神奈川県の盛土規制法——許可が要る工事と、擁壁の基準

神奈川県の盛土規制法

神奈川で盛土・切土・擁壁の工事をする人、造成した土地を買う人へ。

擁壁が要るなら、図面と構造計算書は当社が用意します。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。

擁壁を相談する☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)

【無料の判定アプリ】自分の工事に許可が要りそうかを確かめる。盛土の高さ・崖の高さ・面積を入れると、盛土規制法の許可が要りそうかの目安と、相談する窓口が分かります(登録不要)。

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最初に知ること

神奈川県の盛土規制法で、最初に知っておくことは何ですか

盛土規制法は、土を盛る・削る工事に、着手前の許可を義務づける法律です。擁壁(ようへき=土が崩れないように支える壁)を造る工事も、盛土・切土の一部として扱われます。神奈川県では令和7年4月1日に規制が始まりました。横浜・川崎・相模原・横須賀の4市を除く29市町村は県の所管で、全域が規制区域です。4市は、それぞれの市が市内全域を指定しています。

許可が要るのは、たとえば次のような工事です。盛土で高さ1メートルを超える崖ができる工事、切土で2メートルを超える崖ができる工事、高さ2メートルを超える盛土、面積500平方メートルを超える盛土・切土(県所管の土地の数字です。相模原市の特定盛土等規制区域は市の表を見てください)。擁壁を造り替えるだけなら要らない場合もありますが、そこは計画全体を見て窓口が判断します。

先にすることは、3つです。

  1. まず、土地がどの区域に入るかを県の区域図か市のページで確かめる。県所管の29市町村は全域が区域なので、そこにある土地はすべて入っています。
  2. 次に、盛土・切土の高さと面積、できる崖の高さを設計者に出してもらう。許可の要否はこの数字で決まります。
  3. そのうえで、工事に着手する前に窓口へ相談する。横浜・川崎・相模原・横須賀の4市と鎌倉市はそれぞれの市、それ以外は県砂防課の厚木南駐在事務所です。

盛土規制法の全国共通の手続と擁壁の基準は、盛土規制法の全国ガイドで確認できます。

「着手」とは、根切り(基礎のために地面を掘ること)など、土地の形を変え始めることをいいます。資材の搬入や契約だけなら、まだ着手ではない——これが県の説明です。

土地を買う前に

造成済みの土地を買う前に、何を確かめれば良いか

造成済みの土地を買うなら、契約の前に売主に2つ聞いてください。①その造成は盛土規制法の許可を受けたものか。②完了検査の検査済証があるか(法第17条第2項。許可を受けた工事は完了後に検査を受け、合格すると検査済証が交付されます)。令和7年3月31日以前の造成なら、旧法の規制区域内だけが許可の対象で、区域外なら許可そのものがないのが普通です。どちらか一つでもはっきりしなければ、造成当時に許可の対象だったかも含めて、契約前に土地の所在地を伝えて下の窓口で記録を確かめてください。擁壁があるなら、位置と高さ、構造計算書の有無も一緒に。書類で分かるのは工事当時のことです。いまの擁壁の状態(ひび、傾き、水抜穴の詰まり)は、契約前に設計者に見てもらってください。

当社の製品

盛土の崖を覆う擁壁なら、工場製の「土のねっこ」。申請に必要な図面と構造計算書も当社で用意します

全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。

当社はコンクリート製品のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。図面が無ければ、手書きの絵と写真で大丈夫です。絵に段差の高さと長さを書き込み、住所も添えてください。計画に使えるかどうかは、当社が出す構造計算書と仕様書をもとに、申請前に窓口で確認します。お電話は 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)。

規制区域

神奈川県で、盛土規制法の規制区域はどこですか

まず、何から始める?
まず、何から始める?
着手の前に、窓口へ
着手の前に、窓口へ

県所管の29市町村は、全域です。県のページはこう書いています。

うちの土地は規制区域?
うちの土地は規制区域?
県所管の29市町村は全域
県所管の29市町村は全域

令和7年4月1日に、盛土規制法第10条及び第26条に基づく宅地造成等工事規制区域及び特定盛土等規制区域を指定しました。

神奈川県「神奈川県の盛土規制法に基づく規制について」(2026年8月27日更新)

