京都府のがけ条例——崖の近くに建てられるか

京都府のがけ条例

京都で崖の近くに家を建てる・買う前に、確かめること。

窓口に行く前に。擁壁の図面と構造計算書は当社が用意します。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。窓口には、その図面を持って行けます。 土のねっこ(L型擁壁) やまがみ(土砂待受擁壁) 擁壁を相談する ☎ 0120-1181-46
見積・相談を依頼する(無料)☎ 0120-1181-46(平日9〜18時)

自分の土地で確かめる。高さ・角度・距離を入れると、その県と市の条例のどこに当たるかを整理して、窓口に持っていける資料にします(無料・登録不要)。 がけ条例 かんたん判定

京都府の「がけ条例」とは、建築基準法施行条例 第6条のことです。条例のいう崖の近くに建てるときは、原則として崖から一定の距離を保つことが求められます。ただし、京都市内は別です——市の区域にこの条例は適用されず(第20条)、読むのは京都市建築基準条例 第7条です。

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京都にがけ条例はある?建築基準法施行条例の第6条
京都にがけ条例はある?
どこからが「崖」ですか2mを超える・30度を超える
どこからが「崖」ですか
崖の上に建てるときは上に建てるなら下端から
崖の上に建てるときは
崖の下に建てるときは下に建てるなら上端から
崖の下に建てるときは
何メートル離せばいい?崖の高さの2倍以上離します
何メートル離せばいい?
距離が取れないときは?ただし書に当たれば外れます
距離が取れないときは?
擁壁があれば、いい?基準に合う擁壁なら(第1号イ)
擁壁があれば、いい?
レッドゾーンで家を建てる?令第80条の3の構造なら外れる
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造成地の崖なら関係ない?許可どおりの崖は第1項が外れる
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道路や堤防の下でも、かかる?運用で「崖」に含めない4つ
道路や堤防の下でも、かかる?
守らないと、どうなりますか罰金は20万円以下。原則設計者
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距離が外れれば安心ですか法第19条第4項が残ります
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京都市でも同じですか京都市は市の条例第7条です
京都市でも同じですか
どこに聞けばいい?府の7つの土木事務所へ
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いつ、誰に相談しますか売買契約の前に動きます
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がけ条例がかかっても、建てられないと決まったわけではありません。土地の売買契約を結ぶ前に動いてください(すでにお持ちの土地なら、設計を始める前に)——買ったあとでは、崖から離す配置や擁壁(ようへき=がけの土が崩れないよう支える壁)の費用を、土地の値段に織り込みにくくなります。建築士に現況の測量図・断面図・配置案を用意してもらい、その図面を持って建築行政の窓口へ、条例の当てはめを確かめてください。売買契約の前の相談先は3つに分かれます——京都市の区域なら、京都市の建築審査課(都市計画局建築指導部。京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地、電話075-222-3616)、宇治市なら宇治市の建築指導課(宇治市宇治琵琶33番地、電話0774-20-8794)、それ以外の府内なら所管する府の土木事務所(建築住宅課)です。確認申請の段階は、順番が違います——京都市・宇治市を除く府の所管区域では、先に所在地の市町村と事前協議(=確認申請を出す前に、市町村の窓口で計画を見てもらう手続き。窓口も中身も市町村ごとに違うので、設計を頼む建築士に確かめてください)を行い、そのうえで府の建築主事または指定確認検査機関へ提出します。宇治市にも、先にやることがあります——確認申請を出す前に宇治市開発指導課の経由が要り、経由後に指定確認検査機関か宇治市建築指導課へ提出します。高さも角度も距離も、目測で判断しないでください。

窓口や建築士に行く前に、図面はご用意できます。擁壁の図面と構造計算書は当社でご準備できます。持って行ける形でお渡しします。
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擁壁の形や寸法の一般的な考え方は、擁壁の選び方にまとめています(この条の当てはめは、この記事に書いた窓口で確かめてください)。

①京都の「がけ条例」は、建築基準法施行条例(昭和35年京都府条例第13号)の第6条です——題名に「京都府」は付きません。②かかるのは、高さ2メートルを超える崖に近接して建築物を建てるときです。③そのとき条文が求めるのは擁壁ではなく、崖の高さの2倍以上の水平距離を保つこと。④どこから測るかは、崖の上と下で入れ替わります——崖の上に建てるなら崖の下端(かたん=斜面がふもとの地面と接するところ)から、崖の下に建てるなら崖の上端(じょうたん=斜面が上の平らな地面と接するところ)から。⑤距離が取れなくても、道はあります。条文のただし書(=「ただし……この限りでない」で始まる、義務が外れる場合の定め)に当てはまれば、第6条の距離の義務は外れ、第6条については原則として建てられます。外れるのは第6条の距離の義務です——建てられるかどうかは、ほかの規制と窓口の判断を合わせて決まります。工事・設計で対応する代表的な道は4つ——崖面を基準に適合する擁壁で保護する、基礎の底を崖の下端から30度の面より下げる、外壁等(=崖の崩壊による衝撃が作用すると想定される部分の、外壁と構造耐力上主要な部分)を衝撃で壊れない構造にする、建物と崖の間に門・塀を設ける。このほか、崖面自体が政令の基準に当たる場合(第1項第1号ア)と、特定行政庁(=許可・認定や是正命令を受け持つ人。市町村長か都道府県知事)の認定を受ける場合(同号オ)があり、第2項に当たる崖なら、第1項そのものがかかりません(許可の内容に適合しているかを、書類で確かめてください)(=盛土規制法第12条第1項、または都市計画法第29条第1項・第2項の許可に係る当該崖の工事で、許可の内容に適合するものです。令和5年京都府条例第5号の附則第3項により、改正前の宅地造成工事規制区域の中で旧宅地造成等規制法第8条第1項本文の許可を受けて行われた崖の工事も、第2項第1号の工事とみなされます)。使える道は、区域・建てる位置・居室(きょしつ=居住・執務・作業などに継続して使う部屋。住宅なら、ふつう当てはまります)の有無で違い、工事費も別に要ります。災害危険区域・土砂災害の区域・法第19条第4項は別に確認してください。⑥京都市の区域には、この条例は適用されません(第20条)——かわりに京都市建築基準条例の第7条が働きます。宇治市には、この条例が適用されます。京都市の区域で計画するなら、読むのは京都市建築基準条例の第7条です——府の条例の第6条は、京都市には適用されません。条文は2026年9月1日に、京都府例規集と府が公表している条例本文(PDF)で確認しました。

「がけ条例」の実体は、建築基準法施行条例の第6条です

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京都にがけ条例はある?
京都にがけ条例はある?

