福島県のヤード条例 既存事業者の届出期限は終了しました 荷重を受ける囲いでは、2mを超えると保管高さが上がります

福島県のヤード条例 届出期限は2025年12月31日で終わりました

福島県のヤード条例は、2025年(令和7年)1月1日から施行されています。そして既存事業者の届出期限は、2025年12月31日で終わりました。

これから福島県で、敷地面積が100㎡を超える屋外保管事業場を設置する場合は、原則として設置許可が必要です。隣接する事業場を共に屋外保管に使う場合は、敷地面積を合計して判定します。その前に住民への周知が要り、許可そのものにも標準で60日かかり、許可が下りてもまだ使えません。

もうひとつ、この条例には今回比べている群馬県・千葉県・埼玉県・茨城県とは異なる高さの決まりがあります。構造耐力上安全な囲いに、保管物の荷重が直接かかる部分がある場合は、囲いから水平距離2メートルを超えたところから、積める高さの上限が50パーセント勾配で上がっていきます。

この記事は、条例・施行規則の条文と、県の手引き(令和7年10月版)・パンフレットの記載を、順にたどります。

届出の期限は、もう終わっています
届出の期限は、もう終わっています

いつから、何が変わったのか

条例の名前は「福島県特定再生資源物の屋外保管の適正化に関する条例」(令和6年福島県条例第76号)。施行規則は令和6年福島県規則第77号で、令和6年12月20日に制定されています。

附則(施行期日)1 この条例は、令和七年一月一日から施行する。

目的は第1条です。

この条例は、特定再生資源物の屋外における適正な保管及び保管に伴う作業について、屋外保管事業場設置者及び県の責務を明らかにするとともに、必要な規制を定めることにより、屋外に保管された特定再生資源物の崩落、火災その他の事故を防止し、併せて当該保管に伴う騒音等の発生の防止等を図り、もって県民生活の安全の確保及び生活環境の保全に資することを目的とする。

崩落と火災、そして騒音。囲いの基準も積み上げ高さの上限も、この3つに紐づいています。廃棄物の適正処理を目的とする条例ではありません。

既存事業者の届出期限は、もう終わっています

届出期限は2025年12月31日で終わりました
届出期限は2025年12月31日で終わりました

経過措置は附則の第2項から第4項です。

(経過措置)2 この条例の施行の際現に屋外保管事業場を設置している者については、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)から起算して一年を経過する日までの間に限り、第七条及び第八条第三項の規定にかかわらず、引き続き当該屋外保管事業場において特定再生資源物の保管を行うことができる。

施行日が2025年1月1日ですから、1年を経過する日は2025年12月31日です。この期間は、すでに終了しています。

ここを読み違えないでください。1年の猶予がかかったのは、第7条(設置許可)と第8条第3項(使用前検査)だけです。条文に「第七条及び第八条第三項の規定にかかわらず」と書いてあるとおりです。

第6条の保管基準には、猶予の規定がありません。囲い、掲示板、荷重がかかる場合の構造耐力、積み上げ高さ、汚水・油分、火災、騒音・振動——これらは既存事業者にも2025年1月1日から、そのままかかっています。

群馬県のような「維持管理は6か月、構造は1年」という基準ごとの二段の猶予は、福島県にはありません。あったのは、許可と検査についての1年だけです。

そして第4項に、実務で効く一文があります。

4 前項の規定により許可を受けたものとみなされた者については、第八条第三項の規定は、適用しない。

期限内に届け出てみなし許可を受けた既存事業者には、あとで出てくる「検査に合格するまで使えない」がかかりません。これから新しく設置する事業者との、いちばん大きな違いです。

では、届出をしそびれた場合はどうなるのか。県の手続きのページに、はっきり書かれています。

令和7年1月1日より前から屋外保管事業場を設置している事業者に対する経過措置は令和7年12月31日をもって終了しました。届出によるみなし許可を受けていない場合、令和8年1月1日以降は無許可となり、屋外保管事業場の設置はできません。無許可状態のまま、特定再生資源物の屋外保管を続けた場合、本条例により、2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科せられる場合があります。特定再生資源物の屋外保管を続けるためには、新たに屋外保管事業場の設置許可を取得する必要がありますので、各地方振興局までお問い合わせください。

条例上の許可対象でありながら、期限内の届出によるみなし許可を受けていない既存事業場は、2026年1月1日以降、無許可の状態です。続けるなら、新たに設置許可を取得することになります。この記事の後半にある手続き——周知、申請、標準処理期間60日、検査——が、そのまま当てはまります。なお、敷地面積が100㎡を超えない場合や、条例第25条の適用除外に当たる場合は別です。