※県所管全域が規制区域です。

神奈川県「神奈川県の盛土規制法に基づく規制について」(2026年8月27日更新)

規制区域には2種類あります。宅地造成等工事規制区域(法第10条)と特定盛土等規制区域(法第26条)です。県所管の29市町村は両方を指定していて、どちらの区域に入るかは区域図で分かれます。ただし神奈川県は、県条例第1条で特定盛土等規制区域の許可の規模を宅地造成等工事規制区域と同じに引き下げているので、県所管の土地では、どちらの区域でも許可が要る工事の規模は同じです(次の節)。

政令市と中核市は、市が指定し、市が許可します。

盛土規制法は都道府県が所管しますが、政令市・中核市はそれぞれの市において所管します。

神奈川県「宅地造成及び特定盛土等規制法(通称「盛土規制法」)について」(2025年12月23日更新)
土地のある市町村指定したのは宅地造成等工事規制区域特定盛土等規制区域始まった日
横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市を除く29市町村神奈川県知事あり※あり※令和7年4月1日
横浜市横浜市長市内全域指定なし令和7年4月1日
川崎市川崎市長市内全域指定なし令和7年4月1日
相模原市相模原市長あり※あり※令和7年4月1日
横須賀市横須賀市長市内全域指定なし令和7年4月1日
県のページ(2026年8月27日更新)と各市のページ(横浜 2025年12月18日・川崎 2026年7月1日・相模原 2026年8月3日・横須賀 2026年9月1日更新)から。※2つの区域を合わせて全域(県所管は県所管全域、相模原市は市内全域)。1つの土地はどちらか一方の区域に入り、どちらかは区域図で見ます。指定の告示番号は、県も市も告示原本を確かめていません。

鎌倉市は県所管の区域ですが、許可の受付は鎌倉市(都市景観部開発審査課)です。土石の堆積(一時的に土を置く工事)だけは県の窓口になります。

旧法(宅地造成等規制法)の規制区域は、昭和37年に指定された川崎市ほか7市町村の一部でした。そこで令和7年3月31日までに受けた許可は、旧法のまま変更や完了検査の手続をします。

令和7年3月31日までに旧宅地造成工事規制区域内において宅地造成に関する工事の許可を受けたものについては、引き続き旧宅地造成等規制法の規制が適用され、旧法に基づき変更手続き・完了検査手続きを行うことになります。

神奈川県「旧宅地造成等規制法について」(2026年7月8日更新)

区域の調べ方

自分の土地が区域に入っているかは、どこで見られますか

県所管の29市町村なら、全域が規制区域なので、見るのは「宅地造成等工事規制区域と特定盛土等規制区域のどちらか」です。県の区域図(神奈川県の規制区域図・PDF)で分かれています。住所で検索できる地図があるかは、確かめていません。図で読み取れないときは、「相談先——まず、どこに電話しますか」の窓口に土地の所在地を伝えて聞いてください。横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市は市内全域なので、市のページで種類を確かめます。

許可の規模

どんな工事に許可が要りますか——盛土・切土・面積の線

どんな工事に許可が要る?
どんな工事に許可が要る?
盛土で1mを超える崖なら許可
盛土で1mを超える崖なら許可
崖がなくても、盛土2m超は許可
崖がなくても、盛土2m超は許可
特定盛土等の区域も同じ規模
特定盛土等の区域も同じ規模

宅地造成等工事規制区域の中で許可が要る工事は、政令が決めています。原文はこうです。

第三条 法第二条第二号及び第三号の政令で定める土地の形質の変更は、次に掲げるものとする。
一 盛土であつて、当該盛土をした土地の部分に高さが一メートルを超える崖を生ずることとなるもの
二 切土であつて、当該切土をした土地の部分に高さが二メートルを超える崖を生ずることとなるもの
三 盛土と切土とを同時にする場合において、当該盛土及び切土をした土地の部分に高さが二メートルを超える崖を生ずることとなるときにおける当該盛土及び切土(前二号に該当する盛土又は切土を除く。)
四 第一号又は前号に該当しない盛土であつて、高さが二メートルを超えるもの
五 前各号のいずれにも該当しない盛土又は切土であつて、当該盛土又は切土をする土地の面積が五百平方メートルを超えるもの

宅地造成及び特定盛土等規制法施行令 第3条(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月16日確認)

