長崎のがけ条例——長崎県建築基準条例第3条

崖の高さの1.5倍の水平距離を保ちます

長崎県では、高さ2メートルを超える崖に近接して建物を建てるとき、崖の上なら下端から、崖の下なら上端から、建物との間に「崖の高さの1.5倍」の水平距離を保たなければなりません。対象は居室の有無を問わず、建築物全般。鉄筋コンクリート造など重い建物を崖の上に建てるなら、この距離をさらに増やす決まりもあります。そして、第3条第3項が定める適用しない場合が2つ——安全上支障がないことを、設計者が根拠を示して説明する除外(第3条が確認審査の対象となる区分では、審査で判断されます)と、レッドゾーン内の居室ある建築(距離の規定の適用外)です。斜面のまち・長崎の、がけ条例です。

この記事は、いわゆる長崎県の「がけ条例」——正式には長崎県建築基準条例(昭和46年条例第57号)第3条——を、県が公開している条例の解説【20240401版】(県土木部建築課編・条文の再掲つき。本体は令和4年3月15日版で、令和6年4月1日に一部改訂——改訂の履歴には、同日施行の建築基準法の改正に伴う条例改正への対応と記されています)から読んだ整理です。

「がけ条例」の実体は、建築基準条例の第3条です

「がけ条例」は通称です。建築基準法第40条(地方公共団体の条例による制限の附加)などの委任を受けた長崎県建築基準条例が実体で、崖の規制は第3条にあります。建築確認の対象となる計画では、この条例への適合も原則として確認審査の対象です。確認特例の適用は、建築物・設計者の区分に応じて建築基準法第6条の4・施行令第10条で決まり、法第39条から第41条までに基づく条例規定のうち特定行政庁が規則で定めた規定が審査省略の対象になり得ます。条例への適合義務は、審査の範囲とは別に生じます。そして、確認申請の提出先は行政庁だけではありません——建築確認は、業務区域・業務範囲に対応する指定確認検査機関にも申請できます(建築基準法第6条の2)。条例の当てはめやただし書の扱いをどこへ相談するかは、申請先によって変わります——指定確認検査機関へ申請するなら、まずその機関へ。審査上の疑義は、機関から所管の行政庁へ照会される扱いです。なお、この解説は特定行政庁としての長崎県の運用をまとめたもので、県内には別の特定行政庁(建築基準法第4条第1項の長崎市・佐世保市)と、限定特定行政庁(同法第97条の2第1項の大村市・五島市)があります——県の所管表(2026年4月7日更新)によるもので、島原市・平戸市・松浦市の区域は県の振興局(建築課)の所管です。大村市・五島市でも、権限の範囲外の案件は県が所管します。条例そのものは県内全域に適用され(第1条に区域の除外はありません)、異なり得るのは解釈と運用です——窓口と運用の確認は、建築地を所管する建築指導の窓口へ。

どこからが規制対象の「崖」か——30度超・高さ2メートル超・硬岩盤以外

第3条 建築物を高さ2メートルを超える崖(地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地で硬岩盤(風化の著しいものを除く。)以外のものをいう。以下同じ。)に近接して建築しようとする場合は、崖の上にあっては崖の下端から、崖の下にあっては崖の上端から当該建築物との間に当該崖の高さの1.5倍の水平距離を保たなければならない。

長崎県建築基準条例 第3条第1項

「崖」は①地表面が水平面に対して30度を超える角度をなす土地で、②硬岩盤ではない(ただし、風化の著しい硬岩盤は「硬岩盤」から除かれる=崖に含まれ得ます)ものをいい、規制がかかるのは高さが2メートルを超える崖です。県の解説では、「崖に近接する」とは崩壊等により影響を受ける範囲=上下それぞれ1.5H以内をいい、距離は建物の外壁または柱の外面までで測るとされています。

ただし、第3条の「崖」に当たらない斜面や、1.5倍の範囲の外でも、安全の検討が不要になるわけではありません。建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれがあると判断される場合には、建築基準法第19条第4項により、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければなりません。個別の計画がその「おそれのある場合」に当たるかは、崖の状態・距離・地盤・建物の計画などによって判断されます。