京都府にも京都市にも、「がけ条例」という題名の条例はありません。京都府では、建築基準法施行条例(昭和35年7月5日 京都府条例第13号)の第6条(崖に近接する建築物)がその中身です。根拠は建築基準法第40条——その地方の気候・風土の特殊性などにより、この章(法第2章。建築物の敷地・構造・建築設備)の規定やこれに基づく命令の規定だけでは建築物の安全・防火・衛生の目的を十分に達しがたいと認める場合に、地方公共団体が条例で建築物の敷地・構造・建築設備の制限を付け加えられる、という規定です。条例第1条は、この第40条を含む4つ(ほかに法第43条第3項・法第56条の2第1項と、手数料)を根拠に挙げています。

建築基準法施行条例の第6条
建築基準法施行条例の第6条

探すときに、ひとつ引っかかるところがあります。題名は「建築基準法施行条例」だけで、「京都府」が付きません。公布者が京都府なので「昭和35年京都府条例第13号」と番号で示されます。京都市には同じ役目の条例が別にあり、そちらは「京都市建築基準条例」という題名です。

もうひとつ。第2条から第5条までは、いずれも都市計画区域内に限られていますが、第6条にはその限定がありません。用途地域の外でも、山あいでも、崖と距離の条件に当たれば働きます。

どこからが「崖」か——条例は決めていません。政令が決めます

どこからが「崖」ですか
どこからが「崖」ですか

3 前2項に規定する「崖」及び「崖面」とは、宅造令第1条第1項に規定する崖及び崖面をいう。この場合において、同条第3項に規定する上下の崖は、一体の崖とみなす。

建築基準法施行条例 第6条第3項

「宅造令」は、条例第6条第1項第1号アが定義しているとおり宅地造成及び特定盛土等規制法施行令(昭和37年政令第16号)のことです。崖の定義は、条例の中を探しても書かれていません。この政令にたどり着かないと、どこからが崖かが決まりません。

2mを超える・30度を超える
2mを超える・30度を超える

2mを超える・30度を超える

この政令において、「崖」とは地表面が水平面に対し三十度を超える角度をなす土地で硬岩盤(風化の著しいものを除く。)以外のものをいい、「崖面」とはその地表面をいう。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行令 第1条第1項

押さえるところは3つです。①勾配は「三十度を超える」——30.0度ちょうどは当たりません。②高さは条例側で「2メートルを超える」——2.0メートルちょうども当たりません(「以上」ではありません)。ちょうどで外れるのは、距離の義務だけです(府の第6条、京都市では市の第7条)——崖崩れ等による被害を受けるおそれがあれば、建築基準法第19条第4項による安全上適当な措置は別に残ります。③硬岩盤(こうがんばん。風化の程度を含め、該当するかどうかは地質資料・調査で確かめます)(風化の著しいものを除く)は、そもそも「崖」から外れます——ただし風化が著しければ、その岩は崖に当たり得ます。

③を、自分で判定しないでください。目の前の斜面が硬岩盤か、風化が著しいか——これは見ただけでは決まりません。土質を調べて図にするのは地盤調査と建築士、条例の当てはめを判断するのは、あとに出てくる建築行政の窓口です。

段になった斜面は、1つの崖に数えられることがあります

3 小段その他の崖以外の土地によつて上下に分離された崖がある場合において、下層の崖面の下端を含み、かつ、水平面に対し三十度の角度をなす面の上方に上層の崖面の下端があるときは、その上下の崖は一体のものとみなす。

宅地造成及び特定盛土等規制法施行令 第1条第3項

条例第6条第3項は、この規定を名指しで引いて「上下の崖は、一体の崖とみなす」と書いています。途中に平らな段があっても、1つの崖として高さを数える場合があるということです。どこまでを1つの崖と数えるかで、高さが変わります。かかる距離も変わります。ここは目測では決まりません——現況の測量図と断面図が要ります。

かかる範囲は「崖の高さの2倍」——起点が、崖の上と下で入れ替わります

崖の上に建てるときは
崖の上に建てるときは

第6条 高さ2メートルを超える崖に近接して建築物を建築するときは、当該建築物と崖との間に、崖の上にあつては崖の下端から、崖の下にあつては崖の上端から、崖の高さの2倍以上の水平距離を保たなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

建築基準法施行条例 第6条第1項(本文)

先に言葉を決めておきます。下端(かたん)は、崖の斜面がふもとで下の地面と接するところ。上端(じょうたん)は、崖の斜面が上の平らな地面と接するところです。断面図の上で、どこが下端でどこが上端かが決まります。

上に建てるなら下端から
上に建てるなら下端から

崖の上に建てるなら、起点は「崖の下端」です。崖の下に建てるなら、起点は「崖の上端」です。言いかえると、起点は、いつも自分がいる側とは反対側の端です。

崖の下に建てるときは
崖の下に建てるときは
下に建てるなら上端から
下に建てるなら上端から
建てる位置距離の起点保つ距離
崖の上に建てる崖の下端から崖の高さの2倍以上
崖の下に建てる崖の上端から崖の高さの2倍以上

崖の上に建てるとき、起点を取り違えると、必要な水平距離を長く見積もります。崖の上に建てるなら、測り始めるのは手前の上端ではなく、向こう側の下端です。府の解説集の図は、規制範囲2Hを下端から引いています——斜面の水平幅も、必要な水平距離に含めて数えます(斜面の水平幅=上端と下端の水平のへだたり)。手前の上端から2倍を取ると、斜面の水平幅のぶんだけ余計に離すことになり、土地に余裕があるのに、あきらめてしまいます。崖の下に建てるときも同じです——起点は上端で、やはり斜面の水平幅が中に入ります。崖は「三十度を超える」ものなので、斜面の水平幅は、崖の高さの約1.73倍より小さくなります(30度ちょうどで約1.732倍。角度が急になるほど短くなります)——2倍の範囲には収まり、上端から先にも、まだ離す距離が要ります。高さ2メートルを少し超える崖なら、下端から4メートルあまり。高さ5メートルの崖なら、下端から10メートルです。上端から先に何メートル離すことになるかは、測量図と断面図の上で決まります。

府が公表している解説集は、測り方と範囲について2つ書いています。ひとつは、距離は「外壁の外面までの距離とする」——壁の外側の面までを測ります。もうひとつは、「崖に接していない敷地であっても、規制範囲内であれば、制限を受ける」——崖が隣の土地にあっても、範囲に入ればかかります。

義務の形は「離す」です——擁壁は、距離が要らなくなる手段のひとつ

何メートル離せばいい?
何メートル離せばいい?

条文が命じているのは「水平距離を保たなければならない」です。「擁壁を設けなさい」とは書いていません。擁壁(ようへき=崖の土が崩れないように留めるコンクリートなどの壁)は、このあとに出てくるただし書の選択肢のひとつとして現れます。

この土地の擁壁を検討する方へ

「安全な擁壁」の図面と構造計算書を、当社でご準備できます。工場で造る鉄筋コンクリートのL型擁壁「土のねっこ」(高さ500〜3,000mm)。高さ1メートル以下なら「土地分け丸」。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。この条に合うかどうかは、窓口で決まります。

当社は擁壁のメーカーです。工事は施工業者さんにお願いしています(地域によっては、業者さんのご紹介もできます)。図面が無ければ、段差の高さと長さ、現場の写真と住所から始められます。

土のねっこの製品ページ → 図面か現場の情報を送って、使える製品と概算を聞く(無料)

崖の高さの2倍以上離します
崖の高さの2倍以上離します

崖の高さの2倍以上離します

順に確かめます。①まず、第2項の適用除外に当たるか。許可を受けた工事として造られた崖なら、第1項そのものがかかりません(許可の内容に適合するものに限ります。第2項は、このあとの節で読みます)。②当たらないなら、第1号の建築物か、第2号の建築物か——土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の中で居室を有する建築物かどうかで、使える道が分かれます。③第6条だけを見れば、2倍の距離を取れば本文に適合します。ただし、レッドゾーン内で居室を有する建築物には令第80条の3が別に残ります。建築基準法第19条第4項なども、条件に応じて別に確認します。④取れないなら、第1号ならア〜オ、第2号ならア・イのいずれかに当てはめる。どれにも当てはまらないときは、その配置案では第6条に適合しません——配置を変える、第2項の適用を調べる、安全対策を変える余地は残ります。

