境界の印として据えたコンクリート(境界ブロック)に、ブロック塀を積むのは基本的にNGです。境界の印で、塀の基礎として造っていないからです。
これから境界を据えるなら、工場で造るコンクリートの基礎「土地分け丸」をお勧めします。あとで建てたい塀やフェンスに合わせて製品を選んで据えておけば、境界がそのまま塀やフェンスの基礎になります。境界から基礎へ出世するので、「出世基礎」と呼んでいます。
ブロック塀を建てるなら
境界コンクリートの上に、ブロック塀を建てられますか
基本的にNGです。境界コンクリートは、塀の基礎になっていません。
ほぼダメな理由は3つです。
- 境界コンクリートには、ふつう鉄筋が入っていません
- ブロック塀は、基礎から縦の鉄筋(縦筋)が出ていないと積めません
- あとから差した鉄筋を、ブロックの空洞の中で継ぐのは法令で禁じられています(建築基準法施行令第62条の6第2項。溶接など同じ強さの継ぎ方は除く)
基礎から鉄筋が出ていれば、それは境界コンクリートではなく、ブロック塀の基礎です。
国のブロック塀の点検のチェックポイントも、ひとつでも合わない所があれば危険だとしています。すでに境界コンクリートがある家のやり方は「もう境界がある家」に書いています。
【決まり】低い塀でも、基礎に鉄筋
- 高さによらず:基礎に横の鉄筋(横筋)を入れます(第3号)。縦の鉄筋(縦筋)は、基礎の横筋に引っかけるか、太さの40倍以上を基礎に埋め込みます(第6号)
- 高さ1.2mを超える塀:基礎の丈(高さ)35cm以上・根入れ(埋める深さ)30cm以上です(第7号)。控壁(塀の横から出す支えの壁)も要ります(第5号)
補強コンクリートブロック造の塀は、次の各号(高さ一・二メートル以下の塀にあつては、第五号及び第七号を除く。)に定めるところによらなければならない。(略)
建築基準法施行令 第62条の8(e-Gov法令検索、2026年10月23日閲覧)
三 壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径九ミリメートル以上の鉄筋を配置すること。
(略)
七 基礎の丈は、三十五センチメートル以上とし、根入れの深さは三十センチメートル以上とすること。
【差し筋】あとから差す鉄筋は弱点になる
境界コンクリートにあとから穴をあけて縦筋を差しても、基礎の中の横筋には引っかけられません。埋め込むなら、太さ10mmの鉄筋で40cm以上の深さが要り、境界コンクリートでは足りないこともあります。
擁壁の上に積む話ですが、あとから差す鉄筋が弱いわけは「大臣認定擁壁にブロックを積んで大丈夫?」にも書いています。
【低い塀】2〜3段も同じ形で
ブロック2段・3段の低い塀でも、当社は土地分け丸の高さ350mmの製品を、根入れ30cmで据えることをお勧めしています。1.2mを超える塀に法令が求める、丈35cm・根入れ30cmと同じ形です。倒れないかは、地盤と地域の風で計算します。
低い塀の基礎の決まりと計算は「ブロック2段・3段積みの基礎は?」にくわしく書いています。
当社の製品
ブロック塀・フェンス基礎「土地分け丸」
当社はコンクリート製品のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。図面が無ければ、手書きの絵と写真で大丈夫です。住所も添えてください。お電話は ☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)。
目隠しフェンスなら
目隠しフェンスなら、境界コンクリートに立てられますか
目隠しは基礎を計算して、倒れない大きさで立てます。
メッシュは風がすき間を抜けますが、目隠しは板で風を受けます。押された力は柱から基礎に伝わり、基礎が小さいと、基礎ごと倒れることがあります。
【高さ】目隠しは据え方で変わる
| 土地分け丸の据え方 | メッシュ | 目隠し |
|---|---|---|
| I型(板の形)高さ350mm・厚さ150か200mmを、根入れ300mm | 1,700〜1,800mm | 600mm |
| I+型かL型(底版付き)高さ600mm・厚さ200mmを、地上50mmまで埋める | 2,000mm以上 | 2,000mm以上 |
目隠しを高く立てたいときは、底版(地面の下の張り出し)の付いた高さ600mm・厚さ200mmの製品を、地上50mmまで埋めて据えます。これで2m以上の目隠しも立てられます。高さ350mmの板の形の製品なら、目隠しは600mmまでです。
立てたい高さとご住所をお問い合わせフォームから送っていただければ、当社で計算して、合う製品と据え方をお答えします。
【条件】風と地盤の前提