うちは対象になるのか

うちは対象になるのか
うちは対象になるのか

まず、扱っている物。第2条第1号です。

一 特定再生資源物 使用を終了し、収集された物のうち、次に掲げるものをいう。ただし、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(略)第二条第一項の廃棄物(略)及び法第十七条の二第一項の有害使用済機器を除く。
ア 金属(分解、破砕、圧縮その他の処理がされたものを含む。以下同じ。)又は金属を含む混合物
イ プラスチック(分解、破砕、圧縮その他の処理がされたものを含む。以下同じ。)又はプラスチックを含む混合物

金属とプラスチックの2系統だけです。茨城県のように木材・ゴム・ガラス・コンクリート・陶磁器まで並べてはいません。そして「タイヤ」という言葉は、条例にも規則にも手引きにもパンフレットにも、一度も出てきません。山梨県のようにタイヤを正面から対象にしている県とは、そこが違います。ただし、資料に語がないことと、対象外であることは同じではありません。金属又はプラスチックを含む混合物に当たるかどうかは、個別に確認してください。

県の手引きは、混合物の中身をこう説明しています。

ここで言う金属混合物又はプラスチック混合物は、金属、プラスチック等を素材とする業務用機器類や使用済電気電子機器等、様々な素材が混ざっているものなどを指します。

次に、対象になる業。手引きの整理です。

2 対象となる業 継続反復して、特定再生資源物を収集し、その特定再生資源物若しくはその特定再生資源物を処理(分解、破砕、圧縮等)したものを販売する者例:①金属スクラップを収集し、選別・圧縮して転売する。②電気製品や電線を破砕し、プラスチックと金属に分別し販売する。<対象とならない業>原材料を購入し、最終製品を生産するための屋外保管は条例の規制対象とならない。例:鉄スクラップを購入し鋳物製品を生産する。例:廃プラスチックからRPF、フラフ燃料を生産する。

これは手引きに載った県の説明であって、条文ではありません。条例第2条第2号は「業として特定再生資源物の取引を行うため屋外において特定再生資源物を保管すること」と書いているだけです。

もうひとつ、手引きには実務で効く整理があります。

<屋外保管に該当しない例>屋根があり四方が壁や扉等で囲まれ、保管物が飛散・流出しないよう密閉されている状態は屋外保管に該当しません。(屋内保管)三方が壁で囲まれ、一方がシャッター等の扉の場合、操業中は扉が開いていても差し支えありませんが、夜間等操業時間以外は密閉していることで屋内保管とみなします。

100㎡以下でも、条例は関係あります

100㎡以下でも、条例は関係あります
100㎡以下でも、条例は関係あります

面積は第6条第2項です。

2 敷地面積(隣接する二以上の屋外保管事業場を共に屋外保管の用に供する場合には、これらの全ての屋外保管事業場の敷地面積の合計。次条第一項第一号において同じ。)が百平方メートルを超えない屋外保管事業場については、前項第一号の規定は、適用しない。

隣接する事業場は合計で見ます。そしてこの合算ルールは、かっこ書きにより第7条第1項第1号(許可の要否)にも及びます。100㎡以下の区画に分けても逃げられません。

ここを取り違えないでください。適用されなくなるのは第6条第1項第1号だけです。第1号は囲いと掲示板です。

  • 第2号——飛散・流出・地下浸透・悪臭の防止(囲いの構造耐力、積み上げ高さ、底面の不浸透性、油水分離装置と排水溝)
  • 第3号——騒音又は振動による支障の防止
  • 第4号——火災の発生又は延焼の防止
  • 第5号——ねずみが生息せず、蚊・はえその他の害虫が発生しないようにすること

100㎡以下でも、第2号以下の基準は適用されます。外れるのは囲いと掲示板だけです。

囲いの構造耐力について、1つ補っておきます。100㎡以下では、そもそも囲いを設ける義務がありません。ですから「100㎡以下でも構造耐力上安全な囲いを新しく建てなければならない」ということではありません。ただし、任意に囲いを設けて、そこに保管物の荷重が直接かかる、またはかかるおそれのある構造にするなら、その囲いは構造耐力上安全でなければなりません。第2号アは、囲いの有無ではなく「荷重が直接かかり、又はかかるおそれがある構造である場合」にかかる条文だからです。

ただし、底面を不浸透性の材料で覆い、油水分離装置と排水溝を設ける必要があるのは、汚水又は油分が屋外保管事業場外に流出するおそれがある場合です。無条件の義務ではありません。