対象は「建築物」全般。重い建物なら、さらに離します

2 鉄筋コンクリート造等の重量建物を崖の上に建築しようとする場合にあっては、前項の数値を安全上支障がない程度に増大しなければならない。
3 前2項の規定は、次に掲げる場合については、適用しない。
(1) 建築物の用途、規模、構造又は擁壁若しくは崖等の状況により建築物の安全上支障がない場合
(2) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第9条第1項の規定により、知事が指定した土砂災害特別警戒区域内において居室を有する建築物を建築しようとする場合

同 第3条第2項・第3項

条文が対象にするのは「建築物」で、居室の有無を問う書き方ではありません。「建築」には新築だけでなく、増築・改築・移転も含まれます(建築基準法第2条第13号)。工事を伴わない用途変更でも、同法第87条第2項により条例の規定が準用されます。既存不適格の建物(法第3条第2項)の用途変更は法第87条第3項が別に定めており、原則は準用(=用途変更を契機に、現行の条例規定が掛かる形)です。準用されないのは各号の場合——①増築・改築・大規模の修繕・模様替をする場合、②政令で指定する類似の用途相互間の変更で、修繕・模様替をしないか大規模でない場合、③法第48条関係で政令の範囲内の場合。ただし①は「規制が外れる」意味ではありません——増築等をすれば法第3条第3項第3号により既存不適格の緩和自体が切れ、条例が適用されるのが原則です。その場面を受けるのが第27条です。これとは別に、二以上の工事に分けて段階的に現行規定へ適合させる「全体計画認定」の制度があります——法第86条の8第1項に該当する工事は同条により、用途変更に伴う二以上の工事のうち同項に該当しない場合は法第87条の2によります(この振り分けは、法第87条の2の条文に明記されています)。また、既存の建物(法第3条第2項の既存不適格)の増築・改築・大規模の修繕・模様替については、特定行政庁がその建築物・敷地の状況によりやむを得ないと認めるものについて、法第3条第3項第3号・第4号の規定にかかわらず適用を緩和できる定めがこの条例自身にあります(第27条)——解説では、細則に基づく承認申請と事前相談が必要で、無制限の緩和は認められないとされています。ただし第27条が対象にするのは増築・改築・大規模の修繕・大規模の模様替で、移転は含みません。既存不適格建築物の移転には、これとは別に法第86条の7第4項の法定の緩和があり、同一敷地内の移転、または交通上・安全上・防火上・避難上・衛生上及び市街地の環境の保全上支障がないと特定行政庁が認める移転(施行令第137条の16)であれば、法第3条第3項にかかわらず、建築基準法令の規定——この条例を含みます——は適用されません適用されないのは既存の建物への遡及であって、移転そのものは「建築」ですから、建築確認の要否は別に判断します(法第2条第13号・第6条)。

第2項は重い建物の加重です——鉄筋コンクリート造などの重量建物を崖の上に建てるときは、その重量が崖に影響しないよう、1.5倍の数値を安全上支障がない程度に増やさなければなりません。増やす量の一律の数値は条文になく、設計側で安全の根拠を示します。確認申請の対象となる計画では、その適合も審査の対象になります(確認特例により審査が省略される区分もあります)。

第3項第1号——「安全上支障がない」を、設計者が根拠を示して説明する除外です

第3項第1号により、建築物の用途・規模・構造、または擁壁・崖等の状況により安全上支障がない場合は、距離の規定を適用しません。県の解説はこの判断を設計者の仕事として書いています——根拠を明確にし、一般には崖の上部・下部・崖の部分の地盤調査を行い、地層の構成・地盤の種類・表層土の厚み・せん断抵抗力(内部摩擦角・粘着力)等を把握して、崖に作用する外力等に抵抗できることを工学的に判断し説明することが必要、と。解説にある具体例は次のとおりです。

  • 用途——崖下の倉庫など居室のない建物で、利用上の配慮をしたうえで設計者が安全上支障がないと判断できる場合
  • 構造——崖下では、影響範囲の構造耐力上主要な部分を高基礎等の鉄筋コンクリート造とし、開口を設けない。崖上では、基礎を影響範囲より深く伸ばす・基礎杭を打つ(解説では、安息角は30度、または土質試験の結果から求める角度とされています)
  • 擁壁——工作物の確認済証・検査済証のある擁壁のほか、都市計画法・宅地造成関係の許可を受けて完了検査に合格した擁壁、道路・河川など公共施設の管理者が施設として築造したもの急傾斜地崩壊防止工事として築造されたもの、崖と建物の間の土留め壁など——いずれも設計者が安全上支障がないと判断できるもの
  • 崖等の状況——擁壁の設置を要しない切土のり面の目安(土質と勾配の表。解説に掲載)に当たる場合など