ここで、名前のよく似た2つを分けておきます。土砂災害警戒区域(イエロー)と土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)は、「特別」の2字しか違いませんが、別のものです。この記事で「レッドゾーン」と書くのは、「特別」が付くほうだけです。第1項第2号がかかるのも、レッドゾーンのほうだけです。

自分の土地がどちらかは、目で見ても分かりません。どちらでもないこともあります。京都府の土砂災害警戒区域等指定箇所情報で、市(区)町村を選ぶと、指定箇所の一覧と区域図が見られます。ただし府自身が「本ページで提供する警戒区域等の区域図は、警戒区域等の境界を明示するものではありません」と断り、不動産取引の資料とするものは、府の砂防課・区域を所管する土木事務所・市(区)町村の窓口で必ず確認するようにと書いています。土地を買う前なら、不動産会社にも「この区域に入るか」を確かめてください。

ただし書に適合すれば、第6条の2倍の距離の義務が外れます——建てられるかは別に確認

距離が取れないときは?
距離が取れないときは?
ただし書に当たれば外れます
ただし書に当たれば外れます

ただし書に当たれば外れます

2倍の距離が取れなくても、ただし書に適合する計画が成立すれば、第6条の距離の義務が外れます。建築できるかは、ほかの規制を含めて別に判断します。条件は3つです。ひとつ、第1項ただし書に当てはまること——第1号ならア〜オ、第2号ならア・イのいずれかです(次の節で全文を引きます)。ふたつ、その当てはめを、確認申請などで確かめてもらうこと。オ(安全上支障がないとの認定)だけは、別に認定申請が要ります。みっつ、第6条第1項の距離の義務が外れても、ほかの規制は別に確認すること——建築基準法第19条第4項の措置、土砂災害の区域の規制、災害危険区域の規制は、この条例とは別に残ります。

建物の外壁を固める道だけではありません。建物と崖のあいだに門または塀を置く道もあります。ただし、使う号が2つに分かれます。①レッドゾーン内で居室を有する建築物以外で、崖の下に建てる場合は第1号エ(イ)——「(ア)に規定する構造方法を用いる外壁等と同等以上の耐力を有する門又は塀」を、想定される衝撃を遮るように設けたときです。高さや大臣が定めた構造方法の要件は書かれていません。②レッドゾーン内で居室を有する建築物は第2号イ——令第80条の3ただし書のほうで、こちらには高さと構造方法の要件が付きます(次の節で読みます)。

レッドゾーン内で居室を有する建築物以外——第1号ア〜オの5つです

ア〜オの5つを使うのは、第1項第2号に当たらない建築物です。レッドゾーンの外の建築物と、レッドゾーンの中でも居室(居住・執務・作業などに継続して使う部屋。住宅なら、ふつう当てはまります)のない物置や車庫は、このア〜オで判断します。レッドゾーンの中で居室のある建物を建てるなら、使えるのは第1項第2号のア・イです。

この第1号は、冒頭で「次号に規定する建築物を建築する場合以外の場合にあつては」と区切っています。レッドゾーン内で居室を有する建築物は、この5つを使えません——次に出てくる第2号のア・イで判断されます。それ以外の建築物は、ア〜オのどれかに当てはまれば、2倍の距離の義務は外れます。

(1) 次号に規定する建築物を建築する場合以外の場合にあつては、次のいずれかに該当するとき。
ア 崖面が宅地造成及び特定盛土等規制法施行令(昭和37年政令第16号。以下「宅造令」という。)第8条第1項第1号イからハまでのいずれかに該当するとき。
イ 崖面が鉄筋コンクリート造又は間知石練積み造その他これらに類する構造の擁壁で、宅造令第9条から第12条までに規定する技術的基準に適合するものにより保護されたとき。
ウ 崖の上に建築物を建築する場合で、当該建築物の基礎を鉄筋コンクリート造の布基礎その他これに類するものとし、かつ、崖の下端から30度の角度をなす面の下方に当該基礎の底(杭基礎にあつては、杭の先端)を設けたとき。
エ 崖の下に建築物を建築する場合で、次のいずれかに該当するとき。
(ア) 当該建築物の外壁及び構造耐力上主要な部分(崖の崩壊(崖である土地が崩壊する自然現象をいう。以下同じ。)による衝撃が作用すると想定される部分に限る。以下「外壁等」という。)が、当該衝撃が作用した場合においても破壊を生じない構造方法を用いるものであるとき。
(イ) (ア)に規定する構造方法を用いる外壁等と同等以上の耐力を有する門又は塀を、崖の崩壊により当該建築物の外壁等に作用すると想定される衝撃を遮るように設けたとき。
オ その他特定行政庁が安全上支障がないと認めるとき。

建築基準法施行条例 第6条第1項ただし書 第1号

先に、引用の最後に出てきた言葉を1つ。特定行政庁(とくていぎょうせいちょう)は、役所ではなく人です——建築主事または建築副主事を置く市町村の区域ではその市町村長、それ以外の区域では都道府県知事をいいます(建築基準法第2条第35号)。同号にはただし書があり、限定特定行政庁の区域内の政令で定める建築物については都道府県知事が特定行政庁です。京都府内なら、京都市長・宇治市長か、京都府知事です。ただし、京都市の区域には、この条例そのものが適用されません(第20条。かわりに京都市建築基準条例の第7条が働きます。後述)——オの認定を出す先は、宇治市内なら宇治市長、それ以外の府の条例が適用される区域なら京都府知事です。

レッドゾーンでどんな構造が求められるかは、土砂災害特別警戒区域で求められる構造にまとめています(区域に入るかどうかの判定と、この条例の当てはめは、上の窓口で確かめてください)。

ア——崖面そのものが、政令の基準に当てはまるとき

宅造令第8条第1項第1号は、擁壁を設けなくてよい崖面を3つ挙げています。イは、切土(きりど=地面を削って低くすること。土を盛って高くするのが盛土=もりど)をした土地に生じる崖面で、土質に応じて2つの場合があります——①勾配が次の表の中欄の角度以下のもの、②勾配が中欄を超え、下欄の角度以下のもの(こちらはその上端から下方に垂直距離5メートル以内の部分に限られます)。ロは、土質試験その他の調査又は試験に基づき地盤の安定計算をした結果、擁壁の設置が必要でないと確かめられた崖面。ハは、同令第14条第1号により崖面崩壊防止施設が設置された崖面です。

土質擁壁を要しない勾配の上限擁壁を要する勾配の下限
軟岩(風化の著しいものを除く。)六十度八十度
風化の著しい岩四十度五十度
砂利、真砂土、関東ローム、硬質粘土その他これらに類するもの三十五度四十五度

この表は宅造令の別表第一(第八条、第三十条関係)で、欄の見出しも政令の原文どおりです。下欄の「擁壁を要する勾配の下限」は、「この角度から先は必ず擁壁が要る」という意味ではありません——中欄を超え、下欄の角度以下なら、その崖面の上端から下方に垂直距離5メートル以内の部分については、擁壁を設けなくてよいという読み方です(宅造令第8条第1項第1号イ)。条番号にも、注意が1つあります——府の解説集は、この表を「別表第1(第6条関係)」と書いています。現行の政令では第八条と第三十条に関係する表で、数値そのものは解説集と政令で一致しています。条番号を確かめるときは、政令の本文で見てください。

