隣地境界・杭・既設擁壁が後ろに近い現場に
逆L型擁壁「土のねっこ 逆L」
底版(壁の下の板)を前(低い側)に出す、逆L型擁壁です。ふつうのL型擁壁は底版を土の側(後ろ)へ伸ばすので、すぐ後ろに隣地境界や建物の基礎、杭、既設擁壁があると据えられないことがあります。宅地造成擁壁として利用できます(大分県・大分市にて確認済み)。
図面と構造計算書は当社でご準備できます。全国対応です。大臣認定擁壁も手配できます。

L型との違い
底版を通常方向へ出せない場所に
杭、既存構造、敷地境界との干渉を図面で確認し、逆L型が使えるかを判断します。
底版方向を反転した理由
通常のL型擁壁は、土を支えるために底版を背面側へ伸ばす形状です。そのため、隣地境界、建物基礎、杭、側溝、配管、既設擁壁などが近くにあると、底版が干渉して施工できないことがあります。
土のねっこ逆Lは、そうした「底版を背面側に出しにくい現場」で検討しやすい逆L型擁壁です。背面側の掘削を抑えながら、境界や既設構造物との取り合いを考えた土留め計画ができます。
POINT 01
底版方向を反転
通常のL型と逆方向へ底版を配置し、干渉を避けるための選択肢となります。
POINT 02
高さ500〜3000mm
100mmピッチの製品群から、設計条件に応じて選定します。
POINT 03
現場ごとに設計
地盤、荷重、底版、配筋、製品割りを現場ごとに決めます。
断面図
製品施工断面図

底版は前面(低い側)に出ます。土を留める背面側には、底版が出ません。背面は壁に沿って幅300mmの裏込砕石等を入れ、その下に幅350mm・厚さ50mmの止水コンクリートを打ちます。壁には水抜き穴(φ75/95)があり、縦目地と水抜き穴の背面には吸出し防止材を貼ります。水抜き穴は高さ800mm以上の製品にあります。製品の下は、下から砕石基礎(RC40、厚さ200mm)、均しコンクリート(18N/mm²、厚さ100mm)、敷モルタル(厚さ20mm、セメント1:砂3)です。根入れ(地面の下に埋める深さ)は高さごとに違い、寸法表8のDfの欄にあります。
裏込砕石の代わりに擁壁用透水マットも使えます。その場合は「擁壁用透水マット技術マニュアル(全国宅地擁壁技術協会)」に従って施工してください。使いたいときはご相談ください。
図はタップすると大きくなります。
底版が既存物と干渉しないか、図面で確認します
逆Lは納まりの選択肢ですが、底版方向を変えるだけで成立するとは限りません。形状図と現場図を重ね、地盤、荷重、既存物、施工空間を確認します。
公開している資料・実績
- 底版方向を反転した製品形状
- 高さ500〜3000mmを100mmピッチでご用意
- 現場条件に応じた設計計算を実施
お見積り前に伺うこと
- 地盤、上載荷重、根入れ、安定計算
- 杭、埋設物、境界、施工空間との干渉
主な仕様
主な仕様
| 構造 | 逆L型プレキャストコンクリート擁壁 |
|---|---|
| 高さ | 500〜3,000mm・100mmピッチ |
| 厚さ | 150mm(高さ500〜2,300mm)、200mm(高さ2,400〜3,000mm) |
| 製品長 | 直線2,000mm。端部R(つなぎ目で擁壁の向きを曲げられるよう、端を丸くした製品。片端だけが片R、両端が両R)は、厚さ150mmで片R 2,075mm・両R 2,150mm、厚さ200mmで片R 2,100mm・両R 2,200mm |
| 根入れ | 400〜1,000mm |
| 主な用途 | 杭・既存物・境界で底版方向に制約がある場所 |
| 設計 | 地盤、荷重、底版、配筋、製品割りを個別確認 |
| 注意 | 納まりだけでなく構造条件の確認が必要 |
寸法表は、下の設計条件で計算した値です。高さと土の状態が分かれば、合う製品は当社でお選びします。現場の土質や荷重がこの条件と違うときは、その現場の条件で計算します。
<設計条件>
- 周辺土・埋戻し土の土質:砂質土相当
- 埋め戻し土の内部摩擦角φ:30°
- 埋め戻し土の単位体積重量γ(kN/㎥):17
- 基礎の摩擦係数:0.577
- 水平震度:大地震時 kh=0.23/中地震時 kh=0.18(大分市などの地域係数0.9で計算した例。地域で変わります)
- 上載荷重:10kN/㎡
- 常時及び地震時、前面受働土圧を考慮
- 建築基準法及び関連法令、宅地造成等規制法に準拠
- 宅地防災マニュアル準拠

