鳥取県の使用済物品放置防止条例は届出制 囲いは地盤面から1.8メートル以上、一面に内部が目視できる窓が要ります

鳥取県の使用済物品放置防止条例は届出制 囲いは地盤面から1.8メートル以上、一面に目視できる窓が要ります

鳥取県には、囲いの高さと材質を数値で決めた規則があります。地盤面より1メートル80センチメートル以上。素材は鋼製ネットフェンス、波形亜鉛引鉄板又はこれらに類するもの。そして使用済物品の荷重が直接かかる構造であるなら、その荷重に対して構造耐力上安全であること

施行は2016年(平成28年)4月1日です。千葉県や茨城県より8年早く、囲いに数字を入れていました。

ただし、この条例を「ヤードを届け出る制度」だと思って読むと、間違えます。入口は場所ではなく、です。そして普通乗用車の廃車体は、対象物の列挙に含まれません。車両で入るのは、農業機械に該当する自動車、原動機付自転車、二輪の小型自動車・軽自動車です。

この記事は、条例・施行規則の条文と、県と鳥取市が共同で出している事業者用手引き(令和6年3月版)の記載を、順にたどります。

「放置を防止する」条例です

正式には「鳥取県使用済物品等の放置防止に関する条例」(平成27年12月24日鳥取県条例第54号)。目的の条文はこうです。

第1条 この条例は、使用済物品等の放置を防止するために必要な事項を定めることにより、美しく快適で安全な生活環境を保全することを目的とする。

リサイクルの促進でも、資源循環でもありません。目的語は「放置を防止する」です。ここを取り違えると、条文の読み方がずれます。

施行日には、ひとつ仕掛けがあります。

1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。ただし、第4章の規定は、同年7月1日から施行する。

第4章は罰則です。義務は4月から、罰則だけ3か月遅れて7月から。制度を始めるときの猶予でした。いまはどちらも施行済みです。

届け出るのは「場所」ではなく「業」です

届け出るのは場所ではなく業です
届け出るのは場所ではなく業です

第7条 使用済物品回収業を営もうとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめ次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。

許可ではありません。届出です。そして届け出るのは「使用済物品回収業を営もうとする者」——つまり事業者であって、保管場所ではありません。

使用済物品回収業とは何か。定義はこうです。

(2) 使用済物品回収業 使用済物品の収集又は運搬を行う事業をいう。ただし、次に掲げる事業を除く。
ア 貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)第2条第1項に規定する貨物自動車運送事業
イ 使用済物品をそのまま又は修理を行ってその本来の用途に供する者へ販売することを目的として収集を行う事業

ここが、ほかの県と根本的に違います。千葉県も茨城県も福島県も、ヤードという場所の存在を入口にしています。鳥取県は収集又は運搬という行為が入口です。

ですから、保管場所を持っていなくても、収集や運搬を業として行うなら届出が要ります。手引きにも「県内では収集運搬のみで保管場所がない場合は、その旨を記載すれば、保管場所の具体の内容の記載及び添付書類は不要です」とあります。

逆に言えば、囲いなどの保管基準は、届出をした回収業者が屋外保管をするときに、あとからかかる基準という位置づけになります。

ここでいう除外は、「使用済物品回収業」という定義そのものからの除外です。この2つのほかにも、廃棄物はそもそも「使用済物品」の定義から外れていますし、あとで出てくる有害使用済機器の特例(第15条)もあります。条例全体の適用除外が2つしかない、という意味ではありません。

定義上の除外の2つめは、読み方に注意が要ります。「そのまま又は修理を行ってその本来の用途に供する者へ販売することを目的として」です。中古品として売ればいい、という話ではありません。売り先が「本来の用途に供する者」であることが条文の要件です。

届け出る中身は6項目。

(1) 氏名又は名称及び住所又は所在地並びに法人にあっては、その代表者の氏名
(2) 収集又は運搬を行う使用済物品の品目及び数量
(3) 収集又は運搬を行う区域
(4) 使用済物品を保管する場所、期間及び方法
(5) 使用済物品回収業を継続して営むための事業計画
(6) その他規則で定める事項