「崖」は、地表面が水平面に対して30度を超える角度をなす土地で、硬岩盤(風化の著しいものを除く)以外のものです(同令第1条)。盛土の高さが2メートルを超えれば、崖ができなくても(30度以下の緩い斜面でも)許可の対象です(第3条第4号)。面積が500平方メートルを超える盛土・切土も同じです(第5号)。土を一時的に置く「土石の堆積」も対象です。政令第4条は高さ2メートルを超えるもの、または面積が500平方メートルを超えるものを土石の堆積と定めていて、省令の除外を加えた県の手引の表では、最大時の高さ2メートル超かつ面積300平方メートル超、または面積500平方メートル超が許可の対象です。「堆積」は、一定期間のあとに除却する一時的なものです(法第2条第4号)。県は堆積の許可に「5年以内に除却」の条件を付けていて、5年を超えて置くには、期限が来る前に期間延長の変更許可が要ります(手続編)。除却せずに置いたままにする計画は、堆積ではなく盛土として窓口で見てもらってください。

県の審査事務マニュアル(概要編、令和7年12月)は、この数字に2つの注記を付けています。高さ2メートル以下で面積500平方メートルを超える盛土・切土のうち、前後の地盤面の標高差が30センチメートル以下の部分は面積に算入しない(農地の造成などは1メートル以下)。土石の堆積も、高さ2メートル以下で面積500平方メートル超のものは、標高差30センチメートル以下(農地の表土の補充は1メートル以下)の部分を面積に算入しません。

区域ごとの違い

特定盛土等規制区域や相模原市でも、許可の規模は同じですか

特定盛土等規制区域は、法律では許可の規模が大きめ(盛土で2メートル超の崖、切土で5メートル超の崖など)ですが、神奈川県は県条例第1条で宅地造成等工事規制区域と同じ規模に引き下げています。だから県所管の土地では、どちらの区域でも上の第3条の数字で許可の要否を見ます。県の手引の「本県における規制対象」の表では、特定盛土等規制区域の届出の欄は空欄で、届出だけで済む規模は示されていません。

相模原市は別です。市の条例(相模原市宅地造成及び特定盛土等規制法の施行等に関する条例、令和6年12月20日条例第59号)で規模を定めていて、市のページの規模表では、特定盛土等規制区域の許可は盛土で2メートルを超える崖、切土で5メートルを超える崖、高さ5メートルを超える盛土、面積500平方メートルを超える盛土・切土などになっています。相模原市内の土地は、県の数字ではなく市の表で見てください。

規制が始まった令和7年4月1日の時点で、すでに許可の規模の工事を始めていた場合は、法第21条第1項の届出(既着手届)の対象でした。県は期限を令和7年4月22日までと案内していました。

擁壁の造り替え

擁壁を造る・造り替えるだけでも、許可は要りますか

擁壁を造り替えるだけでも?
擁壁を造り替えるだけでも?
同じ位置・高さなら対象外の例
同じ位置・高さなら対象外の例

「擁壁の高さが2メートルを超えるから許可」という決め方は、県の手引にはありません。許可が要るかどうかは、その工事で盛土・切土がどれだけあり、どんな崖ができるか(前の節の数字)で決まります。擁壁は、盛土・切土の一部として扱われます。

県の審査事務マニュアルは、敷地の地盤高を変えずに、既存の擁壁を同じ位置・同じ高さで造り替える工事を、土地の形質変更に当たらない例として挙げています。地盤を上げ下げせず、擁壁だけ新しくするなら、盛土も切土も無いからです。

古い擁壁を工場製の「土のねっこ」に造り替えるなら、いまの擁壁の高さと長さ、現場の写真と住所を送ってください。使える製品と概算をお答えします。

横浜市の「盛土規制法の手引」(令和8年4月)には、既存擁壁の造り替えの判断図があります(制度編33〜36ページ)。既存の擁壁が鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造・練積み造か大臣認定のもので、高さを変えず、前面の位置(下端と勾配)を変えず、上下の地盤面を新たな盛土・切土で変えない場合の分かれ道を図にしていて、その先に「法の許可も工作物の確認も不要」「法の許可は不要だが工作物の確認が必要」の枝があります(工作物の確認=擁壁について建築基準法の確認申請を出すこと。相談先は下の建築確認の節)。一方で、過去の盛土を含めて盛土による高さ1メートル超の崖を覆う擁壁を新しく造る場合は、擁壁の高さが2メートル以下でも許可の対象として扱っています。これは横浜市内の判断図です。県所管の土地や川崎市・相模原市・横須賀市では、それぞれの窓口の判断になります。