許可のほうは第7条第1項です。

屋外保管事業場を設置しようとする者は、当該屋外保管事業場ごとに、知事の許可を受けなければならない。ただし、当該屋外保管事業場が次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 敷地面積が百平方メートルを超えない場合
二 非常災害のために必要な応急措置として設置する場合

第7条第1項ただし書による許可不要の事由は、この2つです。ただし、これとは別に、条例第25条の適用除外があります。国又は地方公共団体が行う場合、規則で定める者が行う場合、港湾法第2条第5項第8号に規定する保管施設で行う場合の3つで、こちらは条例そのものが適用されません。

条例・規則に、囲いの高さの定めはありません

条例・規則に囲いの高さの定めはありません
条例・規則に囲いの高さの定めはありません

ここは、茨城県や群馬県の解説をそのまま読むと間違えます。条例第6条第1項第1号アは、こうです。

ア 屋外保管事業場の周囲に、外部から特定再生資源物の保管の状況が確認できる構造の囲いが設けられていること。

高さも材質も書かれていません。条例にも規則にも、囲いの高さの定めはありません。1.8メートルという数字が出てくるのは、県の手引きです。

イ 囲いの高さは、目安として、地盤面から1.8メートル以上とすること。

「目安として」と書かれています。茨城県の構造基準が「囲いの高さは、地盤面から1.8メートル以上とすること」と言い切っているのとは、性格が違います。群馬県の「2メートル以上・波型の亜鉛メッキ鋼板又はこれと同等以上」のような材質の指定も、福島県にはありません。

見通せる部分についても、県の手引きは、可視化部分を新設する場合の原則として、1か所あたりの寸法を示しています。

カ 可視化部分を新設する場合は、原則として、1つの可視化部分は幅が50センチメートル以上、高さが地盤面から1メートルから1.8メートルの範囲以上の大きさとすること。

茨城県の「道路等に面する側の囲いの総延長の20%程度」という割合は、福島県の資料には見当たりません。逆に、この幅50センチメートルという数字を茨城県に持ち込むこともできません。

荷重をかけるなら、構造耐力上安全であることが要ります

荷重をかけるなら構造耐力上安全であること
荷重をかけるなら構造耐力上安全であること

条例第6条第1項第2号アです。

ア 保管する特定再生資源物の荷重が直接囲いにかかり、又はかかるおそれがある構造である場合にあっては、当該荷重に対して当該囲いが構造耐力上安全であること。

「かかる」だけでなく「かかるおそれがある」も入っています。寄りかからせるつもりがなくても、そういう構造なら対象です。

許可申請の添付書類は、規則第7条第3項第1号です。

一 屋外保管事業場の構造を明らかにする平面図、立面図、断面図、構造図及び設計計算書並びに当該屋外保管事業場の付近の見取図

ただし、県の手引きは、この中の構造図と設計計算書について場面を限っています。

(2)構造図及び設計計算書
油水分離装置、構造耐力上安全な囲いを設置する場合に作成、添付してください。また、屋外保管事業場の面積、各保管場所の面積の計算根拠についても明示してください。なお、既存屋外保管事業場において囲いなどの設計計算書がない場合は添付は必要ありません。

設置許可申請では、平面図・立面図・断面図が必要です。そのうえで、新たに構造耐力上安全な囲いを設置する場合は、構造図と設計計算書を作成・添付します。ただし、県の手引きは、既存の屋外保管事業場で囲いなどの設計計算書がない場合は、添付は必要ないとしています。

当社の擁壁型の囲い「ヤードン」は、逆T型で自立し、製品部分の設計計算書をお出しできます。適用の条件を確認できた案件に限られますし、申請の書類としてどこまでが必要になるかは、事業場の条件と県の確認内容によって変わります。詳しくはヤードンのページをご覧ください。

囲いから2メートルを超えると、天井が上がります

天井は2段になります
天井は2段になります

ここが、福島県のいちばん特徴的なところです。規則第3条は、2つの場合に分けています。

まず、囲いに荷重がかからない場合。第1号です。

一 保管の場所の囲いに保管する特定再生資源物の荷重が直接かかる構造である部分(以下この条において「直接負荷部分」という。)がない場合 当該保管の場所の任意の点ごとに、地盤面から、当該点を通る鉛直線と当該保管の場所の囲いの下端当該下端が地盤面に接していない場合にあっては、当該下端を鉛直方向に延長した面と地盤面との交線)を通り水平面に対し上方に五十パーセントの勾配を有する面との交点(当該交点が二以上ある場合にあっては、最も地盤面に近いもの)までの高さ(当該特定再生資源物が水平面に対し上方に五十パーセントを超える勾配を有する場合にあっては、当該保管の場所から屋外保管事業場の敷地の境界線への水平距離のうち最小のものの三分の二に相当する高さ)又は五メートルのうちいずれか低いもの