アには、経過措置が付いていた時期があります。令和5年京都府条例第5号の附則第2項は、盛土規制法の経過措置期間について、ア中「からハまで」とあるのを「又はロ」と読み替えると定めていました。その経過措置期間を決めているのは令和4年法律第55号の附則第2条第1項で、施行日から2年を経過する日まで、ただしその日までに新しい規制区域の公示があった区域では公示の日の前日まで、としています。読み替えが働いている間は、ハ(崖面崩壊防止施設)は使えません。京都府は、府内全域(政令指定都市である京都市を除く)を規制区域に指定したうえで、令和7年5月1日から制度の本格運用を開始したと公表しています(府の申請等マニュアル〈令和8年5月〉は「府内全域(政令指定都市である京都市を除く。)において規制区域を指定しております」と書いています。府の報道発表の見出しは「盛土規制法の本格運用開始について~府全域を規制区域に指定、5月1日から許可等の運用を開始~」ですが、同じ発表の参考欄に京都市は令和6年6月6日に規制区域の指定及び許可等の運用を開始とあります)。府はあわせて、令和7年4月30日までに改正前の宅地造成等規制法の許可を受けた者には令和7年5月1日以降も旧法が適用されるとも書いており、切り替わりは4月30日と5月1日のあいだです。したがって2025年5月1日以後は、ハも対象です。(府の解説集は経過措置の終わりを「本格施行の日(施行日から2年を経過した日又は新たな規制区域の指定日のいずれか遅い日)」と書いていますが、法附則の文言は「いずれか遅い日」ではありません——附則第2条第1項は、その日までに公示があった区域では公示の日の前日まで、つまり先に来るほうで切れると書いています。この記事は、法附則の文言に従いました。府が区域を指定したのは令和7年4月30日の京都府告示第262号で、その告示には「効力発生の期日 令和7年5月1日」と書かれています(京都府公報 号外第16号)。法附則がいう「公示の日」を、告示の日〈4月30日〉と読むか、効力発生の期日〈5月1日〉と読むかで、1日ずれます——その1日が効く計画は、府の窓口で確かめてください。)ハは、崖面崩壊防止施設が設置された崖面のことです。解説集に「イ又はロ」が出てくるのは、読み替えの前後を左右に並べた参考の対照表のほうで、条文そのものは「イからハまで」です。

イ——基準に適合する擁壁で、崖面が保護されているとき

擁壁があれば、いい?
擁壁があれば、いい?
基準に合う擁壁なら(第1号イ)
基準に合う擁壁なら(第1号イ)

基準に合う擁壁なら(第1号イ)

条文が挙げるのは鉄筋コンクリート造・間知石練積み造その他これらに類する構造の擁壁で、宅造令第9条から第12条までの技術的基準に適合するものです。第9条は鉄筋コンクリート造等の構造計算、第10条は練積み造の勾配・高さ・厚さ・根入れ(ねいれ=擁壁の底を地中に埋める深さ)、第11条は建築基準法施行令の準用を定めています。第12条は、壁面の面積3平方メートル以内ごとに、内径7.5センチメートル以上の水抜穴(陶管その他これに類する耐水性の材料)を少なくとも1個設け、擁壁の裏面の水抜穴の周辺その他必要な場所に、砂利その他の資材で透水層を設けることなどを定めています。

「擁壁があるから大丈夫」とは読めません。府の解説集は、擁壁で覆われた崖について「擁壁の安定計算を行った際の上載荷重を超える場合は、対策を講じる必要があります」と書き、宅造令第10条の練積み造の擁壁の上載荷重は5kN(キロニュートン。力の大きさの単位です)だと注記しています(解説集は、この注を第2項の適用除外——法律に基づく工事に係る崖——の説明のところに置いています)。上載荷重(じょうさいかじゅう)とは、その擁壁を設計したときに、擁壁の上に載ると見込んでおいた重さのことです。擁壁の上に建物や盛土を載せると、前提が変わります。すでにある擁壁については、いつ・どの基準で造られたものかを、設計者に確かめてもらってください。

ウ——崖の上に建てるとき、基礎を「30度の面」より下げる

基礎を鉄筋コンクリート造の布基礎その他これに類するものとし、崖の下端から30度の角度をなす面の下方に、基礎の底(杭基礎なら杭の先端)を設ける方法です。府の解説集は、この面を「影響ライン」と呼び、基礎から地盤に伝わった力が崖面に影響を及ぼさないことを目的としていますと説明しています。図示されている例は、基礎底を下げる方法と、杭基礎にして先端を下げる方法の2つです。さらに解説集は、同等の方法として、ラップルコンクリート地業や地盤改良工法の底を影響ラインより下げる方法も挙げています。

エ——崖の下に建てるとき、外壁等を壊れない構造にする

崖の崩壊による衝撃が作用すると想定される部分(条文は「外壁等」と呼びます)を、衝撃が作用しても破壊を生じない構造方法にするか、同等以上の耐力を有する門又は塀で衝撃を遮るかの、どちらかです。府の解説集は当てはめ方の例として、その土地に作用する力の大きさと高さを知事が定めた数値とみなし、建築基準法施行令第80条の3の基準に適合させる方法を挙げています。

この例を使うときに、数値の探し方で引っかかります。数値は、府が土砂災害の区域を指定したときに公表する公示図書(=指定した区域と、その区域に作用する力の大きさ・土石等の高さを載せた図面と書類)に載っています。府の解説集は、レッドゾーンとイエロー(土砂災害警戒区域)が混在する公示図書にはその土地に作用する数値が記載されていますと書き、いっぽう「土砂災害警戒区域(イエロー)のみの公示図書には、当該地に作用する数値は記載されていません。土質調査等により検討を行ってください」としています。イエローだけの土地では、数値を自分で拾うことはできません。

オ——その他、安全上支障がないと認められるとき(認定申請が要ります)

オは、特定行政庁(建築基準法第2条第35号。建築主事または建築副主事を置く市町村の区域ではその市町村長、それ以外の区域では都道府県知事をいいます。同号のただし書に、一部の建築物を都道府県知事とする例外があります)が安全上支障がないと認めるときです。京都府の相談窓口のページは所管を「京都市・宇治市を除く」としており、この2市は自分で建築確認を扱っています。ここは自動では外れません。府の解説集は「細則様式により、認定申請が必要」と明記しています。書式は、窓口で分かれます。京都府が所管する区域では、京都府建築基準法施行細則(第3条の2第9項)の別記第2号様式(申請書)に、別表第1の2の表の3の項に規定する図書(付近見取図・配置図・各階平面図・2面以上の立面図・2面以上の断面図と、崖又は擁壁の断面図)と別記第4号様式(調書)を添えて、土木事務所の長に。宇治市では、宇治市建築基準法施行細則(第5条第7項)の別記様式第8号の2(申請書)に、細則第4条第1項に規定する図書と縮尺50分の1以上の崖又は擁壁の断面図、別記様式第2号の2(調書)を添えて、市長に出します。細則が「認定を受けようとする者」と書いているとおり、出すのは認定を受ける本人ですが、断面図をそろえるのは設計者の仕事です——まず建築士に相談してください。

解説集が挙げる例は2つです。ひとつは、崖崩れによる被害の防止を目的とした法律に基づき、対策工事が施された崖の下方に建てる場合——急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づく急傾斜地崩壊防止施設と、地すべり等防止法に基づく地すべり防止施設が挙がっています。もうひとつは「その他、個別に安全上支障がないと認められるもの」です。

土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)で居室のある建物を建てるときは、第1項第2号です

レッドゾーンで家を建てる?
レッドゾーンで家を建てる?