造り替えの前に、今の擁壁の位置・高さ・地盤高が変わるかどうかを図にして、窓口に見せてください。それで「許可が要るか」「工作物の確認が要るか」が分かれます。

擁壁が要るか

崖ができたら、擁壁は要りますか

崖ができたら擁壁は要る?
崖ができたら擁壁は要る?
許可の工事の崖は、原則擁壁で
許可の工事の崖は、原則擁壁で

許可を受ける工事では、盛土・切土でできた崖面は、原則として擁壁で覆います。政令の原文です。

第八条 法第十三条第一項の政令で定める宅地造成に関する工事の技術的基準のうち擁壁の設置に関するものは、次に掲げるものとする。
一 盛土又は切土(第三条第四号の盛土及び同条第五号の盛土又は切土を除く。)をした土地の部分に生ずる崖面で次に掲げる崖面以外のものには擁壁を設置し、これらの崖面を覆うこと。
イ 切土をした土地の部分に生ずる崖又は崖の部分であつて、その土質が別表第一上欄に掲げるものに該当し、かつ、次のいずれかに該当するものの崖面
(1) その土質に応じ勾配が別表第一中欄の角度以下のもの
(2) その土質に応じ勾配が別表第一中欄の角度を超え、同表下欄の角度以下のもの(その上端から下方に垂直距離五メートル以内の部分に限る。)
ロ 土質試験その他の調査又は試験に基づき地盤の安定計算をした結果崖の安定を保つために擁壁の設置が必要でないことが確かめられた崖面
ハ 第十四条第一号の規定により崖面崩壊防止施設が設置された崖面
二 前号の擁壁は、鉄筋コンクリート造、無筋コンクリート造又は間知石練積み造その他の練積み造のものとすること。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行令 第8条(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月16日確認)

擁壁が要らないのは、切土の崖で土質ごとの勾配が別表第一の中欄の角度以下のもの(中欄を超えて下欄以下なら、上端から垂直距離5メートル以内の部分だけ)、安定計算で擁壁が要らないと確かめた崖面、崖面崩壊防止施設(擁壁以外で崖面の崩れを防ぐ施設)を設けた崖面の3つです。第3条第4号・第5号の工事(1メートル超の崖ができない高さ2メートル超の盛土と、面積500平方メートル超の盛土・切土)は、第8条第1項第1号の擁壁の義務から除かれています。神奈川県は細則第9条で、河川・池沼・公園・広場・緑地・農地・森林などに接していて、崖の下端から水平距離で崖の高さの2倍の範囲で災害防止上支障がない場合に、石積みなどの代わりの措置を認めています。

当社の製品

その擁壁、工場で造ってあります。盛土の崖を覆う擁壁が要ると分かったら、「土のねっこ」をご検討ください。鉄筋コンクリートのL型擁壁で、高さは500〜3,000mm。政令第9条の構造計算(4項目)も、水抜穴と根入れも、当社が用意する構造計算書と図面で示せます。現場打ちと違って、型枠も養生期間も要りません。大臣認定擁壁も手配できます。全国対応です。

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擁壁の構造

擁壁の構造は、何で決まりますか——構造計算・地震時・水抜穴・根入れ

擁壁の構造は何で決まる?
擁壁の構造は何で決まる?
コンクリート擁壁は計算で4つ
コンクリート擁壁は計算で4つ

鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造の擁壁は、構造計算で4つを確かめます。

第九条 前条第一項第二号の鉄筋コンクリート造又は無筋コンクリート造の擁壁の構造は、構造計算によつて次の各号のいずれにも該当することを確かめたものでなければならない。
一 土圧、水圧及び自重(以下この条及び第十四条第二号ロにおいて「土圧等」という。)によつて擁壁が破壊されないこと。
二 土圧等によつて擁壁が転倒しないこと。
三 土圧等によつて擁壁の基礎が滑らないこと。
四 土圧等によつて擁壁が沈下しないこと。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行令 第9条第1項(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月16日確認)