つまり長崎の第3条は、設計者が地盤と構造の根拠を示して「安全上支障がない」を説明できるかが軸の条文です。言い分だけでは決まりません——建築確認の対象となる計画では、資料を残し、確認の審査で判断を受けられる形にしておくことです。審査で直接確認されない区分でも、条例への適合義務は残ります。第3項第1号を使う場合は、判断の根拠を後から確認できるよう、調査結果・設計資料を保存しておくことです。規制の範囲に既に擁壁がある場合も、確認済証・検査済証などの資料と現況の確認からです。

レッドゾーン内の「居室のある建築」は、第3条第1項・第2項の適用外です

第3項第2号により、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)内で居室を有する建築物を建築する場合は、第3条第1項・第2項(距離の規定)を適用しません——条例の他の規定まで外れるわけではありません。ただし、規制が無くなるわけではありません——この「居室あり」の経路では、土砂災害防止法による区域指定を前提として、建築基準法施行令第80条の3による構造規制を確認します(条例の距離規定を重ねない形です。県の解説は、この場合の制限が土砂災害防止法に定められているため第3条を適用しない趣旨を説明しています)。逆に、居室のない建物(倉庫など)は第3項第2号では除外されず、原則として第3条第1項・第2項の対象です——第3項第1号の「安全上支障がない場合」に該当するかは、別途、根拠資料に基づいて判断します(第3項第2号の除外は、敷地の一部が区域にかかるかではなく、建てる建築物が区域内にあるかで見ます)。レッドゾーンでは、予定建築物の用途が「制限用途」に当たる開発行為(特定開発行為)の許可が必要になる場合もあります(土砂災害防止法第10条第1項)。ここでいう制限用途は、条文上「予定建築物の用途で、住宅(自己の居住の用に供するものを除く。)並びに高齢者、障害者、乳幼児その他の特に防災上の配慮を要する者が利用する社会福祉施設、学校及び医療施設(政令で定めるものに限る。)以外の用途でないもの」という二重否定で定められており(同条第2項)、予定建築物の用途がこれら以外の用途であることが確定していない場合——用途が未定の場合を含めて——制限用途に当たります(公的な手引きも、用途が確定していない場合はすべて特定開発行為の許可申請が必要と整理しています)。政令で定める社会福祉施設・学校・医療施設の範囲は、同法施行令第6条にあります。さらに、都市計画区域外などで通常は建築確認が不要な建築物でも、レッドゾーン内に居室を有する建築物を建築する場合は、土砂災害防止法第25条のみなし規定により建築確認が必要になることがあります——県の案内では、建築物が特別警戒区域内に位置する場合、振興局への区域照会願出書の回答を確認申請書に添付する手続が示されています。レッドゾーン内の居室を有する建築物について、令第80条の3に対応する2つの方法——外壁等(外壁・構造耐力上主要な部分のうち、土石等の高さ等以下で、土砂災害の原因となる自然現象〔河道閉塞による湛水を除く〕により衝撃が作用すると想定される部分)を所定の構造にするか、土石等の高さ等以上の高さで、外壁等と同等以上の耐力を有するものとして国土交通大臣が定めた構造方法による門・塀を、衝撃を遮るように設けるか——と、改修への補助の枠組みは、レッドゾーンの家と土地で整理しています。