保管場所は、6つのうちの1つです。そして第5号に事業計画が入っています。添付書類には「使用済物品回収業の開始後3年間の予想損益計算書」まで求められます。

放置を防ぐには、事業が続くかどうかを見る。そういう発想の条文です。この連載で読んだほかの条例は、施設の構造と生活環境保全措置を審査するものが多く、そこと視点が違います。

対象は8類型。普通乗用車は入りません

普通乗用車の廃車体は入りません
普通乗用車の廃車体は入りません

何が「使用済物品」なのか。ここが鳥取県でいちばん間違えやすいところです。

(1) 使用済物品 次に掲げる物品であって、一度使用されたものをいう。ただし、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号。以下「廃棄物処理法」という。)第2条第1項に規定する廃棄物(以下「廃棄物」という。)を除く。
ア 道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項に規定する自動車であって、農業機械に該当するもの
イ 道路運送車両法第2条第3項に規定する原動機付自転車
ウ 道路運送車両法第3条に規定する小型自動車及び軽自動車であって、二輪のもの(側車付きのものを含む。)
エ 道路運送車両法第2条第2項に規定する自動車のタイヤ
オ 道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第11号の2に規定する自転車
カ 特定家庭用機器再商品化法(平成10年法律第97号)第2条第4項に規定する特定家庭用機器
キ 使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(平成24年法律第57号。以下「小型家電リサイクル法」という。)第2条第1項に規定する小型電子機器等
ク アからキまでに掲げるもののほか、金属及び金属以外の材料のいずれもが含まれる物品であって、放置されると生活環境が悪化するおそれがあるものとして規則で定めるもの

アをよく読んでください。「自動車であって、農業機械に該当するもの」です。

自動車として条例が拾うのは、農業機械に該当する自動車(トラクターなど)、原動機付自転車、二輪の小型自動車・軽自動車の3つだけ。普通乗用車の廃車体は、この条例の「使用済物品」の列挙には含まれません。

ただし、そこから先——どの法令がかかるのか——は、その車両の状態や取扱いによります。自動車リサイクル法か、廃棄物処理法か、あるいは別の枠組みか。この条例の対象外だから何もかからない、ということにはなりません。別に確かめてください。

ただしタイヤは限定なしです。エは「自動車のタイヤ」で、農業機械に限られていません。

兵庫県の「特定物」が使用済自動車全般を取り込んでいるのと、ちょうど逆になっています。

そして廃棄物は除かれます。廃棄物なら廃棄物処理法、廃棄物でないものをこの条例が拾う、という切り分けです。未使用の新品も「一度使用されたもの」に当たらないので対象外です。

保管基準は、屋外保管にだけかかります

基準がかかるのは屋外保管のときだけです
基準がかかるのは屋外保管のときだけです

第8条 使用済物品回収業を営む者は、使用済物品を屋外で保管するときは、次に掲げる基準に従わなければならない。

「屋外で保管するとき」。囲いも、掲示板も、積み上げ高さも、汚水対策も、すべてこの一言にぶら下がっています。

手引きは、その理由をこう説明しています。

この基準が適用されるのは、使用済物品を屋外で保管する場合です。この条例は使用済物品の放置による生活環境の悪化防止を目的としたものであり、屋内保管の場合、不法投棄、汚水の流出、悪臭の発生等いずれもそのような懸念がないと考えられることから、これを除外しているものです

ここで、よくある誤解を1つ潰しておきます。屋根を掛けただけでは「屋内」になりません。柱と屋根だけのキャノピー構造は屋外の扱いで、囲いも掲示板も必要になります。

囲いは地盤面から1メートル80センチメートル以上

囲いは地盤面より1m80cm以上
囲いは地盤面より1m80cm以上

条例本体は、たった一行です。

(1) 次に掲げる要件を満たす場所で保管すること。
ア 周囲に囲いが設けられていること。

数値はここにありません。規則が受けます。

(1) 周囲の囲いは、次の要件を満たすもの又はそれと同等以上と認められるものであること。
ア 地盤面より1メートル80センチメートル以上の高さがあること。
イ 素材が鋼製ネットフェンス、波形亜鉛引鉄板又はこれらに類するものであること。ただし、粉じんが飛散するおそれがある場合は、波形亜鉛引鉄板であること。
ウ いずれかの一面に内部が目視できる窓を設けること。
エ 支柱が耐久性のある材質であること。
オ 出入口が施錠されていること。
カ 使用済物品の荷重が直接かかる構造である場合にあっては、当該荷重に対して構造耐力上安全であること。