神奈川県の設計編(令和7年12月)には、次の記載があります。

  • 高さ2メートルを超える擁壁は、常時に加えて地震時の検討をする(県細則第13条)。常時の計算では積載荷重と外力を見込む
  • 水抜穴は、壁面3平方メートル以内ごとに1か所以上、内径75ミリメートル以上を標準とし、千鳥(ちどり。上下の段で穴の位置を横にずらす並べ方)に配置する
  • 鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造では底版(ていばん。擁壁の底の板の部分)が地表に出ないよう根入れを確保する(根入れ=ねいれ。地面より下に埋める深さ)。行政指導として、一般に底版の厚さに50センチメートルを足した深さ以上の根入れが示されている
  • 手引に出てくる擁壁の種類は、鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造・練積み造・認定擁壁。片持ばり式には逆T型・L型・逆L型が含まれる(種類ごとの向き不向きは「擁壁の選び方」)
水抜穴と根入れは?
水抜穴と根入れは?
3㎡に1か所・内径75mm以上
3㎡に1か所・内径75mm以上

許可申請には、鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造の擁壁について、構造計算書(構造計画・応力算定・断面算定)、擁壁の概要、基礎補強の計算書、平面図・断面図、計画に応じて土質調査・安定計算・排水と透水層の資料を添えます(手続編)。

大臣認定の擁壁

大臣認定の擁壁と、認定のない擁壁——どちらも使えますか

大臣認定でないとだめ?
大臣認定でないとだめ?
コンクリート擁壁は2つの道
コンクリート擁壁は2つの道

鉄筋コンクリート造・無筋コンクリート造の擁壁には、2つの道があります。1つは政令第9条の構造計算で確かめる道(前の節)。もう1つは、国土交通大臣の認定を受けた擁壁を使う方法です。間知石練積み造などの練積み造の擁壁は、政令第10条の仕様(勾配・厚さ・根入れなど)で確かめます。

第十七条 構造材料又は構造方法が第八条第一項第二号及び第九条から第十二条までの規定によらない擁壁で、国土交通大臣がこれらの規定による擁壁と同等以上の効力があると認めるものについては、これらの規定は、適用しない。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行令 第17条(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月16日確認)

県の手引はこれを「認定擁壁」と呼び、認定の条件に合っていることを求めます。高さ2メートルを超える認定擁壁は、地震時の検討がされたものしか認めません(細則第13条)。確かめる項目は、積載荷重(擁壁の上に載る建物や車の重さ)、地震に対する認定の区分、根入れの深さ、背面土(はいめんど。擁壁の背後の土)と基礎地盤(きそじばん。擁壁を支える地盤)の土質、形状と寸法です。横浜市の施行細則(令和7年3月5日規則第8号)も、政令第17条の擁壁を使うときは大臣認定の図書を添付書類にしています。

工場で造ったプレキャストのコンクリート擁壁を認定なしで使えるかどうかは、県の審査事務マニュアル全3編と横浜市・川崎市の資料に明文がありません。一般の構造計算で足りるのか、特殊の材料・構法として第17条の認定が要るのかは、製品の構造と、所管の窓口の判断で決まります。使いたい製品があるなら、構造計算書と製品の仕様を持って、申請の前に窓口で確かめてください。

「土のねっこ」は鉄筋コンクリート造の擁壁です。構造計算書と製品の仕様は、当社が出します。

建築確認との関係

建築確認を受ければ、盛土規制法の許可は要りませんか

建築確認を取れば要らない?
建築確認を取れば要らない?
許可とは別の手続です
許可とは別の手続です

盛土規制法の許可と、建築基準法の確認は、別の手続です。許可の工事で設ける高さ2メートルを超える擁壁のうち、第8条の義務で設けるもの以外には、建築基準法施行令第142条(工作物としての擁壁の基準)が準用されます。

第十三条 法第十二条第一項又は第十六条第一項の許可を受けなければならない宅地造成に関する工事により設置する擁壁で高さが二メートルを超えるもの(第八条第一項第一号の規定により設置されるものを除く。)については、建築基準法施行令第百四十二条(同令第七章の八の規定の準用に係る部分を除く。)の規定を準用する。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行令 第13条(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月16日確認)