災害危険区域は「別の条例」です——長崎市・佐世保市はさらに別

建築基準法第39条の災害危険区域は、この建築基準条例ではなく、「長崎県災害危険区域の指定等に関する条例」(昭和45年条例第43号)が定めています。県の解説の補足によると、災害危険区域は、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)を除いたうえでの、①急傾斜地崩壊危険区域と、②これに準ずる危険の著しい区域または土石流・津波・高潮・出水・地すべり等による危険の著しい区域として知事が指定した区域です(条例第2条。レッドゾーンの除外は①②の両方に掛かります。②の指定は、解説の記載では令和4年3月末時点で島原市・南島原市の水無川水系と島原市の中尾川水系のみ)——ただし県の案内によると、昭和57年10月15日より前に指定された急傾斜地崩壊危険区域の一部は、災害危険区域に指定されていません(防災GISで告示年月日を見たうえで、該当するかは振興局の建築課へ)。区域内では、住居の用に供する建築物・ホテル・旅館・病院・診療所(患者の収容施設のあるもの)・学校・集会場について、主要構造部(最下階の床を含む)を鉄筋コンクリート造またはこれに準ずる構造とし、かつ災害に対し安全な構造とすることが求められます(同条例第6条)。ただし書により、居室を有しない附属建築物——車庫・物置など——には、この構造制限は適用されません。適用除外は第7条にあります——防止施設・防護施設の設置により安全であると認められる建築物(第1号)と、災害危険区域とされ、または指定された際に現に存する、第6条に適合しない建築物を増築・改築・移転する場合で、周囲の状況によりやむを得ないと認められるもの(第2号)です。違反への罰則は、この災害危険区域条例自体にあります(第8条:設計者〔設計図書を用いない・従わない施工はその施工者〕に20万円以下の罰金・建築主の故意なら建築主にも。第9条:両罰と、相当の注意・監督を尽くした場合の免責ただし書)——建築基準条例第29条とは別です。がけ条例(第3条)が用途を問わないのに対し、こちらは用途で限定されています。長崎市・佐世保市の区域には、別に同様の市の条例があります。急傾斜地崩壊危険区域は、長崎県防災ポータル(https://www.bousai.pref.nagasaki.jp)内の「防災GIS」で閲覧でき、区域内での切土・盛土や工作物の設置などは、急傾斜地法(急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律)第7条第1項により知事の許可が必要になることがあります(砂防担当窓口へ)。

建築基準条例の罰則は第29条。適合の義務は、審査の有無にかかわらず残ります

第29条第1項は、第3条第1項・第2項を含む列挙規定への違反について、当該建築物の設計者(設計図書を用いずに施工した場合、または設計図書に従わずに施工した場合は工事施行者)を20万円以下の罰金に処すると定めています。違反が建築主または工作物の築造主の故意によるときは、その建築主等にも同じ刑が科されます(同条第2項)。法人の代表者や、法人・人の代理人・使用人その他の従業員が、その法人・人の業務に関して違反行為をした場合は、行為者を罰するほか、その法人・人にも罰金刑が科されます(第30条)。

そして建築確認の対象となる計画では、第3条への適合も原則として確認審査の対象です。確認特例で審査が省略される規定は令第10条が定めており、条例の規定は、特定行政庁が規則(長崎県では建築基準法施行細則)で定めるものに限って省略されます——適合義務は、審査の範囲とは別に生じます。建築確認が不要なことだけを理由に、第3条が適用外になるわけでもありません——ただし、既存の建物の増築等について特定行政庁が認める緩和(第27条)や、法第85条第6項・第7項の仮設興行場等と、法第87条の3第6項・第7項の興行場等・特別興行場等のうち、特定行政庁が「安全上、防火上及び衛生上」支障がないと認めるものに、第2章・第3章を適用しない特例(第28条)も別です。この特例は、列挙された許可に限られます。なお、仮設建築物には別の特例があります。法第85条第1項により、非常災害区域等の内側で、①災害により破損した部分を応急に修繕する場合は、工事の着手時期にかかわらず建築基準法令の規定が適用されません(国土交通省の通知)。また、②国・地方公共団体・日本赤十字社が災害救助のために建築する応急仮設建築物、③被災者が自ら使用するために建築する延べ面積30平方メートル以内の応急仮設建築物は、災害発生の日から1か月以内に工事に着手する場合に同じ特例を受けます(ただし書により、防火地域内に建築する場合は除かれます)。第1項・第2項の応急仮設建築物を工事完了後3か月を超えて存続させるには、その超える日前に同条第3項の特定行政庁の許可が必要です(期限までに申請をして、その日までに処分がされないときは、同項ただし書により、処分がされるまで存続できます)——応急修繕や工事現場の仮設事務所等について述べた期限ではありません。また、工事現場に設ける事務所・下小屋・材料置場等と、災害時の公益上必要な用途(停車場・官公署等)の応急仮設建築物には、法第85条第2項により法第40条(第3条の委任の根拠)を含む規定が適用されません——応急仮設住宅は、国の整理では第2項の「公益上必要な用途に供する応急仮設建築物」に含まれるとされ、設置の主体・区域・着工時期により第1項の対象になる場合もあります。どちらに当たるかは、個別の設置条件で判断されます。違反すれば是正命令(建築基準法第9条。除却・使用禁止などの措置を含みます)や罰則の対象になり得ます。