起点は囲いの下端です。上端ではありません。そこから水平2に対し垂直1の勾配で立ち上がる斜面が天井になります。囲いのそばではほとんど積めず、離れるほど高く積めます。

そして、かっこの中に、今回比べている4県には見当たらない算式があります。保管物じたいが50パーセントを超える勾配になる積み方をしたときは、勾配の計算に代えて「敷地の境界線までの最小の水平距離の3分の2」で頭を切ります。茨城県の「三方囲いなら2分の1」とは、分母も適用場面も違います。混ぜないでください。

県の手引きは、同じことを事業者の側から言い換えています。

(ア)囲いに特定再生資源物の荷重がかかる部分がない場合、保管の場所から敷地境界までの距離を保管の高さの1.5倍以上の距離をとること又は特定再生資源物を勾配50パーセント(角度約26.6°)以下となる高さとすること。

現場では「保管高さの1.5倍以上、敷地境界から離す」と読み替えるほうが測りやすいはずです。条文の「三分の二に相当する高さ」を距離の側から言い直したもので、この1.5倍という言い方は、今回比較した4県の資料のうち、福島県の手引きにだけ出てきます。

次に、荷重がかかる場合。第2号です。ここが2つに割れます。

二 保管の場所の囲いに直接負荷部分がある場合 次のア及びイに掲げる部分に応じ、当該ア及びイに定める高さ(略)

アとイの中に、さらに(ア)(イ)が入る作りです。読み解いて並べます。まず基準線は、直接負荷部分の上端から下方に垂直距離50センチメートルの線(直接負荷部分に係る囲いの高さが50センチメートルに満たない場合は、その下端)です。そのうえで、こうなります。

  • 囲いから2メートル以内——地盤面から、最も近い基準線を通る水平面との交点までの高さ
  • 2メートルを超える部分——2メートルの線を通り、上方に50パーセントの勾配を有する面との交点までの高さ
  • 囲いに直接負荷部分でない部分がある場合——それぞれ第1号に規定する高さと比べて、低いほう
  • いずれも5メートルのうち、低いほう

以下は、地盤が水平で、囲いの下端が地盤面に接し、囲い全体が直接負荷部分である場合の単純な例です。反対側の囲い、敷地境界、直接負荷部分でない囲いなどから、より低い上限が生じない断面を想定しています。)

読み解くと、こうなります。

囲いが高いほど、差が開きます
囲いが高いほど、差が開きます

  • 囲いの近く(基準線から2メートルまで)——基準線の高さまで。つまり、荷重を受け止められる囲いの上端から50センチメートル下がったところが天井
  • そこから奥(2メートルを超える部分)——2メートルの線から50パーセントの勾配で立ち上がる面まで。つまり奥へ行くほど天井が上がります
  • いずれも5メートルが上限

茨城県では、荷重を受けられる囲いがあっても、天井は基準線の高さで頭打ちです。福島県は、囲いから2メートルを超えたところから上がっていきます。同じ「上端から下方50センチメートル」という数字を使っていても、その先の作りが違います。

ただし、条文のかっこ書きも見てください。囲いに直接負荷部分でない部分がある場合は、直接負荷部分を基準にした高さと、第1号に規定する高さのうち、低いほうが上限になります。囲いの一部に荷重を受けられる部分があれば勾配の制限から外れる、というわけではありません。

「第1号に規定する高さ」には、50パーセント勾配による上限だけでなく、保管物の勾配が50パーセントを超える場合の「敷地の境界線までの最小水平距離の3分の2」も含まれます。勾配だけを見て済ませないでください。

そして、手引きにこの一文があります。

※積み上げを行った際に容易に形状の変わらない容器(コンテナ等)を用いて保管する場合、高さの制限はありません

条例第6条第1項第2号イが「容器を用いずに保管する場合にあっては」と限定しているのを受けた解釈です。積み上げても容易に形状の変わらない容器(コンテナ等)を用いる場合は、手引き上、高さの制限がかかりません。ただし、同じ注記は「屋外保管にあたっては特定再生資源物が崩落や飛散・流出しないよう積上段数に注意してください」と続いています。崩落・飛散・流出を防ぐ措置は別途必要です。また、フレコンバッグがこの容器に当たるかどうかは福島県の資料からは判断できないので、県にご確認ください。