神奈川県建築行政連絡協議会は、盛土規制法を建築基準法の「建築基準関係規定」として扱い、令和7年4月1日以降の建築確認申請に「(建築確認申請用)盛土規制法等判定チェックリスト」(令和7年1月版)を添えるよう案内しています。許可が要る計画では、盛土規制法の許可書か、みなし許可の通知書の写しを建築確認申請に添付します(みなし許可=区域の指定後に都市計画法第29条の開発許可を受けたときは、盛土規制法の許可を受けたものとみなす仕組み。法第15条第2項)。建築確認や工作物の確認を受けたからといって、盛土規制法の許可が要らなくなるわけではありません。

神奈川県のがけ条例(神奈川県建築基準条例第3条)は、崖の近くに建てるときの建物側の決まりで、盛土規制法とは別に残ります。県の手引に、がけ条例と盛土規制法の関係を直接書いた文は見つかりませんでした。崖の近くに建てるなら、両方を別に確かめてください(がけ条例は「神奈川県のがけ条例——崖の近くに建てられるか」に書きました。土砂災害特別警戒区域にある土地なら「神奈川県のレッドゾーン」も)。

壊すときの届出

2メートルを超える擁壁を壊すとき、届出は要りますか

壊すときも何かある?
壊すときも何かある?
2m超の擁壁は14日前に届出
2m超の擁壁は14日前に届出

規制区域の中では、擁壁を造るときだけでなく、壊すときにも届出があります。法第21条第3項は、政令で定める工事を「その工事に着手する日の十四日前までに」届け出るよう定めていて、政令はこう書いています。

第二十六条 法第二十一条第三項の政令で定める工事は、擁壁若しくは崖面崩壊防止施設で高さが二メートルを超えるもの、地表水等を排除するための排水施設又は地滑り抑止ぐい等の全部又は一部の除却の工事とする。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行令 第26条(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月16日確認)

一部を壊すだけでも対象です。許可を受けた工事の中で壊すなら、別に除却の届出は要りません(県手続編)。届出をせずに壊すと、法第58条の罰則(6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)の対象になります。

期間と手数料

許可はいつ下りて、手数料はいくらですか(県所管の29市町村)

許可はいつ下りる?
許可はいつ下りる?
県の許可は標準40日
県の許可は標準40日

県所管の29市町村の許可は、神奈川県県土整備局河川下水道部砂防課 厚木南駐在事務所(046-223-1711)が担当します(鎌倉市内の土地は、土石の堆積を除いて鎌倉市が受け付けます。下の表の期間と手数料は、県が許可する土地のものです)。県土木事務所や市町村が申請書類を受け付けたり、開発許可によるみなし許可の中間検査・定期報告を扱ったりすることがあります。市町村を経由すると、標準処理期間に8日が足されます。

窓口に行く前に。擁壁の図面と構造計算書は当社が用意します。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。窓口には、その図面を持って行けます。 擁壁を相談する ☎ 0120-1181-46

手続標準処理期間
土地の形質変更(盛土・切土)の許可40日
同・変更の許可40日
同・完了検査20日
同・中間検査10日
土石の堆積の許可・変更の許可24日
土石の堆積・除却の確認10日
県の審査事務マニュアル 手続編(令和7年12月)。適正な申請を前提とし、補正や追加資料のやりとりの期間は含みません。

手数料は県条例で、面積で決まります(土地の形質変更の許可申請)。

盛土・切土の面積許可申請の手数料
500平方メートル以内16,000円
500平方メートル超 1,000平方メートル以内28,000円
1,000平方メートル超 2,000平方メートル以内40,000円
2,000平方メートル超 3,000平方メートル以内59,000円
3,000平方メートル超 5,000平方メートル以内68,000円
5,000平方メートル超 10,000平方メートル以内93,000円
10,000平方メートル超 20,000平方メートル以内149,000円
20,000平方メートル超 40,000平方メートル以内229,000円
40,000平方メートル超 70,000平方メートル以内360,000円
70,000平方メートル超 100,000平方メートル以内509,000円
100,000平方メートル超658,000円
県の審査事務マニュアル 手続編(令和7年12月)。手数料の面積には、標高差30センチメートル以下の部分も算入します。土石の堆積の許可、中間検査、変更の許可は別の表です。市が許可する土地は、その市の手数料です。
手数料はいくら?
手数料はいくら?
500㎡以内で16,000円
500㎡以内で16,000円