(2) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第9条第1項に規定する土砂災害特別警戒区域内に居室を有する建築物を建築する場合にあつては、次のいずれかに該当するとき。
ア 当該建築物が令第80条の3に規定する構造方法を用いるものであるとき。
イ 令第80条の3ただし書の場合に該当するとき。

建築基準法施行条例 第6条第1項ただし書 第2号

令第80条の3の構造基準に適合すれば、第6条の2倍の距離の義務は外れます——第6条第1項については、原則として建てられます。ただし、建築できるかは、ほかの規制を含めて別に判断します。崖の数え方(第6条第3項)は、そのまま残ります——上下に分離された崖は一体とみなし、宅造令第1条第1項の定義で数えます。外し方は、建物の外壁と構造耐力上主要な部分を、知事が定めた土石等の力と高さに耐える構造(令第80条の3の構造方法)にする道と、門または塀で衝撃を遮る道(令第80条の3ただし書)の2つです。この構造の規制そのものは、距離を2倍取っていても残ります。設計は建築士の仕事で、工事費も別に要ります。災害危険区域・土砂災害の区域・法第19条第4項は別に確認してください。

令第80条の3の構造なら外れる
令第80条の3の構造なら外れる

土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の中で、居室(きょしつ=居住・執務・作業などに継続して使う部屋)を有する建築物を建てる場合は、第1号のア〜オではなくこの第2号で判断されます。アは、建築基準法施行令第80条の3に規定する構造方法を用いるとき。イは、同条ただし書の場合——土石等の高さ等以上の高さがあり、外壁等と同等以上の耐力を有するものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いる門又は塀を、衝撃を遮るように設けた場合です。高さと置き場所だけでは足りません。第1号エ(イ)の門又は塀とは、要件が違います——第1号エ(イ)には、高さの定めも、大臣が定めた構造方法という限定もありません。

これは「規制が軽くなる」という意味ではありません。令第80条の3は、レッドゾーン内で居室を有する建築物の外壁及び構造耐力上主要な部分の構造を、知事が定めた最大の力の大きさ等と土石等の高さ等に応じて定めるものです。令第80条の3は、レッドゾーンの指定によって、居室を有する建築物に別に適用されます。2倍の距離を取って第6条本文に適合していても、この構造の規制は残ります。第1項第2号は、その構造基準に適合することを、距離の義務を外すための条件にしているだけです。府のページは、この区域について「都市計画区域外であっても建築確認の対象となる場合があります」とも書いています。レッドゾーン内の居室を有する建築物について、令第80条の3に対応する2つの方法——外壁等(外壁・構造耐力上主要な部分のうち、土石等の高さ等以下で、土砂災害の原因となる自然現象〔河道閉塞による湛水を除く〕により衝撃が作用すると想定される部分)を所定の構造にするか、土石等の高さ等以上の高さで、外壁等と同等以上の耐力を有するものとして国土交通大臣が定めた構造方法による門・塀を、衝撃を遮るように設けるか——と、改修への補助の枠組みは、レッドゾーンの家と土地で整理しています。

盛土規制法・都市計画法の許可を受けた工事でできた崖には、第1項がかかりません(第2項)

造成地の崖なら関係ない?
造成地の崖なら関係ない?

2 前項の規定は、次の工事に係る当該崖については、適用しない。
(1) 宅地造成及び特定盛土等規制法(昭和36年法律第191号)第12条第1項の規定による許可に係る宅地造成等に関する工事として行われた崖の工事(当該許可の内容(同法第16条第4項の規定によりその内容とみなされるものを含む。)に適合するものに限る。)
(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第29条第1項又は第2項の規定による許可に係る開発行為に関する工事として行われた崖の工事(当該許可の内容(同法第35条の2第5項の規定によりその内容とみなされるものを含む。)に適合するものに限る。)

建築基準法施行条例 第6条第2項

条文が挙げているのは2つだけです。盛土規制法第12条第1項の許可に係る宅地造成等に関する工事、または都市計画法第29条第1項・第2項の許可に係る開発行為に関する工事——その工事として行われた「当該崖の工事」に限られます。盛土規制法第30条第1項の許可は、府の条例には書かれていません。さらに括弧書きに「当該許可の内容に適合するものに限る」とあります。許可を受けた土地だから外れる、ではありません。その崖が、その許可を受けた工事として造られ、許可の内容どおりであることが要ります。外れるのはその崖についてだけです。

許可どおりの崖は第1項が外れる
許可どおりの崖は第1項が外れる

令和5年京都府条例第5号の附則第3項は、改正前の宅地造成等規制法の宅地造成工事規制区域の中で、同法第8条第1項本文の許可を受けて行われた崖の工事も、第2項第1号に掲げる工事とみなすと定めています。古い法律の許可で造られた崖も、この道に乗り得ます——ただし、いつの許可でどの内容かは、書類で確かめる話です。

京都府(京都市を除く)には、条例で規制する「崖」に含めない運用があります——ただし、条文ではありません

道路や堤防の下でも、かかる?
道路や堤防の下でも、かかる?

先に打ち消しから書きます。次の表は条例の条文ではなく、府が示している運用です。解説集自身が、一覧のすぐ前に「しかし、現地の状況に応じて安全上適当な措置を講じることが望ましいです」と書いています。あなたの土地の斜面がこの4つに当たるかどうかも、窓口で確かめる話です。そのうえで——府の解説集は、施設の性格上その管理について安全の確保に関する措置がなされると考えられるものについて、「運用上、条例で規制する『崖』に含まないものとします」としています。挙がっているのは次の4つです(法面=のりめん。切土や盛土でできた人工の斜面のこと)。

運用で「崖」に含めない4つ
運用で「崖」に含めない4つ
施設名条例で規制する「崖」に含まない場合
道路区域内の法面(道路法)切土した法面等の下方に建築する場合
河川区域内の堤防、護岸(河川法)堤防又は護岸の下方に建築する場合
軌道敷きの法面(鉄道事業法、軌道法)軌道敷きの法面の下方に建築する場合
港湾護岸施設(港湾法)RC造等の護岸に近接して建築する場合

この4つは、京都府(京都市を除く)の運用です。京都市にも同じ趣旨の運用がありますが、挙がっているのは3つ(道路法・河川法・鉄道事業法/軌道法)で、港湾法がありません。しかも条件が重く、擁壁の下部に建てる場合に限り、適切に維持保全され、健全性が保たれているもの(傾きやひび割れ等がないもの)だけが「崖に当たらない」とされています(市のQ8)。市は、擁壁の上部に建てる場合については、築造時の想定以上の荷重が擁壁にかかる可能性があるとして、管理者への確認や構造上の安全性の確認が必要と書いています。

罰金の名宛人は原則、設計者。違反建築物には、建築主・所有者らへ除却等の是正命令が出ることがあります

守らないと、どうなりますか
守らないと、どうなりますか

第25条 第2条から第19条まで(第7条、第10条及び第18条を除く。)の規定に違反した場合におけるその建築物、工作物又は建築設備の設計者(設計図書を用いないで工事を施行し、又は設計図書に従わないで工事を施行した場合においては、当該建築物、工作物又は建築設備の工事施行者)は、20万円以下の罰金に処する。

建築基準法施行条例 第25条第1項

第6条は「第2条から第19条まで」の中にあり、除かれている第7条・第10条・第18条には入っていません。つまり第6条違反は、この罰則の対象です。名宛人(なあてにん=この罰則を受ける人)は原則、設計者——設計図書を用いずに、または設計図書に従わずに工事を施行した場合は工事施行者です。