いま、確かめておくこと

  • ① 計画地の周辺に、30度を超える斜面(硬岩盤は対象外。ただし風化の著しい硬岩盤は対象に含まれます)があり、その高さが2メートルを超えるか。敷地の中・隣地に限りません
  • ② 建物の外壁(柱の外面)から、崖の下端(崖上のとき)・上端(崖下のとき)までの水平距離が、崖の高さの1.5倍あるか(第3条第1項。条文は「1.5倍の水平距離」です。外壁・柱の外面から測る取り方は県の解説によります)
  • ③ ①で「崖」に当たらない場合や、②の距離が取れている場合でも、がけ崩れ等の被害を受けるおそれがないかは別に確認。おそれがあると判断される場合は、建築基準法第19条第4項の安全上適当な措置が必要です
  • ④ 鉄筋コンクリート造など重い建物を崖の上に建てるなら、距離をさらに増やす(第3条第2項。設計側で安全の根拠を示します。確認対象の計画では適合も審査の対象になります——省略される場合あり)
  • ⑤ 距離が取れないなら、第3項第1号——用途・規模・構造、擁壁・崖等の状況で「安全上支障がない」ことを、地盤調査等の根拠をもって設計者が説明できるか。既にある擁壁は、確認済証・検査済証などの資料と現況の確認から
  • ⑥ レッドゾーン内で居室のある建物を建てる計画は、第3条の距離規定ではなく、土砂災害防止法による区域指定を前提とする建築基準法施行令第80条の3の構造規制を確認(第3条第3項第2号。条例の他の規定は別に確認します)。これとは別に、土砂災害防止法第10条第1項の特定開発行為の許可の要否と、同法第25条による建築確認の要否を確認します(区域照会願出書の回答を確認申請書に添付)
  • ⑦ 建てる位置が災害危険区域(別条例)に入らないか——災害危険区域は、土砂災害特別警戒区域を除いた、①急傾斜地崩壊危険区域と、②条例第2条第2号の知事指定区域です。入るなら、建てる用途が同条例第6条の対象か(居室を有しない附属建築物は、ただし書で対象外)。対象なら、第7条の適用除外に当たらないかも。県の防災GISで確認——ただし昭和57年10月15日より前に指定された急傾斜地崩壊危険区域の一部は、災害危険区域に指定されていません(告示年月日を見て、振興局の建築課へ)。長崎市・佐世保市は市の条例です。区域内の切土・盛土・工作物の設置などは、急傾斜地法第7条第1項の知事の許可が必要になる場合があります(非常災害の応急措置など、条文のただし書の除外あり。砂防担当窓口へ)
  • ⑧ 建築確認が不要なことだけを理由に、第3条が適用外になるわけではありません(ただし、法第3条第2項の既存不適格、第27条の緩和・第28条の特例、既存不適格建築物の移転についての法第86条の7第4項の緩和(範囲は施行令第137条の16)、法第85条第1項・第2項の特例に当たる場合は別です。法第86条の8・第87条の2の全体計画認定を受けた場合は、認定された全体計画に従って段階的に適合させる扱いになります)。違反すれば是正命令(除却・使用禁止などを含む建築基準法第9条の措置)や罰則の対象になり得ます。確認・審査の対象範囲は令和7年4月1日施行の建築基準法改正で変わっています——現行の取扱いは窓口で確認を
  • ⑨ 土砂災害警戒区域・特別警戒区域の最新の指定は、県が公表する指定の図書で確認(ハザードマップは作成時点の指定のことがあります)

個別の敷地でどう当たるかの判断は、建築士と、建築地を所管する建築指導の窓口(所管の分かれ方は冒頭のとおり)にご確認ください。長崎県は、条例の解説【20240401版】を公開しています——条文と併せて読むと、規制の趣旨がつかみやすくなります。現行の審査の取扱いは、建築指導の窓口で確認してください。擁壁の選び方も合わせてどうぞ。


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