一の保管の単位が金属のみなら、200㎡の上限は外れます

200㎡は金属のみならかかりません
200㎡は金属のみならかかりません

まず条例本文が、特定再生資源物をその他の物と混合するおそれのないように他の物と区分して保管することを求めています。

四 屋外保管事業場における火災の発生又は延焼を防止するため、特定再生資源物がその他の物と混合するおそれのないように他の物と区分して保管することその他規則で定める措置を講ずること。

条例第6条第1項第4号です。200平方メートルや2メートルの前に、まずこれがあります。そのうえで、規則第5条が次の4つの措置を定めています。

一 特定再生資源物に電池、潤滑油その他の火災の発生又は延焼のおそれがあるものが含まれる場合にあっては、技術的に可能な範囲でこれらを適正に回収し、処理すること。
二 特定再生資源物の一の保管の単位(屋外保管事業場内における特定再生資源物ごとの保管の単位をいう。以下同じ。)の面積を二百平方メートル以下とすること。(当該保管に係る特定再生資源物が金属のみである場合を除く。)
三 隣接する特定再生資源物の保管の単位の間隔は、二メートル以上とすること(当該保管の単位の間に不燃性の仕切りが設けられている場合を除く。)。
四 その他必要な措置

第2号のかっこ書きに注目してください。その保管の単位に係る特定再生資源物が鉄スクラップのみであれば、その単位には200平方メートルの上限がかかりません。

判断する単位は、ヤード全体ではありません。「一の保管の単位」ごとです。金属だけを扱うヤード全体について、一律に判断する規定ではありません。また、外れるのはこの200平方メートルの上限だけで、許可の入口である100平方メートルなど、ほかの面積の話まで外れるわけではありません。金属以外を含む保管の単位は、200平方メートル以下にする必要があります。同じヤードの中に、上限がかかる区画とかからない区画が並ぶことになります。

千葉県の「200㎡と2メートルは雑品スクラップ限定」とも、茨城県の「区分によらず全部」とも、規制の切り分けが異なります。

第3号の仕切りは、「不燃性の」と条文に書かれています。茨城県の規則が単に「仕切りが設けられている場合を除く」としているのとは違います。

汚水・油分が流出するおそれがあれば、100㎡以下でも対策が要ります

ウ 特定再生資源物の保管に伴い汚水又は油分が屋外保管事業場外に流出するおそれがある場合にあっては、当該汚水又は油分による公共の水域及び地下水の汚染を防止するため、屋外保管事業場の底面を不浸透性の材料で覆うとともに、油水分離装置及びこれに接続している排水溝その他の設備を設けること。

これは第6条第1項第2号なので、100㎡以下でも外れません。ただし条件は「流出するおそれがある場合」です。無条件の義務ではありませんし、条文の言葉は「舗装」ではなく「底面を不浸透性の材料で覆う」です。県の手引きは、汚水源や油を含む特定再生資源物を保管せず、汚水等が生ずるおそれがない場合はこの限りではない、としています。

許可の前に、住民への周知が要ります

周知は申請をする日までに。300メートル以内
周知は申請をする日までに。300メートル以内

条例第7条第3項です。

3 第一項の許可の申請をしようとする者は、当該許可の申請をする日までに、当該許可に係る屋外保管事業場の周辺地域の住民その他の者に対し、規則で定めるところにより前項第一号から第三号までに規定する事項その他知事が必要と認める事項を周知しなければならない。

「申請をする日までに」です。申請してから周知するのでは間に合いません。相手の範囲は、規則第8条が定めています。

第八条 条例第七条第三項の規定による周知は、次の各号に掲げるいずれか一つ以上の方法により行うものとする。
一 当該屋外保管事業場の敷地境界線からの水平距離が三百メートル以内の区域(以下「特定区域」という。)に所在する住民その他の者を対象とした説明会を開催すること。
二 必要な事項を記載した書面を特定区域に所在する住民その他の者に配布すること。
三 必要な事項を当該屋外保管事業場又はその周辺の適当な場所に掲示するとともに、当該内容をインターネットを利用して特定区域に所在する住民その他の者の閲覧に供すること。

300メートルです。千葉県・埼玉県と同じ距離ですが、福島県はこの区域に「特定区域」という名前を与えています。

方法は3つのうち、いずれか1つ以上です。①説明会、②書面の配布、③現地等への掲示とインターネット公開。③は「掲示か、インターネットか」ではありません。掲示とインターネットの両方で1つの方法です。