基準風速(設計に使う風の強さ)は、国の告示で地域ごとに30〜46m/sと決まっています(平成12年建設省告示第1454号)。表はその中の36m/sで、地表面粗度区分(まわりの建物などで風が弱まる度合い)はIIIです。まわりの建物が風をさえぎる分は見込んでいません。
地盤は一軸圧縮強度80kN/m²の粘性土(しっかりした粘土の地盤)、支柱は60mm角・間隔2mです。風の強い地域は、個別に計算します。目隠しフェンスの基礎は「【台風】目隠しフェンスはなぜ倒れる?」にくわしく書いています。
内側に別の基礎なら
境界コンクリートの内側に、別に基礎を造ればいいですか
造れますが、境界コンクリートの幅の分、庭が狭くなります。
境界コンクリートの内側に、もう1本基礎を並べます。塀やフェンスは新しい基礎の上に立つので、境界線から離れます。
【柱の基礎】四角い基礎も内側へ
柱ごとに四角い基礎を埋めるフェンスも同じです。柱を真ん中に立てる四角い基礎は、柱を境界線の上に立てると、基礎の半分がお隣へはみ出します。内側へ下げれば、その分だけ庭が狭くなります。
【造り直し】壊す費用もかかる
境界コンクリートを壊して、塀の基礎に造り直すこともできます。境界の工事が2回になります。
境界杭などの印を動かさないよう、お隣と話してから工事にかかってください。境界の位置がはっきりしないときは、土地家屋調査士さんに調べてもらえます。
【最初から】境界ぎわまで庭を使う
最初の境界が塀やフェンスの基礎になっていれば、別の基礎も造り直しも要りません。「土地分け丸」なら、壁の面を境界線に合わせて据え、その上に塀やフェンスを建てられます。
あとで基礎になる境界
境界を、あとで塀やフェンスの基礎にできますか
据える製品を選べば、境界がそのまま塀やフェンスの基礎になります。
- ブロック塀まで見込むなら:高さ350mm以上・厚さ150mmか200mmの製品を、根入れ30cmで
- 高い目隠しまで見込むなら:高さ600mm以上・厚さ200mmで底版の付いた製品を、地上50mmまで埋めて
高さ250mmの製品は境界コンクリート用で、ブロック塀の基礎には使えません。どこまで見込むかを伺って、当社で計算して製品をお選びします。
【生まれ】分譲のときは外構が決まっていない
分譲のときは、買う人が塀にするのか、フェンスにするのかが分かりません。境界を印として造ると、あとで塀を建てるとき、その上には積めないことがあります。
土地分け丸は、境界が、あとから塀の基礎に出世できるように開発しました。
【塀に】つなぎ目は基礎の中
基礎の中には、アンカー付きの鉄筋が入っています。その上のねじ穴(メスネジ)に、オスネジの縦筋をねじ込んでブロックを積みます。つなぎ目(継手)は、ブロックの中ではなく基礎の中です。ブロックの中で縦筋を継ぐことは、法令で原則として禁じられています(施行令第62条の6第2項)。
- 継手の強度は、公的試験機関で試験済みです
- ブロック塀の基礎の構造は、特許取得です
- 縦筋には、防錆鉄筋(溶融亜鉛めっき)をオプションでご用意しています
- 法令の上限(高さ2.2m)の塀まで使えます。1.2mを超える塀は、控壁(塀の横から出す支えの壁)を設けます
【フェンス】孔は工場であけられる
フェンスにするときは、基礎に柱を差す孔をあけて立てます。フェンスの場所が決まっていれば、孔を工場であけてお届けするので、フェンスの工事が早く進みます。決まっていないときは、ご相談ください。
塀そのもので目隠しをしたいなら、基礎と塀を工場で一体に造る「塀のねっこ」もあります。
当社の製品
ブロック塀・フェンス基礎「土地分け丸」
当社はコンクリート製品のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。図面が無ければ、手書きの絵と写真で大丈夫です。住所も添えてください。お電話は ☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)。
分譲業者さんへ
分譲地の境界に使うと、何がいいですか
早く据えられて、あとで塀の基礎になる境界として売り出せます。

【早い】並べる所は型枠が要らない
標準の2mの製品は、クレーン付きのトラックで据えて、埋め戻します。製品同士はピンでつなぎます。製品を並べる所は、現場でコンクリートを打つ境界のように、型枠を組んで固まるのを待ちません。
【書類】図面と構造計算書
「この境界に、目隠しは何mまで立てられるの?」と買う人に聞かれたり、根拠を聞かれても大丈夫です。計算書をお出しすることが出来ます。ブロック塀の基礎としても、フェンスの基礎としても計算でき、図面も当社でご準備できます。
【売り】区画の売り文句になる