施行規則第5条第3項第1号。鳥取県は、兵庫県よりさらに踏み込み、高さ・材質・窓・支柱・施錠まで具体的に定めています。兵庫県の規則は、囲いについて「保管をする土地の周囲に設けること」と、荷重が直接かかる場合の構造耐力の2点だけです。

ただし、今回比べている県のなかで鳥取県だけ、ということではありません。群馬県も、県が定めた基準の側に高さと材質を書いています。

イ 高さが二メートル以上あり、材質が波型の亜鉛メッキ鋼板又はこれと同等以上の耐久性を有するものであること。
ロ 出入口の門扉部分にあっては、高さが二メートル以上あり、かつ、施錠できるものであること。

「群馬県再生資源物屋外保管事業場の構造及び維持管理等に関する基準」第4条第1号です。高さは鳥取県の1メートル80センチメートルより高く、材質は「基本となる材質を波型の亜鉛メッキ鋼板とし、同等以上の耐久性を持つものも認める」という書き方です。

読むときの注意を3つ。

  • 高さは「地盤面より」です。基礎の天端からではありません
  • 柱書に「又はそれと同等以上と認められるもの」があります。この3素材以外が一律に不可、というわけではありません
  • 材質の要件は二段構えです。通常でも鋼製ネットフェンス、波形亜鉛引鉄板又はこれらに類するものでなければならず、波形亜鉛引鉄板に限定されるのは、粉じんが飛散するおそれがある場合です

そしてウ——一面に、内部が目視できる窓。

一面に、内部が目視できる窓を設けます
一面に、内部が目視できる窓を設けます

これは「中を見せろ」という要件です。放置を防ぐという目的から、閉じきった壁で中を隠させない、という考え方が読み取れます。ヤードの囲いを「外から見えなくするもの」と考えていると、鳥取県では逆を求められることになります。

中を見せるという発想そのものは、鳥取県だけのものではありません。茨城県と福島県には「可視化部分」があり、群馬県の条例第10条第7号には「営業時間内は、外部から屋外保管等の状況が確認できること」があります。ただし「いずれかの一面に内部が目視できる窓を設ける」という書き方は、鳥取県の規則に固有です。

なお、「敷地境界から何メートル離す」「保管区画ごとに囲う」といった規定は、鳥取県の条例にも規則にもありません。

荷重が直接かかるなら、構造耐力上安全であること

荷重が直接かかる構造なら構造耐力上安全に
荷重が直接かかる構造なら構造耐力上安全に

カを、もう一度単独で読みます。

カ 使用済物品の荷重が直接かかる構造である場合にあっては、当該荷重に対して構造耐力上安全であること。

「直接かかる構造である場合」です。「かかるおそれがある場合」ではありません。

同じ規則の中で、条文は書き分けています。粉じんは「飛散するおそれがある場合」、汚水は「汚水が生じるおそれがある使用済物品を保管する場合」。荷重だけが、実際に直接かかる構造である場合に限られています。

そして、この一文は兵庫県の規則第9条第1号とほぼ同じ文です。

保管をする土地の周囲に囲い(保管をする特定物の荷重が直接当該囲いにかかる構造である場合にあっては、当該荷重に対して構造耐力上安全であるものに限る。)を設けること。

兵庫県は2003年、鳥取県は2016年。その後、近年制度化された県条例にも、同様の考え方が広がっています。「囲いを設けよ。荷重が直接かかるなら、その荷重に耐えられる囲いにせよ」という考え方は、ヤード規制が広がるより、ずっと前からありました。

積み上げ高さは、県が数字を持っていません

積み上げ高さは県が数字を持っていません
積み上げ高さは県が数字を持っていません

条例は、こう書くだけです。

エ 規則で定める高さを超えて使用済物品を積み上げないものであること。

では規則はどうか。自前の数字を持っていません。

2 条例第8条第1項第2号エの規則で定める高さは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和46年厚生省令第35号)第1条の6第1号又は第2号に規定する高さとする。

廃棄物処理法の施行規則を引くだけです。条例が規則に委ね、規則が国の省令に委ねる二段構えになっています。ですから「鳥取県条例が高さを定めている」と一足飛びに書くと不正確です。