中間検査と定期報告は、どんな工事に要りますか

中間検査があるのは、盛土で高さ2メートルを超える崖、切土で5メートルを超える崖、盛土と切土で5メートルを超える崖、高さ5メートルを超える盛土、面積3,000平方メートルを超える盛土・切土です。特定工程は、盛土の前または切土の後の地盤面に排水施設を設ける工程で、その工程が終わってから4日以内に申請し、合格証が出るまで次の工程に進めません。同じ規模の工事は、3か月ごとの定期報告(全景写真・平面図など)もあります。土石の堆積は、高さ5メートル超かつ面積1,500平方メートル超、または面積3,000平方メートル超のものに定期報告があります(概要編の規制対象の表)。工事が終わったら完了検査、土石の堆積は除却の確認を受けます。様式は県の様式ページにあります。

市の窓口

市が窓口になるのは、どこですか

市窓口市の条例・規則
横浜市(政令市)建築局宅地審査部 宅地審査課(市街化区域)/調整区域課(市街化調整区域)。045-671-2121(代表)横浜市宅地造成及び特定盛土等規制法施行細則(令和7年3月5日規則第8号)
川崎市(政令市)まちづくり局指導部 宅地企画指導課。044-200-2111(代表)市の手引が「法の委任条例等」を案内していますが、条例の正式名称と現行条文は、確かめられていません
相模原市(政令市)都市建設局まちづくり推進部 開発調整課。042-754-1111(代表)相模原市宅地造成及び特定盛土等規制法の施行等に関する条例(令和6年12月20日条例第59号)・同規則(令和7年規則第3号)。特定盛土等規制区域の許可の規模は、市の表で
横須賀市(中核市)都市部 宅地審査防災課。046-822-4000(代表)宅地造成等に関する工事の許可の基準及び手続に関する条例(平成18年3月28日条例第29号。令和6年条例第63号で改称・全部改正)・宅地造成及び特定盛土等規制法等施行取扱規則。許可申請の前の周辺住民への説明は、特定建築等行為に係る手続き及び紛争の調整に関する条例の説明で満たす扱い
鎌倉市(県所管の区域)都市景観部 開発審査課(0467-61-3576)。土石の堆積は県砂防課厚木南駐在事務所市の条例・規則の正式名称は、確かめられていません
各市の公式ページ(横浜 2025年12月18日・川崎 2026年7月1日・相模原 2026年8月3日・横須賀 2026年9月1日・鎌倉は現行の申請ページ)から。藤沢市と小田原市は、開発許可によるみなし許可の中間検査・定期報告を市が扱います。

盛土規制法とは別に、手続が要ることがあります。相模原市土砂等の埋立て等による土壌の汚染の防止に関する条例は、事業区域3,000平方メートル以上かつ高さ1メートル以上の土砂の埋立てなどに事前の通知や報告を求めていて、盛土規制法の許可・届出に加えて手続が要ることがあります。神奈川県土砂の適正処理に関する条例は、建設工事の区域から500立方メートル以上(ストックヤードからは月間500立方メートル以上)の土砂を搬出するときに、あらかじめ搬出の計画を届け出るものです(盛土規制法と重なる2,000平方メートル以上の土砂埋立ての許可制度と土砂搬入禁止区域の制度は、令和7年4月1日の改正で廃止されました)。ほかの市町村の条例は調べていません。計画を固める前に、土地のある市町村に、盛土規制法のほかに要る手続が無いかを聞いてください。

伊勢原市の「土地の埋立て等の規制に関する条例」と大磯町の「土地埋立て等規制条例」は、県の規制開始に伴って令和7年4月1日に廃止されています(大磯町は旧許可の行為に令和10年3月31日までの経過措置)。以後の一定規模の埋立ては、県の許可です。

罰則

許可を受けずに工事をすると、どうなりますか

許可を取らずにやると?
許可を取らずにやると?
3年以下の拘禁刑か1千万円以下
3年以下の拘禁刑か1千万円以下

第五十五条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は千万円以下の罰金に処する。
一 第十二条第一項又は第十六条第一項の規定に違反して、宅地造成、特定盛土等又は土石の堆積に関する工事をしたとき。
二 第三十条第一項又は第三十五条第一項の規定に違反して、特定盛土等又は土石の堆積に関する工事をしたとき。
三 偽りその他不正な手段により、第十二条第一項、第十六条第一項、第三十条第一項又は第三十五条第一項の許可を受けたとき。
四 第二十条第二項から第四項まで又は第三十九条第二項から第四項までの規定による命令に違反したとき。