据える製品を選んでおけば、「この分譲地の境界は、あとでブロック塀やフェンスの基礎になります」と案内できます。区画ごとに境界の位置がそろうので、あとで建てる塀やフェンスの位置も合わせやすくなります。
複数の区画・複数の現場を、同じ仕様で計画します。製造と配送は、数量と納入時期に合わせてご案内します。見積と簡易展開図(施工図)は無料です。
当社はコンクリート製品のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。
もう境界がある家
もう境界コンクリートがある家は、どうすればいいですか
境界コンクリートの上には積みません。内側に別の基礎を造るか、土地分け丸に据え替えます。
外構の業者さんに「上に積める」と言われたら、掘って深さを測ったのか、図面で見たのかを聞いてください。分譲した会社に境界の図面が残っていれば、もらっておくと話が早く進みます。
やり方は「内側に別の基礎なら」と「あとで基礎になる境界」に書いています。
【持ち主】線をまたぐなら、お隣と話す
境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。
民法 第229条(e-Gov法令検索、2026年10月23日閲覧)
境界標や障壁にあたる物が境界線の上にあれば、お隣との共有と推定されます。共有の物を大きく変えるには、お隣の同意が要ります(民法第251条)。境界コンクリートが境界線をまたいでいるなら、上に塀を建てる前も、撤去して据え替える前も、お隣と話しておいてください。
どちらに据えてあるかは、分譲した会社に聞くか、土地家屋調査士さんに調べてもらえます。
【据え替え】土地分け丸に替える
個人のお宅の1区画からご相談いただけます。境界コンクリートを撤去して、「土地分け丸」を据えます。
底版(地面の下の張り出し)の付いたI+型とL型は、壁の面を境界線に合わせ、底版を敷地の内側へ向けて据えます。境界線の外には出ません。
【いまの塀】まず外から見る
もう境界コンクリートの上にブロック塀が建っているなら、傾き、ひび割れ、ぐらつきがないかを外から見てください。異常があれば、塀に近づかず、すぐに建築士などの専門家に見てもらってください。
異常がなくても、根入れと鉄筋は建築士などに見てもらってください。国の点検のチェックポイントでも、この2つは、外から見る項目とは分けてあります。
<専門家に相談しましょう>
国土交通省「ブロック塀の点検のチェックポイント」(平成30年6月21日、別紙1)
□6.塀に鉄筋は入っているか
(略)
・基礎の根入れ深さは30cm以上か。(塀の高さが1.2m超の場合)
危ない塀の撤去に補助金を出す市町村もあります(ブロック塀の補助金 全国の窓口一覧)。対象になる塀は市町村で違うので、窓口で聞いてください。
見積の頼み方
見積を頼むには、何を送ればいいですか
図面が無ければ、手書きの絵と写真で大丈夫です。

見積と簡易展開図(施工図)は無料です。次のものを、お問い合わせフォームから送ってください。
- 手書きの絵:境界の線と長さ。あとで建てたい物(ブロック塀か、フェンスか。フェンスなら目隠しかメッシュかと、その高さ)
- 場所(住所)。その地域の基準風速は、こちらで調べます
- 境界のあたりの写真。段差があれば、その高さも
- 土の様子。分からなければ「分からない」で大丈夫です。地盤調査の結果があれば、それも
- 分譲地なら、区画の数と境界の長さの合計
個人のお宅の1区画からでも、分譲業者さんの複数の区画でも、ご相談いただけます。
当社の製品
ブロック塀・フェンス基礎「土地分け丸」
当社はコンクリート製品のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。図面が無ければ、手書きの絵と写真で大丈夫です。住所も添えてください。お電話は ☎ 0120-1181-46(平日9:00〜18:00)。
全国に配送します(沖縄・北海道・離島を除く)
建築基準法施行令 第62条の8(補強コンクリートブロック造の塀)・第62条の6第2項 e-Gov法令検索
民法 第229条(境界標等の共有の推定)・第251条(共有物の変更) e-Gov法令検索
国土交通省住宅局建築指導課「建築物の既設の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全点検について」(平成30年6月21日。別紙1=ブロック塀の点検のチェックポイント) 国土交通省のPDF
平成12年建設省告示第1454号(基準風速。地域ごとに30〜46m/s。9月29日閲覧)
当社の製品ページ 土地分け丸(寸法表・立てられるフェンスの高さと計算の条件・ブロック塀に使う・境界と土留めに使う)