許可を受けても、検査に通るまでは使えません

許可に60日。許可のあとに検査
許可に60日。許可のあとに検査

条例第8条第3項です。

3 前条第一項の許可を受けた者(以下「許可屋外保管事業場設置者」という。)は、当該許可に係る屋外保管事業場について、知事の検査を受け、当該許可に係る同条第二項の申請書に記載した同項第四号及び第五号の計画に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。

違反には罰則があります。第30条第1号が「6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」を定めています。

そして許可そのものにも時間がかかります。手引きは、こう書いています。

(7)許可に係る標準処理期間は60日(行政機関の休日を除く。)となります。

行政機関の休日を除いて60日ですから、実日数では約3か月です。そして、これとは別に、申請より前の住民への周知、申請書の補正、そして許可のあとの検査の期間を見込む必要があります。操業開始日から逆算して、余裕をもって動き始めてください。

許可は取りきりではありません。

(許可の更新)第九条 第七条第一項の許可は、当該許可の日から起算して五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

手数料は条例第23条第1項です。

  • 設置の許可の申請 六万円
  • 許可の更新の申請 五万千円
  • 変更の許可の申請 四万六千円
  • 譲受け又は借受けの許可の申請 三万四千円
  • 法人の合併又は分割の認可の申請 三万四千円

事業場ごとです。県内に3か所あれば、新規で18万円になります。

現場責任者を置き、搬入・搬出を記録します

ここまでは施設の話でした。人と帳簿の義務もあります。

第十九条 屋外保管事業場設置者は、屋外保管事業場ごとに現場責任者を置かなければならない。

条例第19条。この条文には面積の限定がありません。第6条第2項が外しているのは第6条第1項第1号だけで、第19条はそこに入っていません。100㎡以下の事業場にも、現場責任者を置く義務があります。

記録のほうは、許可を受けた事業場だけです。

第十条 許可屋外保管事業場設置者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る屋外保管事業場ごとに屋外保管に関する記録を作成し、作成の日から五年間、これを保存しなければならない。

書く中身と締切は規則にあります。

2 前項の記録は、許可を受けた屋外保管事業場ごとに備え、毎月末までに、前月中における同項に規定する事項について、記載を終了していなければならない。

毎月末までに、前の月の分を書き終えておく。あとでまとめて、が通らない書き方です。記録するのは、搬入なら種類・搬入年月日・搬入元ごとの名称・排出現場・搬入量、搬出なら種類・搬出年月日・搬出先ごとの名称・搬出量です。

掲示板の中身も、規則が決めています。

第二条 条例第六条第一項第一号イの規定による掲示板は、縦及び横それぞれ六十センチメートル以上であり、かつ、次の各号に掲げる事項を表示したものでなければならない。
一 許可の年月日及び許可番号
二 保管する特定再生資源物
三 屋外保管事業場の現場責任者の氏名及び連絡先の電話番号
四 容器を用いずに保管する場合にあっては、次条に規定する高さのうち最高のもの

最高の保管高さを、掲示板に書きます。なお掲示板は第6条第1項第1号イですから、100㎡以下では、この義務は外れます。

事故が起きたら、直ちに応急措置。そして速やかに届出

第二十二条 屋外保管事業場設置者は、屋外保管事業場において火災その他の事故が発生したことにより県民生活の安全の確保又は生活環境の保全上の支障が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、直ちに、引き続く当該支障の除去又は発生の防止のための応急の措置を講ずるとともに、速やかに当該事故の状況及び講じた措置の概要を知事に届け出なければならない。

応急措置は「直ちに」、届出は「速やかに」。言葉が分かれています。そして「支障が生ずるおそれがあるとき」で発動します。実害が出てからではありません。この条文にも面積の限定はありません。

人が代わるときの手続きが、4つに分かれています

手数料の表に名前だけ出ていたものの中身です。県の手引きが、事由ごとに書き分けています。

  • 譲受け又は借受け——屋外保管事業場譲受け等許可申請書(要綱様式第6号)を提出し、知事の許可を受けます
  • 法人の合併又は分割(設置者が存続する場合を除く)——合併後・分割後の法人が地位を承継するとき、屋外保管事業場設置者合併等認可申請書(様式第7号)を提出し、知事の認可を受けます。添付に合併契約書又は分割契約書の写し現に行っている事業の概要を説明する書類
  • 相続——相続した相続人が、相続の日から30日以内に知事へ届出(様式第8号)。添付に被相続人との続柄を証する書類