寸法表
寸法表8(逆L型・砂質土相当)

表の記号は、H=高さ、t=縦壁厚、tf=底版厚、c=ハンチ(壁と底版の角を斜めに厚くした部分)、L=製品長、B=底版幅、W=重量、Df=根入れ、dh=水抜き穴高さ、h=最大地上高です。H・t・tf・c・L・B・dhがどこの寸法かは、下の形状図で分かります。必要地耐力は、製品の下の地盤に要る強さ(kN/㎡)です。根入れの欄の下の「φ30」は、土の内部摩擦角30°で計算したという印です。
寸法表8の全26行を、下の「寸法表8を文字で見る」に文字の表でも載せています(単位はmm)。底版幅は、標準・片端部R・両端部Rとも同じです。重量は3つで違います。製品長は、厚さ150mmで標準2,000・片端部R 2,075・両端部R 2,150、厚さ200mmで標準2,000・片端部R 2,100・両端部R 2,200です。たとえば見えている段差が1mなら、高さ1,700mm(最大地上高1,000mm)の製品です。上の設計条件のときの値で、条件が違えば計算し直します。
寸法表8を文字で見る(26行)
▶ 表は横に動かして見られます(右に続きます)
| 高さ H | 縦壁厚 t | 底版幅 B | 重量 W(kg) | 根入れ Df | 最大地上高 h | 必要地耐力(kN/㎡) | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 標準 | 片端部R | 両端部R | ||||||
| 500 | 150 | 400 | 594 | 605 | 615 | 400 | 100 | 20 |
| 600 | 150 | 450 | 702 | 715 | 727 | 400 | 200 | 22 |
| 700 | 150 | 500 | 810 | 825 | 840 | 450 | 250 | 25 |
| 800 | 150 | 550 | 918 | 935 | 952 | 450 | 350 | 27 |
| 900 | 150 | 650 | 1,062 | 1,081 | 1,100 | 500 | 400 | 26 |
| 1,000 | 150 | 700 | 1,170 | 1,191 | 1,212 | 500 | 500 | 28 |
| 1,100 | 150 | 750 | 1,278 | 1,301 | 1,325 | 550 | 550 | 31 |
| 1,200 | 150 | 800 | 1,386 | 1,411 | 1,437 | 550 | 650 | 33 |
| 1,300 | 150 | 900 | 1,530 | 1,558 | 1,585 | 600 | 700 | 32 |
| 1,400 | 150 | 950 | 1,638 | 1,668 | 1,697 | 600 | 800 | 34 |
| 1,500 | 150 | 1,000 | 1,746 | 1,778 | 1,810 | 650 | 850 | 37 |
| 1,600 | 150 | 1,100 | 1,890 | 1,924 | 1,958 | 650 | 950 | 36 |
| 1,700 | 150 | 1,150 | 1,998 | 2,034 | 2,070 | 700 | 1,000 | 38 |
| 1,800 | 150 | 1,250 | 2,142 | 2,180 | 2,218 | 700 | 1,100 | 38 |
| 1,900 | 150 | 1,300 | 2,250 | 2,290 | 2,331 | 750 | 1,150 | 40 |
| 2,000 | 150 | 1,400 | 2,394 | 2,436 | 2,479 | 750 | 1,250 | 39 |
| 2,100 | 150 | 1,450 | 2,502 | 2,547 | 2,591 | 800 | 1,300 | 42 |
| 2,200 | 150 | 1,600 | 2,682 | 2,729 | 2,775 | 800 | 1,400 | 39 |
| 2,300 | 150 | 1,600 | 2,754 | 2,803 | 2,852 | 850 | 1,450 | 44 |
| 2,400 | 200 | 1,600 | 3,744 | 3,834 | 3,925 | 850 | 1,550 | 46 |
| 2,500 | 200 | 1,600 | 3,840 | 3,934 | 4,028 | 900 | 1,600 | 51 |