罰金は20万円以下。原則設計者
罰金は20万円以下。原則設計者

第25条第2項は、その違反が建築主・工作物の築造主・建築設備の設置者の故意によるものであるときは、設計者または工事施工者を罰するほか、建築主等にも同じ刑を科すると定めています。第26条は両罰規定です。法人の代表者、または法人・人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第25条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人にも第25条の刑を科します。

もうひとつ、落としやすいところがあります。法第85条第6項・第7項等の許可を受けた仮設建築物でも、第6条が残る場合があります。条例第21条は、法第85条第6項・第7項や法第87条の3第6項・第7項の許可を受けた仮設建築物等について第6条の2第1項・第9条・第14条から第18条までを適用しないと定めていますが、この列挙に第6条は入っていません。ただし、法第85条第1項・第2項の仮設建築物には、別の適用除外があります——第1項は、非常災害区域等の中で、災害の発生した日から1月以内に工事に着手する応急仮設建築物等について、建築基準法令の規定(法・命令・条例)を適用しないとしています(防火地域内に建築する場合を除く)。第2項は、災害時の公益上必要な応急仮設建築物や、工事を施工するために現場に設ける事務所・下小屋・材料置場等について、法第40条を含む多くの規定を適用しないとしています(法第6条から第7条の6まで、第19条、第39条、第40条、第3章の規定など)。この条例の第6条は、法第40条にもとづくものです。

是正命令は、建築主・所有者などが相手方になり得ます(法第9条第1項)

罰金の名宛人が原則として設計者でも、是正命令の相手方は別です。建築基準法第9条第1項は、違反した建築物・敷地について、建築主、工事の請負人(下請人を含みます)、現場管理者、建築物または敷地の所有者・管理者・占有者に対して、工事の施工の停止を命じ、または相当の猶予期限を付けて除却(じょきゃく=取り壊し)・移転・改築・使用禁止その他の是正に必要な措置を命ずることができる、と定めています。故意は要件ではありません。設計者は、設計者であることだけでは名宛人に挙げられていませんが、設計者が現場管理者を兼ねていれば名宛人になり得ます。命令に違反した場合は、法第98条第1項第一号により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。

この記事が扱っているのは、これから建てる場合です(新築・増築・改築・移転)。すでに建っている建物に、この条例がどうかかるかは扱っていません——気になる場合は、この記事に書いた窓口へお尋ねください。京都市には、既存不適格(きそんふてきかく=建てたときは適法だったのに、あとからできた規制に今の姿が合わなくなっている状態)の建築物についての定めが1つあります(後述の第43条の4)。

第6条(京都市では第7条)の距離の義務が外れても、崖崩れ等による被害を受けるおそれがあれば建築基準法第19条第4項の措置が要ります

距離が外れれば安心ですか
距離が外れれば安心ですか

距離が外れれば安心ですか

4 建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない。

建築基準法 第19条第4項

この規定は、京都市の中か外かを問わず働きます。(法第85条の応急仮設建築物など、法が適用されない場合を除きます。)条例の第6条に当たらない土地でも、崖崩れ等による被害を受けるおそれがあるなら、擁壁の設置その他安全上適当な措置が要ります。求められているのは擁壁だけではなく、「その他安全上適当な措置」を含みます。「2メートルを超えないから何もしなくてよい」とは読めません。おそれの有無も、どの措置で足りるかも、あなたが決めるものではありません——崖と地盤を調べて図にするのは建築士等、条例と法の当てはめを判断するのは所管の建築行政の窓口と申請先です。

法第19条第4項が残ります
法第19条第4項が残ります

京都市では、この条例は適用されません——2倍ちょうども不可。崖下に水路があれば、下端は水路の底

京都市でも同じですか
京都市でも同じですか

(適用除外)
第20条 京都市の区域については、この条例の規定は、適用しない。

建築基準法施行条例 第20条

京都市の区域では、かわりに京都市建築基準条例(平成13年4月5日条例第1号)の第7条(崖の付近の建築制限)が働きます。数字は同じ2メートル・30度・2倍ですが、条文の作りが違います。

京都市は市の条例 第7条です
京都市は市の条例 第7条です

京都市は市の条例第7条です

第7条 高さが2メートルを超える崖(地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地をいい、小段等によって上下に分離された崖がある場合において、下層の崖の下端から水平面に対し30度の角度をなす面の上方に上層の崖の下端があるときは、その上下の崖は、一体のものとみなす。以下同じ。)の下端及び上端からそれぞれ崖の方向に水平距離が当該崖の高さの2倍以内の位置に建築物を建築してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。

京都市建築基準条例 第7条(本文)

測る端は、府も市も同じです。市の条文は「下端及び上端からそれぞれ崖の方向に」と1文にまとめていますが、崖の上に建てるなら下端から、崖の下に建てるなら上端から——府と同じ測り方です。市が公表している解説の図も、規制を受ける範囲を崖上は下端から、崖下は上端から2倍とっています。違うのは、ちょうど2倍のときの扱いです。府は「2倍以上の水平距離を保たなければならない」——2倍ちょうどなら適合します。市は「2倍以内の位置に建築物を建築してはならない」——2倍ちょうども、建ててはならない範囲に入ります。市の区域では、2倍を超える必要があります。そして市には、下端の位置についての決めがあります。市の解説Q14は、崖下に水路や河川がある場合、水路底や河川底が崖の下端となるとしています。下端が水路の底まで下がるので、崖の高さも、必要な距離も大きくなります。水路の手前のふもとを下端にすると、短く測ってしまいます。

どこが京都府(建築基準法施行条例 第6条)京都市(京都市建築基準条例 第7条)
崖の定義条例には無く、宅造令第1条第1項による条文の中に書かれている
硬岩盤の除外政令の定義にあります(風化の著しいものを除く)条文に書かれていません
義務の形2倍以上の水平距離を保たなければならない(2倍ちょうどは適合)2倍以内の位置に建築してはならない(2倍ちょうども不可)
距離の起点崖の上なら下端、崖の下なら上端同じ(条文は「下端及び上端からそれぞれ崖の方向に」)
ただし書第1号ア〜オ、第2号ア・イ第1号〜第5号
レッドゾーン内で居室を有する建築物令第80条の3に適合すれば距離の義務が外れる(第1項第2号)第7条には、令第80条の3に適合するだけで義務を外す号がありません。本文の距離か、第1号〜第5号のただし書で第7条に適合し、そのうえで令第80条の3にも適合が要ります(市の解説「解釈1」)
罰金の上限20万円以下(第25条)50万円以下(第45条。正文の表記は「500,000円以下」)

市の第7条のただし書は5つです——①当該崖を含む土地の区域における宅地造成等に関する工事または開発行為について、盛土規制法第12条第1項・第30条第1項、または都市計画法第29条第1項の許可を受けたとき(崖面崩壊防止施設を設置するときを除く)、②急傾斜地崩壊防止工事により整備されているとき、③建築基準法施行令第138条第1項第5号の擁壁の基準に適合する擁壁その他これと同等以上の安全性を有する擁壁が設けられているとき、④崖の地表面が宅造令第8条第1項第1号イ又はロに該当するとき、⑤建築物の構造により安全上支障がないとき。①(許可を受けたとき)には、続きがあります。市の解説Q15は、旧宅地造成等規制法第8条第1項による許可を受けている場合も、市条例附則(令和6年3月29日条例第43号)第2項により①を使えるとしています——①〜⑤が6つに増えるのではなく、①として扱われます。古い許可で造られた擁壁がある土地では、①を見落とさないでください。このどれかに当てはまれば、第7条については原則として建てられます。ただし、災害危険区域・土砂災害の区域・法第19条第4項は別に確認してください。レッドゾーン内で居室を有する建築物は、第7条に適合したうえで、令第80条の3にも適合が要ります(市の解説「解釈1」)。