譲受けは「許可」、合併・分割は「認可」、相続は「届出」。言葉が全部違います。そして相続だけ、30日という期限が付いています。

変更は「許可が要るもの」と「30日以内の届出でよいもの」に分かれます

変更許可申請(様式第4号)が要る変更は、手引きによれば——屋外保管事業場の設置の場所屋外保管事業場の面積保管する特定再生資源物並びにその保管量及び保管の高さ屋外保管事業場の設置に関する計画です。

一方、軽微な変更変更があった日から30日以内屋外保管事業場軽微変更等届出書(様式第5号)を出します。氏名又は名称及び申請者の住所(代表者の役職変更等によるものを含む)、崩落・火災その他の事故の防止及び騒音等の発生の防止等のための計画設置の場所(地域の名称の変更又は地番の変更に伴うもの)などです。

保管の高さを変えるのは「許可」です。積み方を変えるだけのつもりでも、そこは届出では済みません。

添付書類に、意外な落とし穴があります

成年被後見人・被保佐人に該当しないことを示す書類が要ります。手引きは登記事項証明書(成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書)を挙げ、これ以外の書類(医師の診断書、認知症に関する試験結果等)を使う場合の要件も示しています。

そして、はっきり書かれています。

 自治体が発行する身分証明書等は次の内容が含まれないため、添付資料として用いることはできません。

市役所で取れる「身分証明書」では通りません。法務局の登記事項証明書です。取り寄せに日数がかかります。

ほかに、新規の場合は地域住民等への周知結果(別紙様式第2号)、誓約書(別紙様式第1号)。そして行政書士が代理人として申請する場合は委任状が要ります。

県は、相談対応が可能な行政書士の一覧も公表しています。自分で書ききれないときの手がかりになります。

届出を出したら終わり、ではありません。県が見に来ます

既存事業者の届出は終わりましたが、そのあとの手順が県の手引きに書かれています。

 届出書受理後、許可番号等を記載したみなし許可に関する通知を送付しますので、通知を受領後、IV屋外保管事業場の保管基準の掲示板を設置してください。
 みなし許可通知後、届出書類の審査及び県の職員による立入検査を行います。
 立入検査等において保管基準違反が確認された場合は、3か月を目途に改善計画書を提出してください。

掲示板は、通知が来てから設置します。許可番号を書くからです。

そして改善に必要な期間の目安まで、手引きが示しています。

  • 新たに囲いを設置する場合——行政書士・コンサルタント等との打合せに半月〜1か月程度、囲いの発注から設置まで1〜2か月程度(期間は見積書記載の納期程度)、改善報告書等の作成に半月程度。合わせて3〜4か月程度
  • 新たにコンクリートを敷設する場合——打合せに半月〜1か月程度、敷設工事とコンクリート硬化時間で2〜3か月程度、報告書作成に半月程度。合わせて4〜5か月程度

コンクリートの硬化時間まで見込まれています。「すぐ直します」では通らない、ということです。

更新についても、手引きが目安を書いています。許可期限の概ね2か月前から更新の許可申請を行うことは可能ですが、許可期限前は受付窓口が混雑することが予想されるので、余裕を持って申請を——とされています。

罰則は3段階です

第二十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

「拘禁刑」です。令和6年福島県条例第82号により、令和7年6月1日から刑名が改められています。県のパンフレットには「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」と古い表記のまま載っていますが、現行の条文は拘禁刑です。

第30条が6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金、そのほかに30万円以下の罰金の段があります。すべての違反が2年以下というわけではありません。

市町村の条例があれば、県条例が外れることがあります

2 知事は、前項の申出があった場合において、当該市町村の条例がこの条例と同等以上の事故の防止及び騒音等の発生の防止等の効果があると認めるときは、この条例の規定の適用を除外する市町村の名称及び当該市町村についてこの条例の規定の適用を除外する日を告示するものとする。

埼玉県のように「さいたま市・越谷市」と決め打ちではありません。市町村長が申し出て、知事が認めて告示すれば、その日から、その市町村では第5条を除く県条例の規定が適用されなくなります。つまり、顔ぶれは将来増えることがあります。

市町村が独自条例を制定しただけでは、県条例は外れません。市町村長の申出を知事が認め、適用除外を知事が告示した日から、その市町村では第5条を除く県条例の規定が適用されなくなります。

告示が出ている市町村があるかどうかは、今回確認した県の資料(条例・規則・手引き・パンフレット・様式要綱)には載っていません。所在する市町村について、県条例の適用除外を定める知事告示が出ているかを、県または市町村にご確認ください。