| 2,600 | 200 | 1,800 | 4,128 | 4,226 | 4,324 | 900 | 1,700 | 46 |
| 2,700 | 200 | 1,800 | 4,224 | 4,326 | 4,428 | 950 | 1,750 | 46 |
| 2,800 | 200 | 2,000 | 4,512 | 4,618 | 4,723 | 950 | 1,850 | 46 |
| 2,900 | 200 | 2,050 | 4,656 | 4,765 | 4,875 | 1,000 | 1,900 | 48 |
| 3,000 | 200 | 2,150 | 4,848 | 4,961 | 5,074 | 1,000 | 2,000 | 48 |
最大地上高(h)は、高さ(H)から根入れ(Df)を引いた値です。見えている段差の高さから選ぶときは、この欄を見てください。
設計条件にある「宅地造成等規制法」は、2023年5月26日から「宅地造成及び特定盛土等規制法」に変わっています。今の基準で使えるかは、当社でお調べしてお答えします。
よくある質問
よくいただくご質問
土のねっこ 逆Lとは何ですか?
底版を前(低い側)に出す、工場製の逆L型擁壁です。後ろに隣地境界や杭があって、底版を土の側へ出せない場所に使います。
通常の土のねっこと何が違いますか?
底版の向きが反対です。土のねっこ(L型)は底版を土の側(後ろ)へ、逆Lは前(低い側)へ出します。逆Lの根入れは寸法表8のDfの欄で、400〜1,000mmです。
杭があれば必ず逆Lを使えますか?
杭があれば使える、とは限りません。杭の位置、構造の条件、工事をする空間を図面で確かめてからお答えします。
寸法を変更できますか?
製造と構造の条件を確認し、個別に検討します。
対応地域を教えてください
全国に配送します(沖縄・北海道・離島を除く)。製造の拠点は大分県臼杵市と神奈川県相模原市(準備中)です。大型車が進入できる場所なら現場までお届けし、配送料を含めた見積をお作りします。
隣地境界ぎりぎりでも使えますか?
現場条件によりますが、隣地側へ底版を出せない場合に検討しやすい擁壁です。境界位置、根入れ、排水、地盤条件などを確認したうえでご提案します。
宅地造成に使えますか?
宅地造成擁壁として利用できます(大分県・大分市にて確認済み)。宅地造成用として計算した製品です(寸法表8)。申請に使う図面と構造計算書も、当社でご準備できます。
フェンスを設置できますか?
天端厚150mm・200mmに対応しており、フェンスや転落防止柵の設置も検討できます。フェンスの高さ、風荷重、支柱ピッチなどにより個別検討が必要です。
背面盛土に対応できますか?
背面盛土にも対応可能です。ただし、盛土高さ、土質、上載荷重、排水条件などにより個別検討が必要です。
曲線施工はできますか?
端部R加工により、道路や敷地形状に合わせた曲線部にも対応できます。
短尺加工はできますか?
製品長1000mmまでの短尺加工が可能です。端部、折れ点、門まわり、既設構造物との取り合いに対応しやすくなります
どこで造っていますか?
製造の拠点は、大分県臼杵市と神奈川県相模原市の2か所です(相模原は準備中)。くわしくは製造拠点のページへ。製品は全国に配送します(沖縄・北海道・離島を除く)。

相談と見積
ご相談から納入まで
STEP 01
分かる範囲を伺う
段差の高さと長さ、場所(住所)、希望時期を伺います。図面や現場の写真があれば、一緒にお送りください。
STEP 02
使える製品を選ぶ
現場条件と製品仕様を見比べ、使える製品と注意点をお伝えします。
STEP 03
図面と見積を作る
仕様、数量、配送、現地で必要となる作業範囲を決め、見積をご案内します。
STEP 04
製造して納入する
仕様と納期を確認してから製造し、指定場所へ納入します。

製品の性能は、当社の実験や計算での値です。お客様の現場に合うかは、地盤・基礎・高さと長さを見て、図面と構造計算でお示しします。
土のねっこ 逆Lについて、ご相談ください
当社はコンクリート製品のメーカーです。大分県内と関西圏では、施工業者をご紹介できます。それ以外の地域は、地域の施工業者さんにお願いしていただく形です。図面が無ければ、手書きの絵と写真で大丈夫です。絵に段差の高さと長さを書き込み、住所も添えてください。
図面と構造計算書は当社でご準備できます。全国対応です。大臣認定擁壁も手配できます。
お電話でのご相談(フリーダイヤル・平日9:00〜18:00) 0120-1181-46(イイヘイヨロ)