③の擁壁について、市が公表している解説は、関連する条文として令第138条第1項第5号・令第142条・平成12年建設省告示第1449号第3の3つを挙げ、「令第138条第1項第5号に該当し、令第142条の規定に適合する擁壁であり、検査済証が交付されている場合など」と書いています。令第138条第1項第5号は高さが2メートルを超える擁壁のことです。

その令第142条第1項は、道を2つ書いています。ひとつは同項各号の基準に適合する構造方法——腐食しない材料を用いた構造、水抜穴、構造計算などです。もうひとつは、これと同等以上に擁壁の破壊及び転倒を防止することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法。条文は、この2つを「又は」でつないでいます——大臣が定めた構造方法でなければならない、ということではありません。

①と③については、市の解説のQ9が答えています。許可や確認済証があることに加えて、検査済証等により許可または確認を受けた計画に基づき適切に施工されていることが確認でき、さらに設計者による現地調査により劣化等が生じておらず適切に維持保全されていることが確認できれば、ただし書の第1号または第3号に該当する場合がある——という書き方です。これらの確認ができないときは、既存擁壁の安全性を検討する等の対応が要ります。

⑤の「建築物の構造により安全上支障がないとき」について、市の解説は例を2つ示しています。崖の上に建てるときは、建築物の基礎等を崖の下端からの安息角をなす面より下方に設け、基礎部の応力と水平力が崖に影響を及ぼさないように計画する場合(安息角=あんそくかく。土砂を積み上げても崩れずに安定を保つ斜面の最大角度で、土質試験等によらない場合は30度)。崖の下に建てるときは、安息角をなす面より上方の土砂が崩壊したときに建築物または塀(いわゆる待受け擁壁)に生じる外力に対して、安全な計画とする場合です。待受け擁壁(まちうけようへき)は、崩れてきた土砂を受け止める壁のことです。

崩れてきた土砂を建物の手前で受け止める施設については、土砂災害特別警戒区域で求められる構造にまとめています(それがこの条の施設に当たるかは、窓口で確かめてください)。

ただし、同じ解説は⑤の崖下対策について、崖崩れによる被害を受けるおそれのある部分等には、原則として開口部(窓など)を設けられないとも書いています——解説の言い方は「崖崩れによる被害を受けるおそれのある部分等には、原則として開口部を設けることはできない」です。崖に面する一面すべてを禁じているのではありません。どの部分が「おそれのある部分等」に当たるか、そもそも⑤〜①のどの道が使えるかは、目で見ても決まりません——市の建築行政の窓口に、事前に相談してください。

京都市には、府に無い受け皿が1つあります。第7条について既存不適格(きそんふてきかく=建てたときは適法だったのに、あとからできた規制に今の姿が合わなくなっている状態)になっている建築物(法第3条第2項)について、大規模の修繕・大規模の模様替え・用途の変更のみを行う場合は、第7条を適用しないという規定です(第43条の4第1項。市のQ12も同じ)。増築・改築は、この規定に入っていません——増築・改築をするなら、第7条はかかります。

宇治市長が特定行政庁ですが、府の条例が適用されます

第20条が外しているのは、京都市の区域です。宇治市長が特定行政庁で、宇治市が建築確認を自分で扱いますが、条例そのものは府のもの、つまり第6条が適用されます。宇治市建築基準法施行細則の第1条も、「建築基準法施行条例(昭和35年京都府条例第13号)……の施行に関し必要な事項を定めるものとする」と書いています。宇治市で、条例第6条の当てはめや確認申請を相談する先は、宇治市の建築指導課です——宇治市宇治琵琶33番地、電話0774-20-8794。ただし、第2項の許可(盛土規制法第12条第1項・都市計画法第29条)を受けた崖かどうかは、山城北土木事務所の所管です。京都市の区域の相談先は、京都市の建築審査課です——都市計画局建築指導部、京都市中京区寺町通御池上る上本能寺前町488番地、電話075-222-3616(ファックス075-212-3657)。上に引いた市の解説(がけ条例のQ&A)も、この課が公表しているものです。

災害危険区域は、府の条例ではなく市の条例です(福知山市・舞鶴市)

(府が公表している一覧で確かめた範囲です)

建築基準法第39条は、地方公共団体が条例で津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定できると定めています。建築基準法施行条例には、災害危険区域の規定がありません。条例の全文を通しても、この語は出てきません。

府内で災害危険区域を指定しているのは市の条例で、府が公表している一覧に載っているのは福知山市と舞鶴市の2市です。条例は福知山市災害危険区域に関する条例(平成17年12月27日条例第128号)と舞鶴市災害危険区域に関する条例(平成18年3月30日舞鶴市条例第12号)です。2市とも、指定するのは一級河川由良川の流域で、理由は出水による危険が著しいこと——崖崩れではありません。崖のがけ条例とは別の制度です。福知山市は居住の用に供する建築物、舞鶴市は住居の用に供する建築物の建築を禁じ、どちらもただし書と、市長の認定の仕組みを置いています。区域の中身は、それぞれの市の窓口で確かめてください——福知山市は建設交通部 道路河川課(0773-24-7028)、舞鶴市は建設部 国・府事業推進課(0773-66-1047)です(府のページの部署名は古いままです。電話番号は同じで、部署名は2026年9月3日に各市の公式ページで確かめました)。

窓口は、府の7つの土木事務所です——市町村との事前協議が先です

どこに聞けばいい?
どこに聞けばいい?

府の入口ページ(建築基準等に関すること)は、相談窓口の一覧へのリンクを「相談窓口(京都市・宇治市を除く)」という文字で張っています。知事が特定行政庁となる市町村では、次の7か所が受け持ちます。

府の7つの土木事務所へ
府の7つの土木事務所へ
窓口(建築住宅課)所管する市町村電話
乙訓土木事務所向日市、長岡京市、大山崎町075-931-2478
山城北土木事務所城陽市、八幡市、京田辺市、久御山町、井手町、宇治田原町0774-62-2246
山城南土木事務所木津川市、笠置町、和束町、精華町、南山城村0774-72-9521
南丹土木事務所亀岡市、南丹市、京丹波町0771-62-0364
中丹東土木事務所舞鶴市、綾部市0773-42-8785
中丹西土木事務所福知山市0773-22-5144
丹後土木事務所宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町0772-22-2703

順番に、ひとつ落とし穴があります。府の建築確認申請のページは「京都府内(京都市、宇治市除く)で、建築物の確認申請を行う時は、建築行為を行う場所の市町村との事前協議を必ず行ってください」と書いています。先に市町村と事前協議、そのうえで確認申請です。事前協議済みの確認申請書の提出先は、京都府建築主事(各土木事務所建築住宅課)または指定確認検査機関(民間の確認検査機関)です。窓口の一覧は京都府の相談窓口のページにあります。

崖に近接するときは、確認申請に断面図と調書が要ります

京都府建築基準法施行細則の第4条第3号は、高さが2メートルを超える崖に近接する建築物であるとき、確認申請書に別表第1の4の表に規定する図書及び別記第4号様式による調書を添えなければならないと定めています。その表が求めている「崖又は擁壁の断面図」に明示する事項は、次のとおりです。