そして引いているのは第1号と第2号だけです。廃棄物処理法施行規則第1条の6には第3号・第4号として使用済自動車の特則がありますが、鳥取県はそこを引いていません。

中身は、県と鳥取市の手引きが解説しています。荷重がかからない場合。

ア 外周仕切に保管する使用済物品の荷重が直接かかる構造である部分(以下「直接負荷部分」という。)がない場合 当該保管の場所の任意の点ごとに、地盤面から、当該点を通る鉛直線と当該保管の場所の外周仕切の下端(当該下端が地盤面に接していない場合にあっては、当該下端を鉛直方向に延長した面と地盤面との交線)を通り水平面に対し上方に50%の勾配を有する面との交点

荷重がかかる場合。

直接負荷部分の上端から下方に垂直距離50㎝の線(直接負荷部分に係る囲いの高さが50㎝に満たない場合にあっては、その下端)(以下「基準線」という。)から当該保管の場所の側に水平距離2m以内の部分については、当該2m以内の部分の任意の点ごとに、次の(a)に規定する高さ

b 基準線から当該保管の場所の側に水平距離2mを超える部分については、当該2mを超える部分内の任意の点ごとに、次の(a)に規定する高さ

50パーセントの勾配、上端から下方50センチメートルの基準線、水平距離2メートル。——福島県や山梨県で見た形と、同じ骨格です。国の省令が親だからです。

ただしここには「5メートル」という絶対上限がありません。近年の県条例には、5メートルを上限とする規定を置く例があります。鳥取県には、そのような一律の5メートル上限はありません。

また、この勾配の説明は手引きの解説欄にあるもので、鳥取県の規則本文には書かれていません。出典を書くなら「手引きの解説」か「廃棄物処理法施行規則第1条の6」です。

なお、保管量や保管期間そのものに、県の数値規制はありません。最大保管容量は事業者が自分で算定して届け出る数値です。ただし条例第8条第3項に「使用済物品が廃棄物となったときは、遅滞なく、これを処分しなければならない。」があり、置き続けることは別途規制されます。

掲示板は縦横60センチメートル以上、背景は白

掲示板は縦横60cm以上、背景は白
掲示板は縦横60cm以上、背景は白

イ 規則で定めるところにより、見やすい箇所に使用済物品の保管場所である旨その他使用済物品の保管に関し必要な事項を表示した掲示板が設けられていること。

仕様は様式第3号の注にあります。

注1 背景は、白とすること。
2 掲示板の大きさは、縦横それぞれ60センチメートル以上とし、材質は、プラスチック、金属等その他の腐食しないものとすること。
3 表示に用いる文字は、日本産業規格Z8305に規定する90ポイント以上の大きさとすること。

文字の大きさまで決まっています。ここまで書いている県は多くありません。書く中身は、届出者の氏名又は名称、保管する使用済物品の品目及び最大保管容量、保管場所の責任者の氏名及び電話番号、届出年月日です。

手引きには、実務で効く注記があります。

※品目については、住民がみて分かるよう、条例の該当条項ではなく、具体的な物品名を記載してください。

届出書には条項番号で書けても、掲示板には具体名で書く。ここも「放置防止」という目的から来ています。

火災・騒音・振動の基準はありません

無い基準と、2項目だけの記録
無い基準と、2項目だけの記録

保管基準を全部並べると、こうです。

(2) 保管の方法が、次に掲げる要件を満たすこと。
ア 使用済物品が飛散し、又は流出しないものであること。
イ 使用済物品から汚水又は廃液が漏れ出し、及び地下に浸透しないものであること。
ウ 使用済物品から悪臭が発散しないものであること。
エ 規則で定める高さを超えて使用済物品を積み上げないものであること。
(3) 保管の場所には、ねずみが生息し、及び蚊、はえその他の害虫が発生しないようにすること。
(4) 前3号に掲げるもののほか、使用済物品の適正な保管を図るための基準として規則で定めるもの

囲い・掲示板、飛散・流出、汚水・廃液、悪臭、積み上げ高さ、ねずみ・害虫。火災、騒音、振動は、ここに入っていません。

手引きの全文を見ても、「騒音」「振動」「消防」「離隔」「防火」の語は一度も出てきません。「火災」の語は、制定の経緯として「他県でみられる保管場所での火災等、生活環境悪化の未然防止を図ろうとするものです。」と背景に出てくるだけです。背景の記述を基準と取り違えないでください。