宅地造成及び特定盛土等規制法 第55条第1項(e-Gov法令検索・現行条文、2026年9月16日確認)

法人には、第60条で3億円以下の罰金が別に科されます。技術的基準に違反した設計で工事が行われたときは、設計した人も同じ刑です(第55条第2項)。特定盛土等規制区域で法第27条の届出をせずに工事をすると1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(第57条)、擁壁の除却などの届出をせずに工事をすると6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(第58条)です。

県の案内ページは、最大で懲役3年以下・1,000万円以下、法人には最大3億円以下、と書いています。「懲役」は古い刑の名前で、現行の条文は「拘禁刑」です(上の引用は、e-Gov法令検索の現行条文)。

窓口に行く前に、擁壁の図面と構造計算書をそろえませんか。当社が用意します。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。窓口には、その図面を持って行けます。

擁壁を相談する☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)

相談先

相談先——まず、どこに電話しますか

どこに聞けばいい?
どこに聞けばいい?
県砂防課 厚木南駐在事務所
県砂防課 厚木南駐在事務所
  • 県所管の29市町村(鎌倉市を除く):神奈川県県土整備局河川下水道部砂防課 厚木南駐在事務所 046-223-1711。区域の指定など県の主管課は 045-210-1111(代表)
  • 鎌倉市:都市景観部開発審査課 0467-61-3576(土石の堆積は県の厚木南駐在事務所)
  • 横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市:横浜 045-671-2121・川崎 044-200-2111・相模原 042-754-1111・横須賀 046-822-4000(いずれも代表。担当課は上の表)
  • 建築確認は、建築主事のいる市か県(土地のある市町村で決まります)、または指定確認検査機関。盛土規制法の許可が要る計画では、確認申請に許可書(開発許可によるみなし許可なら、その通知書)の写しを添えます

宅造対応擁壁の図面と構造計算書は、当社でご準備できます。→ 曲がる擁壁「土のねっこ」

持っていくものは、土地の所在地、現況の測量図か地盤高の分かる図、計画の盛土・切土の高さと面積、擁壁を造るならその位置と高さです。まだ図が無い段階でも、所在地と「何メートル盛るか」が分かれば、許可が要りそうかは聞けます。

当社の製品

窓口に行く前に、使える擁壁と概算を知っておく

窓口での相談は、盛土・切土の高さと面積、擁壁の位置と高さが決まっているほど早く進みます。図面か現場の情報を送っていただければ、工場製の擁壁「土のねっこ」「土地分け丸」のうち使える製品と概算をお答えします。申請に必要な図面と構造計算書も当社で用意します。全国対応——大臣認定擁壁も手配できます。

  1. 敷地の図面を送る(図面が無ければ、段差の高さと長さ、現場の写真と住所)
  2. 当社から、使える製品と概算をお答えする(計画に使えるかは、③の書類を持って窓口で確認します)
  3. 当社で、製品の図面と構造計算書を作る
  4. 工事主が許可を申請する(設計者に頼むのが一般的です)。許可が下りてから、施工業者さんが根切りなどの掘削も含めて工事に着手

お電話は 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)。

【無料の判定アプリ】自分の工事に許可が要りそうかを確かめる。盛土の高さ・崖の高さ・面積を入れると、盛土規制法の許可が要りそうかの目安と、相談する窓口が分かります(登録不要)。

盛土規制法の判定アプリを開く(無料)

窓口だけ探すなら「窓口さがし」アプリ(無料)

お問い合わせ

相談と見積(無料)

土のねっこが使えるか、図面か、段差の高さと長さ・現場の写真・住所からお答えします。図面と構造計算書は当社でご準備できます。

当社はコンクリート製品のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。

全国に配送します(沖縄・北海道・離島を除く)

お電話でも受け付けています。☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)

出典

横浜市「盛土規制法の手引」(令和8年4月)——既存擁壁の造り替えの判断図は制度編33〜36ページ(PDF 42〜45ページ)。条例・手引は改正されます。この記事は2026年9月16日時点の資料で書いています。申請の前に、現行の資料と窓口で確かめてください。

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