  • 縮尺
  • 崖の上端又は下端から建築物までの水平距離
  • 崖の高さ、勾配及び土質
  • 切土又は盛土をする前の地盤面
  • 崖面の保護方法
  • 擁壁の寸法及び勾配/裏込コンクリートの寸法/透水層の位置及び寸法
  • 擁壁を設置する前後の地盤面/基礎地盤の土質
  • 基礎ぐいの位置、材料及び寸法/水抜き穴の位置及び寸法

確認申請では、「崖の高さ、勾配及び土質」と「崖の上端又は下端から建築物までの水平距離」を、断面図に明示します——条例の当てはめは、この断面図の上で決まります。だから、目測では決まりません。

売買契約の前に、専門家と確かめること

いつ、誰に相談しますか
いつ、誰に相談しますか

この表は、自分で判定するためのものではありません——測って図にするのは建築士、条例の当てはめは所管の建築行政の窓口です。個別の判断は、建築士と窓口にご確認ください。

窓口に行く前に。擁壁の図面と構造計算書は当社が用意します。全国対応。大臣認定擁壁も手配できます。窓口には、その図面を持って行けます。 土のねっこ(L型擁壁) やまがみ(土砂待受擁壁) 擁壁を相談する ☎ 0120-1181-46

売買契約の前に動きます
売買契約の前に動きます
  • ①その土地は、京都市の中か、外か。中なら京都市建築基準条例の第7条で、窓口は京都市 建築審査課(075-222-3616)——市の解説Q11は「対象区域は京都市の全域である」としています。宇治市なら、府の条例で、窓口は宇治市建築指導課(0774-20-8794)
  • ②敷地の中や隣に、勾配30度を超え、高さ2メートルを超える崖があるか。目測ではなく、現況の測量図と断面図で
  • ③建てる位置が、崖の高さの2倍の範囲に入るか。起点は、崖の上なら下端、崖の下なら上端です。府は2倍以上あれば適合、京都市は2倍以内なら不可——ちょうど2倍のときに答えが分かれます。京都市で崖下に水路や河川があるときは、水路底・河川底が下端です(市の解説Q14)
  • ④崖が隣の土地にあってもかかります。敷地が崖に接していなくても、範囲に入れば同じです
  • ⑤距離が取れないなら、ただし書のどれに当てはめるか。オ(安全上支障がないとの認定)なら細則様式による認定申請が別に要ります
  • ⑥すでに擁壁があるなら、どの基準で造られ、上載荷重はいくつか。設計者による安全性の判断が要ります
  • ⑦売主に、擁壁の書類が残っているかを聞く——いつ・どの許可(または確認)で造られたか、確認済証・検査済証はあるか。契約後でも確認はできますが、購入判断や価格交渉に反映するため、契約の前に聞いてください
  • ⑧その土地が土砂災害警戒区域(イエロー)・土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)に入っていないか。府の土砂災害警戒区域等指定箇所情報と最新の公示図書で。ただし区域図は境界を明示するものではないので、最後は府の砂防課・所管の土木事務所・市(区)町村の窓口で
  • ⑨急傾斜地崩壊危険区域に入っていないか、崩壊防止工事は済んでいるか。これは公示図書では分かりません——府の砂防課または土木事務所で(京都市の解説Q4も、そう案内しています)
  • ⑩京都市・宇治市を除く府の所管区域では、確認申請の前に市町村との事前協議が要ります。提出先は府の建築主事(土木事務所建築住宅課)か指定確認検査機関です
  • ⑪宇治市では、確認申請を出す前に宇治市開発指導課の経由が要ります(宇治市宇治琵琶33番地 4階、電話0774-20-8926)。経由後に、指定確認検査機関か宇治市建築指導課へ提出します。市は「宇治市建築指導課または指定確認検査機関に建築確認申請の経由の手続をする場合は、必ず事前に開発指導課で手続をしてください」としています
  • ⑫第6条(京都市では第7条)の距離の義務が外れても、崖崩れ等による被害を受けるおそれがあれば、建築基準法第19条第4項の措置が別に要ります(おそれの有無を判断するのは建築士と窓口です)

確かめるのは、土地の売買契約を結ぶ前です。買ったあとでは、崖から離す配置や擁壁の費用を、土地の値段に織り込みにくくなります。すでにお持ちの土地なら、設計を始める前に。崖の高さと、崖からの距離は、現況の測量図と断面図がないと自分では判断できません——測量と図面は建築士に、条例の当てはめは所管の建築行政の窓口に、お尋ねください。どれくらい日数がかかるかは、崖の状態と計画で変わりますので、この記事では示せません。建築士と窓口に、最初に「いつごろ答えが出るか」を聞いてください——それが分かって初めて、売買契約の日取りを動かせます。

擁壁の形や寸法は、崖の高さ・土質・上に載る重さを見て、設計者が決めます——一般的な考え方は擁壁の選び方にまとめました。第6条に当てはまるかどうかは、この記事に書いた窓口で確かめてください。

出典

条文は2026年9月1日に、京都府例規集の本文(「令和7年4月1日施行」と表示されているもの)と、府が公表している条例本文のPDFの2つを突き合わせて確認しました。政令と法律は同じ日にe-Gov法令検索で確認しています。府の解説集(表紙の「令和6年7月8日 一部改正」と柱の「R6.07」)、京都市の崖の解説、府の宅地造成のページは、2026年9月2日にあらためて開いて確かめました。同じ日に、建築基準法第2条第35号と建築基準法施行令第142条、宅地造成等規制法の一部を改正する法律(令和4年法律第55号)の附則第2条第1項、建築基準法第6条第1項・第85条第1項及び第2項、京都府の盛土規制法に基づく申請等マニュアル(令和8年5月)、福知山市・舞鶴市の災害危険区域の条例本文も、それぞれe-Gov法令検索と各市の公表資料で読みました。2026年9月3日には、宅地造成及び特定盛土等規制法施行令(昭和37年政令第16号)の第1条・第8条・第12条、京都府例規集の建築基準法施行条例 附則(令和5年京都府条例第5号)第2項・第3項、京都市の「4(1)ウ がけ条例」のQ14・Q15と解釈1、京都府公報 号外第16号(令和7年4月30日)の京都府告示第262号、福知山市・舞鶴市の公式ページの部署名を、それぞれ原典で当て直しました。確かめきれていないことが3つあります。ひとつ、京都市の第7条第5号に、公表されている解説のほかに内規があるかは確かめていません。ふたつ、令和4年法律第55号の附則第2条第1項がいう「公示の日」が、告示の日(令和7年4月30日)か、告示が定める効力発生の期日(同年5月1日)かは、法令の文言からは決めきれませんでした——法第10条第6項は「指定は公示によつてその効力を生ずる」とだけ書き、施行規則第5条にも効力発生の日の定めがありません。この1日が効く計画は、府の窓口で確かめてください。みっつ、崖下に水路・河川があるときの下端について、府の解説集(令和6年7月8日改正版)の全文を2026年9月3日に検索しましたが、当たる記述は見当たりませんでした。上のQ14は京都市の解説です——府の区域で同じ扱いになるかは、所管の土木事務所で確かめてください。

京都府のレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)については、区域図の調べ方・建築の決まり・待ち受け擁壁・補助金・相談先を京都府のレッドゾーンのページにまとめています。

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