近年の県条例には、保管の単位を200平方メートル以下とし、相互に2メートル以上離すという火災防止の基準を置く例があります(茨城県などです)。鳥取県には、それがありません。

汚水は「おそれ」で発動します。

(2) 汚水が生じるおそれがある使用済物品を保管する場合にあっては、排水溝その他の設備を設けるとともに、底面を不浸透性の材料で覆うこと。

裏返せば、汚水のおそれがない物だけを扱うなら、床面の不浸透化は条文上求められません。

記録は2項目だけ。本人確認はありません

第9条 使用済物品回収業を営む者は、使用済物品を受け取り、又は引き渡したときは、規則で定めるところにより、次に掲げる事項に関する記録を作成しなければならない。
(1) 取引の年月日
(2) 使用済物品の品目及び数量
2 使用済物品回収業を営む者は、規則で定めるところにより、前項の記録をその作成の日から3年間、保存しておかなければならない。

2項目だけです。取引の年月日と、品目及び数量。相手方を書く欄がありません。

鳥取県のこの条例に、本人確認の義務はありません。古物営業法の本人確認と混同しないでください。滋賀県の金属屑回収業条例には本人確認がありますが、あれは防犯目的の別制度です。

保存は作成の日から3年。兵庫県が「1事業年度ごとに閉鎖し、翌事業年度の初日から5年」なのに対し、年数も起算点も違います。

なお、条文用語は「記録」です。「帳簿」という語は条例・規則・手引きのどこにも使われていません。

囲いの図面には「囲いの強度」が要ります

届出の添付書類に、図面が4種類あります。

(2) 使用済物品の保管場所の付近の見取図
(3) 使用済物品の保管場所の敷地図
(4) 使用済物品の保管場所の囲い及び汚水対策設備の位置及び構造を示した図面
(5) 使用済物品の保管方法を明らかにした図面

第4号の図面に何を描くのか。手引きが具体的に書いています。

囲いについては、地盤面からの高さ、基礎部分の構造、支柱を含めた使用材料の規格、窓の配置、囲いの強度(囲いに使用済物品の荷重が直接かかる場合のみ)が分かるものとします。

条件が付いているのは「囲いの強度」だけです。地盤面からの高さ、基礎部分の構造、支柱を含めた使用材料の規格、窓の配置は、荷重の有無にかかわらず求められます。

「囲いの強度」の記載が求められるのは、使用済物品の荷重が囲いに直接かかる場合です。ここも「おそれ」ではなく、実際にかかる場合という限定です。

ひとつ、はっきりさせておきます。「構造計算書」「設計計算書」という語は、鳥取県の手引きに一度も出てきません。求められているのは、規則第5条第3項第1号カの「構造耐力上安全であること」という実体基準と、手引きの「囲いの強度が分かるもの」という図面の記載レベルまでです。「鳥取県は荷重がかかる囲いに構造計算書を要求している」と断定して書くと、条文にないことを書くことになります。

紛らわしい書類がひとつあるので、注意しておきます。添付書類の第7号に「使用済物品回収業の開始後3年間の予想損益計算書」があります。「計算書」とありますが、構造計算書ではありません。事業が続くかどうかを見るための経理書類です。

届出は開始の10日前まで

第3条 条例第7条第1項の規定による届出は、使用済物品回収業を開始しようとする日の10日前までに、次に掲げる書類を添付した様式第1号による届出書2部を提出してしなければならない。

10日前です。10営業日前ではありません。そして期限は条例ではなく規則にあります。条例本文は「あらかじめ」としか書いていません。

2部出すのは、1部が副本として返ってくるからです。そして返ってきた副本には使い道があります。

使用済物品を運搬するときには、車両に使用済物品の運搬車両であることを表示したり、届出書類の写しを携行する義務などがあります

県のよくある質問から。運搬するときは、車両に表示をして、届出書類の写しを持って走ります。

もうひとつ、実務で効く点。届出の宛先は知事ですが、実際の提出窓口は市または県の各事務所に分かれています。手引きによれば、保管場所が東部と他地域にまたがると、県と鳥取市の両方に届け出ることになります。保管場所を持たず広域で営業する場合は県のみです。この運用は条文には書かれていないので、必ず窓口に確認してください。