いま、確かめておくこと

いま、確かめておくこと
いま、確かめておくこと
  • 譲受け・借受けは「許可」、法人の合併・分割は「認可」、相続は相続の日から30日以内の「届出」です(様式第6号・第7号・第8号)
  • 保管の高さや面積、保管する種類を変えるのは「変更許可」。氏名・住所や事故防止の計画などは30日以内の軽微変更届です
  • 成年被後見人・被保佐人に該当しない旨の登記事項証明書が要ります。市区町村が発行する身分証明書では通りません
  • 条例上の許可対象で、届出によるみなし許可を受けていない既存事業場は、2026年1月1日以降は無許可。続けるなら新たに設置許可を取得する
  • 1年の猶予は許可と使用前検査だけ。第6条の保管基準は2025年1月1日からそのままかかっている
  • 屋外保管事業場ごとに現場責任者を置いているか100㎡以下でもかかる・条例第19条)
  • 許可を受けた事業場なら、搬入・搬出の記録毎月末までに前月分まで書き終え作成の日から5年間保存しているか
  • 掲示板(100㎡超)に、許可の年月日と許可番号・保管する特定再生資源物・現場責任者の氏名と電話番号・容器を用いないなら最高の保管高さが書かれているか(縦横それぞれ60cm以上
  • 火災その他の事故で支障が生じ、又は生ずるおそれがあるときは、直ちに応急の措置を講じ、速やかに知事へ届け出る(条例第22条・面積の限定なし)
  • 扱う物は金属/金属を含む混合物、プラスチック/プラスチックを含む混合物か。廃棄物と有害使用済機器は除かれる(タイヤの語は資料に無いが、混合物への該当は個別確認
  • 業として取引を行うための保管か。原材料を購入して最終製品を作る場合は対象外(県の手引き)
  • 敷地面積は100㎡を超えるか。隣接する事業場があれば合計で判定する
  • 100㎡以下なら設置の許可は要らない。ただし条例の適用外ではない。囲いと掲示板以外の基準はかかる(条例第25条の適用除外は別の話)
  • 囲いは外部から保管の状況が確認できる構造か。高さ1.8mは条例ではなく手引きの目安
  • 囲いに荷重が直接かかる、またはかかるおそれがあるか。あるなら構造耐力上安全であることを示せるか(100㎡以下は囲いの設置義務そのものが無い。ただし任意に設けた囲いに荷重をかけるなら、この条文はかかる)。新たに構造耐力上安全な囲いを設置するなら、構造図と設計計算書を作成・添付する(既存事業場で設計計算書がなければ添付不要、と手引き)
  • 積み上げ高さは、荷重がかからないなら囲いの下端から50パーセント勾配(保管物が50パーセントを超える勾配なら境界線までの最小水平距離の3分の2)。荷重がかかるなら基準線、2メートルを超える部分は2メートルの線から50パーセント勾配。いずれも5メートルが上限
  • 直接負荷部分でない部分があるなら、第1号に規定する高さ(50%勾配、または保管物の勾配が50%超なら境界線までの最小水平距離の3分の2)と比べて低いほう
  • 積み上げても容易に形状の変わらない容器(コンテナ等)を用いる保管なら、手引き上、高さの制限がかからない。ただし崩落・飛散・流出の防止は別途
  • 特定再生資源物を、他の物と混合するおそれのないように区分して保管しているか(条例第6条第1項第4号)
  • 保管の単位ごとに200㎡以下か。その単位が金属のみなら、この上限はかからない(ヤード全体で見るのではない)
  • 隣接する単位の間隔は2メートル以上か。仕切りで代えるなら不燃性の仕切り
  • 電池、潤滑油その他の火災のおそれがあるものを、技術的に可能な範囲で回収・処理しているか
  • 汚水・油分が流出するおそれがあるなら底面の不浸透性材料、油水分離装置、排水溝があるか(100㎡以下でもかかる。おそれがなければこの限りではない
  • 新設なら、許可の申請をする日までに、敷地境界線から300メートル以内の特定区域への周知を済ませているか(説明会/書面配布/掲示+ネットの、いずれか1つ以上
  • 新設なら、許可の標準処理期間60日(行政機関の休日を除く)と、申請前の周知、申請書の補正、その後の検査を工程に織り込んでいるか
  • 許可の日から5年ごとの更新を忘れていないか
  • 所在する市町村について、県条例の適用除外を定める知事告示が出ているかを確かめたか(告示があれば第5条を除いて適用されない)

手続きや解釈の判断は、福島県生活環境部産業廃棄物課、または屋外保管事業場の所在地を管轄する地方振興局にご確認ください。


出典

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