりやすくなります。
出典
- 広島県建築基準法施行条例(広島県法規集・現行条文)(令和8年8月28日時点の表示で確認)
- 広島県 建築基準法施行条例第4条の2について(県の案内ページ)
- 県条例第4条の2第2項第6号の認定基準(県公式PDF)
- 広島県建築基準法施行条例第4条の2の運用マニュアル(広島市・令和5年9月)
- 建築基準法(e-Gov法令検索・第2条・第3条・第6条の4・第9条・第19条第4項・第39条・第40条・第87条)
- 建築基準法施行令(e-Gov法令検索・第10条・第80条の3・第142条)
- 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(e-Gov法令検索・第3条・第7条)
- 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(e-Gov法令検索・第7条〜第10条)
- 軸組構法の確認申請・審査マニュアル(国土交通省PDF)
- がけの取扱い基準5本(30度以下の隣接地・高さと距離の算定・小段・小段の算定・道路等:県の案内ページに掲載)