既存事業者の猶予も、確認しておきます。

3 この条例の施行の際現に使用済物品回収業を営んでいる者に対する第7条第1項の規定の適用については、同項中「あらかじめ」とあるのは、「平成28年4月30日までに」とする。

2016年4月30日で終わっています。いま無届で営んでいれば、その状態のままです。そして保管基準については、施行前からの施設を除外する経過措置が見当たりません。施行前から使っていた保管場所でも、基準に合わなければ改善命令の対象になり得ます。

罰則は、無届が過料で、命令違反が罰金

無届は過料、命令違反が罰金
無届は過料、命令違反が罰金

ここは、ほかの県と重さの作りが違います。

第17条 第14条の規定による命令に違反した者は、20万円以下の罰金に処する。

刑罰(罰金)がかかるのは、改善命令などに違反した場合だけです。そして無届出・虚偽届出・記録の未作成や未保存・報告検査の拒否は、第19条の5万円以下の過料です。過料は行政上の秩序罰で、前科がつく刑罰ではありません。

近年の6県の多くが、無許可営業そのものに刑罰(拘禁刑や罰金)を置いているのとは、重さが違います。

ただし、第17条は「第14条の規定による命令」であって、第14条第1項に限られません。廃業後の処分義務に関する第14条第2項の命令に背いた場合も、罰金の対象になります。

最後に、二重規制を避ける特例をひとつ。

第15条 有害使用済機器(廃棄物処理法第17条の2第1項に規定する有害使用済機器をいう。以下この条において同じ。)の保管又は処分を業として行う者が行う有害使用済機器の保管については、第7条から第10条まで及び第12条から第14条までの規定は、適用しない。

有害使用済機器の保管又は処分を業として行う者が行う、その有害使用済機器の保管については、条例の届出・保管基準・記録・報告検査・改善命令が適用されません。条文は「届出をしている者」とは書いていません。「保管又は処分を業として行う者」です。

そして外れるのは「有害使用済機器の保管」だけです。それを運搬する事業は、使用済物品回収業として条例の届出が要ります。

いま、確かめておくこと

いま、確かめておくこと
いま、確かめておくこと
  • やっているのが使用済物品の収集又は運搬を行う事業に当たるか。保管場所がなくても、業として行うなら届出が要ります
  • 扱っているものが8類型に当たるか。普通乗用車の廃車体は入りません。車両で入るのは農業機械に該当する自動車・原付・二輪の小型自動車と軽自動車ただしタイヤは限定なし
  • 廃棄物に該当しないか(該当するなら廃棄物処理法の世界)
  • 使用済物品回収業の定義上の除外に当たるか。「そのまま又は修理を行って本来の用途に供する者へ販売する目的」の収集貨物自動車運送事業の2つだけです
  • 屋外で保管しているか。屋根を掛けただけのキャノピーは屋外です
  • 屋外なら、周囲の囲いが地盤面より1メートル80センチメートル以上あるか
  • 素材が鋼製ネットフェンス・波形亜鉛引鉄板又はこれらに類するものか。粉じんが飛散するおそれがあるなら、波形亜鉛引鉄板
  • いずれかの一面に、内部が目視できる窓があるか。支柱は耐久性のある材質か。出入口は施錠されているか
  • 囲いに荷重が直接かかる構造になっていないか。なっているなら構造耐力上安全だと言えるか。届出の図面に「囲いの強度」が要ります
  • 掲示板は縦横それぞれ60センチメートル以上、背景は白、腐食しない材質、文字はJIS Z8305の90ポイント以上か。品目は具体的な物品名で書いているか
  • 汚水が生じるおそれがある物なら、排水溝その他の設備底面の不浸透性材料があるか
  • 取引のたびに年月日・品目・数量を記録し、作成の日から3年保存しているか
  • 届出は開始しようとする日の10日前まで2部収集運搬時には届出書の写しを携行しているか
  • 保管場所が東部と他地域にまたがるなら、県と鳥取市の両方に届出が要るか、窓口に確かめたか

手続きや解釈の判断は、鳥取県循環型社会推進課、または保管場所を管轄する市・県の各事務所にご確認ください。


出典

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